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熱力学/熱力学の第2法則
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== 熱力学第二法則 ==
外部からエネルギーを受け取らずに、仕事を外部にし続けることができるような機関は、熱力学第一法則に抵触するから、実現不可能である。しかし、熱を外部から受け取り、これをすべて仕事に変換し、この仕事で摩擦を起こし発生した熱を熱源に返却する。これによって永久に動き続ける機関は、熱力学第一法則に矛盾しない。この永久機関を第二種永久機関と呼ぶ。第二種永久機関は、外部に仕事を取り出すと停止してしまう。しかし、もし第二種永久機関が存在すれば、熱エネルギーは大量に供給可能であるため、熱源を交換し続ける限り、半永久的に仕事をし続けることが可能だろう。このような第二種永久機関の実現は、多くの科学者によって試みられてきたが、すべて失敗した。この経験的事実から、第二種永久機関は実現不可能であるということを熱力学の基本原理として採用する。
'''熱力学第二法則'''(ケルヴィンの原理あるいはオストヴァルトの原理)<ref>オストヴァルトの原理は「第二種永久機関は実現不可能である。」という原理である。ケルヴィンの原理は「一様な温度を持つ一つの熱源から正の熱を取り出し、これをすべて仕事に変換するだけで、他には何の変化も起こさないような過程は、実現不可能である」という原理である。ケルヴィンの原理はトムソンの原理と呼ばれることもある。これは、William Thomson に与えられた称号 Lord Kelvin(ケルヴィン卿)に由来する。</ref>
第二種永久機関、すなわち、一様な温度を持つ一つの熱源から正の熱を取り出し、これをすべて仕事に変換するだけで、他には何の変化も起こさないような過程は、実現不可能である。
単に、外部の熱源から受け取った熱をすべて仕事に変換する過程ならば、容易に実現可能である。例えば理想気体の等温膨張では、気体の内部エネルギーは変化しないから、外部からの熱をすべて仕事に変換する。
ケルヴィンの原理は次のクラウジウスの原理と等価である。
'''クラウジウスの原理'''
低温の熱源から、高温の熱源に正の熱を移し、他に何の変化を起こさないような過程は実現不可能である。
'''証明'''
背理法により証明する。まずは、ケルヴィンの原理が成り立たないならば、クラウジウスの原理が成り立たないことを証明する。ケルヴィンの原理が成り立たないならば、一様な温度を持つ一つの熱源から正の熱を取り出し、これをすべて仕事に変換するだけで、他には何の変化も起こさないような過程が実現可能である。この過程によって、低温の熱源から熱を取り出して仕事に変換できるから、取り出した仕事を用いて摩擦によって高温の熱源に熱を与えることができる。この過程は全体では、低温の熱源から取り出した熱を高温の熱源に移し、それ以外の変化は起こしていないから、クラウジウスの原理の反例になっている。
次に、クラウジウスの原理が成り立たないならば、ケルヴィンの原理が成り立たないことを証明する。まず、温度 <math>t_{\mathrm{H}} </math> の高温の熱源と、温度 <math>t_\mathrm{L} </math> の低温の熱源を使った、次の循環過程(カルノーサイクル)を考える。
# はじめ、シリンダー内の気体の温度は <math>t_ \mathrm{H} </math> である。シリンダーの体積は <math>V_1</math> である。
# シリンダーを高温の熱源 <math>t _\mathrm{H} </math> と接触させて、体積が <math>V_2</math> になるまで等温膨張する。このとき高温の熱源から <math>Q_{\mathrm H}</math> の熱を受け取る。
# シリンダーを熱源から絶縁して、シリンダー内の気体の温度が <math>t_\mathrm{L}</math> になるまで断熱膨張する。シリンダーの体積は <math>V_3</math> になる。
# シリンダーを低温の熱源 <math>t_\mathrm{L} </math> に接触させて、体積が <math>V_4</math> になるまで等温圧縮する。このとき、低温の熱源に <math>Q_\mathrm{L}</math> の熱を放出する。
# シリンダーを熱源から絶縁して、シリンダーの気体の温度が <math>t _\mathrm{H} </math> になるまで断熱圧縮する。シリンダーの体積は <math>V_1</math> になる。
このサイクルでは、サイクルを一周したときに内部エネルギーの変化はないから、 <math> W = Q_\mathrm{H} - Q_\mathrm{L} </math> の仕事を外部にする。
クラウジウスの原理が成り立たないならば、低温の熱源 <math>t_\mathrm{L} </math> から、高温の熱源 <math>t_\mathrm H </math> に正の熱 <math>Q_{\mathrm H}</math> を移し、他に何の変化を起こさないような過程が存在する。この過程によって、移動した熱 <math>Q_{\mathrm H}</math> をカルノーサイクルによって、高温の熱源から吸収し、これを仕事 <math>W</math> に変換し、低温の熱源に <math>Q_\mathrm{L}</math> の熱を放出することができる。全体では、低温の熱源から、<math> Q_\mathrm{H} - Q_\mathrm{L} </math> の熱を吸収し、これをすべて仕事に変換したことになる。これは、ケルヴィンの原理の反例である。
よって、ケルヴィンの原理とクラウジウスの原理が等価であることが証明できた。
'''カルノーの定理'''
<math>t_\mathrm{H},\, t_\mathrm{L}</math> の熱源によって働く、熱機関 <math>A</math> の効率を <math>\eta' </math> 、カルノーサイクルの効率を <math>\eta </math> とすると、<math> \eta' \le \eta</math> である。
さらに、熱機関 <math>A</math> が可逆ならば、<math>\eta ' = \eta</math> である。
'''証明'''
1サイクルの間に熱機関 <math>A</math> が高温の熱源から吸収する熱を <math> Q'_\mathrm{H} </math>、低温の熱源に放出する熱を <math> Q'_\mathrm{L} </math> とする。この熱機関は <math>W' = Q'_\mathrm{H} - Q'_\mathrm{L}</math> の仕事をするから、熱効率は <math>\eta' = \frac{W'}{Q'_\mathrm{H}} = 1 - \frac{Q'_\mathrm{L}}{Q'_\mathrm{H}}</math> である。
同じ熱源 <math>t_\mathrm{H},\, t_\mathrm{L}</math> で働くカルノーサイクルの熱効率は、<math> \eta = \frac{W}{Q_\mathrm{H}} = 1 - \frac{Q_\mathrm{L}}{Q_\mathrm{H}}</math> である。
逆カルノーサイクルは、外部から <math>W</math> の仕事をされて、低温の熱源から <math>Q_{\mathrm{L}}</math> の熱を奪い、高温の熱源に <math>Q_{\mathrm{H}} </math> の熱を与えるものである。逆カルノーサイクルを <math>N</math> 回、<math>A</math> を <math>N'</math> サイクルして、低温の熱源に与える熱 <math>N'Q'_\mathrm{L} - NQ_\mathrm{L} </math> が0になるようにすることができる。この条件は、<math>\frac{Q_\mathrm{L}}{Q'_\mathrm{L}} = \frac{N'}{N}</math> である。熱機関 <math>A</math> と、この逆カルノーサイクルをそれぞれ、<math>N', N </math> サイクルすれば、全体では、低温の熱源が失った熱は0で、高温の熱源が失った熱は、 <math>N' Q'_{\mathrm{H}} - N Q_\mathrm{H} </math> であり、 <math>N' W' - N W</math> の仕事を外部にする。熱力学第一法則より、この2つは等しく、<math>N' Q'_{\mathrm{H}} - N Q_\mathrm{H} = N' W' - N W </math> である。また、<math>N' W' - N W</math> が正であるならば、熱力学第二法則に反するから、<math>N' W' - N W \le 0 </math> である。よって、<math>N' Q'_{\mathrm{H}} - N Q_\mathrm{H} \le 0 </math>、 あるいは、<math>\frac{Q_\mathrm{H}}{Q'_\mathrm{H}} \ge \frac{N'}{N}</math> を得る。
<math>\frac{Q_\mathrm{H}}{Q'_\mathrm{H}} \ge \frac{Q_\mathrm{L}}{Q'_\mathrm{L}}</math>
を変形すると、
<math> \frac{Q'_\mathrm{L}}{Q'_\mathrm{H}} \ge \frac{Q_\mathrm{L}}{Q_\mathrm{H}} </math>
となる。
<math> 1 - \frac{Q'_\mathrm{L}}{Q'_\mathrm{H}} \le 1 - \frac{Q_\mathrm{L}}{Q_\mathrm{H}} </math>
すなわち、<math> \eta' \le \eta</math> である。
次に、熱機関 <math>A</math> が可逆ならば、逆カルノーサイクルの代わりに、逆サイクル <math>-A</math> を、サイクル <math>A</math> の代わりに順カルノーサイクルを使って、上と同じ議論を行うことで、<math>\eta \le \eta' </math> を得る。したがって、 <math>\eta' = \eta.</math>
カルノーの定理より、すべての可逆な熱機関の熱効率は作業物質によらず等しく、非可逆な熱機関の熱効率は可逆な熱機の熱効率を上回らないことが分かる。したがって、可逆な熱機関の熱効率が可能な熱機関の最大効率であり、最大効率は2つの温度のみによって定まる(なぜなら定理の仮定には2つの温度しか与えていないから)。
=== 熱力学温度 ===
すべての、<math>t_\mathrm{H},\, t_\mathrm{L}</math> の熱源で働く可逆な熱機関では、 <math>\frac{Q_\mathrm{L}}{Q_\mathrm{H}}</math> は一定である。これは、温度 <math>t_\mathrm{H},\, t_\mathrm{L}</math> に依存する関数だから、<math>\frac{Q_\mathrm{L}}{Q_\mathrm{H}} = f(t_\mathrm{H},t_\mathrm{L})</math> と置く。このとき、関数 <math>\theta(t)</math> が存在して、 <math>\frac{Q_\mathrm{L}}{Q_\mathrm{H}} = \frac{\theta(t_\mathrm{L})}{\theta(t_\mathrm{H})} </math> と書けることを示そう。<math>t_0</math> を <math>t_\mathrm{H},\, t_\mathrm{L}</math> とは異なる温度とする。
<math>t_\mathrm{H},\, t_0</math> の熱源で働く可逆な熱機関で、<math>Q_0</math> を熱源 <math>t_0</math> に放出する熱、<math>Q_\mathrm{H}</math> を熱源 <math>t_\mathrm{H}</math> から吸収する熱とすると、
<math>\frac{Q_0}{Q_\mathrm{H}} = f(t_0, t_\mathrm{H})</math>
である。
次に、<math>t_\mathrm{L},\, t_0</math> の熱源で働く可逆な熱機関で、<math>Q_0</math> を熱源 <math>t_0</math> に放出する熱、<math>Q_\mathrm{L}</math> を熱源 <math>t_\mathrm{L}</math> から吸収する熱とすると、
<math>\frac{Q_0}{Q_\mathrm{L}} = f(t_0,t_\mathrm{L})</math>
となる。
両辺を割れば、
<math>\frac{Q_\mathrm{L}}{Q_\mathrm{H}} = \frac{f(t_0,t_\mathrm{H})}{f(t_0,t_\mathrm{L})}</math>
となる。ここで、 <math>t_0</math> を固定すれば、<math>K</math> を定数として、<math>\theta(t) = Kf(t_0,t)</math> と書くことができ、
<math>\frac{Q_\mathrm{L}}{Q_\mathrm{H}} = \frac{\theta(t_\mathrm{L})}{\theta(t_\mathrm{H})} </math>
を得る。
関数 <math>\theta</math> には定数 <math>K</math> の不定性がある。これを水の三重点の温度が <math>\theta = 273.16 \, \mathrm{K}</math> に等しいように定義する。 こうして得られた関数 <math>\theta(t)</math> を熱力学温度という。
=== クラウジウスの不等式 ===
<math>n</math> 個の熱源 <math>T_i</math> によって行われるサイクルを考えよう。系が熱源 <math>T_i</math> から受け取る熱を <math>Q_i</math> とする。系が熱源 <math>T_i</math> に熱を放出するとき、 <math>Q_i</math> は負である。このとき、
<math>\sum_{i = 1}^{n} \frac{Q_i}{T_i} \le 0</math>
となる。
'''証明'''
<math>n</math> 個の熱源 <math>T_i</math> の他に、熱源 <math>T_0</math> を導入して、1サイクルの間に系が熱源 <math>T_i</math> から受け取った熱 <math>Q_i</math> と同等の熱を、カルノーサイクルによって熱源 <math>T_0</math> から、熱源 <math>T_i</math> に与えるとする。このカルノーサイクルによって、熱源 <math>T_0</math> から吸収する熱量 <math>Q'_i</math> は、<math>\frac{Q'_i}{Q_i} = \frac{T_0}{T_i}</math> で与えられる。これらのサイクルによる合成サイクルでは、<math>T_i \quad (i = 1,2,\dots,n)</math> が吸収する熱量は0である。<math>T_0</math> が放出する熱 <math>Q_0</math> は、
<math>Q_0 = \sum_{i=1}^{n}Q'_i = T_0\sum_{i=1}^{n}\frac{Q_i}{T_i}</math>
であり、これに等しい量の仕事を系が行う。系が正の仕事をすると系が正の熱 <math>Q_0</math> を受け取り、すべて仕事に変換する子になるから、熱力学第二法則に反する。よって、 <math>Q_0 \le 0</math> である。すなわち、
<math>\sum_{i=1}^{n}\frac{Q_i}{T_i} \le 0</math>
を得る。
また、<math>n</math> 個の熱源 <math>T_i</math> と系によって、行われるサイクルが可逆である場合は、そのサイクルを逆向きにすることができる。このとき、系が熱源 <math>T_i</math> から受け取る熱は <math>-Q_i</math> となる。熱源 <math>T_0</math> と <math>T_i</math> の間のカルノーサイクルも逆カルノーサイクルとして、同じ議論を行うと、
<math>-\sum_{i=1}^{n}\frac{Q_i}{T_i} \le 0</math>
となる。前の結果と合わせて、
<math>\sum_{i=1}^{n}\frac{Q_i}{T_i} = 0</math>
を得る。
== エントロピー ==
温度 <math>T</math> の熱源から、無限小の熱量 <math>dQ</math> を受け取るサイクルについて、クラウジウスの不等式の和を積分に置き換えれば、
<math>\oint \frac{dQ}{T} \le 0</math>
を得る。
また、サイクルが可逆であるときは、
<math>\oint \frac{dQ}{T} = 0</math>
となる。
ここで、状態 <math>\rm A</math> から状態 <math>\rm B</math> に遷移する可逆過程について、
<math>\int_{\rm A}^{\rm B} \frac{dQ}{T} </math>
という量は、それが可逆である限り、過程によらないことを示そう。
状態 <math>\rm A</math> から状態 <math>\rm B</math> に遷移する異なる過程 <math>\rm I, \, \rm{II}</math> を取ると、クラウジウスの式で、積分経路として、<math>\rm I(\rm A \to \rm B) + \rm{II}(\rm B + \rm A) </math> を取ると、
<math>\oint \frac{dQ}{T} = \int_{\rm{I}(A\to B)} \frac{dQ}{T} + \int_{\rm{II}(B\to A)} \frac{dQ}{T} = 0</math>
となる。ここで、
<math>\int_{\rm{II}(B\to A)} \frac{dQ}{T} = -\int_{\rm{II}(A\to B)} \frac{dQ}{T}</math>
であることを使うと、
<math>\int_{\rm{I}(A\to B)} \frac{dQ}{T} = \int_{\rm{II}(A\to B)} \frac{dQ}{T} </math>
を得る。よって、この量は過程に依らないことを証明できた。
ここで、エントロピー <math>S</math> を
<math>S(\mathrm B) - S(\mathrm{A}) = \int_{\mathrm A}^{\mathrm B} \frac{dQ}{T} </math>
によって定義する。ただし、積分経路 <math>\mathrm A \to \mathrm B </math> は可逆過程であるとする。もし、経路 <math>\mathrm{III}(\mathrm A \to \mathrm B) </math> が可逆過程でないとするならば、経路 <math>\mathrm{III}(\mathrm A \to \mathrm B) + \mathrm{I}(\mathrm B \to \mathrm A) </math> について、クラウジウスの不等式より、
<math>\int_{\rm{III}(A\to B)} \frac{dQ}{T} + \int_{\mathrm{I}(\mathrm B\to \mathrm A)} \frac{dQ}{T} \le 0</math>
となる。よって、
<math>\int_{\rm{III}(A\to B)} \frac{dQ}{T} \le \int_{\mathrm{I}(\mathrm A\to \mathrm B)} \frac{dQ}{T}</math>
であるから、
<math>S(\mathrm B) - S(\mathrm{A}) \ge \int_{\mathrm{III}(\mathrm A \to \mathrm B)} \frac{dQ}{T} </math>
を得る。
さらに、これが孤立系である場合、 常に <math>dQ = 0 </math> となるから、
<math>S(\mathrm B) \ge S(\mathrm{A}) </math>
を得る。すなわち、孤立系におけるあらゆる変化はエントロピーが増大する結果になる。もし、過程が可逆ならば、エントロピーは変化しないが、系が外界と熱のやり取りをしない限り、エントロピーが減少することはない。ただし、系が孤立系ではない、すなわち、外部と熱のやり取りをする場合は、系のエントロピーを減少させることは可能である。しかし、この場合でも、外界のエントロピー変化と系のエントロピー変化を足し合わせた合計のエントロピーは増加する。
== 熱力学ポテンシャル ==
=== ヘルムホルツの自由エネルギー ===
熱力学系が温度 <math>T</math> で一定の熱源と接しているとする。このとき、エントロピー変化について、
<math>S(\mathrm B) - S(\mathrm{A}) \ge \frac{1}{T}\int_{\mathrm A \to \mathrm B} dQ = \frac{Q}{T} </math>
となる。ここで、<math>Q = \int_{\mathrm A \to \mathrm B} dQ </math> は系が過程の間に受け取る熱量である。また、<math>\mathrm A, \, \mathrm B</math> では系の温度は <math>T</math> に等しい。
エントロピー変化を<math>\Delta S = S(\mathrm B) - S(\mathrm{A}) </math> と書くと、
<math>Q \le T\Delta S</math>
となる。これは、系が受け取ることのできる熱の最大値を表している。
系がする仕事を <math>W</math> とすると、熱力学第一法則より、
<math>W = Q - \Delta U \le T \Delta S - \Delta U</math>
となる。ここで、ヘルムホルツの自由エネルギーを <math>F = U - TS</math> で定義すると、
<math>W \le - \Delta F</math>
を得る。これは系がなす仕事の最大値である。系の体積が一定である場合は、系が外界と仕事のやり取りをしないから、<math>W = 0</math> である。この系の自由エネルギーの変化は、
<math>0 \le - \Delta F</math>
あるいは、
<math>F(\mathrm B) \le F(\mathrm A)</math>
となる。すなわち、系が温度 <math>T</math> の熱源と接していて、系の体積が一定ならば、系に対するあらゆる過程は、ヘルムホルツの自由エネルギーが減少する結果になる。
=== ギブスの自由エネルギー ===
前と同じように、熱力学系が温度 <math>T</math> で一定の熱源と接しているとする。さらに、外界の圧力が <math>p</math> で一定であるとする。この系が外界にする仕事は、 <math>\Delta V</math> を系の体積変化とすれば、 <math>p \Delta V</math> である。
<math>p \Delta V \le -\Delta F</math>
ギブスの自由エネルギー <math>G</math> を
<math>G = F + pV</math>
で定義すると、
<math>\Delta G = \Delta F + p \Delta V</math>
<math>0 \le -\Delta G </math>
あるいは、
<math>G(\mathrm B) \le G(\mathrm A)</math>
を得る。すなわち、系が等温等圧の過程を受けるならば、ギブスの自由エネルギーが減少する結果になる。
== 熱力学第三法則 ==
'''熱力学第三法則'''
絶対零度において、完全結晶のエントロピーは一定値に近づく。
エントロピーは
<math>S(\mathrm B) - S(\mathrm{A}) = \int_{\mathrm A}^{\mathrm B} \frac{dQ}{T} </math>
によって定義されていた。これはエントロピーの差を与えているが、その絶対的な量は与えないという不定性が残っている。しかし、熱力学第三法則によれば、絶対零度ではエントロピーは一定値に近づくのだから、この状態におけるエントロピーを0とすることで、不定性をなくすことができる。
系の絶対零度における状態を <math>\mathrm O</math> 、状態 <math>\mathrm A</math> のエントロピーを
<math>S(\mathrm A) = \int_{\mathrm O \to \mathrm A} \frac{dQ}{T}</math>
と定義することができる。ただし、積分経路 <math>\mathrm O \to \mathrm A</math> は可逆過程である。
=== 固体の比熱 ===
固体の定積モル比熱を <math>C_V(T)</math> とすれば、温度が <math>dT</math> 変化する間に固体が吸収する熱 <math>dQ</math> は
<math>dQ = C_V(T)dT</math>
である。よってエントロピーは、
<math>S(T) = \int_0^T \frac{C_V(T)}{T} dT</math>
と求められる。ここで、熱力学第三法則より、<math>T \to 0</math> で、 <math>S \to 0</math> となるためには、<math>C_V\to 0 </math> とならなくてはいけない。
固体の比熱はデバイの比熱式によると、
<math>C_V(T) = 3R D\left(\frac{T}{\Theta}\right)</math>
で与えられる。<math>\Theta</math> はデバイ温度で物質に依存する定数である。ここで、
<math>D(\xi) = 3 \xi^3 \int_0^{\frac{1}{\xi}} \frac{x^4 e^x}{(e^x - 1)^2} dx</math>
である。デバイの比熱式が、 <math>C_V \to 0 \, (T\to 0)</math> を満たしていることを確かめてみよう。
<math>D(\xi) = 12 \xi^3 \int_0^{\frac{1}{\xi}} \frac{x^3}{e^x - 1} dx - \frac{\frac{1}{\xi}}{e^{\frac{1}{\xi}} - 1} </math>
となる。第二項は <math>\xi \to 0</math> で 0 である。積分は、
<math>\int_0^{\infty} \frac{x^3}{e^x - 1} dx = 3!\zeta(4) = \frac{\pi^4}{15} </math>
で一定値となるから、<math>D(\xi) \to 0</math> である。
よって、
<math>C_V \to 0 \, (T\to 0)</math>
となることが確かめられた。
== 理想気体 ==
気体の圧力圧力 <math>p</math> 、体積 <math>V</math> 、温度 <math>T</math> の間には <math>f(p,V,T) = 0</math> の関係がある。このような方程式を気体の状態方程式という。
物質量 <math>n</math> の気体は常温常圧付近では、近似的に状態方程式
<math> pV = nRT </math>
に従う。ここで、 <math>R</math> は気体定数でその値は <math>8.31 \, \mathrm{J \, K^{-1} \, mol^{-1}}</math> である。
この状態方程式に厳密に従う気体の模型を理想気体という。
理想気体は高圧になると、実際の気体からのずれが大きくなる。実在気体の振る舞いは、ファンデルワールスの状態方程式
<math>\left(p + a\frac{n^2}{V^2}\right)(V-nb) = nRT</math>
に近似できる。これに厳密に従う気体をファンデルワールス気体という。
=== 偏微分 ===
内部エネルギー <math>U</math> などの熱力学の関数の偏微分は、
<math>\frac{\partial U(p,V,T)}{\partial T} = \lim_{h\to 0} \frac{U(p,V,T+h) -U(p,V,T)}{h}</math>
で定義されるものだが、状態量 <math>p,V,T</math> は状態方程式を満たすから状態量 <math>p,V,T</math> は独立でない。よって、この偏微分は定義できない。状態量のうち、独立な変数は2つだけである。つまり、<math>U</math> の変数は2つだけでいい。2つの独立変数の選び方は任意であるから、例えば、<math>T,V</math> を独立変数に選んで、これを内部エネルギーの変数とすると、
<math>\frac{\partial U(V,T)}{\partial T} = \lim_{h\to 0} \frac{U(V,T+h) -U(V,T)}{h}</math>
というように偏微分を定義することができる。これを、何が内部エネルギーの変数なのか分かるように、括弧でくくって、それを右下に書く。
<math>\left(\frac{\partial U}{\partial T}\right)_V </math>
独立変数の一つは、偏微分する変数なのだから、右下の変数は一つだけでいい。つまり、偏微分の変数と右下に書いた変数を合わせたものが関数の独立なである。
例えば、<math>\left(\frac{\partial U}{\partial T}\right)_p </math> は、これは関数 <math>U(p,T)</math> の偏微分という意味である。一般には <math>\left(\frac{\partial U}{\partial T}\right)_V </math>とは異なる。それぞれの数学的な定義を書いておくと、
<math>\left(\frac{\partial U}{\partial T}\right)_V = \frac{\partial U(T,V)}{\partial T} </math>
<math>\left(\frac{\partial U}{\partial T}\right)_p = \frac{\partial U(p,T)}{\partial T} </math>
となる。
この記法を使うと、内部エネルギーの微分は
<math>dU = \left(\frac{\partial U}{\partial T}\right)_V dT + \left(\frac{\partial U}{\partial V}\right)_T dV </math>
となる。
=== 熱力学的状態方程式 ===
熱力学第一法則
<math>dQ = dU + pdV </math>
に
<math>dU = \left(\frac{\partial U}{\partial T}\right)_V dT + \left(\frac{\partial U}{\partial V}\right)_T dV </math>
を代入すると、
<math>dQ = \left(\frac{\partial U}{\partial T}\right)_V dT + \left[ \left(\frac{\partial U}{\partial V}\right)_T + p \right] dV </math>
を得る。ここで、
<math>dS = \frac{dQ}{T} = \frac 1 T \left(\frac{\partial U}{\partial T}\right)_V dT + \frac 1 T \left[ \left(\frac{\partial U}{\partial V}\right)_T + p \right] dV </math>
である。エントロピーは状態量であるから、
<math>\frac{\partial}{\partial V}\left(\frac 1 T \left(\frac{\partial U}{\partial T}\right)_V \right) = \frac{\partial}{\partial T}\left(\frac 1 T \left[ \left(\frac{\partial U}{\partial V}\right)_T + p \right] \right) </math>
すなわち、
<math>\left(\frac{\partial U}{\partial V}\right)_T = T\left(\frac{\partial p}{\partial T}\right)_V - p </math>
を得る。
=== 理想気体の内部エネルギー ===
理想気体では、 <math>p = \frac{nRT}{V}</math> だから、
<math>\left(\frac{\partial p}{\partial T}\right)_V = \frac{nR}{V} </math>
である。熱力学的状態方程式より、
<math>\left(\frac{\partial U}{\partial V}\right)_T = 0 </math>
を得る。すなわち、理想気体の内部エネルギーは体積に依存せず、温度のみに依存する。
エネルギー等分配則によれば、温度 <math>T</math> の熱平衡状態にある系のエネルギーの期待値は、系の自由度の <math>\frac{1}{2} kT</math> 倍である。ここで、<math>k</math> はボルツマン定数で気体定数と <math>k = \frac{R}{N_A}</math> の関係がある。<math>N</math> 個の単原子分子の理想気体の自由度は、<math>3N</math> であるから、
<math>U = 3N \times \frac 1 2 kT = \frac 3 2 nRT</math>
となる。二原子分子理想気体の場合は、分子の回転の自由度が加わるから、
<math>U = 5N \times \frac 1 2 kT = \frac 5 2 nRT</math>
となる。
=== 比熱 ===
定積モル比熱 <math>C_V</math> は
<math>C_V = \frac 1 n \left(\frac{\partial Q}{\partial T}\right)_V</math>
で定義される。定積過程では、 <math>dV = 0</math> より、
<math>dU = dQ</math>
となるから、
<math>C_V = \frac 1 n \left(\frac{\partial Q}{\partial T}\right)_V = \frac 1 n \left(\frac{\partial U}{\partial T}\right)_V </math>
を得る。<math>C_V</math> が一定ならば、この式を積分することができて、
<math>U = nC_V T</math>
を得る。
定圧モル比熱 <math>C_p</math> は
<math>C_p = \frac 1 n \left(\frac{\partial Q}{\partial T}\right)_p </math>
で定義される。
熱力学第一法則
<math>dU + pdV = dQ</math>
に、 <math>dU = n C_V dT </math> <ref>理想気体の内部エネルギーは温度のみに依存するから、微分の独立変数を記入する必要はない。</ref>を代入すると、
<math>n C_V dT + pdV = dQ </math>
となる。これに理想気体の状態方程式の微分
<math>pdV + Vdp = nRdT</math>
を代入すると、
<math>(n C_V + nR)dT - Vdp = dQ </math>
を得る。定圧過程では <math>dp = 0</math> だから、
<math>C_p = \frac 1 n \left(\frac{\partial Q}{\partial T}\right)_p = C_V + R </math>
を得る。
=== 等温変化 ===
気体のする仕事 <math>dW</math> は、体積の微小変化 <math>dV</math> を用いれば、
<math> dW=pdV </math>
と表せる。
体積をV<sub>1</sub>からV<sub>2</sub>まで変化させた時の仕事は、積分を用いて以下のように書き表せる。
<math> W=\int_{V_1}^{V_2} p dV </math>
状態方程式より、
<math>p=\frac{nRT}{V}</math>
である。これより、仕事は、
<math> W=\int_{V_1}^{V_2} p dV = nRT\int_{V_1}^{V_2}\frac{dV}{V} = nRT\log \frac{V_2}{V_1 }</math>
となる。
等温変化では <math>Q=W = nRT\log \frac{V_2}{V_1}</math> である。
=== 断熱変化 ===
理想気体の断熱変化を考える。熱力学第一法則は
<math>dU + pdV = 0</math>
で
<math>nC_VdT+\frac{nRT}{V}dV = 0</math>
あるいは、
<math>\frac{C_V}{T} dT+\frac{R}{V}dV = 0</math>
となる。この式を積分すると、
<math>C_V \ln T + R \ln V = \mathrm{const.}</math>
すなわち、
<math>T^{\frac{C_V}{R}} V = \mathrm{const.} </math>
を得る。ここで、<math>c = \frac{C_V}{R}</math> と定義すれば、これは比熱比 <math>\gamma = \frac{C_p}{C_V} = \frac{C_V+R}{C_V}</math> と <math>\gamma = 1 + \frac{1}{c}</math> の関係がある。
理想気体の状態方程式より、
<math>T \propto pV</math>
であるから、
<math>T^{c} V \propto p^c V^{1+c} = \mathrm{const.} </math>
あるいは、
<math>p V^{1+\frac 1 c} = pV^\gamma = \mathrm{const.} </math>
を得る。
== 熱伝導 ==
一様な物質中に一定ではない温度分布があるときの、温度分布の時間変化を考察しよう。
<math>E(\boldsymbol x, t)</math> を <math>(\boldsymbol x, t)</math> におけるエネルギー密度とする。<math>T(\boldsymbol x, t) </math> は温度である。<math>C_V</math> を物質の単位体積あたりの熱容量とする。<math>C_V</math> は比熱と密度の積に等しい。 <math>\boldsymbol v (\boldsymbol x, t)</math> を熱の流れのベクトルとする。
このとき、<math>V</math> を物体中のある領域、<math>S</math> をその境界とすれば、
<math>\int_V \frac{\partial E}{\partial t} dV = -\oint_S \boldsymbol v \cdot dS</math>
が成り立つ。
ガウスの定理より、
<math>\oint_S \boldsymbol v \cdot dS = \int_V \nabla \cdot \boldsymbol v \, dV</math>
となるから、
<math>\int_V \frac{\partial E}{\partial t} dV = -\int_V \nabla \cdot \boldsymbol v \, dV</math>
となる。
また、
<math>\int_V \frac{\partial E}{\partial t} dV = \int_V C_V \frac{\partial T}{\partial t} dV </math>
となるから、
<math>C_V \frac{\partial T}{\partial t} + \nabla \cdot \boldsymbol v = 0 </math>
を得る。
次に、フーリエの法則によれば
<math>\boldsymbol v = - \lambda \nabla T</math>
が成り立つ。クラウジウスの原理によれば、低温の部分から、高温の部分に自然に熱が伝わることはないから、<math>\lambda > 0</math> である。<math>\lambda</math> は熱伝導率という。
これを代入すると、熱伝導方程式
<math>C_V \frac{\partial T}{\partial t} - \lambda \triangle T = 0 </math>
を得る。熱拡散係数を <math>\alpha = \sqrt{\frac{\lambda}{C_V}}</math> と定義すれば、熱伝導方程式は、
<math>\frac{\partial T}{\partial t} = \alpha \triangle T </math>
となる。
== 参考文献 ==
*エンリコ・フェルミ著、加藤正昭訳『フェルミ熱力学』三省堂、1973年。
[[Category:熱力学|ねつりきかくのたいにほうそく]]
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日本史/中世/戦国時代
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{{Pathnav|メインページ|人文科学|歴史学|日本史|中世|室町時代|frame=1}}
[[{{PAGENAME}}|戦国時代]]とは{{要出典範囲|応仁の乱後から安土桃山時代に入る前までを指す}}ことが大半だが、江戸時代の始まる{{要出典範囲|1603年までを戦国時代として安土桃山時代の存在を無視する場合もある}}。
== 戦国大名の登場 ==
# 下剋上
#* {{要出典範囲|応仁の乱後、下剋上の風潮が高まっていく}}なかで{{要出典範囲|守護大名に代わり国を治めていた守護代や国人が治めていた国で独立し、天下を統一しようと大名に成長した}}。この大名のことを戦国大名と呼ぶ。
# 戦国大名の出身
## 下剋上によって戦国大名になった例
##* '''上杉謙信'''は越後 (新潟県西部) の守護代から
##* '''毛利元就'''は安芸 (広島県西部) の国人から中国地方を支配する戦国大名にまで成長した
##* '''北条早雲'''は京都から東へ下り堀越公方を滅ぼし関東に勢力をはった。
## 守護大名から実力で戦国大名になった例
##* '''今川義元'''
##* '''武田信玄'''
##* '''島津氏'''
戦国大名が自分の力で作り上げた支配地を'''領国 (分国) '''と呼び、その支配のことを領国支配と呼ぶ。
== 分国支配 ==
# 臣団統制
#* 土一揆をおそれた戦国大名は惣の指導者である地侍を家臣に取り込み惣の団結を潰していった。また新しく家臣となった者を組織・監視する為に、有力家臣にあずける寄親・寄子制を採用した。
# 貫高制
#* 戦国大名は農民自身の申告によって、農民の持つ土地を把握する差出方式を採用していた。また、その土地を永楽通宝で表される貫高制も多くの分国で採用されて、貫高にみあう軍役を課し、戦国大名の軍事力強化・年貢徴収の確保に役立たせていた。
# 産業政策
#* 戦国大名は富国強兵をはかり、積極的に銀山などの鉱山開発を行った。
# 城下町建設
## 概要
##* '''城下町'''を中心に、分国内の手工業者や商人を再構成し、領国を1つのまとまりのある経済圏にしようとした。
## 城下町の主な例
##* 北条氏の'''小田原''' (神奈川県)
##* 大内氏の'''山口'''
##* 今川氏の'''府中''' (静岡県)
# 楽市・楽座の制
#* 城下町では、座の特権や営業税を廃止して誰にでも自由な営業活動を認めた。
== 分国法の制定 ==
# 源流
#* 戦国大名は自己の領国を自力で支配する為に、独自の法をつくった。それを'''分国法 (家法) '''という。それらの法には越前朝倉家の''朝倉敏景十七ヶ条''''や幕府法、国人一揆の取り決め、民間の慣習などが含まれている。
# 特色
#* 年貢未納には厳しい制裁を課し、家臣団にも'''縁座法'''を適用した。なかでも、'''喧嘩両成敗法'''は有名である。これは家臣相互間の物事を自力で解決する中世以来の伝統を否定し、戦国大名の裁定に委ねることにしたものである。
== 都市の発展 ==
# 地方都市の出現
#* 産業・経済の進展は中央の都市だけでなく、地方にも都市を出現させた。
# 門前町と寺内町
#* 有名な寺社の前の市場が拡大して'''門前町'''が生まれた。これに対し、浄土真宗の力が強い地域では、荒野を買い占めて、そこに'''浄土真宗'''の寺院を設け、自由な取引による経済繁栄をはかった。これが'''寺内町'''である。
# 港町と宿場町
#* '''堺''' (大阪府) や'''博多''' (福岡県) では、富裕な商工業者が市井を運営する自治的組織をつくっていた。堺では'''会合衆'''、博多では'''年行司'''と呼んでいる。特に、堺はイタリアのベニスにもたとえられた自治組織として有名である。
# 京都の復興
#* '''町衆'''とよばれる富裕な商工業者が応仁の乱の経済的な打撃から立ちあがり、'''祇園祭'''の再興に力を尽くした。
== 関連項目 ==
{{Wikipedia|戦国時代 (日本) }}
* [[日本史/中世]]
** [[日本史/中世/室町時代]]
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高校化学 非金属元素
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== 水素と貴ガス ==
=== 水素 ===
[[ファイル:周期表-H.png|right]]
[[File:H,1.jpg|150px|right]]
'''水素'''は、単体として宇宙で最も多く存在する元素である。地球上では水 H<sub>2</sub>O として最も多く存在する。単体 H<sub>2</sub> は常温常圧で無色無臭の気体である。
;製法
工業的には、石油や天然ガスを高温水蒸気と反応させて、得られる。他には、純粋な水素を作る場合は、水を電気分解する。
実験室では、塩酸や希硫酸などの強酸に、亜鉛などの金属を加える。水素は水に溶けにくいため、水上置換で捕集する。
;主な性質・反応
* 空気中で容易に燃焼し、水になる。酸素との混合気体は爆発的に燃焼する。
*: <chem>2H2 + O2 -> H2O</chem>
* 高温では還元性をもち、高温で金属などの酸化物を還元する。
*: <chem>CuO + H2 ->[\Delta] Cu + H2O</chem>
* 殆どの元素と化合して水素化合物を作る。
*: <chem>2 F2 + 2 H2O -> 4HF + O2</chem>
※化学反応式の矢印の上にΔをつけると、加熱が必要な反応であることを示す。
水素化合物は、水素結合により化合しているため、極性分子である。また、化合する元素が周期表の右側にいるほど酸性、左側にいるほど塩基性が強くなる。
水素は、アンモニア、塩化水素、メタノールなどの原料である。
水素は燃焼における生成物が水だけなので、環境に負荷をかけにくい新しいエネルギー源として注目されており、燃料電池自動車(FCV)や水素式燃料電池駆動電車(FV)の開発が進められている。
=== 貴ガス ===
[[File:周期表-希ガス.png|right]]
'''貴ガス'''(noble gas)<ref>希ガス(稀ガス、rare gas)とも</ref>は、18族元素のヘリウム He, ネオン Ne, アルゴン Ar, クリプトン Kr, キセノン Xe, ラドン Rn の総称である<ref>18族元素にはオガネソン Og もあるがこの元素の性質はあまり解明されていない。</ref>。
18族元素は価電子をもたないため、他の原子と結合したり、イオンになることがほとんどない。したがって、化学反応を起こして化合物となることがほとんどない。また、単体の気体として、原子1個で1つの分子を形成している。このような分子を'''単原子分子'''と呼ぶ。
==== 単体 ====
貴ガスには次のような物質がある。これらはいずれも無色無臭で、常温常圧で気体である。また、いずれも融点および沸点が低い。
* '''ヘリウム''' (He): 風船や飛行船を浮かせるために用いられる。また、すべての物質の中で、融点がもっとも低い(-269℃、4K)ので、超伝導など極低温の実験の際の冷媒に液体ヘリウムが用いられる。
* '''ネオン''' (Ne): ネオンサインなどに用いられる。
* '''アルゴン''' (Ar): 溶接するときの酸化防止ガスに用いられる。空気中に0.93%存在する。
* '''クリプトン''' (Kr): 電球などに用いられる。
* '''キセノン'''(Xe): カメラのストロボなどに用いられる。
* ラドン (Rn): 放射能があり、放射線治療などに用いられる。
{|align="center" style="border:solid #aaffaa 1px;"
|[[File:He,2.jpg|100px]]||[[File:Ne,10.jpg|100px]]||[[File:Ar,18.jpg|100px]]||[[File:Kr,36.jpg|100px]]||[[File:Xe,54.jpg|100px]]
|-
|style="text-align:center"|ヘリウム
|style="text-align:center"|ネオン
|style="text-align:center"|アルゴン
|style="text-align:center"|クリプトン
|style="text-align:center"|キセノン
|}
貴ガスは原子単体で安定なため、普通は化合物にならない。ガラス管に内圧が低くなるよう貴ガスを封入し電圧をかけることで、それぞれ異なった色の光を放つ([[高等学校物理/原子物理#陰極線|真空放電]]という)。そのため、電球やネオンサインとして用いられるものが多い。
{|align="center" style="border:solid #aaffaa 1px;"
|[[File:HeTube.jpg|100px]]||[[File:NeTube.jpg|100px]]||[[File:ArTube.jpg|100px]]||[[File:KrTube.jpg|100px]]||[[File:XeTube.jpg|100px]]
|-
|style="text-align:center"|ヘリウム
|style="text-align:center"|ネオン
|style="text-align:center"|アルゴン
|style="text-align:center"|クリプトン
|style="text-align:center"|キセノン
|}
==== エキシマ(発展) ====
アルゴン気体とフッ素気体をつめた放電管に放電をすると、不安定なアルゴンフッ素 ArF (エキシマ)が一時的に生成し、それが分解する際に波長197 nmの紫外線を放出する。
この光は、[[高校物理 電磁気学#半導体|半導体]]製造の際の光化学反応の光源に使われている。また、キセノンでもハロゲンとのエキシマによってレーザー光が放出されることが知られている。
==== 化合物 ====
貴ガスは、反応性が低く化合物を作らないと考えられていたが、1960年代に、<chem>XePtF6</chem> や <chem>XeF4</chem> などキセノンの化合物の合成に成功した。その後も貴ガスの化合物は合成されたが、ネオンの化合物は未だ合成に成功していない。
キセノンとフッ素ガスを混合した気体に放電または熱を加えてできた、二フッ化キセノン XeF<sub>2</sub> や四フッ化キセノン XeF<sub>4</sub> や六フッ化キセノン XeF<sub>6</sub> の固体は無色である。
== ハロゲン ==
[[ファイル:周期表-ハロゲン.png|右]]
周期表の17族に属する、フッ素 F、塩素 Cl、臭素 Br、ヨウ素 I、アスタチン At を'''ハロゲン'''という<ref>17族元素にはテネシン Ts もあるがこの元素の性質はあまり解明されていない。</ref>。
ハロゲンの原子は最外殻に価電子を7つ持っており、1価の陰イオンになりやすく、化合物をつくりやすい。そのため、天然では、ハロゲンは鉱物(ホタル石 CaF<sub>2</sub> 、岩塩 NaCl etc.)として存在している場合が多い。または、海水中に陰イオンとしてハロゲンが存在している場合も多い。
=== 単体 ===
ハロゲンの単体はいずれも'''二原子分子'''で有色、有毒である。
沸点(bp)・融点(mp)は、原子番号の大きいものほど高い。
ハロゲンの単体は酸化力が強い。酸化力の強さは原子番号が小さいほど大きくなる。つまり酸化力の強さは、
:<chem>F2 > Cl2 > Br2 > I2</chem>
である。
たとえば、ヨウ化カリウム水溶液に塩素を加えると、ヨウ素は酸化されて単体となる。
:<chem>2KI + Cl2 -> 2KCl + I2 </chem>
逆に、塩化カリウム水溶液にヨウ素を加えても、ヨウ素よりも塩素のほうが酸化力が強いため、反応は起こらない。
また、ハロゲンの各元素ごとの酸化力の違いは、水や水素との反応にも関わる。
最も酸化力のつよいフッ素は、水と激しく反応し、酸素を発生する。
:<chem>2 F2 + 2 H2O -> 4 HF + O2</chem>
{|border=1 cellspacing=0 align=center text-align=center style="text-align:center"
|- style="background:silver"
! !! フッ素 F<sub>2</sub> !! 塩素 Cl<sub>2</sub> !! 臭素 Br<sub>2</sub> !! ヨウ素 I<sub>2</sub>
|-
| rowspan="2" | 色・状態
| [[File:F,9.jpg|180px]] || [[File:Cl,17.jpg|180px]] || [[File:Br,35.jpg|180px]] || [[File:I,53.jpg|170px]]
|-
|| 淡黄色・気体 || 黄緑色・気体 || 赤褐色・液体 || 黒紫色・固体
|-
| 融点 (℃) || -220 || -101 || -7 || 114
|-
| 沸点 (℃) || -138 || -34 || 59 || 184
|-
| 酸化力
| colspan="4" | 大 ←――――――――――――――――――――――――――――――――――→ 小
|-
| rowspan="2" | 水との反応 || 激しく反応して<br>酸素 O<sub>2</sub> が発生 || 一部が反応<br>HCl などを生じる || rowspan="2"| 塩素より反応は弱いが、<br>似た反応をする || rowspan="2" | 水に反応しにくく、<br>水に溶けにくい
|-
|| 2H<sub>2</sub>O + 2F<sub>2</sub><br />→ 4HF + O<sub>2</sub> || 2H<sub>2</sub>O + Cl<sub>2</sub> <br />⇄ HCl + HClO
|-
| rowspan="2" | 水素との反応 || 低温・暗所でも<br />爆発的に反応 || 光を当てることで<br />爆発的に反応 || 高温にすると反応 || 高温にすると一部が反応
|}
==== フッ素 ====
常温常圧下では淡黄緑色の気体である。
酸化力が非常に強く、様々な物質と激しく反応する。ガラスでさえフッ素を吹き付けると燃えるように反応するため扱いが難しい。
水や水素との反応物であるフッ化水素(HF)が水に溶けたフッ化水素酸(HFaq)はガラスを侵すため、ポリエチレン容器に入れ保管する。
==== 塩素 ====
塩素 Cl<sub>2</sub> は常温常圧で黄緑色の有毒な気体である。
塩素は歴史的に衣類の漂白剤として用いられていたが、第一次世界大戦で毒ガス兵器として用いられ、約3000人を殺害した。
===== 製法 =====
工業的:塩化ナトリウム水溶液の電気分解を用いたイオン交換膜法で生成する。
実験室的:
①酸化マンガン(IV)に濃塩酸を加え、加熱する。
: <chem>MnO2 + 4HCl ->[\Delta] MnCl2 + 2H2O + Cl2 ^</chem>
:なお、この反応では塩素と同時に水も生成する。さらに、濃塩酸には[[#ハロゲンの化合物|次節]]に見るように揮発性がある。したがって、この反応により得られる気体は純粋な塩素ではなく、水や塩化水素を少量含んでいる。それらを取り除くため、この気体を水と濃硫酸に順番に通す。まず水に通すことで、揮発した塩化水素が吸収される。次いで濃硫酸に通すことで、濃硫酸の吸湿作用により気体中の水が吸収され、純粋な塩素を得ることができる。なお、この水・濃硫酸に通す順番を逆にしてはならない。先に濃硫酸に通した後水に通しても、得られる気体の中には最後に通した水から蒸発した水蒸気が含まれているためである。塩素は空気よりも重いため、濃硫酸を通したあとの塩素を、下方置換で集める。
②塩化ナトリウム、酸化マンガン(IV)に濃硫酸を加えて加熱する。
:<chem>2NaCl + 3H2SO4 + MnO2 ->[\Delta] MnSO4 + 2NaHSO4 + 2H2O + Cl2 ^</chem>
③さらし粉に塩酸を加える。
:<chem>CaCl(ClO).H2O + 2HCl -> CaCl2 + 2H2O + Cl2 ^</chem>
④高度さらし粉に稀塩酸を加える。
:<chem>Ca(ClO)2.2H2O + 4HCl -> CaCl2 + 4H2O + 2Cl2 ^</chem>
※化学反応式の右辺の↑は、矢印のすぐ左の生成物が気体であることを示している。
===== 性質 =====
塩素 Cl<sub>2</sub> の水溶液を'''塩素水'''(chlorine water)という。塩素は、水に少し溶けて、その一部が'''次亜塩素酸''' <chem>HClO</chem> になる。
:<chem>Cl2 + H2O -> HCl + HClO</chem>
次亜塩素酸は弱酸性で、強い酸化作用がある。これは、普通の塩素イオンの酸化数が-1なのに対し、次亜塩素酸イオン中の塩素原子の酸化数が+1なので還元されやすいためである。
塩素水および次亜塩素酸は、漂白剤や殺菌剤として水道やプールの水の殺菌などに広く用いられている。
: <chem>HClO + H^+ + 2e^- -> H2O + Cl^-</chem>
* さらし粉
水酸化カルシウムと塩素を反応させると、さらし粉(主成分:<chem>CaCl(ClO) * {H2O} </chem>)ができる。
また、<chem>Ca(ClO)2.2H2O</chem>を高度さらし粉(次亜塩素酸カルシウム)という。
高度さらし粉は、漂白剤や殺菌剤として利用される。いわゆるカルキとは、さらし粉のこと。ドイツ語のクロールカルキを略してカルキと読んでいる。
* その他
塩素はさまざまな金属と反応して塩化物となる。たとえば、単体の塩素の中に加熱した銅線を入れると、煙状の塩化銅(II) CuCl<sub>2</sub> を生成する。
: <chem>Cu + Cl2 ->[\Delta] CuCl2</chem>
==== 臭素 ====
臭素(Br<sub>2</sub>)は常温常圧で赤褐色の'''液体'''である。この性質は非金属元素の単体では唯一であり、全元素で見ても他には水銀のみである。水に少し溶け、赤褐色の溶液(臭素水)となる。また、有機溶媒のヘキサンやエタノールに可溶である
==== ヨウ素 ====
ヨウ素(I<sub>2</sub>)は常温常圧で黒紫色の固体である。'''昇華性'''があり、加熱すると固体から液体にならず直接気体となる。これを利用して、固体のヨウ素の純度を上げることができる。1リットルビーカーに不純物を含むヨウ素の固体を入れ、ガスバーナーで加熱する。ビーカーの上部には冷水を入れた丸底フラスコを置いておく。加熱によりヨウ素のみが気体となり、上昇してフラスコの底部付近で冷やされて固体に戻る。そのため、フラスコ底部に純度の高いヨウ素の針状結晶が析出する。
ヨウ素は水に溶けにくいが、エーテルなどの有機溶媒にはよく溶ける。また、ヨウ化カリウム水溶液にもよく溶けて褐色の溶液となる。
デンプン水溶液にヨウ素を溶かしたヨウ化カリウム水溶液を加えると、青紫色を呈する。このようにデンプンにヨウ素を作用させて青紫色となる反応を'''ヨウ素デンプン反応'''と呼ぶ。これにより、ヨウ素やデンプンの検出ができる。なお、ヨウ素デンプン反応が起こっている容器を加熱すると透明になるが、冷却するとまた青紫色に戻る。
ヨウ素デンプン反応を用いた試薬に、ヨウ化カリウムデンプン紙がある。これは、ろ紙にデンプンとヨウ化カリウムを含ませたものであり、酸化力の強い物質の検出に用いられる。酸化力の強い物質がある場合、ヨウ化カリウムは酸化されてヨウ素の単体となる。
: <chem>2I- -> I2 + e^-</chem>
このヨウ素がデンプンに作用して紫色から青紫色に変化する。
=== 化合物 ===
==== ハロゲン化水素 ====
ハロゲンは水素と化合して'''ハロゲン化水素'''となる。いずれも無色刺激臭の気体である。
また、ハロゲン化水素の水溶液は酸性を示す。
{|border=1 cellspacing=0 align=center text-align=center style="text-align:center"
|- style="background:silver"
! colspan="2" | 名称 !! フッ化水素 !! 塩化水素 !! 臭化水素 !! ヨウ化水素
|-
| colspan="2" | 組成式 || HF || HCl || HBr || HI
|-
| colspan="2" | 沸点(℃) || 20 || -85 || -67 || -35
|-
| rowspan="4" | 水溶液 || 名称 || フッ化水素酸 || 塩酸 || 臭化水素酸 || ヨウ化水素酸
|-
| 酸の強さ || '''弱酸''' || colspan="3" | 強酸
|-
| +AgNO<sub>3</sub>aq || AgF(水に可溶) || AgCl↓(白) || AgBr↓(淡黄) || AgI↓(黄)
|-
| 更に+NH<sub>3</sub>aq || - || 沈澱が再溶解 || 沈澱が少し溶ける || 沈澱は溶けない
|}
ハロゲン水溶液の酸性は、フッ化水素酸だけが弱酸である。それ以外は強酸である。
※化学式横の↓は、沈澱が生じたことを表す。
===== フッ化水素 =====
フッ化水素(HF)は、ホタル石(主成分 CaF<sub>2</sub>)に濃硫酸を加えて加熱することで、得られる。
: <chem>CaF2 + H2SO4 ->[\Delta] 2HF + CaSO4</chem>
フッ化水素は水によく溶け、弱酸の'''フッ化水素酸'''(hydrofluoric acid)となる。
フッ化水素酸は、ガラスの主成分である二酸化ケイ素(SiO<sub>2</sub>)を溶かすため、保存するときはポリエチレン容器に保存する。
: <chem>SiO2 + 6HF -> H2SiF6 + 2H2O</chem>
生成物は水とヘキサフルオロケイ酸である。
工業の用途として、ガラスの表面処理や、くもりガラスの製造に、フッ化水素酸が用いられる。
フッ化水素だけ沸点が他のハロゲン化水素よりも高いが、この原因は、フッ化水素では水素結合が生じるからである。フッ化水素酸だけ弱酸である理由も、同様に水素結合によって電離度が低くなっているためである。
===== 塩化水素 =====
水素と塩素の混合物に光を当てると、激しく反応して塩化水素(HCl)を生じる。
塩化水素は、実験室では塩化ナトリウムに濃硫酸を加え加熱することで得られる。(不揮発性酸による揮発性酸の遊離反応)
: <chem>NaCl + H2SO4 ->[\Delta] NaHSO4 + HCl ^</chem>
[[File:Hydrochloric acid ammonia.jpg|right|200px|thumb|塩化水素とアンモニアの反応 <br> 白煙( NH<sub>4</sub>Cl )を生じる]]
塩化水素は水によく溶け、その水溶液は'''塩酸'''(hydrochloric acid)である。濃度の濃いものは濃塩酸、薄いものは希塩酸と呼ばれる。塩酸は強酸性を示し、多くの金属と反応して水素を発生する。
:<chem>2HCl + Zn -> ZnCl2 + H2 ^</chem>
また、強酸性であることから、弱酸の塩と反応して塩を生じ、弱酸を遊離させる。
: <chem>HCl + NaHCO3 -> NaCl + H2O + CO2</chem>
塩酸には揮発性があり、常温で一部が気体となる。そのため、アンモニアのついたガラス棒を近づけると、塩酸の気体とアンモニアとが触れて反応し、塩化アンモニウム NH<sub>4</sub>Clの固体が生じ、白煙が見える。この反応は、塩化水素やアンモニアの検出に用いられる。
: <chem>HCl + NH3 -> NH4Cl</chem>
==== ハロゲン化銀・ハロゲン化鉛 ====
ハロゲン化銀は、フッ化銀を除いて、一般に水に溶けにくい。このため、ハロゲンの化合物の水溶液に、硝酸銀をくわえると、塩化銀、臭化銀、ヨウ化銀などのハロゲン化銀が沈殿する。
{|border=1 cellspacing=0 align=center text-align=center style="text-align:center"
|- style="background:silver"
! 名称 !! フッ化銀 !! 塩化銀 !! 臭化銀 !! ヨウ化銀 !! !! フッ化鉛(II) !! 塩化鉛(II) !! 臭化鉛(II) !! ヨウ化鉛(II)
|-
| 組成式 || AgF || AgCl || AgBr || AgI || || PbF<sub>2</sub> || PbCl<sub>2</sub> || PbBr<sub>2</sub> || PbI<sub>2</sub>
|-
| 色 || 黄色 || 白色 || 淡黄色 || 黄色 || || 白色 || 白色 || 白色 || 黄色
|-
| 水への溶けやすさ || 溶けやすい || 溶けにくい || 溶けにくい || 溶けにくい || || 溶けにくい || 溶けにくい || 溶けにくい || 溶けにくい
|-
| 熱水への溶けやすさ || 溶けやすい || 溶けにくい || 溶けにくい || 溶けにくい || || || 溶ける || 溶ける || 溶ける
|}塩化水素(HCl)
塩化銀、臭化銀、ヨウ化銀には感光性があり、生じた沈澱に光を当てると銀が遊離する。また、これらはいずれもチオ硫酸ナトリウム水溶液によく溶ける。アンモニア水への溶けやすさは異なり、塩化銀はよく溶け、臭化銀も一部溶けるが、ヨウ化銀は溶けない。
==== 塩素のオキソ酸 ====
分子中に酸素を含む酸を'''オキソ酸'''という。
塩素のオキソ酸には、酸化数の異なる次の4つがある。
{|border=1 cellspacing=0 align=center text-align=center style="text-align:center"
|- style="background:silver"
! 名称 !! width=100px | 次亜塩素酸 !! width=100px | 亜塩素酸 !! width=100px | 塩素酸 !! width=100px|過塩素酸
|-
| 化学式 || HClO || HClO<sub>2</sub> || HClO<sub>3</sub> || HClO<sub>4</sub>
|-
| 性質 || 殺菌・漂白作用 || 殺菌・漂白作用 || 強力な酸化剤 || 塩は爆発性
|}
右にいくほど強酸性である。
;さらし粉
さらし粉・高度さらし粉(化学式: CaCl(ClO)・H<sub>2</sub>O、Ca(ClO)<sub>2</sub>)は、次亜塩素酸イオンを含むため、その酸化作用により漂白剤や殺菌剤として広く用いられている。水酸化カルシウムと塩素を反応させることで得られる。
: <chem>Ca(OH)2 + Cl2 -> CaCl(ClO) * {H2O} </chem>
;塩素酸 および 塩素酸塩
::(※ 検定教科書では「酸素」の単元で習う場合が多い。)
塩素酸HClO<sub>3</sub>は不安定な物質だが、カリウムやナトリウムの塩は安定で、強い酸化剤である。塩素酸カリウムKClO<sub>3</sub>は酸化マンガン(IV)を触媒として用いて加熱すると酸素を発生するため、花火やマッチの火薬中に燃焼を助けるため含まれる。
: <chem>2KClO3 ->[\Delta] 2KCl + 3O2 ^</chem>
==== ハロゲン化物と日用品 ====
ハロゲンの化合物のなかには、日用品の中に広く用いられている物もある。たとえば、フッ素化合物の一つ、ポリテトラフルオロエチレン(テフロン)はフライパンの表面に薄く塗られ、焦げ付きを防ぐ役割を果たしている。また、臭化銀はその感光性を利用して、写真のフィルムに用いられている。塩素は多くのビニル・プラスチック製品に含まれている。また、ヨウ素は消毒剤や うがい薬 に用いられている。
==== 「まぜるな危険」 ====
洗剤の「まぜるな危険」の化学反応(執筆中)
== 16族元素 ==
[[ファイル:周期表-OS.png|右]]
16族に属する'''酸素'''(O)、'''硫黄'''(S)はともに価電子を6つ持ち、2価の陰イオンになる。ともに単体は同素体を持つ。
=== 酸素 ===
酸素の単体には、原子2個で1つの分子を作っている'''酸素'''(O<sub>2</sub>)と、原子3個で1つの分子を作っている'''オゾン'''(O<sub>3</sub>)がある。いずれも常温では気体であるが、大きく異なった性質を示す。
酸素は空気中で約21%ふくまれる。また、酸素は地殻を構成する主な元素でもあり、地殻のおよそ半分は酸素でできている。地殻中ではSO<sub>2</sub>
==== 単体 ====
[[ファイル:Dioxygen-3D-vdW.png|右|サムネイル|100x100ピクセル|酸素 O<sub>2</sub> 分子]]
'''酸素'''(O<sub>2</sub>)は常温で無色無臭の気体である。
工業的な製法は、液体空気の分留または水の電気分解によって酸素を得る。
実験室で酸素を得るには、過酸化水素水に酸化マンガン(IV)を加えればよい。この反応で酸化マンガン(IV)は触媒として働き、過酸化水素が分解して酸素を発生する。
: <chem>2H2O2 ->[(MnO2)] 2H2O + O2 ^</chem>
※化学反応式の矢印の上に括弧で物質を書くと、その物質がその反応における触媒であることを示す。
また、塩素酸カリウムと酸化マンガン(IV)を混合して加熱してもよい(熱分解反応)。この反応でもやはり酸化マンガン(IV)は触媒として働く。
:<chem>2KClO3 ->[\Delta \, (MnO2)] 2KCl + 3O2 ^</chem>
酸素は水に溶けにくいので、水上置換により捕集する。
液体酸素は磁性を持ち、磁石にくっつく。
==== オゾン ====
[[ファイル:Ozone-3D-vdW.png|右|サムネイル|100x100ピクセル|オゾン O<sub>3</sub> 分子]]
'''オゾン'''(O<sub>3</sub>)は、酸素中で無声放電(音の小さい放電)を行うか、強い紫外線を当てることで生成する。
:<chem>3O2 <=> 2O3</chem>
オゾン O<sub>3</sub> は分解しやすく、分解の際に強い酸化作用を示す。オゾンは淡青色・特異臭の気体で、人体には有害である。漂白作用も持つ。
また、オゾンは酸化作用によりヨウ化カリウムデンプン紙を青変する。
:<chem>2KI + O3 + H2O -> 2KOH + O2 + I2</chem>
このためオゾンは水で湿らせたヨウ化カリウムデンプン紙により検出できる。
大気中には上空25 kmほど(成層圏)にオゾンが豊富に含まれる層があり、オゾン層と呼ばれる。オゾン層は人体に有害な紫外線を吸収する働きがあるが、冷蔵庫などに用いられていたフロンガスがオゾンを分解し、このオゾン層が南極付近で局所的に薄くなる現象(オゾンホール)が発生し、環境問題として取り上げられた。現在ではフロンガスの規制などの対策により回復過程にあり、遅くとも21世紀中には全快する見込みである。([[高等学校 地学]]も参照。)
==== 化合物 ====
酸素の化合物は一般に'''酸化物'''と呼ばれる。酸素はあらゆる物質と化合することができ、一般に金属元素とはイオン結合、非金属元素とは共有結合による酸化物を作る。
酸化物は、酸や塩基との反応の仕方から3通りに分類される。
{| class="wikitable" style="float: right;"
|+酸化物の分類
!酸性酸化物
|CO<sub>2</sub> , NO<sub>2</sub> , SiO<sub>2</sub> , SO<sub>2</sub> , SO<sub>3</sub> , Cl<sub>2</sub>O<sub>7</sub> など
|-
!塩基性酸化物
|Na<sub>2</sub>O , MgO , CaO , Fe<sub>2</sub>O<sub>3</sub> , CuO , BaO など
|-
!両性酸化物
|Al<sub>2</sub>O<sub>3</sub> , ZnO
|-
|}
* '''酸性酸化物''' : 水に溶けて酸性を示したり、塩基と反応して塩を生じる酸化物を、'''酸性酸化物'''という。
* '''塩基性酸化物''' : 水に溶けて塩基性を示したり、酸と反応して塩を生じる酸化物を、'''塩基性酸化物'''という。
* '''両性酸化物''': 酸・塩基のどちらとも反応して塩を生じる酸化物を、'''両性酸化物'''という。
一般に、非金属元素の酸化物は酸性酸化物であり、金属元素の酸化物は塩基性酸化物である。
; 酸性酸化物の例
{| class="wikitable" style="float: right;"
!酸性酸化物
|CO<sub>2</sub> , NO<sub>2</sub> , SiO<sub>2</sub> , SO<sub>2</sub> , SO<sub>3</sub> , Cl<sub>2</sub>O<sub>7</sub> など
|-
|}
二酸化炭素や二酸化硫黄など、非金属元素の酸化物の多くは、酸性酸化物である。
酸性酸化物の定義により、酸性酸化物は水に溶けると、酸性を示す。
: <chem>SO3 + H2O -> H2SO4</chem>
:: ※ H<sub>2</sub>SO<sub>4</sub>は酸。
また、酸性酸化物は塩基と反応すると、塩をつくる。
: <chem>SO2 + 2NaOH2O -> Na2SO3 + H2O</chem>
:: ※ Na<sub>2</sub>SO<sub>3</sub>は塩。
二酸化炭素(CO<sub>2</sub>)は塩基と反応して塩を生じる。
:<chem>CO2 + Ca(OH)2 -> CaCO3 + H2O</chem>
:: ※ CaCO<sub>3</sub>は塩。
二酸化窒素(NO<sub>2</sub>)は水に溶けて硝酸(HNO<sub>3</sub>)となる。
: <chem>3NO2 + H2O -> 2HNO3 + NO</chem>
一般に、酸性酸化物が水と反応するとオキソ酸が生じる。
; 塩基性酸化物の例
{| class="wikitable" style="float: right;"
!塩基性酸化物
|Na<sub>2</sub>O , MgO , CaO , Fe<sub>2</sub>O<sub>3</sub> , CuO , BaO など
|-
|}
水に溶けて塩基性を示したり、酸と反応して塩を生じる酸化物を、'''塩基性酸化物'''という。
:<chem>Na2O + H2O -> 2NaOH</chem>
:: ※ NaOHは塩基。
'''金属元素の酸化物の多くは、塩基性酸化物である'''。酸化カルシウムや酸化ナトリウムなどが、塩基性酸化物である。
酸化カルシウム(CaO)は水に溶けて水酸化カルシウム(Ca(OH)<sub>2</sub>)となる。
:<chem>CaO + H2O -> Ca(OH)2</chem>
また、これは酸と反応して塩を生じる。
: <chem>CaO + 2HCl -> CaCl2 + H2O</chem>
; 両性酸化物の例
{| class="wikitable" style="float: right;"
!両性酸化物
|Al<sub>2</sub>O<sub>3</sub> , ZnO
|-
|}
酸・塩基のどちらとも反応して塩を生じる酸化物を、両性酸化物という。
酸化アルミニウム(Al<sub>2</sub>O<sub>3</sub>)や酸化亜鉛(ZnO)は、酸とも塩基とも反応して塩を生じる。
: <chem>Al2O3 + 6HCl -> 2AlCl3 + 3H2O</chem>
:<chem>Al2O3 + 2NaOH + 3H2O -> 2Na[Al(OH)4]</chem>
下の式の生成物は、テトラヒドロキシドアルミン酸ナトリウムである。
==== オキソ酸 ====
塩素の酸性酸化物を水に溶かすと、水と反応して酸を生じる。
塩素の酸化物には、いくつかの種類があるが、一例として酸を生じる反応として、下記の化学反応がある。
:<chem>Cl2O7 + H2O -> 2HClO4</chem>
リンの酸性酸化物も、水と反応し、酸を生じる。
:<chem>P4O10 + 6H2O -> 4H3PO4</chem>
また、このように酸性酸化物を水と反応させて得られた酸は、分子中に酸素原子と水素原子を含む場合が多い。 塩素の場合は、過塩素酸 HClO<sub>4</sub> などが得られるし、窒素の場合は、亜硝酸(HNO<sub>2</sub>)と硝酸(HNO<sub>3</sub>)などが得られるし、分子式を見ればわかるように酸素原子と原子が分子中に含まれてる。
{| class="wikitable" style="float: right;"
! style="text-align: center;" |化学式
!名称
!酸の強さ
!Clの酸化数
|-
|HClO<sub>4</sub>
|過塩素酸
|つよい側
|+7
|-
|HClO<sub>3</sub>
|塩素酸
|
|+5
|-
|HClO<sub>2</sub>
|亜鉛素酸
|
|+3
|-
|HClO
|次亜鉛素酸
|よわい側
|+1
|-
|}
一般に、分子中に酸素分子のある構造の酸のことを'''オキソ酸'''(oxoacid)という。(「オキソ酸」といった場合、水素原子は、なくても構わない。)
オキソ酸の分子構造についての議論のさいには、塩素原子や窒素原子など、由来となった酸性酸化物の元素を「中心原子」と設定して議論するのが一般的である。(つまり、酸素原子や水素原子は、中心ではない。)
中心元素が同じであれば、結合している酸素の数が多いほど、オキソ酸の酸性は強くなる。
たとえば窒素のオキソ酸として亜硝酸(HNO<sub>2</sub>)と硝酸(HNO<sub>3</sub>)があるが、硝酸の方が強い酸である。
また、中心元素が第3周期のリン、硫黄、塩素であるようなオキソ酸は、この順に酸性が強くなる。リン酸(H<sub>3</sub>PO<sub>4</sub>)は弱酸であるが、硫酸(H<sub>2</sub>SO<sub>4</sub>)は強酸であり、過塩素酸(HClO<sub>4</sub>)はさらに強い酸性を示す。
塩素のオキソ酸の酸性の順は、
: (つよい側) HClO<sub>4</sub> > HClO<sub>3</sub> > HClO<sub>2</sub> > HClO (よわい側)
名称は
: HClO<sub>4</sub> 過塩素酸。 HClO<sub>3</sub> 塩素酸。 HClO<sub>2</sub> 亜鉛素酸。HClO 次亜鉛素酸。
である。
いまのところ、上記の4つ以外は、塩素のオキソ酸は発見されていない。
=== 硫黄 ===
==== 単体 ====
'''硫黄'''(S)の単体には、斜方硫黄、単斜硫黄、ゴム状硫黄などの同素体がある。単体は火山地帯から多く産出され、また重油の精製過程のひとつである'''脱硫'''(だつりゅう)の工程において多く得られる。日本では、この脱硫で得られた硫黄により国内需要を全て賄っている。
; 斜方硫黄(S<sub>8</sub>)
[[ファイル:Sulfur.jpg|100x100ピクセル]] 斜方硫黄は常温で安定な黄色・塊状の結晶である。硫黄原子が8つ環状に結合して1つの分子を形成している。融点は113℃。
; 単斜硫黄(S<sub>8</sub>)
[[ファイル:Cyclooctasulfur-above-3D-balls.png|100x100ピクセル]] 単斜硫黄は高温(95.5℃以上)で安定な黄色・針状の結晶である。硫黄原子が8つ環状に結合して1つの分子を形成している。斜方硫黄を加熱することで得られる。
; ゴム状硫黄(S<sub>x</sub>)
ゴム状硫黄は黒褐色の無定形固体である。ただし、純粋なものは黄色を示すものがある。数十万の硫黄原子がジグザグに結合しているため、引っ張ると結合角が変わり弾力性がある。
斜方硫黄を加熱すると琥珀色の液体となる。これを加熱し続けると次第に暗褐色となり、粘性が増してくる。さらに加熱すると濃青色の液体となり、これを水中に入れ急冷するとゴム状硫黄となる。
* 反応性
硫黄は、高温で反応性が高い。
[[ファイル:Sulfur-burning-at-night.png|右|サムネイル|150x150ピクセル|硫黄の燃焼]]
硫黄は高温では多くの元素と化合して硫化物となる。たとえば鉄粉と硫黄の粉末を混合して加熱すると、硫化鉄(II) FeS が生じる。
: <chem>Fe + S ->[\Delta] FeS</chem>
また、空気中で青白い炎をあげて燃焼し、二酸化硫黄となる。
: <chem>S + O2 ->[\Delta] SO2</chem>
==== 化合物 ====
===== 硫化水素 =====
'''硫化水素'''(H{{sub|2}}S)は無色腐卵臭の気体である。火山ガスや温泉に豊富に含まれる。よく言われる「硫黄の臭い」は硫黄ではなくこれである(硫黄の単体は無臭)。人体に有毒であるため、使用時には十分な換気に注意しなければならない。硫化水素は水に溶け、弱酸性を示す。
: <chem>H2S <=> HS^- + H^+ <=> S^{2-} {+} 2H^+</chem>
実験室では硫化鉄(II)に強酸を加えることで得られる。
: <chem>FeS + 2HCl -> FeCl2 + H2S ^</chem>
: <chem>FeS + H2SO4 -> FeSO4 + H2S ^</chem>
硫化水素は、おおくの場合に還元剤として働き、二酸化硫黄を還元して硫黄の単体を生じる。
: <chem>2H2S + SO2 -> 2H2O + 3S v</chem>
多くの金属イオンと反応して硫化物の沈殿を作るため、金属イオンの分離や検出に多く用いられる。
: <chem>Fe^{2+} {+} H2S -> 2H^{+} {+} FeS v</chem>
{| class="wikitable"
|+ 主な硫化物沈澱とその色
|-
| style="background-color:#BBB; text-align:center" | '''硫化物沈澱''' || Ag<sub>2</sub>S || PbS || CuS || FeS※ || NiS※ || CdS || MnS※ || ZnS※
| style="background-color:#BBB; text-align:center" | '''色''' || colspan="5" style="text-align:center" || style="text-align:center" | 黄 || style="text-align:center" | 淡黄 || style="text-align:center" | 白
|}
ちなみに、温泉卵の黒は硫化鉄の色である。
===== 二酸化硫黄 =====
'''二酸化硫黄'''('''亜硫酸ガス'''、SO<sub>2</sub>)は刺激臭をもつ無色の有毒な気体で、火山ガスや温泉などに含まれる。
酸性酸化物であり、水に溶けて'''亜硫酸'''(H<sub>2</sub>SO<sub>3</sub>)を生じ、弱酸性を示す。
: <chem>SO2 + H2O <=> HSO3- + H^+</chem>
実験室では、銅を濃硫酸に加えて加熱するか、亜硫酸塩を希硫酸と反応させることにより得られ、下方置換で捕集する。
: <chem>Cu + 2H2SO4 ->[\Delta] CuSO4 + 2H2O + SO2 ^</chem>
: <chem>NaHSO3 + H2SO4 -> NaHSO4 + H2O + SO2 ^</chem>
: <chem>Na2SO3 + H2SO4 -> Na2SO4 + H2O + SO2 ^</chem>
工業的には、硫黄の燃焼により製造される。
: <chem>S + O2 ->[\Delta] SO2</chem>
二酸化硫黄は還元性があり、漂白作用がある。ただし、硫化水素のような強い還元剤がある場合は、酸化剤として作用する。
硫黄を含む物質は燃焼により二酸化硫黄を生じる。二酸化硫黄の水溶液は、弱い酸性を示す。
硫黄は石油や石炭に多く含まれているため、このような化石燃料を大量に燃焼させると、大気中に多量の二酸化硫黄が放出され、雨水に溶け込み、酸性雨の原因となる。
===== 三酸化硫黄 =====
'''三酸化硫黄'''('''無水硫酸'''、SO<sub>3</sub>)は、有毒の結晶である。
水と激しく反応して硫酸を生成する。
:<chem>SO3 + H2O -> H2SO4</chem>
工業的には、二酸化硫黄を空気中の酸素で酸化して得る。このとき用いる触媒が、'''酸化バナジウム(Ⅴ)'''(V<sub>2</sub>O<sub>5</sub>)である。
:<chem>2SO2 + O2 ->[(V2O5)] 2SO3</chem>
===== 硫酸 =====
'''硫酸'''(H{{sub|2}}SO{{sub|4}})は工業的に'''接触法'''(接触式硫酸製造法、contact process)により、酸化バナジウム(Ⅴ)を主成分とする触媒をもちいて、次のような工程で製造されている。
# 硫黄を燃焼させ、二酸化硫黄を作る。
#: <chem>S + O2 ->[\Delta] SO2</chem>
# 二酸化硫黄と酸素との混合気体を乾燥させ、酸化バナジウム(Ⅴ)を触媒として反応させて三酸化硫黄を作る。
#: <chem>2SO2 + O2 ->[(V2O5)] 2SO3</chem>
# 三酸化硫黄を濃硫酸に吸収させ、濃硫酸中の水と反応させて'''発煙硫酸'''とする。
#: <chem>SO3 + H2O -> H2SO4</chem>
# 発煙硫酸を稀釈し、濃硫酸とする。
硫酸は、硫黄のオキソ酸である。通常はH{{sub|2}}SO{{sub|4}}の水溶液を硫酸と呼ぶ。硫酸は無色透明で粘性があり、密度の大きい重い液体である。濃度により性質が異なり、濃度の90%以上程度の濃いものを'''濃硫酸'''(concentrated sulfuric acid)といい、薄いものを'''希硫酸'''(diluted sulfuric acid)と呼ぶ。
濃硫酸を水で希釈することで希硫酸が得られる。希釈する際は水を入れたビーカーを水を張った水槽中に入れ、冷却しながら濃硫酸を静かに加えるようにする。これは、硫酸の水への溶解エンタルピーの絶対値が非常に大きいためである。けっして、これを逆にしてはならない。もし、濃硫酸に水を加えるようにすると、放出された熱によって水が激しく蒸発して濃硫酸が跳ねることがあり、たいへん危険である。
[[ファイル:Sulfuric_acid_burning_tissue_paper.jpg|右|サムネイル|200x200ピクセル]]
濃硫酸には次のような性質がある。
* 酸化作用: 金属を加え加熱すると、銅・銀・水銀などのイオン化傾向の小さい金属を酸化するようになる。加熱した濃硫酸を'''熱濃硫酸'''と呼ぶこともある。
*: <chem>Cu + 2H2SO4 ->[\Delta] CuSO4 + 2H2O + SO2 ^</chem>
* '''脱水作用'''(dehydration): 有機化合物の分子内に含まれている酸素原子や水素原子を、水分子H{{sub|2}}Oとして奪う。たとえば紙([[高校化学 天然高分子化合物#セルロース|セルロース]])に濃硫酸を垂らすと、その部分から酸素と水素が奪われ、炭化する。このとき、硫酸自身は還元されて二酸化硫黄となる。
* 吸湿作用: 強い吸湿作用があり、中性・酸性気体の乾燥剤として用いられる。
* 不揮発性:沸点が高く不揮発性なので、'''揮発性の酸の塩と反応して揮発性の酸を遊離する'''。
*: <chem>NaCl + H2SO4 -> NaHSO4 + HCl ^</chem>
希硫酸は強酸であり、多くの金属と反応して水素を発生する。一方濃硫酸は水をほとんど含まないため電離度が小さく、ほとんど酸性を示さない。
硫酸イオン(SO{{sub|4}}{{sup|2-}})はBa{{sup|2+}}やCa{{sup|2+}}と反応して白色沈殿を生じる。そのため、これらのイオンの検出・分離に用いられる。また日常生活においても、硫酸はカーバッテリーや非常用電源などとして使われる鉛蓄電池の電解液として用いられている。
また、肥料や薬品の製造にも用いられる。
== 15族元素 ==
[[ファイル:周期表-NP.png|右]]
'''窒素'''(N)、'''リン'''('''燐'''、P)はともに15族に属する非金属元素である。価電子を5つ持つ。
=== 窒素 ===
==== 単体 ====
'''窒素'''(N{{sub|2}})は常温常圧で無色無臭の気体である。窒素原子2つが三重結合して1つの分子を作っている、二原子分子の気体である。空気中に体積比でおよそ78%含まれており、工業的には液体空気の分留により生産される。
実験室では、亜硝酸アンモニウムの熱分解で得る。
:<chem>NH4NO2 ->[\Delta] N2 + 2H2O</chem>
液体の窒素('''液体窒素'''、-196℃、7K)は物質の冷却にしばしば用いられている。窒素は水上置換で捕集する。
==== 化合物 ====
===== アンモニア =====
'''アンモニア'''(NH{{sub|3}})は無色刺激臭の気体である。水に非常に溶けやすく、水溶液はアンモニア水と呼ばれ、弱塩基性を示す。
: <chem>NH3 + H2O -> NH4+ + OH^-</chem>
沸点は-33.4℃である。
アンモニアは、工業的には、高温高圧下で四酸化三鉄(<chem>Fe3O4</chem>)などの触媒を用いて窒素と水素を直接反応させる'''ハーバー・ボッシュ法'''により製造される。
: <chem>N2 + 3 H2 ->[\Delta \, (Fe3O4)] 2 NH3</chem>
実験室では、塩化アンモニウムと水酸化カルシウムの粉末を混合して加熱することにより得られる。水に非常に溶けやすく空気より軽いため、'''上方置換'''で捕集する。
: <chem>2NH4Cl + Ca(OH)2 -> CaCl2 + 2H2O + 2NH3 ^</chem>(弱塩基遊離反応)
アンモニアが生成したことを確かめるには、[[高校化学 水素と貴ガス#ハロゲン化水素|濃塩酸]]を近づければよい。アンモニアと濃塩酸が反応して塩化アンモニウムの白煙を生じる。
: <chem>NH3 + HCl -> NH4Cl</chem>
水溶液中のアンモニウムイオン(NH{{sub|4}}{{sup|+}})を検出する際には、ネスラー試薬が用いられる。アンモニウムイオンがあれば黄色~褐色の沈殿を生じる。
アンモニアは、硝酸の原料、あるいは尿素((NH<sub>2</sub>)<sub>2</sub>CO)などの窒素肥料の原料などとしても利用される。
:<chem>CO2 + 2NH3 -> (NH2)2CO + H2O</chem>
===== 窒素酸化物 =====
窒素の酸化物は数種類あり、それらの総称を'''窒素酸化物'''と呼ぶ。主なものに'''一酸化窒素'''(NO)と'''二酸化窒素'''(NO{{sub|2}})がある。一般に、窒素酸化物NO<sub>x</sub>を'''ノックス'''と呼ぶ。
; 一酸化窒素 (NO)
常温で無色の気体。水に溶けにくい。'''希硝酸に銅'''を加えることで発生する。空気中で酸化されやすいため、'''水上置換'''で捕集する。
: <chem>3Cu + 8HNO3 -> 3Cu(NO3)2 + 4H2O + 2NO ^</chem>
空気中での酸化の反応式は、
: <chem>2NO + O2 -> 2NO2</chem>
である。
; 二酸化窒素 (NO{{sub|2}})
[[ファイル:CopperReaction.JPG|右|300x300ピクセル]]
常温で赤褐色の刺激臭を持つ気体。水に溶けやすく、反応して硝酸(<chem>HNO3</chem>)となる。
: <chem>3NO2 + H2O -> 2HNO3 + NO</chem>
実験室では'''濃硝酸に銅'''を加えることで発生する。水に溶けやすいので'''下方置換'''で捕集する。
: <chem>Cu + 4HNO3 -> Cu(NO3)2 + 2H2O + 2NO2 ^</chem>
空気中では一部で2分子が結合して'''四酸化二窒素'''(<chem>N2O4</chem>)となる。
: <chem>2NO2 <=> N2O4</chem>
窒素は常温では燃焼しない。すなわち酸素と反応して酸化物にならない。しかし、高温下では窒素と酸素が直接反応して窒素酸化物を生じる。また化石燃料の燃焼によっても窒素酸化物が生成する。そのため車のエンジンなどから窒素酸化物が発生し、大気中に放出されたものが雨水に吸収され、[[高校化学 水素と貴ガス#二酸化硫黄|硫黄酸化物]]と同様に酸性雨の原因となる。
===== 硝酸 =====
'''硝酸'''(<chem>HNO3</chem>)は窒素のオキソ酸であり、有名な強酸である。通常は<chem>HNO3</chem>の水溶液を硝酸と呼ぶ。濃度によりやや異なる性質を示し、濃度の濃いものを'''濃硝酸'''、薄いものを'''希硝酸'''と呼ぶ。硝酸は揮発性の酸であるため、実験室では硝酸塩に濃硫酸を加えることにより得られる。(不揮発性酸による揮発性酸の遊離反応)
: <chem>NaNO3 + H2SO4 -> NaHSO4 + HNO3</chem>
硝酸の製法は、工業的には、'''オストワルト法'''(Ostwald process)により製造される。次のような工程を経て硝酸が得られる。
# アンモニアと空気の混合気体を、触媒の白金 Pt に触れさせ、800℃〜900℃でアンモニアを酸化させて一酸化窒素とする。
#: <chem>4NH3 + 5O2 ->[\Delta \, (Pt)] 4NO + 6H2O</chem>
# 一酸化窒素を空気中でさらに酸化して、二酸化窒素とする。
#: <chem>2NO + O2 -> 2NO2</chem>
# 二酸化窒素を水に吸収させ、硝酸とする。ここで発生する一酸化窒素は回収し、2に戻って再び酸化する。
#: <chem>3NO2 + H2O -> 2HNO3 + NO</chem>
硝酸は無色の水溶液であるが、光や熱により分解して二酸化窒素と酸素を生じる。そのため、保管の際には、褐色瓶に入れ冷暗所で保存するようにする。
: <chem>4HNO3 -> 4NO2 + 2H2O + O2</chem>
市販の硝酸(濃度約60%)は発煙性を示す。
稀硝酸・濃硝酸ともに強い酸化作用を持っており、金・白金以外の金属を酸化して溶かす。イオン化傾向の大きい金属と反応するとき窒素酸化物を生じる。希硝酸からは一酸化窒素が、濃硝酸からは二酸化窒素がそれぞれ発生する。
:(希硝酸)<chem>3Cu + 8HNO3 -> 3Cu(NO3)2 + 4H2O + 2NO ^</chem>
:(濃硝酸)<chem>Cu + 4HNO3 -> Cu(NO3)2 + 2H2O + 2NO2 ^</chem>
また硝酸は強酸であり、イオン化傾向の大きい金属と反応して水素を発生する。
: <chem>2Al + 6HNO3 -> 2Al(NO3)3 + 3H2 ^</chem>
* 不動態
ただし、鉄 Fe やアルミニウム Al やニッケル Ni は、硝酸とは反応して水素を発生するが、濃硝酸に加えても溶けない。これは、金属の表面が酸化され、水に溶けにくい緻密な酸化被膜を生成して、内部が保護され、反応が内部まで進行しなくなるためである。このような状態を'''不動態'''(passive state)という。
* その他
硝酸塩はほとんど水に溶ける。そのため、ガラス器具にこびりついた金属類を洗浄する際に用いられることも多い。
また、硝酸は火薬、染料、医薬品の製造に用いられる。
{{コラム|硝石|硝酸塩の一つである硝酸カリウムは、天然には硝石として存在する。この硝石は、原始的な方法で製造することができる。硝石のおおもとの原料は、糞尿である。尿などにふくまれるアンモニアが、土壌中でさまざまな物質と反応して、硝酸イオンを多く含む物質になる。この硝酸イオンを原料に、カリウムをふくむ{{ruby|灰汁|あく}}とともに煮ると化学反応をして硝酸カリウムになる。中世や近世では、この硝石を中間材料として、火薬などを作っていた。}}
==== 窒素の応用 ====
たとえば、ポテトチップスなどのような油で揚げたスナック菓子の酸化防止のため、袋の中に窒素が詰められる。酸素があると、油が酸化してしまうが、代わりに何らかの気体を詰める必要があるので、窒素を袋の中につめているのである。(※ 2017年のセンター試験『化学基礎の』本試験で出題)
=== リン ===
==== 単体 ====
'''リン'''('''燐'''、P)は5種類の同素体を持つ。代表的なものは'''黄リン'''(P{{sub|4}})と'''赤リン''' (P{{sub|x}})の2つである。
'''黄リン'''(白リン、P{{sub|4}})は淡黄色の蠟状固体であり、人体にきわめて有毒である。空気中で自然発火するため、水中に保存する。二硫化炭素(CS{{sub|2}})に溶ける。
[[ファイル:Red_phosphorus_in_a_tube_-_P_15_.jpg|右|150x150ピクセル]]
'''赤リン'''(P{{sub|x}})は暗赤色の粉末状固体であり、弱い毒性を持つ。二硫化炭素(CS{{sub|2}})に溶けない。赤リンはマッチの箱の擦り薬として用いられている。
: ※ マッチでリンが使われてる部分は、マッチ棒'''ではなく'''、マッチ箱のほう。
{{コラム|マッチの発明の歴史|1669年に発火温度の低い燐が発見されてから最初のマッチ(燐寸)が発明されるまでには200年ほどを要した。最初期のマッチは火つきは悪く、火がつくと飛び散り、二酸化硫黄の腐卵臭がすると欠点だらけであった。これらの欠点は1931年に黄燐マッチが開発されることで改善し、火つきの非常に良いマッチが誕生した。しかし、こちらも黄燐の猛毒性、僅かな摩擦・衝撃での発火、温度上昇による自然発火などの別の問題点があった。同じ燐でも自然発火温度が高く、毒性も弱い赤燐が1845年に発見されると、その10年後には赤燐を用いた安全マッチが開発された。このマッチは現在のものと殆ど相違ない。日本では、1875年に最初のマッチが作られたとされる。なお、西部劇などに見られるマッチは硫化燐マッチであり、黄燐マッチではない。}}
単体のリンは燐酸カルシウム(Ca<sub>3</sub>(PO<sub>4</sub>)<sub>2</sub>)を主成分とする鉱石に珪砂([[高校化学 非金属元素#二酸化ケイ素|二酸化珪素]]を主成分とする砂)を混ぜて電気炉中で強熱して作られる。このとき得られるのは黄燐である。黄燐は窒素中で長時間加熱(250℃付近)することで赤燐となる。
==== 酸化物 ====
リンを空気中で燃焼させると、'''十酸化四リン'''(五酸化二燐、<chem>P4O10</chem>)の白煙を生じる。
: <chem>4P + 5O2 ->[\Delta] P4O10</chem>
十酸化四リンは白色の粉末状固体であり、強い吸湿性を示し、乾燥剤として用いられる。この吸湿性から、空気中に放置すると空気中の水蒸気を吸収して自分自身がその水に溶ける。この現象を'''潮解'''という。十酸化四リンは'''潮解性'''(deliquescence)のある物質である。 十酸化四リンは水と反応して'''リン酸'''(<chem>H3PO4</chem>)となる。
: <chem>P4O10 + 6H2O -> 4H3PO4</chem>
リン酸は酢酸のような弱酸よりは強いが、塩酸のような強酸よりは弱い、中程度の強さの酸である。 リンは生物にとって必要不可欠な元素である。生物は、[[高校化学 天然高分子化合物#核酸|アデノシン]](アデニン+リボース)にリンが高エネルギーリン酸結合により3つ化合した化合物である[[高等学校理科 生物基礎/細胞とエネルギー#代謝とATP|ATP]](アデノシン三リン酸)にエネルギーを保存し、利用する。農業においても必要な元素で、リン酸肥料として用いられる。主なものとして、リン鉱石と硫酸と水との反応から得られるリン酸二水素カルシウム(<chem>Ca(H2PO4)2</chem>)と、硫酸カルシウム(<chem>CaSO4</chem>)との混合物である'''過リン酸石灰'''がある。 この過リン酸石灰が、リン肥料の主成分である。 リン酸カルシウム <chem>Ca3(PO4)2</chem> およびヒドロキシアパタイト <chem>Ca5(PO4)3(OH)</chem> は、動物の骨や歯の主成分である。
植物の成長に必要な必須元素のうち、窒素・燐・カリウムは'''肥料の三要素'''と呼ばれる。
== 14族元素 ==
[[ファイル:周期表-CSi.png|右]]
'''炭素''' C 、'''ケイ素''' Si はともに14族に属する元素である。価電子を4個持つ。
=== 炭素 ===
'''炭素''' (C) は生物を構成する重要な元素であり、多くの化学製品にも含まれている。炭素を含む物質は一般に'''有機物'''と呼ばれる。有機化合物については別の章で詳しく学ぶ。この節では、炭素の単体、一酸化炭素、二酸化炭素について説明する。
==== 単体 ====
炭素の単体は共有結合の結晶であり、結合の仕方によっていくつかの同素体が存在する。
; ダイヤモンド (C)
[[ファイル:Apollo_synthetic_diamond.jpg|左|サムネイル|150x150ピクセル|ダイヤモンド]]
[[ファイル:DiamantEbene01.png|右|サムネイル|150x150ピクセル|ダイヤモンドの構造]]
'''ダイヤモンド'''は無色の固体で、1つの炭素原子が4つの炭素原子と正四面体の頂点方向に共有結合し、それが多数連結して結晶を形成している。共有結合の結晶であるため、非常に融点・沸点が高く、地球上で最も硬い物質として知られている。電気は通さないが、熱はよく伝える。宝石としての利用のほか、工業的には研磨剤としても使われる。光の屈折率が大きい。
{{-}}
; 黒鉛 (C)
[[ファイル:GraphiteUSGOV.jpg|左|サムネイル|150x150ピクセル|黒鉛]]
[[ファイル:Graphit_gitter.png|右|サムネイル|187x187ピクセル|グラフェン黒鉛(グラファイト)の一層をグラフェンと呼ぶ。上図ではグラフェンが4層描かれている。]]
'''黒鉛'''は金属光沢のある黒色の固体で、炭素原子が正六角形の層状構造を持っている。各層は3つの共有結合によって形成され、残りの価電子は'''自由電子'''として層間を移動する。この自由電子の存在により、黒鉛は電気をよく通し、熱伝導性も高い。層と層の結合は弱いため、黒鉛は柔らかく、鉛筆の芯や電気分解用の電極として使用される。
{{-}}
; フラーレン(C60、C70など)
[[ファイル:C60a.png|右|サムネイル|140x140ピクセル|フラーレン]]
'''フラーレン'''は茶褐色の固体で、多数の炭素原子が球状に結合している。右図はC60フラーレンのモデルで、炭素原子が60個、サッカーボール状に結合している。20世紀後半に発見された物質で、現在も研究が進んでいる。純粋なフラーレンは電気を通さないが、アルカリ金属を添加すると超伝導性を示すことがある。有機溶媒に溶ける性質を持つ。
{{-}}
; グラフェン
'''グラフェン'''は炭素原子が六角形に配列した一層のシート状の物質で、非常に強く柔軟であり、電気や熱を効率よく伝える。
{{-}}
; カーボンナノチューブ
'''カーボンナノチューブ'''(Carbon Nanotube、CNT)は、炭素原子が六角形に結びついたグラフェンシートを丸めて筒状にしたナノ材料。日本人が開発した。非常に高い強度と優れた電気・熱伝導性を持ち、宇宙エレベーターのケーブルとして検討されている。
{{-}}
; 無定形炭素
[[ファイル:Binchotan_(charcoal).jpg|サムネイル|180x180ピクセル|活性炭]]
炭素の同素体とは異なり、黒鉛や[[高校化学 脂肪族炭化水素|炭化水素]]が不規則に結合し、結晶構造を明確に持たない([[高校化学 結晶#アモルファス|アモルファス]]状態の)固体がある。これを'''無定形炭素'''(amorphous carbon)と呼ぶ。木炭やコークスが代表的で、この中でも'''活性炭'''は多孔質であり、さまざまな物質を吸着する性質があるため、消臭剤などに用いられている。
{{-}}
==== 酸化物 ====
炭素が空気中で燃焼すると、酸化物が生成される。
; 一酸化炭素 (CO)
炭素や有機化合物が空気中で不完全燃焼すると、'''一酸化炭素''' (CO) が生じる。一酸化炭素は無色無臭の気体で、非常に有毒である。吸入すると血液中のヘモグロビンと結合し、酸素の運搬を阻害する。水には溶けにくい。
二酸化炭素と炭素の単体を高温接触させることでも得られる。
: <chem>CO2 + C ->[\Delta] 2CO</chem>(酸化還元反応)
実験室では、[[高校化学 酸素を含む脂肪族化合物#ギ酸|蟻酸]]に濃硫酸を加えることで一酸化炭素を生成できる。
: <chem>HCOOH -> H2O + CO ^</chem>(脱水反応)
工業的には、水蒸気を高温のコークスに作用させることで得られる。
: <chem>C + H2O ->[\Delta] H2 + CO</chem>(酸化還元反応)
::※水素と一酸化炭素の混合ガスを'''水性ガス'''という。[[高校化学 酸素を含む脂肪族化合物#メタノール|メタノール]]の原料となる。
空気中では青白い炎を上げて燃焼し、二酸化炭素を生じる。
: <chem>2CO + O2 ->[\Delta] 2CO2</chem>
一酸化炭素は還元性を持ち、金属酸化物を還元して単体にする性質がある。
: <chem>CuO + CO -> Cu + CO2</chem>
; 二酸化炭素 (CO2)
炭素や有機化合物が空気中で完全燃焼すると、'''二酸化炭素''' (CO2) が生じる。実験室では炭酸カルシウムに塩酸を加えて発生させることができる。
: <chem>CaCO3 + 2HCl ->[\Delta] CaCl2 + H2O + CO2 ^</chem>
工業的には、[[高校化学 典型金属#カルシウム|石灰石]]の熱分解によって二酸化炭素が得られる。
二酸化炭素は無色無臭の気体で、毒性はない。酸性酸化物であり、水に溶けると炭酸水素イオン <chem>HCO3^-</chem> を生成し、弱酸性を示す。
: <chem>CO2 + H2O <=> HCO3^- + H^+</chem>
また、塩基と反応して塩を作る。
: <chem>CO2 + 2NaOH -> Na2CO3 + H2O</chem>
二酸化炭素を'''石灰水'''(水酸化カルシウム水溶液)に通すと、炭酸カルシウムが生成され白濁する。この反応は二酸化炭素の検出に用いられる。
: <chem>Ca(OH)2 + CO2 -> H2O + CaCO3 v</chem>
[[ファイル:Dry_Ice_Pellets_Subliming.jpg|右|サムネイル|150x150ピクセル|ドライアイス]]
二酸化炭素の固体は分子結晶で、'''ドライアイス'''として知られ、冷却剤として使用される。常圧下で'''昇華性'''を持ち、液体にならずに直接気体となる。
二酸化炭素は生物の活動によって放出・吸収される。呼吸では、酸素を吸収して糖類と反応し、エネルギーを取り出す過程で二酸化炭素が生成される。
: <chem>C6H12O6 + 6O2 -> 6H2O + 6CO2</chem>
※この反応で合成される[[高等学校理科 生物基礎/細胞とエネルギー|ATP]]は38分子
逆に、植物は光のエネルギーを用いて二酸化炭素を吸収し、糖類を合成する。この過程を'''光合成'''という。
: <chem>6CO2 + 6H2O -> C6H12O6 + 6O2</chem>
※反応エンタルピーは2803 kJ
また、微生物の中には[[高校化学 天然高分子化合物#糖類|糖類]]を醱酵させ、エネルギーを得るものがあり、その過程で二酸化炭素が生じる。
: <chem>C6H12O6 -> 2C2H5OH + 2CO2</chem>
※この反応で合成されるATPは2分子
=== ケイ素 ===
'''ケイ素'''('''珪素'''、Si)は酸素の次に多く地殻中に含まれている元素である。水晶などの鉱物にも含まれている。半導体の主な原料であり、工業的に重要な元素となっている。ケイ素は'''シリコン'''ともいう。
※地殻の元素含有量は、O<sub>2</sub> > Si > Al > Feの順である。
==== 単体 ====
[[ファイル:SiliconCroda.jpg|右|サムネイル|200x200ピクセル|ケイ素]]
'''ケイ素'''(Si)は金属光沢をもつ銀灰色の固体である。ケイ素は金属光沢をもつが、しかし金属ではない。
光や紫外線、赤外線などは電磁波であるが、ケイ素は電磁波の反射率が可視光(波長:780nm〜380nm)のあたりだけ、反射率が高いため、人間の目で見た場合に、ケイ素は金属光沢があるように見える。
[[ファイル:Monokristalines_Silizium_für_die_Waferherstellung.jpg|左|サムネイル|294x294ピクセル|ケイ素の単結晶電子部品の製造などに用いられる。これを薄く切断してシリコンウェハーにする。]]
ケイ素は天然には単体として存在せず、酸化物を還元することにより製造される。単体は共有結合の結晶であり、ダイヤモンドと同様の構造でケイ素原子が結合する。そのためダイヤモンド同様融点・沸点は高く、固い結晶を作る。導体と不導体の中間程度の電気抵抗を持つ[[高校物理 電磁気学#半導体|半導体]]で、太陽電池やコンピュータ部品に用いられる。
シリコンの結晶に、わずかにリンやホウ素を加えたものは、電気をよく通すものになる。これらの材料(シリコンの結晶に、わずかにリンやホウ素を加えたもの)も「半導体」という。
* その他
[[ファイル:Silicon-unit-cell-3D-balls.png|サムネイル|80x80ピクセル|ケイ素の単体の結晶構造]]
ケイ素の結晶構造は、ダイヤモンドの結晶構造と同じ。
{{-}}{{コラム|シリセン|シリセンは、ケイ素(シリコン)原子が六角形に配列し、グラフェンに似た二次元シート構造を持つ新しい物質である。シリコンは通常、三次元のダイヤモンド構造を取るが、シリセンではケイ素原子が平面状に並び、蜂の巣状の構造を作り出す。このため、シリセンは「シリコン版グラフェン」とも呼ばれることがある。
シリセンは、グラフェンと同様に優れた電子的特性を持ち、次世代のエレクトロニクス材料として注目されている。特に、シリコンベースの既存の半導体技術との互換性が期待されており、ナノテクノロジーやトランジスタ、センサーなどの分野での応用が研究されている。
ただし、シリセンはグラフェンよりも安定性が低く、空気中では速やかに酸化されるため、特定の条件下でしか安定した形で存在できない。一般的には金属基板の上に成長させることで安定させる技術が使われている。
シリセンはその特性を利用して、エレクトロニクスやスピントロニクス、さらにはエネルギー材料などの広い分野で革新的な技術を生み出す可能性があるが、まだ研究段階にあるため、今後の発展が期待される。}}{{-}}
==== 二酸化ケイ素 ====
[[ファイル:Quartz_(USA).jpg|右|サムネイル|180x180ピクセル|水晶]]
'''二酸化ケイ素'''('''シリカ'''、<chem>SiO2</chem>)は自然界で石英として存在する。透明な石英の結晶は「水晶」と呼ばれ、宝石として用いられる。また、砂状のものは{{ruby|珪砂|けいしゃ}}と呼ばれ、{{ruby|硝子|ガラス}}の原料となる。
ガラスは身近な様々な場面で用いられている。科学においては耐熱器具や光ファイバーに用いられている。
二酸化ケイ素は共有結合結晶である。ケイ素原子と酸素原子との結合は非常に強く、固く安定な結晶を作る。また、強い結合のためか、融点も高く(1550℃)、塩酸にも溶けない。しかし、フッ化水素酸とは反応して溶ける。
: <chem>SiO2 + 6HF -> H2SiF6 + 2H2O</chem>
[[ファイル:Silica_gel.jpg|右|150x150ピクセル]]
また、二酸化ケイ素は酸性酸化物であり、塩基と反応して珪酸塩を生じる。たとえば水酸化ナトリウムと反応して、ケイ酸ナトリウム(<chem>Na2SiO3</chem>)を生じる。
: <chem>SiO2 + 2NaOH -> Na2SiO3 + H2O</chem>
これに水を加えて加熱すると、水飴状の'''水ガラス'''(water glass、<chem>Na2O.nSiO2</chem>)が得られる。また、水ガラスに塩酸を加えると、白色ゲル状のケイ酸が得られる。
: <chem>Na2SiO3 + 2HCl -> H2SiO3 + 2NaCl</chem>
※ 実際は組成が安定せず、できるのが <chem>H2SiO3</chem> のみとは限らない
このとき塩化ナトリウムが副生成物としてできるので、塩化ナトリウムを水洗して除き、のこったケイ酸を加熱乾燥すると'''シリカゲル'''(silica gel)が得られる。シリカゲルは多孔質で分子を吸着するため、乾燥剤や吸着剤として用いられる。
* 発展: 水晶振動子
電子工業における水晶の応用として、'''水晶振動子'''としての利用がある。
水晶に電圧を掛けると、一定の周期で振動することから、クオーツ時計などの発振器として利用されている。
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[[Category:高等学校化学|ひきんそくけんそ]]
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高校化学 脂肪族炭化水素
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{{pathnav|高等学校の学習|高等学校理科|高等学校 化学|pagename=脂肪族炭化水素|frame=1|small=1}}
{|border=1 cellspacing=0 align=right text-align=center style="text-align:center"
|- style="background:silver"
!分子式!!名称!!構造式
|-
|CH{{sub|4}}||'''メタン'''||[[File:Methan Lewis.svg|70px|メタン]]
|-
|C{{sub|2}}H{{sub|6}}||'''エタン'''||[[File:Ethan_Lewis.svg|100px|エタン]]
|-
|C{{sub|3}}H{{sub|8}}||'''プロパン'''||[[File:Propan_Lewis.svg|150px|プロパン]]
|-
|C{{sub|4}}H{{sub|10}}||'''ブタン'''||[[File:Butan_Lewis.svg|150px|ブタン]]
|-
|C{{sub|5}}H{{sub|12}}||'''ペンタン'''||[[File:Pentane.svg|150px|ペンタン]]
|-
|C{{sub|6}}H{{sub|14}}||'''ヘキサン'''||[[File:Hexane_displayed.svg|160px|ヘキサン]]
|}
脂肪族炭化水素の内、鎖式炭化水素ですべて単結合な化合物を'''アルカン、'''二重結合が一個だけある化合物を'''アルケン'''、三重結合が一個だけある化合物を'''アルキン'''という。
環式炭化水素ですべて単結合な化合物を'''シクロアルカン'''という。
== アルカン ==
アルカンは分子式がC{{sub|n}}H{{sub|2n+2}}と書け、不飽和度0である。右におもなアルカンの分子式と名称、構造式を示す。
=== アルカンが含まれる物質 ===
天然ガスには、メタン CH<sub>4</sub> が含まれる。メタンは天然ガスの主成分である。都市ガスの成分として、メタンは利用されている。
また、ガソリンには、さまざまなアルカンなどの有機化合物が含まれている。
=== アルカンの立体構造 ===
'''メタン'''は分子式CH{{sub|4}}であり、四面体構造をしている。
炭素原子間の単結合と三重結合は自由に回転できるが、二重結合は回転することができない。
したがって、アルカンの炭素間は自由に回転できる。
プロパンの炭素は、折れ線状に、並んでいる。
=== アルカンの性質 ===
{|border=1 cellspacing=0 align=right text-align=center style="text-align:center"
|- style="background:silver"
!分子式!!名称!!沸点
|-
|CH{{sub|4}}||'''メタン'''|| -161 ℃
|-
|C{{sub|2}}H{{sub|6}}||'''エタン'''|| -9 ℃
|-
|C{{sub|3}}H{{sub|8}}||'''プロパン'''|| -42 ℃
|-
|C{{sub|4}}H{{sub|10}}||'''ブタン'''|| -1 ℃
|-
|C{{sub|5}}H{{sub|12}}||'''ペンタン'''||36 ℃
|-
|C{{sub|6}}H{{sub|14}}||'''ヘキサン'''||69 ℃
|}
直鎖のアルカンは、炭素数が増えるにつれて沸点・融点が次第に高くなる。たとえば常温では、炭素数1のメタンから炭素数4のブタンまでは気体であるが、炭素数5のペンタンや炭素数6のヘキサンは液体である。
また、アルカンの炭素数が4以上になると、そのアルカンには構造異性体が存在する。炭素原子数が多くなると異性体の数は爆発的に増加し、たとえば炭素数4のブタンは他に1種類のみ異性体を持つが、炭素数10のデカンは他に74種の異性体を持つ。さらに、炭素数20のエイコサンになると、他に36万種を超える異性体が存在する。
=== アルカンの性質 ===
* 水に溶けにくいが、有機溶媒(ジエチルエーテルやトルエンなどが有機溶媒である)によく溶ける。
* ススをほとんど出さずに燃えて、二酸化炭素と水を生じる。
* 固体や液体のアルカンは、水より密度が小さいので、水に浮く。
=== 置換反応 ===
常温でアルカンは安定であり、薬品と化学反応を起こしにくい。しかし、光を当てると(おもに紫外線による作用で)、アルカンがハロゲン元素と反応して、アルカンの水素原子がハロゲン原子と置き換わってハロゲン化水素を生じる反応が起こる。これを'''置換反応'''(substitution reaction)という。
==== メタン ====
[[File:Methane-2D-stereo.svg|thumb|100px|メタン]]
'''メタン'''は分子式CH{{sub|4}}の、もっとも炭素数が少ない基本的なアルカンである。常温では無色の気体である。実験室では、酢酸ナトリウムと水酸化ナトリウムを混合して加熱することで得られる。なお、この実験では水上置換法で捕集する。
: <chem>CH3COONa + NaOH -> Na2CO3 + CH4 ^ </chem>
メタンは光を当てるとハロゲンと置換反応を起こす。たとえば、メタンに光を当てながら塩素と反応させると、次のように1つずつ水素が塩素に置き換わる。
:<chem>CH4 + Cl2 -> HCl + CH3Cl</chem>(クロロメタン、塩化メチル)
:<chem>CH3Cl + Cl2 -> HCl + CH2Cl2</chem>(ジクロロメタン、塩化メチレン)
:<chem>CH2Cl2 + Cl2 -> HCl + CHCl3</chem> (トリクロロメタン、クロロホルム)
:<chem>CHCl3 + Cl2 -> HCl + CCl4</chem> (テトラクロロメタン、四塩化炭素)
塩化メチレンは沸点が40℃と分溜しやすいので、有機溶媒としてよく用いられる。サスペンス系の作品において、「クロロホルムを染み込ませた布を口にあてがい、対象を眠らせる」という演出が用いられるが、クロロホルムにそんな作用は存在しない。クロロホルムは粘膜を強く刺激するため、使われた対象は眠るどころか激痛で暴れ回ってしまう。間違っても人に使用しないようにしよう。四塩化炭素はかつて有機溶媒として広く用いられていたが、高い発癌性を持つと判明したため現在は使われていない。
* メタンハイドレート
[[Image:Burning hydrate inlay US Office Naval Research.jpg|right|frame| メタンと水に分離し燃えるメタンハイドレート。左上にクラスレートの構造を示す。 (University of Göttingen, GZG. Abt. Kristallographie)<br />出典: アメリカ地質調査所。]]
近年、日本近海の海底など、世界のいくつかの海底の多くの場所の地層中で、氷の結晶中にメタンが存在している事が明らかになった。この海底のメタンの含まれた氷を'''メタンハイドレート'''という。採掘されたメタンハイドレートの外見はドライアイスに似ている。採掘されたメタンハイドレートに点火すると、メタンだけが燃え、また、最終的に氷が熱で解けて水になる(氷が燃えてるのではない。燃えてるのはメタンである。)。
将来のエネルギー資源として、メタンハイドレートが注目されている(しかし2016年の現状では、まだ資源として実用的な段階には、メタンハイドレートの利用技術は達してない。)。
なお、メタンは温室効果ガスであるので(メタンの化学式には炭素が含まれているので、燃やすと二酸化炭素が発生するから)、メタンハイドレートを燃やすことでも温室効果があるので、気をつけるべきである。
== アルケン ==
{| style="text-align:center" cellspacing="0" border="1" align="right"
!分子式
!名称
!構造式
!沸点
|-
|C{{sub|}}H{{sub|2}}=C{{sub|}}H{{sub|2}}
|エチレン
(エテン)
|[[ファイル:Ethylene.svg|150x150ピクセル|エチレン]]
| -104 ℃
|-
|C{{sub|}}H{{sub|2}}=CHC{{sub|}}H{{sub|3}}
|プロピレン
(プロペン)
|[[ファイル:Propene-2D-flat.png|150x150ピクセル|プロピレン]]
| -47 ℃
|-
|C{{sub|}}H{{sub|2}}=CHC{{sub|2}}H{{sub|5}}
|1-ブテン
|[[ファイル:1-Butene_Formula_V.1.svg|150x150ピクセル|プロピレン]]
| -6 ℃
|}
アルケンは分子式がC{{sub|n}}H{{sub|2n}}と書け、不飽和度1である。アルケンは不飽和炭化水素である。右におもなアルカンの分子式と名称、構造式を示す。
'''エチレン'''の水素原子1個をメチル基 CH<sub>3</sub>- に置き換えると、'''プロピレン'''('''プロペン''')になる。
エチレン(ethylene)はエテン(ethene)の慣用名である。IUPAC命名法ではエテンであるが、慣用名のエチレンの使用も認められている。
=== シス-トランス異性体 ===
アルケンは二重結合が含まれているが、二重結合の部分は回転ができないため、そのため、いくつかのアルケンでは、異性体が存在する。このような異性体を、'''シス-トランス異性体'''(cis-trans isomers、'''幾何異性体''')という。
たとえば 2-ブテン では、シス形(cis form)とトランス形(trans form)という2種類の異性体が存在する。
----
* シス形
[[ファイル:Cis-2-Buten.svg|200x200ピクセル]] [[ファイル:Cis-but-2-ene-3D-balls.png|200x200ピクセル]]
cis-2-ブテン
融点:-139 ℃
沸点:4 ℃
----
* トランス形
[[ファイル:Trans-2-Buten.svg|200x200ピクセル]] [[ファイル:Trans-but-2-ene-3D-balls.png|200x200ピクセル]]
trans-2-ブテン
融点:-106 ℃
沸点:1 ℃
=== 付加反応 ===
アルケンには二重結合が含まれているため、ハロゲンなどと反応して二重結合の1つを切って、そこと単結合をつくる。このような反応を'''付加反応'''(additional reaction)という。(反応例を下図に示す。)
たとえばエチレンは、臭素と反応すると、付加反応により、1,2-ジブロモエタンになる。
: [[ファイル:Bromine-adds-to-ethene.png|左|サムネイル|500x500ピクセル|エチレンの臭素付加反応の化学反応式]]
また、エチレンは、触媒として白金またはニッケルの条件下で、エチレンは水素と付加反応をして、エタンになる。
: [[ファイル:エチレンの水素付加.svg|500x500ピクセル|エチレンの水素付加]]
なお、付加反応はアルケンに限らず不飽和化合物で見られ、炭素間の二重結合や三重結合に対しておこる反応である。一方、アルカンのような単結合のみの飽和炭化水素では起こらない反応である。
: [[ファイル:Ear.png|左|サムネイル|750x750ピクセル|付加反応の例]]
{{-}}
*補:付加反応の仕組み
二重結合や三重結合は、実は異なる2つの結合が同時に起こることで生じる。片方は'''σ結合'''(しぐまけつごう)という強い結合で、もう片方は配位結合である。三重結合の場合は配位結合が二重に起こっている。<br>付加反応においては、この二種の結合のうち弱い方である配位結合が切れることによって付加物が付加する余地が生まれている。
==== マルコフニコフ則 ====
[[ファイル:Markovnikov's_rule_illust_for_beginner_student_in_japanese.svg|左|サムネイル|700x700ピクセル|マルコフニコフ則]]
{{-}} アルケンの二重結合に、HX{{efn|HClやH<sub>2</sub>O (H-OH) など}}が付加するとき、二種類の生成物が考えられるが、このとき、二重結合している炭素原子に結合しているHが多いほうに、HXのHが付加し、少ない方にXが付加した化合物が多く生成する。これを'''マルコフニコフ則'''(Markovnikov rule)という。
例えば、プロペンと塩化水素の付加反応では、生成物のうち2クロロプロパンが99%を占める。
=== 酸化 ===
また、不飽和炭化水素は酸化剤と反応して酸化される。赤紫色の過マンガン酸カリウム水溶液にたとえばエチレンを通じると、エチレンは酸化され、二酸化マンガンの黒色沈殿を生じるとともに赤紫色が消える。このような反応は、メタンをはじめアルカンでは起こらない。
=== その他 ===
その他、アルケンは次のような有機化合物一般の性質をもつ。
* 水に溶けにくい。
* エーテルなどの有機溶媒によく溶ける。
* ススを少し出しながら燃えて、二酸化炭素と水を生じる。
==== エチレン ====
[[ファイル:Ethylene_3D.png|サムネイル|エチレン]]
'''エチレン'''(ehtylene)は分子式C{{sub|2}}H{{sub|4}}の、もっとも炭素数が少ない基本的なアルケンである。常温では無色の気体である。二重結合で結びついている炭素原子と、それに直接結合した原子はすべて同一平面上にあるため、右図のようにエチレン分子は全ての原子が同一平面上にある。
エチレンは、実験室ではエタノールの分子内脱水により得られる。エタノールに濃硫酸を加え、160℃程度で加熱するすると、エタノールの分子内で脱水反応がおこり、エチレンが生成する。(下図に例を示す。)※有機化学では濃硫酸を脱水触媒として用いることが多い。
: [[ファイル:Ethanol_to_ethylene.svg|左|サムネイル|500x500ピクセル|エチレンの生成の化学反応式]]
{{-}}
また、エチレンは二重結合を含むため、赤褐色の臭素水に通じると、付加反応により臭素の色が消え無色になる。(下図に例を示す。)
: [[ファイル:Bromine-adds-to-ethene.png|左|サムネイル|500x500ピクセル|エチレンの臭素付加反応の化学反応式]]
{{-}} さらに、赤紫色の過マンガン酸カリウム水溶液に通じると、エチレンは酸化され、黒色の二酸化マンガンの沈殿が生じる。
工業的には、ナフサの熱分解でエチレンが得られる。エチレンは様々な薬品の合成原料であり、工業的に重要な物質である。
エチレンは、植物ホルモンでもある。
== アルキン ==
{| style="text-align:center" cellspacing="0" border="1" align="right"
!分子式
!名称
!構造式
!沸点
|-
|C{{sub|2}}H{{sub|2}}
|'''アセチレン'''
|[[ファイル:Acetylene-2D.svg|150x150ピクセル|アセチレン]]
| -74 ℃
|-
|C{{sub|3}}H{{sub|4}}
|'''プロピン'''
|[[ファイル:Propyne-2D-flat-1.svg|150x150ピクセル|プロピン]]
| -23 ℃
|}
右図のアセチレンのように、一般に、炭素間の結合に三重結合を1つ含むため分子式が C{{sub|n}}H{{sub|2n-2}} と書ける炭化水素を'''アルキン'''(alkyne)という。右に、おもなアルカンの分子式と名称、構造式を示す。
なお、アセチレン分子の立体構造は、すべての原子が直線上にならぶ配置になっている。この理由は、三重結合の部分は、回転をできないから、である。
=== アルキンの性質 ===
アルキンは三重結合のため、'''付加反応'''を起こしやすく、酸化剤と反応して酸化される。
また、アルキンは次のような有機化合物一般の性質をもつ。
* 水に溶けにくい。
* エーテルなどの有機溶媒によく溶ける。
* ススを多く出しながら燃えて、二酸化炭素と水を生じる。
燃焼時のススの多さは不飽和度が高いほど多くなり、その時の炎も明るくなる。
==== アセチレン ====
[[ファイル:Acetylene-2D.svg|サムネイル|アセチレンの構造式]]
[[ファイル:Acetylene-3D-balls.png|サムネイル|アセチレン分子の形状]]
'''アセチレン'''は分子式C{{sub|2}}H{{sub|2}}の、もっとも炭素数が少ない基本的なアルキンである。アセチレンの構造式は、右図のように '''HC≡CH''' と書く。常温ではアセチレンは無色の気体である。三重結合で結びついている炭素原子と、それに直接結合した原子はすべて同一直線上にあるため、右図のようにエチレン分子は全ての原子が一直線上にある。
アセチレンは、実験室では炭化カルシウムCaC{{sub|2}}('''カルシウムカーバイド''')を水と反応させることにより得られる{{efn|CaC<sub>2</sub>はCa<sup>2+</sup>とC<sup>-</sup>≡C<sup>-</sup>のイオン結合からなる物質のため、OH<sup>-</sup>2個とCa<sup>2+</sup>が結合し、余ったH<sup>+</sup>2個がC<sup>-</sup>≡C<sup>-</sup>と結合する}}。炭化カルシウムを細かな穴をあけたアルミ箔で包み、水を入れた水槽に入れると、アセチレンが発生する。アセチレンは水に溶けないため、水上置換法により捕集する。
: <chem>CaC2 + 2H2O -> Ca(OH)2 + C2H2 ^</chem>
なお、アセチレンの工業的な製法では、石油などに含まれるアルカンを熱分解(クラッキングという)して、アセチレンをつくる。
[[ファイル:Beveridge_brothers_rosebud_0.jpg|右|225x225ピクセル|酸素アセチレン炎]]
アセチレンは、溶接用のバーナーの炎に用いられる。アセチレンに酸素を混ぜて点火すると、3000 ℃を超える高温の炎が得られる。そのため、金属の溶接や切断の際に酸素アセチレン炎が用いられる。
なお、炭化カルシウム <chem>CaC2</chem> のことをカーバイドともいう。しかし、炭化カルシウム以外の物質でも、金属の炭化物のこともカーバイドというので、暗記の必要性は低い。
=== アセチレンの反応 ===
==== 付加反応 ====
三重結合は付加反応を受けやすく、白金やニッケルなどを触媒として水素と反応させると、エチレンやエタンを生じる。
: [[ファイル:Synthesis_Ethylene.svg|左|サムネイル|500x500ピクセル|アセチレンC{{sub|2}}H{{sub|2}}への水素の付加によって、エチレンH<sub>2</sub>C=CH<sub>2</sub>が生じた反応]]
{{-}}
==== 過マンガン酸カリウム水溶液 ====
塩基性の過マンガン酸カリウム水溶液(赤紫色の状態)に通じると、MnO2の沈殿が生じる。
==== 臭素との反応 ====
また、アセチレンは三重結合を含むため、赤褐色の臭素水に通じると、付加反応により1-1-2-2-テトラブロモエタンが生じるため臭素の色が消え、無色になる。
==== 水との付加 ====
硫酸水銀 HgSO<sub>4</sub> を触媒として、アセチレンに水が付加することにより、不安定な中間生成物を経て、最終的にアセトアルデヒドを生じる。アセチレンは、まずはじめにビニルアルコール(CH{{sub|2}}CH(OH))になるが、これは非常に不安定であり、アセトアルデヒド(CH{{sub|3}}CHO)になる。ビニルアルコールはエノール体、アセトアルデヒドはケト体なので、この反応は'''ケトエノール互変異性化'''と呼ばれる。一般に、ケト体↔︎エノール体の反応において、平衡はケト体側へと偏る。
: [[ファイル:Ethin_Ethanal.svg|左|サムネイル|600x600ピクセル|アセチレンへの水の付加。まんなかの式にある、途中の生成物はビニルアルコール。いちばん右の式にある、最終的な生成物がアセトアルデヒド。]]
{{-}}
==== 赤熱した鉄 ====
アセチレンが、赤熱した鉄にふれると、鉄が触媒として作用し、アセチレンの3分子が重合して、ベンゼンが生じる。
: [[ファイル:Ethin-Benzol.png|左|サムネイル|アセチレンの3分子重合。右側の式がベンゼン環]]
{{-}}<!-- 銀アセチリド、銅アセチリドは省略 -->炭素が環状に結合している炭化水素のことを 環式炭化水素という。
== シクロアルカン ==
{| style="text-align:center" cellspacing="0" border="1" align="right"
!分子式
!名称
!構造式
|-
|C{{sub|4}}H{{sub|8}}
|'''シクロブタン'''
|[[ファイル:Cyclobutane.svg|102x102ピクセル|シクロブタン]]
|-
|C{{sub|5}}H{{sub|10}}
|'''シクロペンタン'''
|[[ファイル:Cyclopentane.svg|100x100ピクセル|シクロペンタン]]
|-
|C{{sub|6}}H{{sub|12}}
|'''シクロヘキサン'''
|[[ファイル:Cyclohexane-compressed.svg|100x100ピクセル|シクロヘキサン]]
|}
一般式C{{sub|n}}H{{sub|2n}}で表される環式炭化水素を'''シクロアルカン'''という。炭素間の結合がすべて単結合である。右におもなシクロアルカンの分子式と名称および構造式を示す。
シクロアルカンの「シクロ(cyclo-)」とは環式であることを表す接頭辞であり、「シクロアルカン」とは環式のアルカンであることを示している。
==== 一般的な性質 ====
シクロアルカンは飽和炭化水素であり、[[高校化学 脂肪族炭化水素#アルカン|アルカン]]に似た性質をもつ。
* 光を当てると'''置換反応'''を起こす。
* 水に溶けにくい。
* エーテルなどの有機溶媒によく溶ける。
* 燃えてもススをほとんど出さずに燃えて、二酸化炭素と水を生じる。
==== シクロヘキサン ====
シクロヘキサンは分子式C{{sub|6}}H{{sub|12}}のシクロアルカンである。分子の構造として次の2種類が存在する。
* いす型: [[ファイル:Konf_vzorec_cyklohexan-Z.PNG|50x50ピクセル|シクロヘキサン-いす型]]
* 舟型: [[ファイル:Konf_vzorec_cyklohexan-C.PNG|50x50ピクセル|シクロヘキサン-舟型]]
舟型は不安定な構造であり、通常はいす型の構造をとる。
== シクロアルケン ==
[[ファイル:Cyclohexene_for_highscool.svg|サムネイル|200x200ピクセル|シクロへキセン。 融点: -104℃。 沸点:83℃。]]
環状構造で炭素原子間に二重結合を1個もつ炭化水素を '''シクロアルケン'''(cycloalken)という。 一般式はC<sub>n</sub>H<sub>2n-2</sub>で表される。
シクロアルケンの化学的性質は、鎖式構造のアルケンに似た性質があり、付加反応を起こしやすい。
シクロアルケンには、シクロペンテンC<sub>5</sub>H<sub>8</sub>やシクロヘキセンC<sub>6</sub>H<sub>10</sub>などがある。
== 参考事項 ==
=== シクロアルキン ===
環状構造で炭素原子間に三重結合を1個もつ炭化水素を'''シクロアルキン'''(cycloalkin)という。一般式はC<sub>n</sub>H<sub>2n-4</sub>で表される。
炭素数が多く結合に柔軟性がある場合のみ存在し、通常は非常に不安定である。
分子模型セットを持っている人は確かめてほしいが、炭素数が7以下だと三重結合を含む環状構造を作るのがとても難しい。炭素数8ならば歪みがあるものの、辛うじて環状構造を形成することができる。実際、安定して単離されるのはシクロオクチンC<sub>8</sub>H<sub>12</sub>である。炭素数10では炭素数8に比べて安定した環状構造を取るが、炭素原子同士の距離が近いので容易に化学反応を起こし、環状構造が壊れてしまう。そのため、シクロアルキンは非常に存在しにくい炭化水素であると言える。
一般に、炭素数が多くなるほど環状構造は不安定になる。
高校化学で考える必要はないが、「シクロアルカンとシクロアルケンはあるけどシクロアルキンは存在しないのか」という疑問を解消するため紹介した。
=== アルケン以外のシス-トランス異性体 ===
環状構造の単結合も回転することができないため、環構造を含む化合物はアルケンと同様にシス-トランス異性体が存在する。
また、錯体についてもシス-トランス異性体が存在する場合がある。
この、アルケン以外のシス-トランス異性体は難関大入試では定番のテーマである。
==脚注==
===注釈===
<references group="注釈"></references>
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[[Category:高等学校化学]]
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2024-12-13T09:36:05Z
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wikitext
text/x-wiki
{{pathnav|高等学校の学習|高等学校理科|高等学校 化学|pagename=脂肪族炭化水素|frame=1|small=1}}
{|border=1 cellspacing=0 align=right text-align=center style="text-align:center"
|- style="background:silver"
!分子式!!名称!!構造式
|-
|CH{{sub|4}}||'''メタン'''||[[File:Methan Lewis.svg|70px|メタン]]
|-
|C{{sub|2}}H{{sub|6}}||'''エタン'''||[[File:Ethan_Lewis.svg|100px|エタン]]
|-
|C{{sub|3}}H{{sub|8}}||'''プロパン'''||[[File:Propan_Lewis.svg|150px|プロパン]]
|-
|C{{sub|4}}H{{sub|10}}||'''ブタン'''||[[File:Butan_Lewis.svg|150px|ブタン]]
|-
|C{{sub|5}}H{{sub|12}}||'''ペンタン'''||[[File:Pentane.svg|150px|ペンタン]]
|-
|C{{sub|6}}H{{sub|14}}||'''ヘキサン'''||[[File:Hexane_displayed.svg|160px|ヘキサン]]
|}
脂肪族炭化水素の内、鎖式炭化水素ですべて単結合な化合物を'''アルカン、'''二重結合が一個だけある化合物を'''アルケン'''、三重結合が一個だけある化合物を'''アルキン'''という。
環式炭化水素ですべて単結合な化合物を'''シクロアルカン'''という。
== アルカン ==
アルカンは分子式がC{{sub|n}}H{{sub|2n+2}}と書け、不飽和度0である。右におもなアルカンの分子式と名称、構造式を示す。
=== アルカンが含まれる物質 ===
天然ガスには、メタン CH<sub>4</sub> が含まれる。メタンは天然ガスの主成分である。都市ガスの成分として、メタンは利用されている。
また、ガソリンには、さまざまなアルカンなどの有機化合物が含まれている。
=== アルカンの立体構造 ===
'''メタン'''は分子式CH{{sub|4}}であり、四面体構造をしている。
炭素原子間の単結合と三重結合は自由に回転できるが、二重結合は回転することができない。
したがって、アルカンの炭素間は自由に回転できる。
プロパンの炭素は、折れ線状に、並んでいる。
=== アルカンの性質 ===
{|border=1 cellspacing=0 align=right text-align=center style="text-align:center"
|- style="background:silver"
!分子式!!名称!!沸点
|-
|CH{{sub|4}}||'''メタン'''|| -161 ℃
|-
|C{{sub|2}}H{{sub|6}}||'''エタン'''|| -9 ℃
|-
|C{{sub|3}}H{{sub|8}}||'''プロパン'''|| -42 ℃
|-
|C{{sub|4}}H{{sub|10}}||'''ブタン'''|| -1 ℃
|-
|C{{sub|5}}H{{sub|12}}||'''ペンタン'''||36 ℃
|-
|C{{sub|6}}H{{sub|14}}||'''ヘキサン'''||69 ℃
|}
直鎖のアルカンは、炭素数が増えるにつれて沸点・融点が次第に高くなる。たとえば常温では、炭素数1のメタンから炭素数4のブタンまでは気体であるが、炭素数5のペンタンや炭素数6のヘキサンは液体である。
また、アルカンの炭素数が4以上になると、そのアルカンには構造異性体が存在する。炭素原子数が多くなると異性体の数は爆発的に増加し、たとえば炭素数4のブタンは他に1種類のみ異性体を持つが、炭素数10のデカンは他に74種の異性体を持つ。さらに、炭素数20のエイコサンになると、他に36万種を超える異性体が存在する。
=== アルカンの性質 ===
* 水に溶けにくいが、有機溶媒(ジエチルエーテルやトルエンなどが有機溶媒である)によく溶ける。
* ススをほとんど出さずに燃えて、二酸化炭素と水を生じる。
* 固体や液体のアルカンは、水より密度が小さいので、水に浮く。
=== 置換反応 ===
常温でアルカンは安定であり、薬品と化学反応を起こしにくい。しかし、光を当てると(おもに紫外線による作用で)、アルカンがハロゲン元素と反応して、アルカンの水素原子がハロゲン原子と置き換わってハロゲン化水素を生じる反応が起こる。これを'''置換反応'''(substitution reaction)という。
==== メタン ====
[[File:Methane-2D-stereo.svg|thumb|100px|メタン]]
'''メタン'''は分子式CH{{sub|4}}の、もっとも炭素数が少ない基本的なアルカンである。常温では無色の気体である。実験室では、酢酸ナトリウムと水酸化ナトリウムを混合して加熱することで得られる。なお、この実験では水上置換法で捕集する。
: <chem>CH3COONa + NaOH -> Na2CO3 + CH4 ^ </chem>
メタンは光を当てるとハロゲンと置換反応を起こす。たとえば、メタンに光を当てながら塩素と反応させると、次のように1つずつ水素が塩素に置き換わる。
:<chem>CH4 + Cl2 -> HCl + CH3Cl</chem>(クロロメタン、塩化メチル)
:<chem>CH3Cl + Cl2 -> HCl + CH2Cl2</chem>(ジクロロメタン、塩化メチレン)
:<chem>CH2Cl2 + Cl2 -> HCl + CHCl3</chem> (トリクロロメタン、クロロホルム)
:<chem>CHCl3 + Cl2 -> HCl + CCl4</chem> (テトラクロロメタン、四塩化炭素)
塩化メチレンは沸点が40℃と分溜しやすいので、有機溶媒としてよく用いられる。サスペンス系の作品において、「クロロホルムを染み込ませた布を口にあてがい、対象を眠らせる」という演出が用いられるが、クロロホルムにそんな作用は存在しない。クロロホルムは粘膜を強く刺激するため、使われた対象は眠るどころか激痛で暴れ回ってしまう。間違っても人に使用しないようにしよう。四塩化炭素はかつて有機溶媒として広く用いられていたが、高い発癌性を持つと判明したため現在は使われていない。
* メタンハイドレート
[[Image:Burning hydrate inlay US Office Naval Research.jpg|right|frame| メタンと水に分離し燃えるメタンハイドレート。左上にクラスレートの構造を示す。 (University of Göttingen, GZG. Abt. Kristallographie)<br />出典: アメリカ地質調査所。]]
近年、日本近海の海底など、世界のいくつかの海底の多くの場所の地層中で、氷の結晶中にメタンが存在している事が明らかになった。この海底のメタンの含まれた氷を'''メタンハイドレート'''という。採掘されたメタンハイドレートの外見はドライアイスに似ている。採掘されたメタンハイドレートに点火すると、メタンだけが燃え、また、最終的に氷が熱で解けて水になる(氷が燃えてるのではない。燃えてるのはメタンである。)。
将来のエネルギー資源として、メタンハイドレートが注目されている(しかし2016年の現状では、まだ資源として実用的な段階には、メタンハイドレートの利用技術は達してない。)。
なお、メタンは温室効果ガスであるので(メタンの化学式には炭素が含まれているので、燃やすと二酸化炭素が発生するから)、メタンハイドレートを燃やすことでも温室効果があるので、気をつけるべきである。
== アルケン ==
{| style="text-align:center" cellspacing="0" border="1" align="right"
!分子式
!名称
!構造式
!沸点
|-
|C{{sub|}}H{{sub|2}}=C{{sub|}}H{{sub|2}}
|エチレン
(エテン)
|[[ファイル:Ethylene.svg|150x150ピクセル|エチレン]]
| -104 ℃
|-
|C{{sub|}}H{{sub|2}}=CHC{{sub|}}H{{sub|3}}
|プロピレン
(プロペン)
|[[ファイル:Propene-2D-flat.png|150x150ピクセル|プロピレン]]
| -47 ℃
|-
|C{{sub|}}H{{sub|2}}=CHC{{sub|2}}H{{sub|5}}
|1-ブテン
|[[ファイル:1-Butene_Formula_V.1.svg|150x150ピクセル|プロピレン]]
| -6 ℃
|}
アルケンは分子式がC{{sub|n}}H{{sub|2n}}と書け、不飽和度1である。アルケンは不飽和炭化水素である。右におもなアルカンの分子式と名称、構造式を示す。
'''エチレン'''の水素原子1個をメチル基 CH<sub>3</sub>- に置き換えると、'''プロピレン'''('''プロペン''')になる。
エチレン(ethylene)はエテン(ethene)の慣用名である。IUPAC命名法ではエテンであるが、慣用名のエチレンの使用も認められている。
=== シス-トランス異性体 ===
アルケンは二重結合が含まれているが、二重結合の部分は回転ができないため、そのため、いくつかのアルケンでは、異性体が存在する。このような異性体を、'''シス-トランス異性体'''(cis-trans isomers、'''幾何異性体''')という。
たとえば 2-ブテン では、シス形(cis form)とトランス形(trans form)という2種類の異性体が存在する。
----
* シス形
[[ファイル:Cis-2-Buten.svg|200x200ピクセル]] [[ファイル:Cis-but-2-ene-3D-balls.png|200x200ピクセル]]
cis-2-ブテン
融点:-139 ℃
沸点:4 ℃
----
* トランス形
[[ファイル:Trans-2-Buten.svg|200x200ピクセル]] [[ファイル:Trans-but-2-ene-3D-balls.png|200x200ピクセル]]
trans-2-ブテン
融点:-106 ℃
沸点:1 ℃
=== 付加反応 ===
アルケンには二重結合が含まれているため、ハロゲンなどと反応して二重結合の1つを切って、そこと単結合をつくる。このような反応を'''付加反応'''(additional reaction)という。(反応例を下図に示す。)
たとえばエチレンは、臭素と反応すると、付加反応により、1,2-ジブロモエタンになる。
: [[ファイル:Bromine-adds-to-ethene.png|左|サムネイル|500x500ピクセル|エチレンの臭素付加反応の化学反応式]]
また、エチレンは、触媒として白金またはニッケルの条件下で、エチレンは水素と付加反応をして、エタンになる。
: [[ファイル:エチレンの水素付加.svg|500x500ピクセル|エチレンの水素付加]]
なお、付加反応はアルケンに限らず不飽和化合物で見られ、炭素間の二重結合や三重結合に対しておこる反応である。一方、アルカンのような単結合のみの飽和炭化水素では起こらない反応である。
: [[ファイル:Ear.png|左|サムネイル|750x750ピクセル|付加反応の例]]
{{-}}
*補:付加反応の仕組み
二重結合や三重結合は、実は異なる2つの結合が同時に起こることで生じる。片方は'''σ結合'''(しぐまけつごう)という強い結合で、もう片方は配位結合である。三重結合の場合は配位結合が二重に起こっている。<br>付加反応においては、この二種の結合のうち弱い方である配位結合が切れることによって付加物が付加する余地が生まれている。
==== マルコフニコフ則 ====
[[ファイル:Markovnikov's_rule_illust_for_beginner_student_in_japanese.svg|左|サムネイル|700x700ピクセル|マルコフニコフ則]]
{{-}} アルケンの二重結合に、HX{{efn|HClやH<sub>2</sub>O (H-OH) など}}が付加するとき、二種類の生成物が考えられるが、このとき、二重結合している炭素原子に結合しているHが多いほうに、HXのHが付加し、少ない方にXが付加した化合物が多く生成する。これを'''マルコフニコフ則'''(Markovnikov rule)という。
例えば、プロペンと塩化水素の付加反応では、生成物のうち2クロロプロパンが99%を占める。
=== 酸化 ===
また、不飽和炭化水素は酸化剤と反応して酸化される。赤紫色の過マンガン酸カリウム水溶液にたとえばエチレンを通じると、エチレンは酸化され、二酸化マンガンの黒色沈殿を生じるとともに赤紫色が消える。このような反応は、メタンをはじめアルカンでは起こらない。
=== その他 ===
その他、アルケンは次のような有機化合物一般の性質をもつ。
* 水に溶けにくい。
* エーテルなどの有機溶媒によく溶ける。
* ススを少し出しながら燃えて、二酸化炭素と水を生じる。
==== エチレン ====
[[ファイル:Ethylene_3D.png|サムネイル|エチレン]]
'''エチレン'''(ehtylene)は分子式C{{sub|2}}H{{sub|4}}の、もっとも炭素数が少ない基本的なアルケンである。常温では無色の気体である。二重結合で結びついている炭素原子と、それに直接結合した原子はすべて同一平面上にあるため、右図のようにエチレン分子は全ての原子が同一平面上にある。
エチレンは、実験室ではエタノールの分子内脱水により得られる。エタノールに濃硫酸を加え、160℃程度で加熱するすると、エタノールの分子内で脱水反応がおこり、エチレンが生成する。(下図に例を示す。)※有機化学では濃硫酸を脱水触媒として用いることが多い。
: [[ファイル:Ethanol_to_ethylene.svg|左|サムネイル|500x500ピクセル|エチレンの生成の化学反応式]]
{{-}}
また、エチレンは二重結合を含むため、赤褐色の臭素水に通じると、付加反応により臭素の色が消え無色になる。(下図に例を示す。)
: [[ファイル:Bromine-adds-to-ethene.png|左|サムネイル|500x500ピクセル|エチレンの臭素付加反応の化学反応式]]
{{-}} さらに、赤紫色の過マンガン酸カリウム水溶液に通じると、エチレンは酸化され、黒色の二酸化マンガンの沈殿が生じる。
工業的には、ナフサの熱分解でエチレンが得られる。エチレンは様々な薬品の合成原料であり、工業的に重要な物質である。
エチレンは、植物ホルモンでもある。
== アルキン ==
{| style="text-align:center" cellspacing="0" border="1" align="right"
!分子式
!名称
!構造式
!沸点
|-
|C{{sub|2}}H{{sub|2}}
|'''アセチレン'''
|[[ファイル:Acetylene-2D.svg|150x150ピクセル|アセチレン]]
| -74 ℃
|-
|C{{sub|3}}H{{sub|4}}
|'''プロピン'''
|[[ファイル:Propyne-2D-flat-1.svg|150x150ピクセル|プロピン]]
| -23 ℃
|}
右図のアセチレンのように、一般に、炭素間の結合に三重結合を1つ含むため分子式が C{{sub|n}}H{{sub|2n-2}} と書ける炭化水素を'''アルキン'''(alkyne)という。右に、おもなアルカンの分子式と名称、構造式を示す。
なお、アセチレン分子の立体構造は、すべての原子が直線上にならぶ配置になっている。この理由は、三重結合の部分は、回転をできないから、である。
=== アルキンの性質 ===
アルキンは三重結合のため、'''付加反応'''を起こしやすく、酸化剤と反応して酸化される。
また、アルキンは次のような有機化合物一般の性質をもつ。
* 水に溶けにくい。
* エーテルなどの有機溶媒によく溶ける。
* ススを多く出しながら燃えて、二酸化炭素と水を生じる。
燃焼時のススの多さは不飽和度が高いほど多くなり、その時の炎も明るくなる。
==== アセチレン ====
[[ファイル:Acetylene-2D.svg|サムネイル|アセチレンの構造式]]
[[ファイル:Acetylene-3D-balls.png|サムネイル|アセチレン分子の形状]]
'''アセチレン'''は分子式C{{sub|2}}H{{sub|2}}の、もっとも炭素数が少ない基本的なアルキンである。アセチレンの構造式は、右図のように '''HC≡CH''' と書く。常温ではアセチレンは無色の気体である。三重結合で結びついている炭素原子と、それに直接結合した原子はすべて同一直線上にあるため、右図のようにエチレン分子は全ての原子が一直線上にある。
アセチレンは、実験室では炭化カルシウムCaC{{sub|2}}('''カルシウムカーバイド''')を水と反応させることにより得られる{{efn|CaC<sub>2</sub>はCa<sup>2+</sup>とC<sup>-</sup>≡C<sup>-</sup>のイオン結合からなる物質のため、OH<sup>-</sup>2個とCa<sup>2+</sup>が結合し、余ったH<sup>+</sup>2個がC<sup>-</sup>≡C<sup>-</sup>と結合する}}。炭化カルシウムを細かな穴をあけたアルミ箔で包み、水を入れた水槽に入れると、アセチレンが発生する。アセチレンは水に溶けないため、水上置換法により捕集する。
: <chem>CaC2 + 2H2O -> Ca(OH)2 + C2H2 ^</chem>
なお、アセチレンの工業的な製法では、石油などに含まれるアルカンを熱分解(クラッキングという)して、アセチレンをつくる。
[[ファイル:Beveridge_brothers_rosebud_0.jpg|右|225x225ピクセル|酸素アセチレン炎]]
アセチレンは、溶接用のバーナーの炎に用いられる。アセチレンに酸素を混ぜて点火すると、3000 ℃を超える高温の炎が得られる。そのため、金属の溶接や切断の際に酸素アセチレン炎が用いられる。
なお、炭化カルシウム <chem>CaC2</chem> のことをカーバイドともいう。しかし、炭化カルシウム以外の物質でも、金属の炭化物のこともカーバイドというので、暗記の必要性は低い。
=== アセチレンの反応 ===
==== 付加反応 ====
三重結合は付加反応を受けやすく、白金やニッケルなどを触媒として水素と反応させると、エチレンやエタンを生じる。
: [[ファイル:Synthesis_Ethylene.svg|左|サムネイル|500x500ピクセル|アセチレンC{{sub|2}}H{{sub|2}}への水素の付加によって、エチレンH<sub>2</sub>C=CH<sub>2</sub>が生じた反応]]
{{-}}
==== 過マンガン酸カリウム水溶液 ====
塩基性の過マンガン酸カリウム水溶液(赤紫色の状態)に通じると、MnO2の沈殿が生じる。
==== 臭素との反応 ====
また、アセチレンは三重結合を含むため、赤褐色の臭素水に通じると、付加反応により1-1-2-2-テトラブロモエタンが生じるため臭素の色が消え、無色になる。
==== 水との付加 ====
硫酸水銀 HgSO<sub>4</sub> を触媒として、アセチレンに水が付加することにより、不安定な中間生成物を経て、最終的にアセトアルデヒドを生じる。アセチレンは、まずはじめにビニルアルコール(CH{{sub|2}}CH(OH))になるが、これは非常に不安定であり、アセトアルデヒド(CH{{sub|3}}CHO)になる。ビニルアルコールはエノール体、アセトアルデヒドはケト体なので、この反応は'''ケトエノール互変異性化'''と呼ばれる。一般に、ケト体↔︎エノール体の反応において、平衡はケト体側へと偏る。
: [[ファイル:Ethin_Ethanal.svg|左|サムネイル|600x600ピクセル|アセチレンへの水の付加。まんなかの式にある、途中の生成物はビニルアルコール。いちばん右の式にある、最終的な生成物がアセトアルデヒド。]]
{{-}}
==== 赤熱した鉄 ====
アセチレンが、赤熱した鉄にふれると、鉄が触媒として作用し、アセチレンの3分子が重合して、ベンゼンが生じる。
: [[ファイル:Ethin-Benzol.png|左|サムネイル|アセチレンの3分子重合。右側の式がベンゼン環]]
{{-}}<!-- 銀アセチリド、銅アセチリドは省略 -->炭素が環状に結合している炭化水素のことを 環式炭化水素という。
== シクロアルカン ==
{| style="text-align:center" cellspacing="0" border="1" align="right"
!分子式
!名称
!構造式
|-
|C{{sub|4}}H{{sub|8}}
|'''シクロブタン'''
|[[ファイル:Cyclobutane.svg|102x102ピクセル|シクロブタン]]
|-
|C{{sub|5}}H{{sub|10}}
|'''シクロペンタン'''
|[[ファイル:Cyclopentane.svg|100x100ピクセル|シクロペンタン]]
|-
|C{{sub|6}}H{{sub|12}}
|'''シクロヘキサン'''
|[[ファイル:Cyclohexane-compressed.svg|100x100ピクセル|シクロヘキサン]]
|}
一般式C{{sub|n}}H{{sub|2n}}で表される環式炭化水素を'''シクロアルカン'''という。炭素間の結合がすべて単結合である。右におもなシクロアルカンの分子式と名称および構造式を示す。
シクロアルカンの「シクロ(cyclo-)」とは環式であることを表す接頭辞であり、「シクロアルカン」とは環式のアルカンであることを示している。
==== 一般的な性質 ====
シクロアルカンは飽和炭化水素であり、[[高校化学 脂肪族炭化水素#アルカン|アルカン]]に似た性質をもつ。
* 光を当てると'''置換反応'''を起こす。
* 水に溶けにくい。
* エーテルなどの有機溶媒によく溶ける。
* 燃えてもススをほとんど出さずに燃えて、二酸化炭素と水を生じる。
==== シクロヘキサン ====
シクロヘキサンは分子式C{{sub|6}}H{{sub|12}}のシクロアルカンである。分子の構造として次の2種類が存在する。
* いす型: [[ファイル:Konf_vzorec_cyklohexan-Z.PNG|50x50ピクセル|シクロヘキサン-いす型]]
* 舟型: [[ファイル:Konf_vzorec_cyklohexan-C.PNG|50x50ピクセル|シクロヘキサン-舟型]]
舟型は不安定な構造であり、通常はいす型の構造をとる。
== シクロアルケン ==
[[ファイル:Cyclohexene_for_highscool.svg|サムネイル|200x200ピクセル|シクロへキセン。 融点: -104℃。 沸点:83℃。]]
環状構造で炭素原子間に二重結合を1個もつ炭化水素を '''シクロアルケン'''(cycloalken)という。 一般式はC<sub>n</sub>H<sub>2n-2</sub>で表される。
シクロアルケンの化学的性質は、鎖式構造のアルケンに似た性質があり、付加反応を起こしやすい。
シクロアルケンには、シクロペンテンC<sub>5</sub>H<sub>8</sub>やシクロヘキセンC<sub>6</sub>H<sub>10</sub>などがある。
== 参考事項 ==
=== シクロアルキン ===
環状構造で炭素原子間に三重結合を1個もつ炭化水素を'''シクロアルキン'''(cycloalkin)という。一般式はC<sub>n</sub>H<sub>2n-4</sub>で表される。
炭素数が多く結合に柔軟性がある場合のみ存在し、通常は非常に不安定である。
分子模型セットを持っている人は確かめてほしいが、炭素数が7以下だと三重結合を含む環状構造を作るのがとても難しい。炭素数8ならば歪みがあるものの、辛うじて環状構造を形成することができる。実際、安定して単離されるのはシクロオクチンC<sub>8</sub>H<sub>12</sub>である。炭素数10では炭素数8に比べて安定した環状構造を取るが、炭素原子同士の距離が近いので容易に化学反応を起こし、環状構造が壊れてしまう。そのため、シクロアルキンは非常に存在しにくい炭化水素であると言える。
一般に、炭素数が多くなるほど環状構造は不安定になる。
高校化学で考える必要はないが、「シクロアルカンとシクロアルケンはあるけどシクロアルキンは存在しないのか」という疑問を解消するため紹介した。
=== アルケン以外のシス-トランス異性体 ===
環状構造の単結合も回転することができないため、環構造を含む化合物はアルケンと同様にシス-トランス異性体が存在する。
また、錯体についてもシス-トランス異性体が存在する場合がある。
この、アルケン以外のシス-トランス異性体は難関大入試では定番のテーマである。
==脚注==
===注釈===
<references group="注釈"></references>
{{DEFAULTSORT:しほうそくたんかすいそ}}
[[Category:高等学校化学]]
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高校化学 酸素を含む脂肪族化合物
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wikitext
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== アルコール ==
炭化水素の水素をヒドロキシ基 -OHで置換した構造の化合物を'''アルコール'''(alcohol)という。
{|border=1 cellspacing=0 align=right text-align=center style="text-align:center"
|- style="background:silver"
! 示性式 !! 名称 !! 構造式
|-
| CH{{sub|3}}OH || '''メタノール''' || [[File:Methanol Lewis.svg|100px|メタノール]]
|-
| C{{sub|2}}H{{sub|5}}OH || '''エタノール''' || [[File:Ethanol-structure.png|150px|エタノール]]
|}
アルコールは分子中のヒドロキシ基の個数や結合の仕方による、いくつかの分類がある。
アルコール分子中のヒドロキシ基の個数を'''価数'''という。分子中のヒドロキシ基が1個のものを1価アルコール、2個のものを2価アルコールなどという。2価以上のものを多価アルコールという。
{|border=1 cellspacing=0 align=center text-align=center style="text-align:center"
|- style="background:silver"
! 分類 !! 名称 !! 化学式 !! 融点 !! 沸点
|-
| 一価アルコール || メタノール<br />エタノール<br />1-プロパノール<br />1-ブタノール || CH{{sub|3}}-OH<br />CH{{sub|3}}-CH{{sub|2}}-OH<br />CH{{sub|3}}-CH{{sub|2}}-CH{{sub|2}}-OH<br />CH{{sub|3}}-CH{{sub|2}}-CH{{sub|2}}-CH{{sub|2}}-OH<br /> || -98℃<br />-115℃<br />-127℃<br />-90℃ || 65℃<br />78℃<br />97℃<br />117℃
|-
| 二価アルコール || エチレングリコール<br />(1,2-エタンジオール) || [[File:Glikol.svg|100px|エチレングリコール]] || -13℃ || 198℃
|-
| 三価アルコール || グリセリン<br />(1,2,3-プロパントリオール)|| [[File:Glycerin - Glycerol.svg|150px|グリセリン]] || 18℃ || 290℃(分解)
|-
|}
ヒドロキシ基に結合している炭素原子に結合している炭素原子の個数が、1または0個ものを'''第一級アルコール'''、2個のものを'''第二級アルコール'''、3個のものを'''第三級アルコール'''という。
{|border=1 cellspacing=0 align=center text-align=center style="text-align:center"
|- style="background:silver"
!分類!!構造!!化合物の例!!沸点
|-
|第一級<br />アルコール||[[File:第一級アルコール.svg|150px|第一級アルコール]]||1-ブタノール<br />2-メチル-1-プロパノール||117℃<br />118℃
|-
|第二級<br />アルコール||[[File:第二級アルコール.svg|150px|第二級アルコール]]||[[File:2ブタノール.svg|200px|2-ブタノール]]<br />2-ブタノール||99℃
|-
|第三級<br />アルコール||[[File:第三級アルコール.svg|150px|第三級アルコール]]||[[File:Tert bütil alkol ücüncül bir alkol.svg|150px|2-メチル-2-プロパノール]]<br />2-メチル-2-プロパノール||83℃
|}
二クロム酸カリウムなどで、第一級アルコールと第二級アルコールを酸化すると、それぞれアルデヒド、ケトンを生じ、アルデヒドをさらに酸化するとカルボン酸になる。第三級アルコールは酸化されにくい。
=== アルコールの性質 ===
==== 水溶性 ====
アルコールは親水性のヒドロキシ基と疎水性の炭化水素基をもつ。そのため、エタノールなどの低級アルコールや、グリセリンのような-OH基の多いアルコールは、水に溶けやすい。炭素数の割合が多くなると炭化水素としての性質が強くなり、水に溶けにくくなる。たとえば、炭素数が4の1-ブタノールや炭素数が5の1-ペンタノールは水に難溶である。
また、アルコールは水に溶けても電離しないため中性である。
==== 融点と沸点 ====
アルコールのOH基によって、水素結合が形成されるため、分子量が同程度の炭化水素と比べて、沸点や融点が高い。
=== アルコールの反応 ===
==== ナトリウムとの反応 ====
アルコールに金属ナトリウムNaを加えると、水素が発生し、ナトリウムアルコキシド <chem>R-ONa</chem> を生じる。
* <chem>2R-OH + 2Na -> 2R-ONa + H2 ^</chem>
* <chem>2C2H5OH + 2Na -> 2C2H5ONa + H2 ^</chem>(エタノールの場合)
炭素数が多いほどナトリウムと穏やかに反応するようになる。この反応は有機化合物中のヒドロキシ基の有無を調べる一つの方法である。
ナトリウムアルコキシド <chem>R-ONa</chem> に水を加えると、加水分解して水酸化ナトリウムを生じるため塩基性を示す。
: <chem>R-ONa + H2O -> R-OH + NaOH</chem>
==== 酸化反応 ====
* アルコールに適当な酸化剤を用いて酸化させた場合
:第一級アルコールを酸化させると、まずアルデヒドになり、アルデヒドがさらに酸化すると、カルボン酸になる。
:第二級アルコールは、酸化されるとケトンになる。
:第三級アルコールは、酸化されにくい。
:
第一級アルコール [[File:第一級アルコール.svg|100px|第一級アルコール]] <chem> -> </chem> アルデヒド[[File:Aldehyd - Aldehyde.svg|100px|]] <chem> -> </chem> カルボン酸[[File:Carboxylic-acid.svg|100px|]]
第二級アルコール [[File:第二級アルコール.svg|100px|第二級アルコール]] <chem> -> </chem> ケトン[[File:Keton - Ketone.svg|100px|]]
==== 脱水反応 ====
濃硫酸を加熱して約130℃にしたものに、アルコールを加えると、アルコール分子内での脱水反応が起きたり、もしくはアルコールの2分子間で脱水反応が起きて、エーテルやアルケンを生じる。
具体的には、エタノールと濃硫酸とを混合し、約170℃に加熱するとエチレンを生じる。約130℃で加熱すると、分子間脱水が優先してジエチルエーテルを生じる。
なお、このジエチルエーテルの生成のように、2つの分子間から水などの小さな分子がとれて1つの分子になることを、縮合(condensation)という。
=== メタノール ===
'''メタノール'''(CH{{sub|3}}OH)はメチルアルコールとも呼ばれる、無色透明の液体である。
人体には有毒で、飲むと失明の恐れがある。水と混和する。
メタノールの製法は、触媒に酸化亜鉛 ZnO と <chem>Cr2O3</chem> を用いて、一酸化炭素 CO と水素 H<sub>2</sub> とを反応させる。
:<chem>CO + 2H2 -> CH3OH</chem>
メタノールは、溶媒や燃料のほか、薬品の原料や化学製品の原料などとして、用いられている.
二クロム酸カリウム水溶液などによりメタノールは酸化され、ホルムアルデヒドとなる。
: <math>\mathrm{CH_3OH} \xrightarrow{-2 \mathrm H (*)} \mathrm{HCHO}</math>
<br />
:(*)水素原子が分子から奪われる酸化反応である。
=== エタノール ===
'''エタノール'''(C{{sub|2}}H{{sub|5}}OH)は無色透明の液体である。エチルアルコールとも呼ばれる。アルコール飲料(酒)に含まれている。糖やデンプンなどの発酵により、エタノールが得られる。
:発酵: <chem>C6H12O6 -> 2C2H5OH + 2CO2</chem>
工業的にはエチレンに水分子を付加することにより合成される。
:合成: <chem>CH2=CH2 + H2O -> CH3CH2OH</chem>
濃硫酸には脱水作用があるため、エタノールと濃硫酸とを混合して加熱すると脱水反応がおこる。しかし、温度により異なった脱水反応がおこり、異なる物質が生成する。130℃程度で反応させるとエタノール2分子から水が取り除かれてジエチルエーテルを生じる。
: <chem>2C2H5OH -> C2H5-O-C2H5 + H2O</chem>
一方、160℃程度で反応させるとエタノール1分子の中で水が取り除かれ、エチレンを生じる。
: <chem>C2H5OH -> CH2=CH2 + H2O</chem>
=== 参考: 多価アルコール ===
==== エチレングリコール ====
[[File:Glikol.svg|100px|thumb|エチレングリコール]]
'''エチレングリコール'''(1,2エタンジオール)は、2価アルコールであり、無色で粘性が高い、不揮発性の液体である。水と混和する。
自動車のラジエーターの不凍液として用いられる。また、合成繊維や合成樹脂の原料としてもエチレングリコールは用いられる。
エチレングリコールには甘味があるが、毒性がある。
[[File:Ethylenoxide-2.svg|thumb|エチレンオキシド]]
エチレンを(ある触媒のもと)酸素と反応させ、エチレンオキシドという物質をつくる。
そして、そのエチレンオキシドを(酸によって)加水分解させ、エチレングリコールをつくれる。
※ 「エチレンオキシド」が高校範囲外である。かなり高度な受験参考書ですら、「エチレンオキシド」については触れられてない場合がほとんどである。なので高校生は、「エチレンオキシド」について大学受験では暗記の必要は無いだろう。
==== グリセリン ====
[[File:Glycerol structure.svg|thumb|グリセリン]]
1,2,3-プロパントリオール(グリセリン)は、3価アルコールであり、無色で粘性が高い、不揮発性の液体である。水とは任意の割合で溶け合う。無毒であり甘味があるので、化粧品や医薬品の原料などに用いられる。火薬(ニトログリセリン)の原料や合成樹脂の原料ともなる。
動物の体内に存在する油脂は、グリセリンと脂肪酸のエステルである。
== エーテル ==
酸素原子に2個の炭化水素基が結合した構造 <chem>R-O-R'</chem> をもつ化合物を'''エーテル(ether)'''という。エーテル中での-O-の結合を、エーテル結合という。
{| class="wikitable" style="text-align:center; float: right;"
!示性式
!名称
!構造式
!沸点
|-
|CH{{sub|3}}-O-CH{{sub|3}}
|ジメチルエーテル
|[[ファイル:Dimethyl-ether-2D-flat.png|100x100ピクセル|ジメチルエーテル]]
| -25℃
|-
|C{{sub|2}}H{{sub|5}}-O-C{{sub|2}}H{{sub|5}}
|ジエチルエーテル
|[[ファイル:Diethyl-ether-2D-flat.png|150x150ピクセル|ジエチルエーテル]]
|34℃
|-
|C{{sub|2}}H{{sub|5}}-O-C{{sub|}}H{{sub|3}}
|エチルメチルエーテル
|
|7℃
|}
=== エーテルの性質 ===
エーテルは1価アルコールと構造異性体の関係にある。たとえばジメチルエーテルとエタノールは互いに異性体である。
エーテルはヒドロキシ基 -OH を持たないため、水に溶けにくく、水素結合をしないため、エーテルの沸点・融点はアルコールよりも低い。 たとえば、沸点はジメチルエーテル CH<sub>3</sub>-O-CH<sub>3</sub> の融点は-145℃であり沸点は -25℃ であり、分子量が同程度のエタノール(沸点78℃)とくらべて、かなり低い。
また、エーテルは、ナトリウムとも反応しない。
アルコールを濃硫酸と混合して脱水縮合させることでエーテルが生成する。
=== ジエチルエーテル ===
ジエチルエーテル(diethyl ether)は無色で揮発性の液体であり、引火しやすいため取り扱いに注意が必要である。麻酔性がある。 ジエチルエーテルは水には溶けにくく、有機物をよく溶かすので、有機溶媒としても用いられる。油脂などの有機化合物を抽出するさいの溶媒として、ジエチルエーテルが用いられる。
エタノールに濃硫酸を加えて130~140°Cで加熱するとジエチルエーテルが生成する。
単にエーテルというと、ジエチルエーテルを指す。
=== エーテルの合成 ===
ナトリウムアルコキシド <chem>R-ONa</chem> とハロゲン化炭化水素 <chem>R'X</chem> の縮合によってエーテルが生成する。
<chem>R-ONa + R'X -> R-O-R' + NaX</chem>
== カルボニル化合物 ==
原子団[[ファイル:カルボニル基.svg|100x100ピクセル|カルボニル基]]をカルボニル基(carbonyl group)といい、カルボニル基をもつ化合物のことをカルボニル化合物(carbonyl compound)という。
ホルミル基 -CHO をもつ化合物を'''アルデヒド'''(aldehyde)という。
ホルミル基はカルボニル基の一方が水素である構造をしている。
[[ファイル:Aldehyde.png|サムネイル|アルデヒドの一般形]]
また、カルボニル基に2個の炭化水素基が結合した化合物 R -CO- R’ のことを'''ケトン'''という。
カルボニル化合物には、アルデヒド、ケトン、カルボン酸などがある。
{{-}}
== アルデヒド ==
{| style="text-align:center" cellspacing="0" border="1" align="right"
!示性式
!名称
!構造式
|-
|HCHO
|'''ホルムアルデヒド'''
|[[ファイル:Formaldehyde-2D.svg|100x100ピクセル|ホルムアルデヒド]]
|-
|CH{{sub|3}}CHO
|'''アセトアルデヒド'''
|[[ファイル:Acetaldehyde-2D-flat.svg|130x130ピクセル|アセトアルデヒド]]
|}
=== 性質 ===
[[高校化学 酸素を含む脂肪族化合物#アルコール|アルコール]]で学んだように、第一級アルコールを酸化するとアルデヒドが得られ、アルデヒドを酸化するとカルボン酸になる。
* 還元性
アルデヒド基には'''還元性'''があり、他の物質を還元して自らは酸化されやすい。つまりアルデヒドはカルボン酸になりやすい。
: <math>\mathrm{R-CHO} \xrightarrow{+ \mathrm O (*)} \mathrm{R-COOH}</math>
:: (*) 酸素を受け取る酸化反応が起こる。
そのため、アルデヒドは'''銀鏡反応'''や'''フェーリング反応'''といった還元性の有無を調べる反応により検出することができる。
* 水溶性
分子量の小さいアルデヒドやケトンは、水に溶けやすい。
=== 銀鏡反応 ===
[[ファイル:MiroirArgent.JPG|サムネイル|250x250ピクセル|銀鏡反応]]
アンモニア性硝酸銀水溶液にアルデヒドをくわえて加熱すると、銀イオン Ag<sup>+</sup> が還元されて、銀 Ag が析出する。これを'''{{Ruby|銀鏡|ぎんきょう}}反応'''(silver mirror test)といい、アルデヒドのような還元性のある物質を検出することに利用される。 試験管に銀が付着して鏡のようになることから、銀鏡という名前が付いている。
銀鏡反応は、以下のような反応である。 このアンモニア性硝酸銀水溶液にアルデヒドなどの還元性のある物質を加え、湯浴で加熱すると、ジアンミン銀(I)イオンが還元されて単体の銀が析出し、試験管の壁に付着する。アルデヒド自身は酸化されてカルボン酸となる。
: <chem>RCHO + 2[Ag(NH3)2]+ + 3OH- -> RCOOH + 4NH3 + H2O + 2Ag v</chem>
=== フェーリング反応 ===
[[ファイル:Kupfer(II)-Ionen1.jpg|サムネイル|209x209ピクセル|左から硫酸銅(II)水溶液、テトラアンミン銅(II)イオン Cu(NH<sub>3</sub>)<sub>4</sub>の溶液(フェーリング液もこれと似た色)、フェロシアン化銅(II)Cu<sub>2</sub>[Fe(CN)<sub>6</sub>](フェーリング反応後の酸化銅(Ⅰ)沈殿と似た色の沈殿)(注: フェーリング反応ではありませんが、似た色をしているので参考に掲載しています)]]
'''フェーリング液'''(Fehling′s solution)と呼ばれる液体にアルデヒドを加えて加熱すると、フェーリング液中の銅(II)イオンCu<sup>2+</sup>が還元されて、酸化銅(I) Cu<sub>2</sub>Oの赤色沈殿が生成することから、アルデヒドが還元性をもつことを確認することができる。この反応をフェーリング反応という。なお、アルデヒド自身はこのフェーリング反応で酸化されてカルボン酸となる。
* 参考
: フェーリング液とは、硫酸銅(Ⅱ)、酒石酸ナトリウムカリウムと、水酸化ナトリウムの混合水溶液である。硫酸銅(Ⅱ)水溶液をA液、酒石酸ナトリウムカリウムと水酸化ナトリウムの混合水溶液をB液として、A液とB液とを使用直前に混合して調整する。これは、フェーリング液が不安定で、長期間保存することができないためである。A液は硫酸銅(Ⅱ)水溶液なので青色をしているが、これにB液を加え混合したフェーリング液は、銅(Ⅱ)の錯イオンを生じて深青色の水溶液となる。
=== ホルムアルデヒド ===
[[ファイル:Formaldehyde-2D.svg|サムネイル|100x100ピクセル|ホルムアルデヒド]]
'''ホルムアルデヒド'''(HCHO)はもっとも単純な構造のアルデヒドであり、水に溶けやすい無色刺激臭の気体である。ホルマリン(formalin)はホルムアルデヒドの約37%水溶液であり、動物標本の保存溶液や、消毒剤として用いられる。
(※ 分子量の小さいアルデヒドは一般に、水溶性である事を思い出そう。そもそもカルボニル基が水溶性。)
ホルムアルデヒドはメタノールを酸化することで得られる。銅線を加熱して酸化銅(Ⅱ)とし、これを試験管に入れたメタノールに近づけると、メタノールが酸化されてホルムアルデヒドを生じる。
: <chem>CH3OH + CuO -> HCHO + H2O + Cu</chem>
なお、銅線を加熱して酸化銅にする方程式は
: <chem>2Cu2 + O -> 2CuO</chem>
なので、これとまとめて、反応式を
: <chem>2CH3OH + O2 -> 2HCHO + 2H2O</chem>
と書く場合もある。
なお、ホルムアルデヒドがさらに酸化されると、ギ酸になる。ギ酸も条件によってはさらに酸化されて二酸化炭素と水を生じる。
=== アセトアルデヒド ===
[[ファイル:Acetaldehyde-2D-flat.svg|サムネイル|130x130ピクセル|アセトアルデヒド]]
'''アセトアルデヒド'''(CH{{sub|3}}CHO)は分子中に炭素が2つあるアルデヒドであり、水や有機溶媒によく溶ける。
(※ 分子量の小さいアルデヒドは一般に、水溶性である事を思い出そう。そもそもカルボニル基が水溶性。)
実験室ではアセトアルデヒドは、エタノールを酸化することで得られる。エタノールに酸化剤として硫酸酸性の二クロム酸カリウムK<sub>2</sub>Cr<sub>2</sub>O<sub>7</sub> 水溶液を加え加熱すると、アセトアルデヒドが生じる。
: <chem>3C2H5OH + Cr2O7^2- + 8H+ -> 3CH3CHO + 2Cr3+ + 7H2O</chem>
また、工業的にはアセトアルデヒドの製法は、塩化パラジウム PdCl<sub>2</sub> と塩化銅 CuCl<sub>2</sub> を触媒に用いて、酸素によってエチレンを酸化することでも得られる。
: <chem>2CH2=CH2 + O2 -> 2CH3CHO</chem>
アセトアルデヒドは、酢酸の原料や防腐剤として用いられる。
アセトアルデヒドがさらに酸化されると、酢酸になる。
: <chem>CH3CHO -> CH3COOH</chem>
=== 飲酒とアセトアルデヒド ===
(※ 高校化学の範囲内。第一学習社の検定教科書に記述あり。)
日本酒や洋酒など、市販のアルコール飲料は、エタノールの水溶液である。
ヒトが酒(エタノール水溶液)を飲むと、おもに腸でエタノールが吸収され、血管を通って肝臓に運ばれ、そして肝臓で酵素によってアセトアルデヒド CH<sub>3</sub>CHO に分解される。さらに別の酵素によって、酢酸 CH<sub>3</sub>COOH に変化する。そして最終的に、二酸化炭素と水に分解される。
=== ※ 範囲外: カルボニル基の極性 ===
(※ 範囲外:) 検定教科書には書かれてないが、カルボニル基には極性があり、Cがδ<sup>+</sup>の電荷を帯びており、Oがδ<sup>ー</sup>の電荷をおびている。
二重結合を介して、
: <big><big>C</big><sup>δ<sup>+</sup></sup> <big>=</big> <big>O</big><sup>δ<sup>ー</sup></sup></big>
のように分極している。
また、カルボニル基をもつ簡単な分子は水に溶けやすい理由として、おそらく、カルボニル基の酸素原子が、溶液の水素分子と水素結合をするためであろう、と考えられている。(※ 参考文献: サイエンス社『工学のための有機化学 新訂版』、新井貞夫、185ページ) つまり、C=Oは親水基であろうと考えられている。(※ 参考文献: 『チャート式シリーズ 新化学I』平成19年第5刷)
[[ファイル:Ketone-general.svg|サムネイル|ケトンの一般式]]
== ケトン ==
ケトン基(-CO-)を分子中に含む物質を一般に'''ケトン'''と呼ぶ。右には主なケトンを示す。
{| style="text-align:center" cellspacing="0" border="1" align="right"
!示性式
!名称
!構造式
|-
|CH{{sub|3}}COCH{{sub|3}}
|'''アセトン'''
|[[ファイル:Aceton_(chemical_structure).svg|150x150ピクセル|アセトン]]
|}
{{-}}
=== 一般的な性質 ===
第二級アルコールを酸化するとケトンが得られる。逆に、ケトンを還元すると、第二級アルコールになる。
ケトンはアルデヒドと同様にC=Oの二重結合を持つ。このアルデヒド基・ケトン基のC=Oの二重結合をまとめてカルボニル基と呼ぶことがあるが、ケトンはアルデヒドと異なり、ケトンは還元性を持たない。そのため、ケトンは、銀鏡反応やフェーリング反応を起こさない。
また、アルデヒドはさらに酸化されてカルボン酸となるが、ケトンは酸化されにくい。
=== アセトン ===
'''アセトン'''(CH{{sub|3}}COCH{{sub|3}})はもっとも単純な構造のケトンである。アセトンは無色の芳香のある液体(沸点56 ℃)であり、アセトンは水に混ざりやすい。また、アセトンは、有機溶媒としても用いられる場合がある。
実験室でのアセトンの製法は、第二級アルコールである2-プロパノール(CH{{sub|3}}CH(OH)CH{{sub|3}})を酸化することで得られる。2-プロパノールに酸化剤の硫酸酸性二クロム酸カリウム水溶液を加え加熱すると、アセトンを生じる。
: <chem>3CH3CH(OH)CH3 + Cr2O7^2- + 8H+ -> 3CH3COCH3 + 2Cr3+ + 7H2O</chem>
また、アセトンは酢酸カルシウムの乾留によっても、実験室でアセトンを得ることができる。酢酸カルシウムの固体を試験管に入れ、加熱すると、アセトンを生じる。
: <chem>(CH3COO)2Ca -> CH3COCH3 + CaCO3</chem>
工業的には、クメン法によって作られる。
== ヨードホルム反応 ==
水酸化ナトリウム水溶液のような塩基性溶液中、アセトンにヨウ素を反応させると、特有の臭気をもつ'''ヨードホルム''' CHI<sub>3</sub> の黄色沈殿が生成する。この反応を'''ヨードホルム反応'''(iodoform reaction)という。
このヨードホルム反応は、アセチル基 CH<sub>3</sub>CO- を持つケトンやアルデヒド、または部分構造 CH<sub>3</sub>CH(OH)-(1-ヒドロキシエチル基)を持つアルコールが起こす。
酢酸はCH<sub>3</sub>CO-構造を含むが、酢酸はカルボン酸であり、ケトンやアルデヒドではないのでヨードホルム反応は起こさない。酢酸エチルも、ヨードホルム反応を起こさない。
ヨードホルム反応の起きる代表的な化合物は、アセトン、アセトアルデヒド、エタノール、2-プロパノールなどである。
== カルボン酸 ==
カルボキシ基 -COOH を含む化合物を'''カルボン酸'''という。
{| style="text-align:center" cellspacing="0" border="1" align="right"
!示性式
!名称
!構造式
|-
|HCOOH
|'''ギ酸'''
|[[ファイル:Formic_acid.svg|100x100ピクセル|ギ酸]]
|-
|CH{{sub|3}}COOH
|'''酢酸'''
|[[ファイル:Acetic_acid_2.svg|140x140ピクセル|酢酸]]
|}
=== カルボン酸の性質 ===
[[高校化学 酸素を含む脂肪族化合物#アルデヒド|アルデヒド]]の部分で学んだように、アルデヒドを酸化するとカルボン酸が得られる。
カルボン酸の酸性の原因は、COOHの部分の水素Hが水溶液中で電離するからである。
{| class="sortable wikitable"
|+カルボン酸の性質
!分類
!名称
!示性式
!融点
!その他
|-
| rowspan="5" |飽和モノカルボン酸
|ギ酸
|HCOOH
|8.40℃
|アリから発見
|-
|酢酸
|CH{{sub|3}}COOH
|16.7 ℃
|食酢の成分
|-
|プロピオン酸
|CH{{sub|3}}CH{{sub|2}}COOH
| -20.8℃
|乳製品に含まれる
|-
|パルミチン酸
|C<sub>15</sub>H<sub>31</sub>-COOH
|63°C
|
|-
|ステアリン酸
|C<sub>17</sub>H<sub>35</sub>-COOH
|71°C
|
|-
| rowspan="5" |不飽和モノカルボン酸
|アクリル酸
|CH{{sub|2}}=CHCOOH
|14℃
|塗料、接着剤など
|-
|メタクリル酸
|CH{{sub|2}}=CHCOOCH{{sub|3}}
|16℃
| --
|-
|オレイン酸
|C<sub>17</sub>H<sub>33</sub>-COOH
|13°C
|二重結合1個
|-
|リノール酸
|C<sub>17</sub>H<sub>31</sub>-COOH
| -5°C
|二重結合2個
|-
|リノレン酸
|C<sub>17</sub>H<sub>29</sub>-COOH
| -11°C
|二重結合3個
|-
| rowspan="2" |飽和ジカルボン酸
|シュウ酸
|HOOC-COOH
|187℃(分解)
|ホウレン草などに存在
|-
|アジピン酸
|HOOC–(CH{{sub|2}}){{sub|4}}–COOH
|153℃
|ナイロンの原料
|-
| rowspan="2" |不飽和ジカルボン酸
|フマル酸
|C{{sub|2}}H{{sub|2}}(COOH){{sub|2}}
|300℃(封管中)
|植物に含まれる
|-
|マレイン酸
|C{{sub|2}}H{{sub|2}}(COOH){{sub|2}}
|133℃
|合成樹脂の原料
|-
| rowspan="3" |ヒドロキシ酸
|乳酸
|CH{{sub|3}}CH(OH)COOH
|17℃
|ヨーグルトの成分
|-
|酒石酸
|(CH(OH)COOH){{sub|2}}
|170℃
|ブドウの果実中に存在
|-
|リンゴ酸
|HOOC-CH(OH)-CH<sub>2</sub>-COOH
|100°C
|果実中に存在
|}
脂肪族の1価カルボン酸を'''脂肪酸'''という。
分子中の炭素数が少ない脂肪酸を'''低級脂肪酸'''、炭素の多い脂肪酸を'''高級脂肪酸'''という。また、炭素間結合が単結合のみの脂肪酸を'''飽和脂肪酸'''、二重結合または三重結合を含む脂肪酸を'''不飽和脂肪酸'''という<ref>飽和脂肪酸は炭素原子に結合できる水素が飽和している。不飽和脂肪酸は二重結合または三重結合の部分に水素を付加出来るため、炭素原子に結合できる水素が飽和していないという意味である。</ref>。
分子中にカルボキシ基を1つ持つカルボン酸を1価カルボン酸(モノカルボン酸: mono-carboxylic acid)といい、カルボキシ基を2つ持つカルボン酸を2価カルボン酸(ジカルボン酸: di-carboxylic acid)という。
=== ギ酸 ===
[[ファイル:Formic_acid_85_percent.jpg|サムネイル|ギ酸]]
'''ギ酸'''('''蟻酸''') HCOOH は常温常圧では刺激臭のある無色の液体で、水溶液は酸性を示す。ギ酸は人体に有害で皮膚や粘膜を侵す。
ギ酸はホルミル基を持つため、還元性があり、酸化剤と反応させるとギ酸自身は酸化されて二酸化炭素となる。
[[ファイル:FormicAcid-Aldehyde_and_Carboxyl-ja.svg|中央|300x300ピクセル|ギ酸の分子構造]]
ギ酸は濃硫酸を加えて加熱すると一酸化炭素を生じる。
<chem>HCOOH -> H2O + CO ^</chem>
=== 酢酸 ===
[[ファイル:AceticAcid012.jpg|右|サムネイル|氷酢酸]]
'''酢酸'''('''醋酸''') CH{{sub|3}}COOH は常温常圧では刺激臭のある無色の液体で、水溶液は酸性を示す。
亜鉛などの金属と反応して水素を発生する。
: <chem>Zn + 2CH3COOH -> (CH3COO)2Zn + H2 ^</chem>
また、酢酸は弱酸だが炭酸よりは強い酸であるため、炭酸塩と反応して二酸化炭素を生じる。
: <chem>CH3COOH + NaHCO3 -> CH3COONa + H2O + CO2 ^ </chem>
また、酢酸は融点が17 ℃であり、純度の高い酢酸は冬場になると氷結してしまう。そのような酢酸を'''氷酢酸'''と呼ぶ。
酢酸は次のように2分子が水素結合で結合した二量体として存在する。
このため、酢酸の気体から分子量を測定する実験をすると、実験方法によっては、酢酸の分子量の約60の2倍の値である分子量120ほどの実験値が得られる場合もある。
これはその他のカルボン酸にも見られる。
[[ファイル:Acetic_Acid_Hydrogenbridge_V.2.svg|サムネイル|酢酸の二量体]]
カルボン酸が同程度の分子量のアルコールやアルカンよりも沸点や融点が高いのは、カルボン酸がこのように二量体を形成するからである。
=== マレイン酸とフマル酸 ===
'''マレイン酸'''と'''フマル酸'''(COOHCH=CHCOOH)はどちらも不飽和ジカルボン酸であり、シス-トランス異性体の関係にある。
{| class="wikitable"
|+シス-トランス異性体
!マレイン酸(シス形)
!フマル酸(トランス形)
|-
| [[ファイル:Maleic_acid.svg|マレイン酸]]
| [[ファイル:Fumaric_acid-structure.svg|フマル酸]]
|}
マレイン酸とフマル酸の化学的性質は大きく異なる。
マレイン酸は160℃で加熱すると脱水反応を起こし'''無水マレイン酸'''になる。これは、2つのカルボキシ基の位置関係の違いによるものである。カルボキシ基の位置が遠いトランス形のフマル酸ではこの反応は起こらない。
[[ファイル:Maleic_acid_dehydration-ja.svg|中央|マレイン酸の脱水]]
=== その他のカルボン酸 ===
カルボン酸は果物に多く含まれている。たとえばブドウに含まれる酒石酸や、柑橘類に含まれるクエン酸、リンゴに含まれるリンゴ酸はいずれもカルボン酸である。
分子中にCOOH基とOH基をもつカルボン酸を'''ヒドロキシ酸'''(Hydroxy acid)という。
乳酸は、糖類の発酵によって生じる。
==== 鏡像異性体 ====
[[ファイル:Lactic-acid_enantiomer_jp.svg|サムネイル|500x500ピクセル|乳酸の光学異性体]]
乳酸(lactic acid)は、ヨーグルトなどの乳製品に含まれているヒドロキシ酸である。乳酸は炭素原子に結合している4つの原子や原子団が、4つとも異なる。このように、4本のうでにそれぞれ異なる置換基が結合した炭素原子を、'''不斉炭素原子'''(asymmetric carbon atom)という。たとえば、乳酸(CH{{sub|3}}CH(OH)COOH)には不斉炭素原子が1個存在する。
[[ファイル:Lactic_acid-stereocenter.svg|中央|300x300ピクセル|乳酸の不斉炭素原子]]
上図を見ると分かるように、*印をつけた炭素原子の周りに、それぞれ色分けされた4つの異なる置換基が結合しているのが分かる。この*印がついた炭素原子が不斉炭素原子である。
ここで上の構造式は平面上に書かれているが、現実にはこの分子は立体として存在する。不斉炭素原子を中心とした正四面体の各頂点に、結合軸が配置しているのである。すると、構造式が上のように同一であっても、立体的にはどう動かしても重ね合わせることのできないものが存在する。これらは、たがいに鏡に写した関係にある。
このように、鏡写しの関係になった異性体を'''鏡像異性体'''(enantiomer)<ref>光学異性体とも</ref>という。
鏡像異性体の一方をL体といい、もう一方をD体という。
鏡像異性体のたとえとして、右手と左手との関係にたとえられる。
鏡像異性体は、融点や密度などの物理的性質や、化学反応に対する化学的性質はほとんど同じである。しかし、旋光性や、味、匂いなどの生理作用が異なる。
=== 水溶液中の水素結合 ===
カルボン酸が比較的に水に溶けやすいものが多いのは、水素結合によると考えられている。
また、カルボン酸と同程度の分子量のアルコールよりも、カルボン酸は水溶性が高い。(※ 参考文献: 新井貞夫、『工学のための有機化学』、サイエンス社、2014年新版、P212)
とはいえ、酢酸こそ水に溶けやすいものの、無水酢酸は水に溶けにくい。
== エステル ==
-COO- で表される構造を'''エステル結合'''(ester bond)という。エステル結合をもつ化合物を'''エステル'''(ester)といい、エステルを生成する脱水反応を'''エステル化'''(esterification)という。
カルボン酸とアルコールを酸触媒で加熱するとエステルが生成する。
[[File:Esterification-ja.png|500px|center|エステル化]]
比較的小さな分子量のエステルは果物に似た香りを持つため、香料に使用されるものもある。また、自然界にも、果実の香り成分として、小さな分子量のエステルが存在している。
エステルは水には溶けにくく、有機溶媒に溶ける。
エステルは加水分解してカルボン酸とアルコールが生成する。
[[File:氧化酯基.PNG|400px|center|加水分解]]
エステル化反応は可逆反応であり、エステル化と同時に加水分解も起こっている。そのため、エステルを多く生成するためにしばしば脱水剤や触媒として濃硫酸が用いられる。
=== けん化 ===
エステルは、水酸化ナトリウムのような強塩基の水溶液をくわえて加熱すると、カルボン酸の塩とアルコールに加水分解される。このような、強塩基によるエステルの分解反応を'''けん化'''(saponification)という。
: <chem>R-COO-R' + NaOH -> R-COONa + R'-OH</chem>
=== 酢酸エチル ===
酢酸とエタノールの混合物に触媒として濃硫酸をくわえて加熱すると、'''酢酸エチル'''(ethyl acetate)CH3-COO-C2H5 が得られる。
:<chem>CH3-CO-OH + H-O-C2H5 -> CH3-COO-C2H5 + H2O</chem>
酢酸エチルは、果実のような香りをもつため、香料として用いられる。
酢酸エチルは、沸点77℃であり、揮発性の液体であり、水より軽い。
=== カルボン酸以外のエステル ===
カルボン酸とアルコールの反応だけではなく、オキソ酸とアルコールとの間の脱水反応もエステル化と呼ぶ。例えば、アルコールであるグリセリンと、オキソ酸である硝酸が脱水・エステル化すると、'''ニトログリセリン'''を生じる。ニトログリセリンは爆発性のある物質で、ダイナマイトなどに用いられる。
:<chem>CH2(OH)-CH(OH)-CH2OH + 3HNO3 -> CH2(ONO2)-CH(ONO2)-CH2ONO2</chem>
:[[File:Nitroglycerin vzorec.png|center|thumb|ニトログリセリン]]
== 油脂 ==
[[File:油脂の構造.svg|thumb|300px|油脂の構造]]
[[File:Glycerol structure.svg|thumb|グリセリン]]
脂肪酸とグリセリン <chem>C3H5(OH)3</chem> がエステル結合した化合物を'''油脂'''という。
油脂のうち、常温で固体の油脂を'''脂肪'''(fat)、液体の油脂を'''脂肪油'''(fatty oil)という。
脂肪は飽和脂肪酸により構成されているものが多く、脂肪油は不飽和脂肪酸により構成されているものが多い。
これは、飽和脂肪酸は直線状であるのに対して、不飽和脂肪酸は二重結合の部分で折れ曲がった形をしているため、この立体構造により分子同士が近づきにくくなり、分子間力が働きにくくなるため、不飽和脂肪酸の融点が低くなることによる。
天然の油脂を構成する脂肪酸には炭素数が16か18のものが多い。
以下に、油脂を構成する主な脂肪酸の例を示す。
{|border=1 cellspacing=0 align=center text-align=center style="text-align:center;"
|- style="background:silver"
! !! 飽和脂肪酸!!colspan="2" | 不飽和脂肪酸
|-
| 名称 || '''ステアリン酸''' || '''オレイン酸''' || '''リノール酸'''
|-
| 示性式 || C{{sub|17}}H{{sub|35}}COOH || C{{sub|17}}H{{sub|33}}COOH || C{{sub|17}}H{{sub|31}}COOH
|-
| 分子模型 || [[File:Stearic acid spacefill.gif|200px|ステアリン酸分子模型]] || [[File:Oleic-acid-3D-vdW.png|200px|オレイン酸分子模型]] || [[File:Linolenic-acid-3D-vdW.png|200px|リノール酸分子模型]]
|}
[[File:Breakfast - bread, margarine and honey.jpg|thumb|硬化油の例 - マーガリン]]
不飽和脂肪酸の炭素間二重結合では、アルケンと同様に付加反応が起こる。油脂を構成する不飽和脂肪酸に、ニッケル Ni を触媒として用いて水素を付加させると、融点が高くなるため、常温で固体の油脂へと変化する。このようにして脂肪油から生じた固体の油脂を'''硬化油'''(hardened oil)という。植物油をもととする硬化油はマーガリンなどに用いられる。硬化により飽和脂肪酸とすることには、長期間の保存の間に空気中の酸素が不飽和結合に付加して酸化されることを防ぐ役割もある。
{{-}}
=== 油脂のけん化 ===
油脂に水酸化ナトリウムを加えて加熱すると、油脂は'''けん化(鹸化)'''されて、高級脂肪酸のナトリウム塩('''セッケン(石鹸)''')とグリセリンになる。
洗い物などでもちいる石鹸とは、このような高級脂肪酸のナトリウム塩である。
[[File:セッケンの反応式.svg|800px|]]<br />
さて、油脂1分子に、エステル結合が3つある。よって油脂1molのけん化には、水酸化ナトリウム3molが必要になる。
セッケンは弱酸と強塩基の塩であるが、水中ではセッケンは一部が加水分解し、弱塩基性を示す。
:<chem>R-COONa + H2O -> R-COOH + Na+ + OH-</chem>
セッケンの炭化水素基部分(図中 R- の部分)は疎水性である。セッケンのカルボキシル基COONaの部分は親水性である。
[[File:MicelleColor.png|thumb|right|250px|ミセル]]
水中では、多数のセッケンの疎水基の部分どうしが集まり、親水基を外側にして集まる構造のコロイド粒子の'''ミセル'''(micelle)になる。
セッケン分子のように、分子中に親水基と疎水基を合わせ持つ物質を'''界面活性剤'''という。
セッケン水に油を加えると、セッケンの疎水部分が油を向いて、多数のセッケン分子が油を取り囲むので、油の小滴が水中に分散する。このような現象を'''乳化'''(にゅうか、emulsification)という。そして、セッケンのように、乳化をおこさせる物質を'''乳化剤'''という。
セッケンの洗浄作用の理由は、主に、この乳化作用によって、油を落とすことによる。
セッケンは水の表面張力を低下させる。
== セッケン ==
油脂に水酸化ナトリウム水溶液を加え加熱すると'''けん化'''(鹸化、正字:鹼化)して、高級脂肪酸のナトリウム塩とグリセリンを生じる。この高級脂肪酸の塩を'''セッケン'''(石鹸、正字:石鹼)という。脂肪酸は弱酸であり、水酸化ナトリウムは強塩基であるから、これらの塩であるセッケンの水溶液は弱塩基性を示す。
[[File:セッケンの反応式.svg|800px|]]<br />
セッケン分子は、'''疎水性'''の炭化水素基と、'''親水性'''のイオン基からなる。このように、親水基と疎水基を両方持つ物質を'''界面活性剤'''あるいは乳化剤という。
:[[File:セッケン分子の構造.svg|400px|セッケン分子の構造]]
[[File:Micel olie in water.gif|thumb|ミセル]]
このセッケン分子は疎水部を内側に、親水部を外側に向けて寄り集まった状態で集まって粒子(ミセル)を形成し、水に溶けている。水溶液中に油が存在すると、セッケン分子が油の周囲を取り囲み、疎水部は油となじみ、親水部は外側へ向いて、微粒子を形成し水溶液中へ分散し、水溶液は白濁する。この現象を'''乳化'''という。
[[File:Mydlo micela-tuk.png|center|乳化作用]]
この乳化作用により、油汚れを洗浄することができる。
マヨネーズの油と水をくっつける、卵黄のレシチンも乳化剤である。
なお、一般に、水と油の界面に配列する物質が、食べられない物質の場合に界面活性剤という場合が多い。いっぽう、食品などからつくった場合などで、食べられる場合には乳化剤という場合が多い。明確には決まっていない(検定教科書でも、とくに決められてはいない)。
セッケンがカルシウムイオンCa<sup>+</sup>やマグネシウムイオンMg<sup>+</sup>などの溶けた硬水と混じると、水に溶けにくい塩 (R-COO)<sub>2</sub>Ca などが生じるので、セッケンの泡立ちが悪くなる。
=== 界面活性剤の分類 ===
陽イオン界面活性剤には、洗浄力は無く、柔軟剤などとして使われる。陽イオン界面活性剤による洗剤は、'''逆性セッケン'''とも言われる。
{| class="wikitable"
|+ 界面活性剤の分類
|-
! 分類 !! 構造 !! 特徴 !! 用途
|-
| 陰イオン性<br />界面活性剤 || [[File:硫酸アルキルナトリウム.svg|400px|]] || 親水基が<br />陰イオン || 台所用洗剤<br />シャンプー<br />洗濯用洗剤
|-
| 陽イオン性<br />界面活性剤 || [[File:アルキルトリメチルアンモニウム塩化物.svg|400px|]] || 親水基が<br />陽イオン || 柔軟剤<br />リンス<br />殺菌剤
|-
| 両性<br />界面活性剤 || [[File:Nアルキルベタイン.svg|550px|]] || 親水基に<br />陰イオンと陽イオンの<br />両方をもつ || 食器用洗剤<br />柔軟剤<br />リンス<br />シャンプー
|-
| 非イオン<br />界面活性剤 || ポリオキシエチレンアルキルエーテル<br />CH<sub>3</sub>-CH<sub>2</sub>-CH<sub>2</sub>-・・・-CH<sub>2</sub>-O(CH<sub>2</sub>CH<sub>2</sub>O)<sub>n</sub>H || 親水基が電離しない || 衣料用洗剤<br />乳化剤<br />
|-
|}
セッケンは、陰イオン性界面活性剤である。
両性界面活性剤は、酸性溶液中では陽イオンになり、塩基性溶液中では陰イオンになる。
=== 合成洗剤 ===
しかし、セッケン分子は <chem>Ca^2+</chem>や <chem>Mg^2+</chem>と反応して水に溶けにくい塩を生じる。そのため、イオンを多く含む硬水や海水中では洗浄力が落ちる。
このようなセッケンの短所を改良したアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム R-C{{sub|6}}H{{sub|4}}-SO{{sub|3}}{{sup|-}}Na{{sup|+}}(略称:ABS)やアルキル酸ナトリウム R-SO{{sub|3}}{{sup|-}}Na{{sup|+}} (略称:AS)は、高級アルコールや石油などから人工的に合成される。
これらアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムやアルキル酸ナトリウムを'''合成洗剤'''(synthetic detergent)という。
* ASの製法
ASの製法は、高級アルコールの1-ドデカノール C<sub>12</sub>H<sub>25</sub>-OH に濃硫酸 H2SO4 を作用させるとエステル化されることで硫酸水素ドデシル C<sub>12</sub>H<sub>25</sub>-SO{{sub|3}}H ができ、この硫酸水素ドデシルを水酸化ナトリウムで中和することで硫酸ドデシルナトリウム C<sub>12</sub>H<sub>25</sub>-SO{{sub|3}}Na が得られる。
[[File:硫酸ドデシルナトリウムの合成式.svg|700px|硫酸ドデシルナトリウムの合成式 :C<sub>12</sub>H<sub>25</sub>-OH → C<sub>12</sub>H<sub>25</sub>-SO{{sub|3}}H → C<sub>12</sub>H<sub>25</sub>-SO{{sub|3}}Na]]
* ABSの製法
炭化水素基が結合したベンゼン(アルキルベンゼン)を濃硫酸とスルホン化すると、アルキルベンゼンスルホン酸が得られる。このアルキルベンゼンスルホン酸を水酸化ナトリウムで中和することでアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムが得られる。
[[File:アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの合成式.svg|700px|アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの合成式]]
=== 合成洗剤の性質 ===
セッケン水溶液は弱塩基性である。いっぽう、合成洗剤は強酸と強塩基の塩であるため、加水分解せず、よってアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどの水溶液は中性である。また、合成洗剤は、硬水中でも持ち手も、不溶性の沈殿を作りにくい。
合成洗剤の分子は、疎水部と親水部からなり、乳化作用により油汚れを洗浄することができる。
=== 洗濯用洗剤のビルダー ===
合成洗剤には、その洗剤としての働きを助けるため、界面活性剤以外にも、さまざまな成分が入っている。
ひとくちの合成洗剤といっても、台所用洗剤や洗濯用洗剤など、いろいろとあり、その種類によって、組成などの違う。
洗濯用洗剤では、合成洗剤の添加剤を'''ビルダー'''(builder)という。
たとえば、洗浄力を落とすカルシウムイオンやマグネシウムイオンを取り除くため(合成洗剤はセッケンとは違い、これらのイオンがある硬水でも洗浄力を持つが、それでも、これらのイオンが無い軟水のほうが良い洗浄効果をもつ)、'''ゼオライト'''(アルミノケイ酸ナトリウム)などが入ってる。
なお、かつてリン酸塩がこれらのイオンを除くための添加剤として用いられていたが、排水が河川などの富栄養化をまねき水質汚染の原因となるため、現在はあまり用いられてない。日本では、1980年ごろから、合成洗剤での水の軟水化のための添加剤がリン酸塩からゼオライトに切り換えられた。
そのほか、タンパク質汚れを落とすための分解酵素プロテアーぜや、油汚れを落とすための脂肪分解酵素リパーぜなど、酵素が添加されていたりする。
また、一般にアルカリ性のほうが汚れが落ちやすいので、炭酸ナトリウムが添加剤として加えられる。なお、台所洗剤やシャンプーでは、アルカリが身体を痛めるため、このようなアルカリ性の物質は加えられない。
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[[Category:高等学校化学]]
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中学校国語 古文/おくのほそ道
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予備知識
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wikitext
text/x-wiki
== 解説など ==
芭蕉は、自然の雄大さと、人間の儚さとを対比させ、無常観を表現している。しかし人の世が儚いからと言って決して人を見下しているわけではなく、儚いながらも、精一杯生きようとすることに人の意義を見出している。
== 平泉 ==
=== 本文 ===
三代(さんだい)の栄耀(えいよう)一睡の中(うち)にして、大門の跡は一里こなたにあり。秀衡(ひでひら)が跡は田野になりて、金鶏山(きんけいざん)のみ形を残す。まづ高館(たかだち)に登れば、北上川(きたかみがわ)、南部(なんぶ)より流るる大河(たいが)なり。衣川(ころもがわ)は和泉が城(いすみがじょう)を巡りて、高館の下にて大河に落ち入る。
泰衡(やすひら)らが旧跡は、衣が関(ころもがせき)を隔てて南部口(なんぶぐち)をさし固め、夷(えぞ)を防ぐと見えたり。さても、義臣(ぎしん)すぐつてこの城にこもり、功名(こうみょう)一時(いちじ)の叢(くさむら)となる。『国破れて山河あり、城(しろ、じょう)春にして草青みたり』と、笠うち敷きて(しきて)、時の移るまで泪(なみだ)を落としはべりぬ。
:夏草や 兵(つはもの)どもが 夢の跡
:卯(う)の花に 兼房(かねふさ)見ゆる 白毛(しらが)かな 曾良
かねて耳驚かしたる二堂開帳(かいちょう)す。経堂(きょうどう)は三将の像を残し、光堂(ひかりどう)は三代の棺(ひつぎ)を納め、三尊(さんぞん)の仏を安置す。七宝(しっぽう)散り失せて、珠(たま)の扉風に破れ、金(こがね)の柱霜雪(そうせつ)に朽ちて、既に頽廃空虚(たいはいくうきょ)の叢(くさむら)となるべきを、四面新たに囲みて、甍(いらか)を覆ひて風雨を凌ぐ(しのぐ)。しばらく千歳の記念(せんざいのかたみ)とはなれり。
:五月雨(さみだれ)の 降り残してや 光堂(ひかりどう)
----
語注
:(奥州・藤原氏の、)'''三代''' ・・・ 藤原清衡(ふじわらのきよひら)、藤原基衡(もとひら)、藤原秀衡(ひでひら)の三代にわたって、約百年の間、栄えた。
:'''栄耀'''(えいよう) ・・・ 栄華。高い地位や、豊かな財産などで、豊かに栄えること。
:こなた ・・・ こっち。こちら。
:'''金鶏山'''(きんけいざん) ・・・ 秀衡が築かせたという小山。山の山頂に黄金作りの雌雄の鶏を二羽、埋めたと言う。館(の跡)の西にある。
:'''功名'''(こうみょう) ・・・ 手柄を立てて有名になること。「功」とは手柄、功績。
:'''七宝'''(しちほう) ・・・ 金・銀・めのう、など
:'''卯の花''' ・・・ ウツギの花。または、豆腐の、しぼりかす。
:'''開帳'''(かいちょう) ・・・ 寺院で、特定の日に、内部を一般人に公開すること。
:'''経堂'''(きょうどう) ・・・ 経文(きょうもん)をしまっておくための、お堂。
:'''光堂'''(ひかりどう) ・・・ '''金色堂'''(こんじきどう)のこと。
:霜雪(そうせつ) ・・・ 霜(しも)と雪(ゆき)。
:甍(いらか) ・・・ 瓦ぶきの屋根。
:凌ぐ(しのぐ) ・・・ がまんして、なんとか切り抜ける。 ※ 文中の意味とはちがうが、別の意味では、上回る、勝るという意味もある
=== 口語訳 ===
予備知識: 「平泉」(ひらいずみ)は、今で言う岩手県の一地方。
*訳
(奥州に居た、奥州・藤原氏の)三代にわたる栄華も、(後世の歴史の視点からみれば、一瞬のあいだの夢のように)一睡のうちに消えて、(いまや廃墟になり、)大門のあとは一里ほど手前にある。(藤原)秀衡の館のあとは、いまや田野になってしまい、(彼が築かせた)金鶏山のみ、形を残している。
*訳
(源義経が居たという)高館にのぼれば、北上川(きたかみがわ)が見えるが、北上川は南部地方から流れてくる大河である、衣川(ころもがわ)は(藤原泰衡(やすひら)のいた )和泉が城(いすみがじょう)をめぐって流れ、高館のもとで大河に流れ込んでいる。
*歴史知識
源頼朝と対立した源義経は、奥州へと逃げのび、藤原秀衡に保護された。だが、秀衡の子の泰衡(やすひら)は、義経を攻め滅ぼした。高館は、そのときの戦場になった。
*解釈
川の流れという自然現象だけでなく、歴史を掛けていると思われる。
*予備知識「サンノーが はい」
芭蕉の一行が平泉を訪れた季節は、夏。以下の芭蕉の文章の訳は、夏ごろの風景を前提にしている。
*訳
泰衡(やすひら)らの旧跡は、衣が関(ころもがせき)を隔てて、(平泉への入口である)南部からの入口(なんぶぐち)をかたく守り、夷(えぞ)の侵入を防ぐと思われる。それにしても、(義経に忠誠をちかう、)よりすぐられた忠義の臣が、この高館にたてこもり、奮戦したのだが、その功名(こうみょう)も一時(いちじ)の叢(くさむら)となってしまった。(漢文の杜甫の詩「春望」にあるように)『国(くに)破れて山河(さんが)あり、城(しろ、じょう)春にして草(くさ)青みたり』(国は破壊されても、自然の山や川は変わらず残り続ける。(廃墟となってしまった)城は、春ともなれば、草が生い茂り、青みがかっている。)と、笠を敷きて(しいて)、しばらくの間、泪を落としたのでありました。
:<big>'''夏草'''(なつくさ)'''や''' '''兵'''(つわもの)'''どもが''' '''夢'''(ゆめ)'''の跡'''(あと)</big><br />
その昔、ここ(平泉)では、源義経(よしつね)の一行や藤原兼房(ふじわらのかねふさ)らが、功名を夢見て、敵とあらそっていたが、その名も今では歴史のかなたへと消え去り、ひと時の夢となってしまった。いまや、ただ夏草が生い茂る(おいしげる)ばかりである。
(季語は「夏草」。季節は夏。)
:<big>'''卯'''(う)'''の花に''' '''兼房'''(かねふさ)'''見ゆる''' '''白毛'''(しらが)'''かな''' </big> 曾良(そら)
(卯(う)の花は白いが、)白い卯の花を見ると、義経の家来として、老臣ながら奮戦した兼房が、白髪(しらが)を振り乱して奮戦している様子が思い浮かぶことよ。
(季語は「卯の花」。季節は夏。曾良は芭蕉に同行してるのだから、季節は同じはず。芭蕉の「夏草や・・・」に対応させて、植物で句をはじめたと思われる。)
<gallery widths=200px heights=200px>
ファイル:Deutzia crenata for. plena's flowerage 02.JPG|卯の花の一種、ヤエウツギ
ファイル:Deutzia crenata 6.JPG|卯の花の一種、ウツギ
</gallery>
(義経の高館をめぐったあと、芭蕉の一行は、中尊寺の金色堂を見に行く。)
前々から耳にしていて、驚かされていた金色堂の二堂(経堂・光堂)が、開かれていた。経堂(きょうどう)には、像が三体あり、藤原清衡(ふじわらのきよひら)、藤原基衡(もとひら)、藤原秀衡(ひでひら)の三将の像が残っている。
[[File:Interior of Konjikido, Chusonji (62).jpg|thumb|250px|三尊の像。白黒写真。実物は金色にかがやく。]]
光堂には、この三代の棺をおさめられてあり、仏の像が三体ある。阿弥陀(あみだ)・観世音(かんぜおん)・勢至(せいし)の、三尊(さんぞん)の仏像が安置されている。
[[ファイル:Konjikido-Ooido.jpg|right|240px|thumb|金色堂を覆う鞘堂(さやどう)]]
(七宝が、かつては堂内を飾っていたが、)今では七宝(しちほう)も散り失せ、かつては珠玉(しゅぎょく)をちりばめられていただろう扉も、(長年の風雨により)今では風雨にいたみ、金箔の柱も霜や雪に朽ちて、もうすこしで退廃して草むらとなるところを、(鎌倉時代に)周囲の四面を囲い、風雨をよけるようにした(鞘堂が建てられた)。こうして、しばらくの間、千年の記念として残ることになったのである。
<br />
<big>'''五月雨の''' '''降り'''(ふり)'''のこしてや''' '''光堂'''(ひかりどう)</big><br />
光堂は昔のままだ。まるで、五月雨が、この光堂には降り残したかのようだ。(あたかも、光堂だけには降らなかったかのようだ。)
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== 小学校の復習 ==
江戸時代の俳人(はいじん)の松尾芭蕉(まつおばしょう)が、実際に旅をして、旅先の様子などを書いた紀行文(きこうぶん)。
出発年: 元禄(げんろく)2年、(1689年)に芭蕉は江戸を出発した。
5ヶ月のあいだ、旅を続けた。
関東・東北・北陸・(岐阜の)大垣(おおがき)などを旅した。
旅の途中、句を多く作った。
従者(じゅうしゃ)として、曾良(そら)という人物を連れて、ともに旅をした。
== 書き出し ==
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現代語訳
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月日(つきひ)は百代(はくたい)の過客(かかく)にして、行(ゆ)きかふ年もまた旅人(たびびと)なり。
舟(ふね)の上(うえ)に生涯(しょうがい)を浮かべ(うかべ)、馬の口(うまのくち)とらえて老(おい)をむかふるものは、日々(ひび)旅(たび)にして旅(たび)をすみかとす。
古人(こじん)も多く旅(たび)に死(し)せるあり。
予(よ)も、いづれの年よりか、片雲(へんうん)の風に誘われて(さそわれて)、漂泊(ひょうはく)の思ひ(おもい)やまず、海浜(かいひん)にさすらへ、去年(こぞ)の秋(あき)、江上(こうしょう)の破屋(はおく)にくもの古巣(ふるす)を払ひて(はらひて)、やや年も暮れ(くれ)、春立てる(はるたてる)霞(かすみ)の空に白河(しらかわ)の関こえんと、そぞろ神(がみ)の物につきて心(こころ)を狂はせ(くるわせ)、道祖神(どうそじん)の招き(まねき)にあひて、取(と)るもの手(て)につかず。
ももひきの破れ(やぶれ)をつづり、笠(かさ)の緒(お)つけかえて、三里(さんり)に灸(きゅう)すゆるより、松島の月(まつしまのつき)まず心にかかりて、住(す)める方(かた)は人(ひと)に譲(ゆず)り、杉風(さんぷう)が別しょ(べっしょ)に移る(うつる)に、
::草の戸も(くさのと も) 住替る(すみかわる)代(よ)ぞ ひなの家(いえ)
面八句(おもてはっく)を庵(いおり)の柱(はしら)に懸け(かけ)置(お)く。
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月日は永遠に旅をつづける旅人のようなものであり、毎年、来ては去る年も、また旅人のようなものである。
(船頭(せんどう)として)舟(ふね)の上で一生を暮らす人や、(馬方(うまかた)として)馬のくつわを取って老いをむかえる人は、旅そのものを毎日、(仕事として)住み家としている(ようなものだ)。
昔の人も、多くの人が旅の途中で死んだ。
私も、いつごろの年からか、ちぎれ雲が風に誘われて漂う(ただよう)ように、旅をしたいと思うようになり、漂泊の思いやまず、海辺の地方などをさすらい歩きたく、去年の秋、川のほとりの粗末(そまつ)な家に(帰って)、くもの古巣(ふるす)を払ひって(暮らしているうちい)、しだいに年も暮れ、春になると、霞(かすみ)の立ちこめる空のもとで、白河の関(「しらかわのせき」、奥州地方の関所、現在でいう福島県にあった。) をこえようと、「そぞろ神」(そぞろがみ)が(私に)乗りうつって心をそわそわさせ、「道祖神」(どうそじん、旅や通行の安全を守る神)に招かれているように、何事も手につかない(ように、落ち着かない)。
そこで(もう、旅に出てしまおうと思い)、(旅支度として)ももひきの破れを繕い(つくろい)、笠(かさ)の緒(お)をつけかえて、(足のツボの)「三里」(さんり、ひざ下にあるツボ)に灸(きゅう)をすえて(足を健脚にして)(旅支度をすますと)、松島の月(まつしまのつき)(の美しさ)がまず気になって、住んでいた家は人に譲り(ゆずり)(理由:帰れるかどうか分からないので)、自分はかわりに(弟子の一人の)「杉風」(さんぷう)が持っていた別しょ(べっしょ)に移った。
::草の戸も(くさのと も) 住替る(すみかわる)代(よ)ぞ ひなの家(いえ)
:::(この、わびしい草庵( 「そうあん」、芭蕉の自宅のこと、芭蕉庵(ばしょうあん) )も、住む人が代わり、(ちょうど三月だから、)ひな人形などもかざって(私のような世捨て人とはちがって子どももいるだろうから)、にぎやかな家になることだろう。)
と句を詠んで(よんで)、この句をはじめに面八句(おもてはっく)をつくり、庵(いおり)の柱(はしら)にかけておいた。
|}
== 語句・解説など ==
*'''百代'''(はくたい)・・・解釈は「永遠」。入試などに問われやすいので、おぼえざるを得ない。ひっかけ問題などで、「百代」の間違った意味として、「百年」などの引っ掛けが出るので。
*'''古人'''(こじん)・・・ 古文・漢文での「古人」の意味は、「昔の人」という意味。 現代での「故人」という語句には「死んだ人」という意味があるが、古文・漢文での「古人」「故人」には、そのような「死んだ人」という意味は無いのが、ふつう。
*そぞろ神(そぞろがみ) ・・・ 人をそわそわさせる神。「そぞろ」が副詞という節もある。
*道祖神(どうそじん) ・・・ 旅や通行の安全を守る神だと思われる。
*庵(いおり、あん) ・・・ 質素な小屋。
== 俳句 ==
いくつかの句が、おくの細道で詠まれているが、代表的な句を挙げる。
<big>'''夏草'''(なつくさ)'''や''' '''兵'''(つわもの)'''どもが''' '''夢'''(ゆめ)'''の跡'''(あと)</big><br />
場所:平泉(ひらいずみ)
解釈<br />
:その昔、ここ(平泉)では、源義経(よしつね)の一行や藤原兼房(ふじわらのかねふさ)らが、功名を夢見て、敵とあらそっていたが、その名も今では歴史のかなたへと消え去り、ひと時の夢となってしまった。いまや、ただ夏草が生い茂る(おいしげる)ばかりである。
季語は「夏草」。季節は夏。
芭蕉が旅をした季節は、月を陽暦になおすと5月から10月のあいだなので、基本的に『おくの細道』に出てくる句の季節は、夏の前後である。
<br /><br />
<big>'''閑かさ'''(しずかさ)'''や''' '''岩'''(いわ)'''に しみいる''' '''蝉'''(せみ)'''の声'''(こえ)</big><br />
場所:立石寺(りっしゃくじ)<br />
解釈<br />
:よくある解釈は、文字通り、「あたりは人の気配がなく静かで、ただ、蝉の鳴く声だけが聞こえる。あたかも、岩に蝉の声が、しみわたっていくかのようだ。」・・・みたいな解釈が多い。
:単に、あたりが静かな事を主張するだけだと、わびしさが伝わらないし、単に蝉の声が聞こえることを主張するだけでも、わびしさが伝わらない。本来は、岩にしみいることのありえない「声」が、しみいるように感じられることを書くことで、うまく感じを表現している。
もともと、芭蕉は最初は「閑かさや」のかわりに「さびしさや」と書いていたが、「さびしさや」だと直接的すぎて、読者にわびしさを感じさせようとする意図が見え見えで興ざめするし、芭蕉なりの工夫のあとがあるのだろう。
季語は「蝉」。季節は夏。
<br /><br />
<big>'''五月雨'''(さみだれ)'''を''' '''集めて早し'''(はやし) '''最上川'''(もがみがわ)</big><br />
場所:最上川<br />
解釈<br />
:まず読者は予備知識として、山奥での最上川は、もともと流れが速い、という事を知っておこう。山を流れている川は、平野を流れる川とは違い、流れが速いのである。この句の表現は、ただでさえ、もともと速い最上川が、梅雨(つゆ)の五月雨のあつまったことで水量をましたことで、さらに流れが速くなっていることを表現することで、自然界の豪快さ(ごうかいさ)みたいなのを表現している。芭蕉は、舟(ふね)にのって最上川を川下りしたので、自身で最上川の速い流れを体験したのである。
季語は「五月雨」。季節は梅雨どき。(旧暦の5月なので)
<br /><br />
<big>'''五月雨の''' '''降り'''(ふり)'''のこしてや''' '''光堂'''(ひかりどう)</big><br />
場所:光堂
<br /><br />
<big>'''荒海'''(あらうみ)'''や''' '''佐渡'''(さど)'''に 横たふ'''(よこたう) '''天の河'''(あまのがわ)</big><br />
場所:越後路(えちごじ)<br />
解釈<br />
:この「荒海」とは日本海のこと。
:この句の解釈は、いくつかの解釈があり、分かれている。
:実際に見た光景をもとに句を読んだという解釈が一つ。もう一つの解釈は、現実には光景を見ておらず、佐渡の歴史などを表現したという解釈がある。「天の川が見える夜中だと、暗くて佐渡は見えないのでは?」「この句を読んだとされる場所では、地理的・天文学的には、佐渡の方角には天の川は見えないはずだ。」というような意見がある。
:実際に見たのか、見てないのか、どちらの解釈にせよ、「荒海」に対して「天の河」が対照的である。
:地上・海上の世界にある「荒海」と、そうでなく天高くにある「天の河」。荒れくるう海は海難事故(かいなんじこ)などで人の命をうばうこともあるだろうが、「天の河」には、そういうことは無いと思われる。そして、近くにいないと見られない「荒海」と、いっぽう、夏の晴れた夜空なら、どこでも見られる「天の河」。
とりあえず、句を文字通りに解釈すると、
:荒れる日本海のむこうに佐渡の島々が見える。そして、夜空には、天の川が横たわっていることよ。
というふうな解釈にでも、なるだろう。
季語は「天の河」。季節は秋。芭蕉たちの旅の期間が夏の前後なので、この句が「天の河」から秋の句だと分かる。したがって、「荒海」は、この句では季語ではない。
まちがって、「荒海」などから台風どきの日本海や、冬の日本海などを連想しないように注意。
[[Category:中学校国語|こふん おくのほそみち]]
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無駄の情報削除
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wikitext
text/x-wiki
== 解説など ==
芭蕉は、自然の雄大さと、人間の儚さとを対比させ、無常観を表現している。しかし人の世が儚いからと言って決して人を見下しているわけではなく、儚いながらも、精一杯生きようとすることに人の意義を見出している。
== 平泉 ==
=== 本文 ===
三代(さんだい)の栄耀(えいよう)一睡の中(うち)にして、大門の跡は一里こなたにあり。秀衡(ひでひら)が跡は田野になりて、金鶏山(きんけいざん)のみ形を残す。まづ高館(たかだち)に登れば、北上川(きたかみがわ)、南部(なんぶ)より流るる大河(たいが)なり。衣川(ころもがわ)は和泉が城(いすみがじょう)を巡りて、高館の下にて大河に落ち入る。
泰衡(やすひら)らが旧跡は、衣が関(ころもがせき)を隔てて南部口(なんぶぐち)をさし固め、夷(えぞ)を防ぐと見えたり。さても、義臣(ぎしん)すぐつてこの城にこもり、功名(こうみょう)一時(いちじ)の叢(くさむら)となる。『国破れて山河あり、城(しろ、じょう)春にして草青みたり』と、笠うち敷きて(しきて)、時の移るまで泪(なみだ)を落としはべりぬ。
:夏草や 兵(つはもの)どもが 夢の跡
:卯(う)の花に 兼房(かねふさ)見ゆる 白毛(しらが)かな 曾良
かねて耳驚かしたる二堂開帳(かいちょう)す。経堂(きょうどう)は三将の像を残し、光堂(ひかりどう)は三代の棺(ひつぎ)を納め、三尊(さんぞん)の仏を安置す。七宝(しっぽう)散り失せて、珠(たま)の扉風に破れ、金(こがね)の柱霜雪(そうせつ)に朽ちて、既に頽廃空虚(たいはいくうきょ)の叢(くさむら)となるべきを、四面新たに囲みて、甍(いらか)を覆ひて風雨を凌ぐ(しのぐ)。しばらく千歳の記念(せんざいのかたみ)とはなれり。
:五月雨(さみだれ)の 降り残してや 光堂(ひかりどう)
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語注
:(奥州・藤原氏の、)'''三代''' ・・・ 藤原清衡(ふじわらのきよひら)、藤原基衡(もとひら)、藤原秀衡(ひでひら)の三代にわたって、約百年の間、栄えた。
:'''栄耀'''(えいよう) ・・・ 栄華。高い地位や、豊かな財産などで、豊かに栄えること。
:こなた ・・・ こっち。こちら。
:'''金鶏山'''(きんけいざん) ・・・ 秀衡が築かせたという小山。山の山頂に黄金作りの雌雄の鶏を二羽、埋めたと言う。館(の跡)の西にある。
:'''功名'''(こうみょう) ・・・ 手柄を立てて有名になること。「功」とは手柄、功績。
:'''七宝'''(しちほう) ・・・ 金・銀・めのう、など
:'''卯の花''' ・・・ ウツギの花。または、豆腐の、しぼりかす。
:'''開帳'''(かいちょう) ・・・ 寺院で、特定の日に、内部を一般人に公開すること。
:'''経堂'''(きょうどう) ・・・ 経文(きょうもん)をしまっておくための、お堂。
:'''光堂'''(ひかりどう) ・・・ '''金色堂'''(こんじきどう)のこと。
:霜雪(そうせつ) ・・・ 霜(しも)と雪(ゆき)。
:甍(いらか) ・・・ 瓦ぶきの屋根。
:凌ぐ(しのぐ) ・・・ がまんして、なんとか切り抜ける。 ※ 文中の意味とはちがうが、別の意味では、上回る、勝るという意味もある
=== 口語訳 ===
予備知識: 「平泉」(ひらいずみ)は、今で言う岩手県の一地方。
*訳
(奥州に居た、奥州・藤原氏の)三代にわたる栄華も、(後世の歴史の視点からみれば、一瞬のあいだの夢のように)一睡のうちに消えて、(いまや廃墟になり、)大門のあとは一里ほど手前にある。(藤原)秀衡の館のあとは、いまや田野になってしまい、(彼が築かせた)金鶏山のみ、形を残している。
*訳
(源義経が居たという)高館にのぼれば、北上川(きたかみがわ)が見えるが、北上川は南部地方から流れてくる大河である、衣川(ころもがわ)は(藤原泰衡(やすひら)のいた )和泉が城(いすみがじょう)をめぐって流れ、高館のもとで大河に流れ込んでいる。
*歴史知識
源頼朝と対立した源義経は、奥州へと逃げのび、藤原秀衡に保護された。だが、秀衡の子の泰衡(やすひら)は、義経を攻め滅ぼした。高館は、そのときの戦場になった。
*解釈
川の流れという自然現象だけでなく、歴史を掛けていると思われる。
*予備知識
芭蕉の一行が平泉を訪れた季節は、夏。以下の芭蕉の文章の訳は、夏ごろの風景を前提にしている。
*訳
泰衡(やすひら)らの旧跡は、衣が関(ころもがせき)を隔てて、(平泉への入口である)南部からの入口(なんぶぐち)をかたく守り、夷(えぞ)の侵入を防ぐと思われる。それにしても、(義経に忠誠をちかう、)よりすぐられた忠義の臣が、この高館にたてこもり、奮戦したのだが、その功名(こうみょう)も一時(いちじ)の叢(くさむら)となってしまった。(漢文の杜甫の詩「春望」にあるように)『国(くに)破れて山河(さんが)あり、城(しろ、じょう)春にして草(くさ)青みたり』(国は破壊されても、自然の山や川は変わらず残り続ける。(廃墟となってしまった)城は、春ともなれば、草が生い茂り、青みがかっている。)と、笠を敷きて(しいて)、しばらくの間、泪を落としたのでありました。
:<big>'''夏草'''(なつくさ)'''や''' '''兵'''(つわもの)'''どもが''' '''夢'''(ゆめ)'''の跡'''(あと)</big><br />
その昔、ここ(平泉)では、源義経(よしつね)の一行や藤原兼房(ふじわらのかねふさ)らが、功名を夢見て、敵とあらそっていたが、その名も今では歴史のかなたへと消え去り、ひと時の夢となってしまった。いまや、ただ夏草が生い茂る(おいしげる)ばかりである。
(季語は「夏草」。季節は夏。)
:<big>'''卯'''(う)'''の花に''' '''兼房'''(かねふさ)'''見ゆる''' '''白毛'''(しらが)'''かな''' </big> 曾良(そら)
(卯(う)の花は白いが、)白い卯の花を見ると、義経の家来として、老臣ながら奮戦した兼房が、白髪(しらが)を振り乱して奮戦している様子が思い浮かぶことよ。
(季語は「卯の花」。季節は夏。曾良は芭蕉に同行してるのだから、季節は同じはず。芭蕉の「夏草や・・・」に対応させて、植物で句をはじめたと思われる。)
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ファイル:Deutzia crenata for. plena's flowerage 02.JPG|卯の花の一種、ヤエウツギ
ファイル:Deutzia crenata 6.JPG|卯の花の一種、ウツギ
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(義経の高館をめぐったあと、芭蕉の一行は、中尊寺の金色堂を見に行く。)
前々から耳にしていて、驚かされていた金色堂の二堂(経堂・光堂)が、開かれていた。経堂(きょうどう)には、像が三体あり、藤原清衡(ふじわらのきよひら)、藤原基衡(もとひら)、藤原秀衡(ひでひら)の三将の像が残っている。
[[File:Interior of Konjikido, Chusonji (62).jpg|thumb|250px|三尊の像。白黒写真。実物は金色にかがやく。]]
光堂には、この三代の棺をおさめられてあり、仏の像が三体ある。阿弥陀(あみだ)・観世音(かんぜおん)・勢至(せいし)の、三尊(さんぞん)の仏像が安置されている。
[[ファイル:Konjikido-Ooido.jpg|right|240px|thumb|金色堂を覆う鞘堂(さやどう)]]
(七宝が、かつては堂内を飾っていたが、)今では七宝(しちほう)も散り失せ、かつては珠玉(しゅぎょく)をちりばめられていただろう扉も、(長年の風雨により)今では風雨にいたみ、金箔の柱も霜や雪に朽ちて、もうすこしで退廃して草むらとなるところを、(鎌倉時代に)周囲の四面を囲い、風雨をよけるようにした(鞘堂が建てられた)。こうして、しばらくの間、千年の記念として残ることになったのである。
<br />
<big>'''五月雨の''' '''降り'''(ふり)'''のこしてや''' '''光堂'''(ひかりどう)</big><br />
光堂は昔のままだ。まるで、五月雨が、この光堂には降り残したかのようだ。(あたかも、光堂だけには降らなかったかのようだ。)
{{-}}
== 小学校の復習 ==
江戸時代の俳人(はいじん)の松尾芭蕉(まつおばしょう)が、実際に旅をして、旅先の様子などを書いた紀行文(きこうぶん)。
出発年: 元禄(げんろく)2年、(1689年)に芭蕉は江戸を出発した。
5ヶ月のあいだ、旅を続けた。
関東・東北・北陸・(岐阜の)大垣(おおがき)などを旅した。
旅の途中、句を多く作った。
従者(じゅうしゃ)として、曾良(そら)という人物を連れて、ともに旅をした。
== 書き出し ==
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現代語訳
|}
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月日(つきひ)は百代(はくたい)の過客(かかく)にして、行(ゆ)きかふ年もまた旅人(たびびと)なり。
舟(ふね)の上(うえ)に生涯(しょうがい)を浮かべ(うかべ)、馬の口(うまのくち)とらえて老(おい)をむかふるものは、日々(ひび)旅(たび)にして旅(たび)をすみかとす。
古人(こじん)も多く旅(たび)に死(し)せるあり。
予(よ)も、いづれの年よりか、片雲(へんうん)の風に誘われて(さそわれて)、漂泊(ひょうはく)の思ひ(おもい)やまず、海浜(かいひん)にさすらへ、去年(こぞ)の秋(あき)、江上(こうしょう)の破屋(はおく)にくもの古巣(ふるす)を払ひて(はらひて)、やや年も暮れ(くれ)、春立てる(はるたてる)霞(かすみ)の空に白河(しらかわ)の関こえんと、そぞろ神(がみ)の物につきて心(こころ)を狂はせ(くるわせ)、道祖神(どうそじん)の招き(まねき)にあひて、取(と)るもの手(て)につかず。
ももひきの破れ(やぶれ)をつづり、笠(かさ)の緒(お)つけかえて、三里(さんり)に灸(きゅう)すゆるより、松島の月(まつしまのつき)まず心にかかりて、住(す)める方(かた)は人(ひと)に譲(ゆず)り、杉風(さんぷう)が別しょ(べっしょ)に移る(うつる)に、
::草の戸も(くさのと も) 住替る(すみかわる)代(よ)ぞ ひなの家(いえ)
面八句(おもてはっく)を庵(いおり)の柱(はしら)に懸け(かけ)置(お)く。
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月日は永遠に旅をつづける旅人のようなものであり、毎年、来ては去る年も、また旅人のようなものである。
(船頭(せんどう)として)舟(ふね)の上で一生を暮らす人や、(馬方(うまかた)として)馬のくつわを取って老いをむかえる人は、旅そのものを毎日、(仕事として)住み家としている(ようなものだ)。
昔の人も、多くの人が旅の途中で死んだ。
私も、いつごろの年からか、ちぎれ雲が風に誘われて漂う(ただよう)ように、旅をしたいと思うようになり、漂泊の思いやまず、海辺の地方などをさすらい歩きたく、去年の秋、川のほとりの粗末(そまつ)な家に(帰って)、くもの古巣(ふるす)を払ひって(暮らしているうちい)、しだいに年も暮れ、春になると、霞(かすみ)の立ちこめる空のもとで、白河の関(「しらかわのせき」、奥州地方の関所、現在でいう福島県にあった。) をこえようと、「そぞろ神」(そぞろがみ)が(私に)乗りうつって心をそわそわさせ、「道祖神」(どうそじん、旅や通行の安全を守る神)に招かれているように、何事も手につかない(ように、落ち着かない)。
そこで(もう、旅に出てしまおうと思い)、(旅支度として)ももひきの破れを繕い(つくろい)、笠(かさ)の緒(お)をつけかえて、(足のツボの)「三里」(さんり、ひざ下にあるツボ)に灸(きゅう)をすえて(足を健脚にして)(旅支度をすますと)、松島の月(まつしまのつき)(の美しさ)がまず気になって、住んでいた家は人に譲り(ゆずり)(理由:帰れるかどうか分からないので)、自分はかわりに(弟子の一人の)「杉風」(さんぷう)が持っていた別しょ(べっしょ)に移った。
::草の戸も(くさのと も) 住替る(すみかわる)代(よ)ぞ ひなの家(いえ)
:::(この、わびしい草庵( 「そうあん」、芭蕉の自宅のこと、芭蕉庵(ばしょうあん) )も、住む人が代わり、(ちょうど三月だから、)ひな人形などもかざって(私のような世捨て人とはちがって子どももいるだろうから)、にぎやかな家になることだろう。)
と句を詠んで(よんで)、この句をはじめに面八句(おもてはっく)をつくり、庵(いおり)の柱(はしら)にかけておいた。
|}
== 語句・解説など ==
*'''百代'''(はくたい)・・・解釈は「永遠」。入試などに問われやすいので、おぼえざるを得ない。ひっかけ問題などで、「百代」の間違った意味として、「百年」などの引っ掛けが出るので。
*'''古人'''(こじん)・・・ 古文・漢文での「古人」の意味は、「昔の人」という意味。 現代での「故人」という語句には「死んだ人」という意味があるが、古文・漢文での「古人」「故人」には、そのような「死んだ人」という意味は無いのが、ふつう。
*そぞろ神(そぞろがみ) ・・・ 人をそわそわさせる神。「そぞろ」が副詞という節もある。
*道祖神(どうそじん) ・・・ 旅や通行の安全を守る神だと思われる。
*庵(いおり、あん) ・・・ 質素な小屋。
== 俳句 ==
いくつかの句が、おくの細道で詠まれているが、代表的な句を挙げる。
<big>'''夏草'''(なつくさ)'''や''' '''兵'''(つわもの)'''どもが''' '''夢'''(ゆめ)'''の跡'''(あと)</big><br />
場所:平泉(ひらいずみ)
解釈<br />
:その昔、ここ(平泉)では、源義経(よしつね)の一行や藤原兼房(ふじわらのかねふさ)らが、功名を夢見て、敵とあらそっていたが、その名も今では歴史のかなたへと消え去り、ひと時の夢となってしまった。いまや、ただ夏草が生い茂る(おいしげる)ばかりである。
季語は「夏草」。季節は夏。
芭蕉が旅をした季節は、月を陽暦になおすと5月から10月のあいだなので、基本的に『おくの細道』に出てくる句の季節は、夏の前後である。
<br /><br />
<big>'''閑かさ'''(しずかさ)'''や''' '''岩'''(いわ)'''に しみいる''' '''蝉'''(せみ)'''の声'''(こえ)</big><br />
場所:立石寺(りっしゃくじ)<br />
解釈<br />
:よくある解釈は、文字通り、「あたりは人の気配がなく静かで、ただ、蝉の鳴く声だけが聞こえる。あたかも、岩に蝉の声が、しみわたっていくかのようだ。」・・・みたいな解釈が多い。
:単に、あたりが静かな事を主張するだけだと、わびしさが伝わらないし、単に蝉の声が聞こえることを主張するだけでも、わびしさが伝わらない。本来は、岩にしみいることのありえない「声」が、しみいるように感じられることを書くことで、うまく感じを表現している。
もともと、芭蕉は最初は「閑かさや」のかわりに「さびしさや」と書いていたが、「さびしさや」だと直接的すぎて、読者にわびしさを感じさせようとする意図が見え見えで興ざめするし、芭蕉なりの工夫のあとがあるのだろう。
季語は「蝉」。季節は夏。
<br /><br />
<big>'''五月雨'''(さみだれ)'''を''' '''集めて早し'''(はやし) '''最上川'''(もがみがわ)</big><br />
場所:最上川<br />
解釈<br />
:まず読者は予備知識として、山奥での最上川は、もともと流れが速い、という事を知っておこう。山を流れている川は、平野を流れる川とは違い、流れが速いのである。この句の表現は、ただでさえ、もともと速い最上川が、梅雨(つゆ)の五月雨のあつまったことで水量をましたことで、さらに流れが速くなっていることを表現することで、自然界の豪快さ(ごうかいさ)みたいなのを表現している。芭蕉は、舟(ふね)にのって最上川を川下りしたので、自身で最上川の速い流れを体験したのである。
季語は「五月雨」。季節は梅雨どき。(旧暦の5月なので)
<br /><br />
<big>'''五月雨の''' '''降り'''(ふり)'''のこしてや''' '''光堂'''(ひかりどう)</big><br />
場所:光堂
<br /><br />
<big>'''荒海'''(あらうみ)'''や''' '''佐渡'''(さど)'''に 横たふ'''(よこたう) '''天の河'''(あまのがわ)</big><br />
場所:越後路(えちごじ)<br />
解釈<br />
:この「荒海」とは日本海のこと。
:この句の解釈は、いくつかの解釈があり、分かれている。
:実際に見た光景をもとに句を読んだという解釈が一つ。もう一つの解釈は、現実には光景を見ておらず、佐渡の歴史などを表現したという解釈がある。「天の川が見える夜中だと、暗くて佐渡は見えないのでは?」「この句を読んだとされる場所では、地理的・天文学的には、佐渡の方角には天の川は見えないはずだ。」というような意見がある。
:実際に見たのか、見てないのか、どちらの解釈にせよ、「荒海」に対して「天の河」が対照的である。
:地上・海上の世界にある「荒海」と、そうでなく天高くにある「天の河」。荒れくるう海は海難事故(かいなんじこ)などで人の命をうばうこともあるだろうが、「天の河」には、そういうことは無いと思われる。そして、近くにいないと見られない「荒海」と、いっぽう、夏の晴れた夜空なら、どこでも見られる「天の河」。
とりあえず、句を文字通りに解釈すると、
:荒れる日本海のむこうに佐渡の島々が見える。そして、夜空には、天の川が横たわっていることよ。
というふうな解釈にでも、なるだろう。
季語は「天の河」。季節は秋。芭蕉たちの旅の期間が夏の前後なので、この句が「天の河」から秋の句だと分かる。したがって、「荒海」は、この句では季語ではない。
まちがって、「荒海」などから台風どきの日本海や、冬の日本海などを連想しないように注意。
[[Category:中学校国語|こふん おくのほそみち]]
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2024-12-13T03:22:46Z
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知識 追加
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wikitext
text/x-wiki
== 解説など ==
芭蕉は、自然の雄大さと、人間の儚さとを対比させ、無常観を表現している。しかし人の世が儚いからと言って決して人を見下しているわけではなく、儚いながらも、精一杯生きようとすることに人の意義を見出している。
== 平泉 ==
=== 本文 ===
三代(さんだい)の栄耀(えいよう)一睡の中(うち)にして、大門の跡は一里こなたにあり。秀衡(ひでひら)が跡は田野になりて、金鶏山(きんけいざん)のみ形を残す。まづ高館(たかだち)に登れば、北上川(きたかみがわ)、南部(なんぶ)より流るる大河(たいが)なり。衣川(ころもがわ)は和泉が城(いすみがじょう)を巡りて、高館の下にて大河に落ち入る。
泰衡(やすひら)らが旧跡は、衣が関(ころもがせき)を隔てて南部口(なんぶぐち)をさし固め、夷(えぞ)を防ぐと見えたり。さても、義臣(ぎしん)すぐつてこの城にこもり、功名(こうみょう)一時(いちじ)の叢(くさむら)となる。『国破れて山河あり、城(しろ、じょう)春にして草青みたり』と、笠うち敷きて(しきて)、時の移るまで泪(なみだ)を落としはべりぬ。
:夏草や 兵(つはもの)どもが 夢の跡
:卯(う)の花に 兼房(かねふさ)見ゆる 白毛(しらが)かな 曾良
かねて耳驚かしたる二堂開帳(かいちょう)す。経堂(きょうどう)は三将の像を残し、光堂(ひかりどう)は三代の棺(ひつぎ)を納め、三尊(さんぞん)の仏を安置す。七宝(しっぽう)散り失せて、珠(たま)の扉風に破れ、金(こがね)の柱霜雪(そうせつ)に朽ちて、既に頽廃空虚(たいはいくうきょ)の叢(くさむら)となるべきを、四面新たに囲みて、甍(いらか)を覆ひて風雨を凌ぐ(しのぐ)。しばらく千歳の記念(せんざいのかたみ)とはなれり。
:五月雨(さみだれ)の 降り残してや 光堂(ひかりどう)
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語注
:(奥州・藤原氏の、)'''三代''' ・・・ 藤原清衡(ふじわらのきよひら)、藤原基衡(もとひら)、藤原秀衡(ひでひら)の三代にわたって、約百年の間、栄えた。
:'''栄耀'''(えいよう) ・・・ 栄華。高い地位や、豊かな財産などで、豊かに栄えること。
:こなた ・・・ こっち。こちら。
:'''金鶏山'''(きんけいざん) ・・・ 秀衡が築かせたという小山。山の山頂に黄金作りの雌雄の鶏を二羽、埋めたと言う。館(の跡)の西にある。
:'''功名'''(こうみょう) ・・・ 手柄を立てて有名になること。「功」とは手柄、功績。
:'''七宝'''(しちほう) ・・・ 金・銀・めのう、など
:'''卯の花''' ・・・ ウツギの花。または、豆腐の、しぼりかす。
:'''開帳'''(かいちょう) ・・・ 寺院で、特定の日に、内部を一般人に公開すること。
:'''経堂'''(きょうどう) ・・・ 経文(きょうもん)をしまっておくための、お堂。
:'''光堂'''(ひかりどう) ・・・ '''金色堂'''(こんじきどう)のこと。
:霜雪(そうせつ) ・・・ 霜(しも)と雪(ゆき)。
:甍(いらか) ・・・ 瓦ぶきの屋根。
:凌ぐ(しのぐ) ・・・ がまんして、なんとか切り抜ける。 ※ 文中の意味とはちがうが、別の意味では、上回る、勝るという意味もある
=== 口語訳 ===
予備知識: 「平泉」(ひらいずみ)は、今で言う岩手県の一地方。
*訳
(奥州に居た、奥州・藤原氏の)三代にわたる栄華も、(後世の歴史の視点からみれば、一瞬のあいだの夢のように)一睡のうちに消えて、(いまや廃墟になり、)大門のあとは一里ほど手前にある。(藤原)秀衡の館のあとは、いまや田野になってしまい、(彼が築かせた)金鶏山のみ、形を残している。
*訳
(源義経が居たという)高館にのぼれば、北上川(きたかみがわ)が見えるが、北上川は南部地方から流れてくる大河である、衣川(ころもがわ)は(藤原泰衡(やすひら)のいた )和泉が城(いすみがじょう)をめぐって流れ、高館のもとで大河に流れ込んでいる。
*歴史知識
源頼朝と対立した源義経は、奥州へと逃げのび、藤原秀衡に保護された。だが、秀衡の子の泰衡(やすひら)は、義経を攻め滅ぼした。高館は、そのときの戦場になった。
*解釈
川の流れという自然現象だけでなく、歴史を掛けていると思われる。
*予備知識 別に僕は怒ってないっすよ??
芭蕉の一行が平泉を訪れた季節は、夏。以下の芭蕉の文章の訳は、夏ごろの風景を前提にしている。
*訳
泰衡(やすひら)らの旧跡は、衣が関(ころもがせき)を隔てて、(平泉への入口である)南部からの入口(なんぶぐち)をかたく守り、夷(えぞ)の侵入を防ぐと思われる。それにしても、(義経に忠誠をちかう、)よりすぐられた忠義の臣が、この高館にたてこもり、奮戦したのだが、その功名(こうみょう)も一時(いちじ)の叢(くさむら)となってしまった。(漢文の杜甫の詩「春望」にあるように)『国(くに)破れて山河(さんが)あり、城(しろ、じょう)春にして草(くさ)青みたり』(国は破壊されても、自然の山や川は変わらず残り続ける。(廃墟となってしまった)城は、春ともなれば、草が生い茂り、青みがかっている。)と、笠を敷きて(しいて)、しばらくの間、泪を落としたのでありました。
:<big>'''夏草'''(なつくさ)'''や''' '''兵'''(つわもの)'''どもが''' '''夢'''(ゆめ)'''の跡'''(あと)</big><br />
その昔、ここ(平泉)では、源義経(よしつね)の一行や藤原兼房(ふじわらのかねふさ)らが、功名を夢見て、敵とあらそっていたが、その名も今では歴史のかなたへと消え去り、ひと時の夢となってしまった。いまや、ただ夏草が生い茂る(おいしげる)ばかりである。
(季語は「夏草」。季節は夏。)
:<big>'''卯'''(う)'''の花に''' '''兼房'''(かねふさ)'''見ゆる''' '''白毛'''(しらが)'''かな''' </big> 曾良(そら)
(卯(う)の花は白いが、)白い卯の花を見ると、義経の家来として、老臣ながら奮戦した兼房が、白髪(しらが)を振り乱して奮戦している様子が思い浮かぶことよ。
(季語は「卯の花」。季節は夏。曾良は芭蕉に同行してるのだから、季節は同じはず。芭蕉の「夏草や・・・」に対応させて、植物で句をはじめたと思われる。)
<gallery widths=200px heights=200px>
ファイル:Deutzia crenata for. plena's flowerage 02.JPG|卯の花の一種、ヤエウツギ
ファイル:Deutzia crenata 6.JPG|卯の花の一種、ウツギ
</gallery>
(義経の高館をめぐったあと、芭蕉の一行は、中尊寺の金色堂を見に行く。)
前々から耳にしていて、驚かされていた金色堂の二堂(経堂・光堂)が、開かれていた。経堂(きょうどう)には、像が三体あり、藤原清衡(ふじわらのきよひら)、藤原基衡(もとひら)、藤原秀衡(ひでひら)の三将の像が残っている。
[[File:Interior of Konjikido, Chusonji (62).jpg|thumb|250px|三尊の像。白黒写真。実物は金色にかがやく。]]
光堂には、この三代の棺をおさめられてあり、仏の像が三体ある。阿弥陀(あみだ)・観世音(かんぜおん)・勢至(せいし)の、三尊(さんぞん)の仏像が安置されている。
[[ファイル:Konjikido-Ooido.jpg|right|240px|thumb|金色堂を覆う鞘堂(さやどう)]]
(七宝が、かつては堂内を飾っていたが、)今では七宝(しちほう)も散り失せ、かつては珠玉(しゅぎょく)をちりばめられていただろう扉も、(長年の風雨により)今では風雨にいたみ、金箔の柱も霜や雪に朽ちて、もうすこしで退廃して草むらとなるところを、(鎌倉時代に)周囲の四面を囲い、風雨をよけるようにした(鞘堂が建てられた)。こうして、しばらくの間、千年の記念として残ることになったのである。
<br />
<big>'''五月雨の''' '''降り'''(ふり)'''のこしてや''' '''光堂'''(ひかりどう)</big><br />
光堂は昔のままだ。まるで、五月雨が、この光堂には降り残したかのようだ。(あたかも、光堂だけには降らなかったかのようだ。)
{{-}}
== 小学校の復習 ==
江戸時代の俳人(はいじん)の松尾芭蕉(まつおばしょう)が、実際に旅をして、旅先の様子などを書いた紀行文(きこうぶん)。
出発年: 元禄(げんろく)2年、(1689年)に芭蕉は江戸を出発した。
5ヶ月のあいだ、旅を続けた。
関東・東北・北陸・(岐阜の)大垣(おおがき)などを旅した。
旅の途中、句を多く作った。
従者(じゅうしゃ)として、曾良(そら)という人物を連れて、ともに旅をした。
== 書き出し ==
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現代語訳
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月日(つきひ)は百代(はくたい)の過客(かかく)にして、行(ゆ)きかふ年もまた旅人(たびびと)なり。
舟(ふね)の上(うえ)に生涯(しょうがい)を浮かべ(うかべ)、馬の口(うまのくち)とらえて老(おい)をむかふるものは、日々(ひび)旅(たび)にして旅(たび)をすみかとす。
古人(こじん)も多く旅(たび)に死(し)せるあり。
予(よ)も、いづれの年よりか、片雲(へんうん)の風に誘われて(さそわれて)、漂泊(ひょうはく)の思ひ(おもい)やまず、海浜(かいひん)にさすらへ、去年(こぞ)の秋(あき)、江上(こうしょう)の破屋(はおく)にくもの古巣(ふるす)を払ひて(はらひて)、やや年も暮れ(くれ)、春立てる(はるたてる)霞(かすみ)の空に白河(しらかわ)の関こえんと、そぞろ神(がみ)の物につきて心(こころ)を狂はせ(くるわせ)、道祖神(どうそじん)の招き(まねき)にあひて、取(と)るもの手(て)につかず。
ももひきの破れ(やぶれ)をつづり、笠(かさ)の緒(お)つけかえて、三里(さんり)に灸(きゅう)すゆるより、松島の月(まつしまのつき)まず心にかかりて、住(す)める方(かた)は人(ひと)に譲(ゆず)り、杉風(さんぷう)が別しょ(べっしょ)に移る(うつる)に、
::草の戸も(くさのと も) 住替る(すみかわる)代(よ)ぞ ひなの家(いえ)
面八句(おもてはっく)を庵(いおり)の柱(はしら)に懸け(かけ)置(お)く。
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月日は永遠に旅をつづける旅人のようなものであり、毎年、来ては去る年も、また旅人のようなものである。
(船頭(せんどう)として)舟(ふね)の上で一生を暮らす人や、(馬方(うまかた)として)馬のくつわを取って老いをむかえる人は、旅そのものを毎日、(仕事として)住み家としている(ようなものだ)。
昔の人も、多くの人が旅の途中で死んだ。
私も、いつごろの年からか、ちぎれ雲が風に誘われて漂う(ただよう)ように、旅をしたいと思うようになり、漂泊の思いやまず、海辺の地方などをさすらい歩きたく、去年の秋、川のほとりの粗末(そまつ)な家に(帰って)、くもの古巣(ふるす)を払ひって(暮らしているうちい)、しだいに年も暮れ、春になると、霞(かすみ)の立ちこめる空のもとで、白河の関(「しらかわのせき」、奥州地方の関所、現在でいう福島県にあった。) をこえようと、「そぞろ神」(そぞろがみ)が(私に)乗りうつって心をそわそわさせ、「道祖神」(どうそじん、旅や通行の安全を守る神)に招かれているように、何事も手につかない(ように、落ち着かない)。
そこで(もう、旅に出てしまおうと思い)、(旅支度として)ももひきの破れを繕い(つくろい)、笠(かさ)の緒(お)をつけかえて、(足のツボの)「三里」(さんり、ひざ下にあるツボ)に灸(きゅう)をすえて(足を健脚にして)(旅支度をすますと)、松島の月(まつしまのつき)(の美しさ)がまず気になって、住んでいた家は人に譲り(ゆずり)(理由:帰れるかどうか分からないので)、自分はかわりに(弟子の一人の)「杉風」(さんぷう)が持っていた別しょ(べっしょ)に移った。
::草の戸も(くさのと も) 住替る(すみかわる)代(よ)ぞ ひなの家(いえ)
:::(この、わびしい草庵( 「そうあん」、芭蕉の自宅のこと、芭蕉庵(ばしょうあん) )も、住む人が代わり、(ちょうど三月だから、)ひな人形などもかざって(私のような世捨て人とはちがって子どももいるだろうから)、にぎやかな家になることだろう。)
と句を詠んで(よんで)、この句をはじめに面八句(おもてはっく)をつくり、庵(いおり)の柱(はしら)にかけておいた。
|}
== 語句・解説など ==
*'''百代'''(はくたい)・・・解釈は「永遠」。入試などに問われやすいので、おぼえざるを得ない。ひっかけ問題などで、「百代」の間違った意味として、「百年」などの引っ掛けが出るので。
*'''古人'''(こじん)・・・ 古文・漢文での「古人」の意味は、「昔の人」という意味。 現代での「故人」という語句には「死んだ人」という意味があるが、古文・漢文での「古人」「故人」には、そのような「死んだ人」という意味は無いのが、ふつう。
*そぞろ神(そぞろがみ) ・・・ 人をそわそわさせる神。「そぞろ」が副詞という節もある。
*道祖神(どうそじん) ・・・ 旅や通行の安全を守る神だと思われる。
*庵(いおり、あん) ・・・ 質素な小屋。
== 俳句 ==
いくつかの句が、おくの細道で詠まれているが、代表的な句を挙げる。
<big>'''夏草'''(なつくさ)'''や''' '''兵'''(つわもの)'''どもが''' '''夢'''(ゆめ)'''の跡'''(あと)</big><br />
場所:平泉(ひらいずみ)
解釈<br />
:その昔、ここ(平泉)では、源義経(よしつね)の一行や藤原兼房(ふじわらのかねふさ)らが、功名を夢見て、敵とあらそっていたが、その名も今では歴史のかなたへと消え去り、ひと時の夢となってしまった。いまや、ただ夏草が生い茂る(おいしげる)ばかりである。
季語は「夏草」。季節は夏。
芭蕉が旅をした季節は、月を陽暦になおすと5月から10月のあいだなので、基本的に『おくの細道』に出てくる句の季節は、夏の前後である。
<br /><br />
<big>'''閑かさ'''(しずかさ)'''や''' '''岩'''(いわ)'''に しみいる''' '''蝉'''(せみ)'''の声'''(こえ)</big><br />
場所:立石寺(りっしゃくじ)<br />
解釈<br />
:よくある解釈は、文字通り、「あたりは人の気配がなく静かで、ただ、蝉の鳴く声だけが聞こえる。あたかも、岩に蝉の声が、しみわたっていくかのようだ。」・・・みたいな解釈が多い。
:単に、あたりが静かな事を主張するだけだと、わびしさが伝わらないし、単に蝉の声が聞こえることを主張するだけでも、わびしさが伝わらない。本来は、岩にしみいることのありえない「声」が、しみいるように感じられることを書くことで、うまく感じを表現している。
もともと、芭蕉は最初は「閑かさや」のかわりに「さびしさや」と書いていたが、「さびしさや」だと直接的すぎて、読者にわびしさを感じさせようとする意図が見え見えで興ざめするし、芭蕉なりの工夫のあとがあるのだろう。
季語は「蝉」。季節は夏。
<br /><br />
<big>'''五月雨'''(さみだれ)'''を''' '''集めて早し'''(はやし) '''最上川'''(もがみがわ)</big><br />
場所:最上川<br />
解釈<br />
:まず読者は予備知識として、山奥での最上川は、もともと流れが速い、という事を知っておこう。山を流れている川は、平野を流れる川とは違い、流れが速いのである。この句の表現は、ただでさえ、もともと速い最上川が、梅雨(つゆ)の五月雨のあつまったことで水量をましたことで、さらに流れが速くなっていることを表現することで、自然界の豪快さ(ごうかいさ)みたいなのを表現している。芭蕉は、舟(ふね)にのって最上川を川下りしたので、自身で最上川の速い流れを体験したのである。
季語は「五月雨」。季節は梅雨どき。(旧暦の5月なので)
<br /><br />
<big>'''五月雨の''' '''降り'''(ふり)'''のこしてや''' '''光堂'''(ひかりどう)</big><br />
場所:光堂
<br /><br />
<big>'''荒海'''(あらうみ)'''や''' '''佐渡'''(さど)'''に 横たふ'''(よこたう) '''天の河'''(あまのがわ)</big><br />
場所:越後路(えちごじ)<br />
解釈<br />
:この「荒海」とは日本海のこと。
:この句の解釈は、いくつかの解釈があり、分かれている。
:実際に見た光景をもとに句を読んだという解釈が一つ。もう一つの解釈は、現実には光景を見ておらず、佐渡の歴史などを表現したという解釈がある。「天の川が見える夜中だと、暗くて佐渡は見えないのでは?」「この句を読んだとされる場所では、地理的・天文学的には、佐渡の方角には天の川は見えないはずだ。」というような意見がある。
:実際に見たのか、見てないのか、どちらの解釈にせよ、「荒海」に対して「天の河」が対照的である。
:地上・海上の世界にある「荒海」と、そうでなく天高くにある「天の河」。荒れくるう海は海難事故(かいなんじこ)などで人の命をうばうこともあるだろうが、「天の河」には、そういうことは無いと思われる。そして、近くにいないと見られない「荒海」と、いっぽう、夏の晴れた夜空なら、どこでも見られる「天の河」。
とりあえず、句を文字通りに解釈すると、
:荒れる日本海のむこうに佐渡の島々が見える。そして、夜空には、天の川が横たわっていることよ。
というふうな解釈にでも、なるだろう。
季語は「天の河」。季節は秋。芭蕉たちの旅の期間が夏の前後なので、この句が「天の河」から秋の句だと分かる。したがって、「荒海」は、この句では季語ではない。
まちがって、「荒海」などから台風どきの日本海や、冬の日本海などを連想しないように注意。
[[Category:中学校国語|こふん おくのほそみち]]
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2024-12-13T03:26:25Z
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wikitext
text/x-wiki
== 解説など ==
芭蕉は、自然の雄大さと、人間の儚さとを対比させ、無常観を表現している。しかし人の世が儚いからと言って決して人を見下しているわけではなく、儚いながらも、精一杯生きようとすることに人の意義を見出している。
== 平泉 ==
=== 本文 ===
三代(さんだい)の栄耀(えいよう)一睡の中(うち)にして、大門の跡は一里こなたにあり。秀衡(ひでひら)が跡は田野になりて、金鶏山(きんけいざん)のみ形を残す。まづ高館(たかだち)に登れば、北上川(きたかみがわ)、南部(なんぶ)より流るる大河(たいが)なり。衣川(ころもがわ)は和泉が城(いすみがじょう)を巡りて、高館の下にて大河に落ち入る。
泰衡(やすひら)らが旧跡は、衣が関(ころもがせき)を隔てて南部口(なんぶぐち)をさし固め、夷(えぞ)を防ぐと見えたり。さても、義臣(ぎしん)すぐつてこの城にこもり、功名(こうみょう)一時(いちじ)の叢(くさむら)となる。『国破れて山河あり、城(しろ、じょう)春にして草青みたり』と、笠うち敷きて(しきて)、時の移るまで泪(なみだ)を落としはべりぬ。
:夏草や 兵(つはもの)どもが 夢の跡
:卯(う)の花に 兼房(かねふさ)見ゆる 白毛(しらが)かな 曾良
かねて耳驚かしたる二堂開帳(かいちょう)す。経堂(きょうどう)は三将の像を残し、光堂(ひかりどう)は三代の棺(ひつぎ)を納め、三尊(さんぞん)の仏を安置す。七宝(しっぽう)散り失せて、珠(たま)の扉風に破れ、金(こがね)の柱霜雪(そうせつ)に朽ちて、既に頽廃空虚(たいはいくうきょ)の叢(くさむら)となるべきを、四面新たに囲みて、甍(いらか)を覆ひて風雨を凌ぐ(しのぐ)。しばらく千歳の記念(せんざいのかたみ)とはなれり。
:五月雨(さみだれ)の 降り残してや 光堂(ひかりどう)
----
語注
:(奥州・藤原氏の、)'''三代''' ・・・ 藤原清衡(ふじわらのきよひら)、藤原基衡(もとひら)、藤原秀衡(ひでひら)の三代にわたって、約百年の間、栄えた。
:'''栄耀'''(えいよう) ・・・ 栄華。高い地位や、豊かな財産などで、豊かに栄えること。
:こなた ・・・ こっち。こちら。
:'''金鶏山'''(きんけいざん) ・・・ 秀衡が築かせたという小山。山の山頂に黄金作りの雌雄の鶏を二羽、埋めたと言う。館(の跡)の西にある。
:'''功名'''(こうみょう) ・・・ 手柄を立てて有名になること。「功」とは手柄、功績。
:'''七宝'''(しちほう) ・・・ 金・銀・めのう、など
:'''卯の花''' ・・・ ウツギの花。または、豆腐の、しぼりかす。
:'''開帳'''(かいちょう) ・・・ 寺院で、特定の日に、内部を一般人に公開すること。
:'''経堂'''(きょうどう) ・・・ 経文(きょうもん)をしまっておくための、お堂。
:'''光堂'''(ひかりどう) ・・・ '''金色堂'''(こんじきどう)のこと。
:霜雪(そうせつ) ・・・ 霜(しも)と雪(ゆき)。
:甍(いらか) ・・・ 瓦ぶきの屋根。
:凌ぐ(しのぐ) ・・・ がまんして、なんとか切り抜ける。 ※ 文中の意味とはちがうが、別の意味では、上回る、勝るという意味もある
=== 口語訳 ===
予備知識: 「平泉」(ひらいずみ)は、今で言う岩手県の一地方。
*訳
(奥州に居た、奥州・藤原氏の)三代にわたる栄華も、(後世の歴史の視点からみれば、一瞬のあいだの夢のように)一睡のうちに消えて、(いまや廃墟になり、)大門のあとは一里ほど手前にある。(藤原)秀衡の館のあとは、いまや田野になってしまい、(彼が築かせた)金鶏山のみ、形を残している。
*訳
(源義経が居たという)高館にのぼれば、北上川(きたかみがわ)が見えるが、北上川は南部地方から流れてくる大河である、衣川(ころもがわ)は(藤原泰衡(やすひら)のいた )和泉が城(いすみがじょう)をめぐって流れ、高館のもとで大河に流れ込んでいる。
*歴史知識
源頼朝と対立した源義経は、奥州へと逃げのび、藤原秀衡に保護された。だが、秀衡の子の泰衡(やすひら)は、義経を攻め滅ぼした。高館は、そのときの戦場になった。
*解釈
川の流れという自然現象だけでなく、歴史を掛けていると思われる。
*予備知識
芭蕉の一行が平泉を訪れた季節は、夏。以下の芭蕉の文章の訳は、夏ごろの風景を前提にしている。
*訳
泰衡(やすひら)らの旧跡は、衣が関(ころもがせき)を隔てて、(平泉への入口である)南部からの入口(なんぶぐち)をかたく守り、夷(えぞ)の侵入を防ぐと思われる。それにしても、(義経に忠誠をちかう、)よりすぐられた忠義の臣が、この高館にたてこもり、奮戦したのだが、その功名(こうみょう)も一時(いちじ)の叢(くさむら)となってしまった。(漢文の杜甫の詩「春望」にあるように)『国(くに)破れて山河(さんが)あり、城(しろ、じょう)春にして草(くさ)青みたり』(国は破壊されても、自然の山や川は変わらず残り続ける。(廃墟となってしまった)城は、春ともなれば、草が生い茂り、青みがかっている。)と、笠を敷きて(しいて)、しばらくの間、泪を落としたのでありました。
:<big>'''夏草'''(なつくさ)'''や''' '''兵'''(つわもの)'''どもが''' '''夢'''(ゆめ)'''の跡'''(あと)</big><br />
その昔、ここ(平泉)では、源義経(よしつね)の一行や藤原兼房(ふじわらのかねふさ)らが、功名を夢見て、敵とあらそっていたが、その名も今では歴史のかなたへと消え去り、ひと時の夢となってしまった。いまや、ただ夏草が生い茂る(おいしげる)ばかりである。
(季語は「夏草」。季節は夏。)
:<big>'''卯'''(う)'''の花に''' '''兼房'''(かねふさ)'''見ゆる''' '''白毛'''(しらが)'''かな''' </big> 曾良(そら)
(卯(う)の花は白いが、)白い卯の花を見ると、義経の家来として、老臣ながら奮戦した兼房が、白髪(しらが)を振り乱して奮戦している様子が思い浮かぶことよ。
(季語は「卯の花」。季節は夏。曾良は芭蕉に同行してるのだから、季節は同じはず。芭蕉の「夏草や・・・」に対応させて、植物で句をはじめたと思われる。)
<gallery widths=200px heights=200px>
ファイル:Deutzia crenata for. plena's flowerage 02.JPG|卯の花の一種、ヤエウツギ
ファイル:Deutzia crenata 6.JPG|卯の花の一種、ウツギ
</gallery>
(義経の高館をめぐったあと、芭蕉の一行は、中尊寺の金色堂を見に行く。)
前々から耳にしていて、驚かされていた金色堂の二堂(経堂・光堂)が、開かれていた。経堂(きょうどう)には、像が三体あり、藤原清衡(ふじわらのきよひら)、藤原基衡(もとひら)、藤原秀衡(ひでひら)の三将の像が残っている。
[[File:Interior of Konjikido, Chusonji (62).jpg|thumb|250px|三尊の像。白黒写真。実物は金色にかがやく。]]
光堂には、この三代の棺をおさめられてあり、仏の像が三体ある。阿弥陀(あみだ)・観世音(かんぜおん)・勢至(せいし)の、三尊(さんぞん)の仏像が安置されている。
[[ファイル:Konjikido-Ooido.jpg|right|240px|thumb|金色堂を覆う鞘堂(さやどう)]]
(七宝が、かつては堂内を飾っていたが、)今では七宝(しちほう)も散り失せ、かつては珠玉(しゅぎょく)をちりばめられていただろう扉も、(長年の風雨により)今では風雨にいたみ、金箔の柱も霜や雪に朽ちて、もうすこしで退廃して草むらとなるところを、(鎌倉時代に)周囲の四面を囲い、風雨をよけるようにした(鞘堂が建てられた)。こうして、しばらくの間、千年の記念として残ることになったのである。
<br />
<big>'''五月雨の''' '''降り'''(ふり)'''のこしてや''' '''光堂'''(ひかりどう)</big><br />
光堂は昔のままだ。まるで、五月雨が、この光堂には降り残したかのようだ。(あたかも、光堂だけには降らなかったかのようだ。)
{{-}}
== 小学校の復習 ==
江戸時代の俳人(はいじん)の松尾芭蕉(まつおばしょう)が、実際に旅をして、旅先の様子などを書いた紀行文(きこうぶん)。
出発年: 元禄(げんろく)2年、(1689年)に芭蕉は江戸を出発した。
5ヶ月のあいだ、旅を続けた。
関東・東北・北陸・(岐阜の)大垣(おおがき)などを旅した。
旅の途中、句を多く作った。
従者(じゅうしゃ)として、曾良(そら)という人物を連れて、ともに旅をした。
== 書き出し ==
{| style="width:100%"
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|valign=top style="width:10%;text-indent:1em"|
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現代語訳
|}
{| style="width:100%"
|valign=top style="width:45%;text-indent:0em"|
月日(つきひ)は百代(はくたい)の過客(かかく)にして、行(ゆ)きかふ年もまた旅人(たびびと)なり。
舟(ふね)の上(うえ)に生涯(しょうがい)を浮かべ(うかべ)、馬の口(うまのくち)とらえて老(おい)をむかふるものは、日々(ひび)旅(たび)にして旅(たび)をすみかとす。
古人(こじん)も多く旅(たび)に死(し)せるあり。
予(よ)も、いづれの年よりか、片雲(へんうん)の風に誘われて(さそわれて)、漂泊(ひょうはく)の思ひ(おもい)やまず、海浜(かいひん)にさすらへ、去年(こぞ)の秋(あき)、江上(こうしょう)の破屋(はおく)にくもの古巣(ふるす)を払ひて(はらひて)、やや年も暮れ(くれ)、春立てる(はるたてる)霞(かすみ)の空に白河(しらかわ)の関こえんと、そぞろ神(がみ)の物につきて心(こころ)を狂はせ(くるわせ)、道祖神(どうそじん)の招き(まねき)にあひて、取(と)るもの手(て)につかず。
ももひきの破れ(やぶれ)をつづり、笠(かさ)の緒(お)つけかえて、三里(さんり)に灸(きゅう)すゆるより、松島の月(まつしまのつき)まず心にかかりて、住(す)める方(かた)は人(ひと)に譲(ゆず)り、杉風(さんぷう)が別しょ(べっしょ)に移る(うつる)に、
::草の戸も(くさのと も) 住替る(すみかわる)代(よ)ぞ ひなの家(いえ)
面八句(おもてはっく)を庵(いおり)の柱(はしら)に懸け(かけ)置(お)く。
|valign=top style="width:10%;text-indent:1em"|
|valign=top style="width:45%;text-indent:1em"|
月日は永遠に旅をつづける旅人のようなものであり、毎年、来ては去る年も、また旅人のようなものである。
(船頭(せんどう)として)舟(ふね)の上で一生を暮らす人や、(馬方(うまかた)として)馬のくつわを取って老いをむかえる人は、旅そのものを毎日、(仕事として)住み家としている(ようなものだ)。
昔の人も、多くの人が旅の途中で死んだ。
私も、いつごろの年からか、ちぎれ雲が風に誘われて漂う(ただよう)ように、旅をしたいと思うようになり、漂泊の思いやまず、海辺の地方などをさすらい歩きたく、去年の秋、川のほとりの粗末(そまつ)な家に(帰って)、くもの古巣(ふるす)を払ひって(暮らしているうちい)、しだいに年も暮れ、春になると、霞(かすみ)の立ちこめる空のもとで、白河の関(「しらかわのせき」、奥州地方の関所、現在でいう福島県にあった。) をこえようと、「そぞろ神」(そぞろがみ)が(私に)乗りうつって心をそわそわさせ、「道祖神」(どうそじん、旅や通行の安全を守る神)に招かれているように、何事も手につかない(ように、落ち着かない)。
そこで(もう、旅に出てしまおうと思い)、(旅支度として)ももひきの破れを繕い(つくろい)、笠(かさ)の緒(お)をつけかえて、(足のツボの)「三里」(さんり、ひざ下にあるツボ)に灸(きゅう)をすえて(足を健脚にして)(旅支度をすますと)、松島の月(まつしまのつき)(の美しさ)がまず気になって、住んでいた家は人に譲り(ゆずり)(理由:帰れるかどうか分からないので)、自分はかわりに(弟子の一人の)「杉風」(さんぷう)が持っていた別しょ(べっしょ)に移った。
::草の戸も(くさのと も) 住替る(すみかわる)代(よ)ぞ ひなの家(いえ)
:::(この、わびしい草庵( 「そうあん」、芭蕉の自宅のこと、芭蕉庵(ばしょうあん) )も、住む人が代わり、(ちょうど三月だから、)ひな人形などもかざって(私のような世捨て人とはちがって子どももいるだろうから)、にぎやかな家になることだろう。)
と句を詠んで(よんで)、この句をはじめに面八句(おもてはっく)をつくり、庵(いおり)の柱(はしら)にかけておいた。
|}
== 語句・解説など ==
*'''百代'''(はくたい)・・・解釈は「永遠」。入試などに問われやすいので、おぼえざるを得ない。ひっかけ問題などで、「百代」の間違った意味として、「百年」などの引っ掛けが出るので。
*'''古人'''(こじん)・・・ 古文・漢文での「古人」の意味は、「昔の人」という意味。 現代での「故人」という語句には「死んだ人」という意味があるが、古文・漢文での「古人」「故人」には、そのような「死んだ人」という意味は無いのが、ふつう。
*そぞろ神(そぞろがみ) ・・・ 人をそわそわさせる神。「そぞろ」が副詞という節もある。
*道祖神(どうそじん) ・・・ 旅や通行の安全を守る神だと思われる。
*庵(いおり、あん) ・・・ 質素な小屋。
== 俳句 ==
いくつかの句が、おくの細道で詠まれているが、代表的な句を挙げる。
<big>'''夏草'''(なつくさ)'''や''' '''兵'''(つわもの)'''どもが''' '''夢'''(ゆめ)'''の跡'''(あと)</big><br />
場所:平泉(ひらいずみ)
解釈<br />
:その昔、ここ(平泉)では、源義経(よしつね)の一行や藤原兼房(ふじわらのかねふさ)らが、功名を夢見て、敵とあらそっていたが、その名も今では歴史のかなたへと消え去り、ひと時の夢となってしまった。いまや、ただ夏草が生い茂る(おいしげる)ばかりである。
季語は「夏草」。季節は夏。
芭蕉が旅をした季節は、月を陽暦になおすと5月から10月のあいだなので、基本的に『おくの細道』に出てくる句の季節は、夏の前後である。
<br /><br />
<big>'''閑かさ'''(しずかさ)'''や''' '''岩'''(いわ)'''に しみいる''' '''蝉'''(せみ)'''の声'''(こえ)</big><br />
場所:立石寺(りっしゃくじ)<br />
解釈<br />
:よくある解釈は、文字通り、「あたりは人の気配がなく静かで、ただ、蝉の鳴く声だけが聞こえる。あたかも、岩に蝉の声が、しみわたっていくかのようだ。」・・・みたいな解釈が多い。
:単に、あたりが静かな事を主張するだけだと、わびしさが伝わらないし、単に蝉の声が聞こえることを主張するだけでも、わびしさが伝わらない。本来は、岩にしみいることのありえない「声」が、しみいるように感じられることを書くことで、うまく感じを表現している。
もともと、芭蕉は最初は「閑かさや」のかわりに「さびしさや」と書いていたが、「さびしさや」だと直接的すぎて、読者にわびしさを感じさせようとする意図が見え見えで興ざめするし、芭蕉なりの工夫のあとがあるのだろう。
季語は「蝉」。季節は夏。
<br /><br />
<big>'''五月雨'''(さみだれ)'''を''' '''集めて早し'''(はやし) '''最上川'''(もがみがわ)</big><br />
場所:最上川<br />
解釈<br />
:まず読者は予備知識として、山奥での最上川は、もともと流れが速い、という事を知っておこう。山を流れている川は、平野を流れる川とは違い、流れが速いのである。この句の表現は、ただでさえ、もともと速い最上川が、梅雨(つゆ)の五月雨のあつまったことで水量をましたことで、さらに流れが速くなっていることを表現することで、自然界の豪快さ(ごうかいさ)みたいなのを表現している。芭蕉は、舟(ふね)にのって最上川を川下りしたので、自身で最上川の速い流れを体験したのである。
季語は「五月雨」。季節は梅雨どき。(旧暦の5月なので)
<br /><br />
<big>'''五月雨の''' '''降り'''(ふり)'''のこしてや''' '''光堂'''(ひかりどう)</big><br />
場所:光堂
<br /><br />
<big>'''荒海'''(あらうみ)'''や''' '''佐渡'''(さど)'''に 横たふ'''(よこたう) '''天の河'''(あまのがわ)</big><br />
場所:越後路(えちごじ)<br />
解釈<br />
:この「荒海」とは日本海のこと。
:この句の解釈は、いくつかの解釈があり、分かれている。
:実際に見た光景をもとに句を読んだという解釈が一つ。もう一つの解釈は、現実には光景を見ておらず、佐渡の歴史などを表現したという解釈がある。「天の川が見える夜中だと、暗くて佐渡は見えないのでは?」「この句を読んだとされる場所では、地理的・天文学的には、佐渡の方角には天の川は見えないはずだ。」というような意見がある。
:実際に見たのか、見てないのか、どちらの解釈にせよ、「荒海」に対して「天の河」が対照的である。
:地上・海上の世界にある「荒海」と、そうでなく天高くにある「天の河」。荒れくるう海は海難事故(かいなんじこ)などで人の命をうばうこともあるだろうが、「天の河」には、そういうことは無いと思われる。そして、近くにいないと見られない「荒海」と、いっぽう、夏の晴れた夜空なら、どこでも見られる「天の河」。
とりあえず、句を文字通りに解釈すると、
:荒れる日本海のむこうに佐渡の島々が見える。そして、夜空には、天の川が横たわっていることよ。
というふうな解釈にでも、なるだろう。
季語は「天の河」。季節は秋。芭蕉たちの旅の期間が夏の前後なので、この句が「天の河」から秋の句だと分かる。したがって、「荒海」は、この句では季語ではない。
まちがって、「荒海」などから台風どきの日本海や、冬の日本海などを連想しないように注意。
[[Category:中学校国語|こふん おくのほそみち]]
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中学校国語/現代文/作文
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2024-12-13T07:18:24Z
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書き言葉で使わない 「なので」を修正しました。
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text/x-wiki
== 感想文と報告書との書き方の違い ==
たとえば読書感想文では、感想が重視されます。どんなに事実が書いてあっても、あなたの感想が書かれてなければ成績は0点でしょう。
いっぽう、理科や社会科のレポート課題などでは、事実を調べて整理することが重視されます。どんなに斬新(ざんしん)な視点での感想が書かれていても、調査結果が一つも書かれてなければ成績は0点でしょう。
また、報告書の評価方法では、感想よりも分析の質が重視されます。
== 事実と感想との区別 ==
どんな作文課題でも、事実と感想とを区別する必要があります。
決して、「事実」と言って、意見や感想を書いてはいけません。
感想・考えを書くときは「感想」、事実を書くときは「事実」として書きましょう。
== 常体と敬体の区別 ==
語尾が「です」・「ます」のような丁寧ないいまわしの表現を敬体(けいたい)といいます。
いっぽう、語尾が「である」・「だ」のような表現を常体といいます。
一般に、常体と敬体とが、混ざらないように書くのが正式な書き方だとされており、検定教科書でもそう紹介されています。
ただし、会話文の引用で、たとえば読書感想文での、作中の会話文の引用で、
作中、タカシは「しかし僕はこれをするのがイヤなのです。」と言ったが、私はタカシのこの発想はまったく理解できない。なぜならば作中の水曜日にタカシは(※ 以下略)
のような、引用の場所の文体が、引用以外の場所とは異なるような場合に場合は例外です。
== 期日は守る ==
質が優れてなくても良いので、しめきり日を守ってください。ただし、真面目に書いてください。
== 原稿枚数オーバーなどをするのは厳禁 ==
あまり中学校では意識することはないですが、原稿枚数オーバー(原稿枚数の超過)、または字数オーバー(字数の超過)は禁止です。
理由は、もし出版物に掲載する原稿の場合、字数オーバーは、他人の原稿のスペースを削ってしまうからです。
ですので、原稿の字数オーバーは、実務 や 入試の小論文 などでは、大幅に減点されます。
[[Category:中学校国語|けんたいふん さくふん]]
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初等数学公式集/初等関数の性質
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2024-12-13T04:40:00Z
Tomzo
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/* 有名角の値1 */
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wikitext
text/x-wiki
== 三角関数 ==
'''[[大学受験数学 三角関数/公式集]]'''も参照
=== 基本公式 ===
==== 三角関数相互の関係 ====
*<math>\frac{\pi}{2} + \theta</math>
**<math>\sin\left(\frac{\pi}{2} + \theta\right) = \cos\theta</math>
**<math>\cos\left(\frac{\pi}{2} + \theta\right) = -\sin\theta</math>
**<math>\tan\left(\frac{\pi}{2} + \theta\right) = -\frac{1}{\tan\theta}</math>
*<math>\pi+\theta</math>
**<math>\sin(\pi+\theta) = -\sin\theta</math>
**<math>\cos(\pi + \theta) = -\cos\theta</math>
**<math>\tan(\pi + \theta) = \tan\theta</math>
==== 三角比の相互関係 ====
*<math>\sin^2\theta + \cos^2\theta = 1</math>(ピタゴラスの基本三角公式)
*<math>\tan\theta = \frac{\sin\theta}{\cos\theta}</math>
*<math>1 + \tan^2\theta = \frac{1}{\cos^2\theta}</math>
*<math>1 + \frac{1}{\tan^2\theta} = \frac{1}{\sin^2\theta}</math>
*:
*鋭角における三角比の相互関係(三角比のいずれかが有理数で表されている場合に有用)
*:[[File:Right triangle with notations.svg|right]]
**<math>\sin\alpha = \frac{a}{c}</math>であるとき。 <math>\cos\alpha = \frac{\sqrt{c^2 - a^2}}{c}</math>, <math>\tan\alpha = \frac{a}{\sqrt{c^2 - a^2}}</math>
**<math>\cos\alpha = \frac{b}{c}</math>であるとき。 <math>\sin\alpha = \frac{\sqrt{c^2 - b^2}}{c}</math>, <math>\tan\alpha = \frac{\sqrt{c^2 - b^2}}{b}</math>
**<math>\tan\alpha = \frac{a}{b}</math>であるとき。 <math>\sin\alpha = \frac{a}{\sqrt{a^2 + b^2}}</math>, <math>\cos\alpha = \frac{b}{\sqrt{a^2 + b^2}}</math>
===負角の公式(還元公式)===
*<math>\sin(-\theta) = -\sin\theta</math>
*<math>\cos(-\theta) = \cos\theta</math>
*<math>\tan(- \theta) = -\tan\theta</math>
===補角の公式(還元公式)===
*<math>\sin(\pi-\theta) = \sin\theta</math>
*<math>\cos(\pi - \theta) = -\cos\theta</math>
*<math>\tan(\pi - \theta) = -\tan\theta</math>
==== 補角の公式と負角の公式との合成 ====
*<math>\sin(\theta - \pi) = -\sin\theta</math>
*<math>\cos(\theta - \pi) = -\cos\theta</math>
*<math>\tan(\theta - \pi) = \tan\theta</math>
===余角の公式(還元公式)===
*<math>\sin\left(\frac{\pi}{2} - \theta\right) = \cos\theta</math>
*<math>\cos\left(\frac{\pi}{2} - \theta\right) = \sin\theta</math>
*<math>\tan\left(\frac{\pi}{2} - \theta\right) = \frac{1}{\tan\theta}</math>
==== 余角の公式と負角の公式との合成 ====
*<math>\sin\left(\theta - \frac{\pi}{2}\right) = -\sin\left(\frac{\pi}{2} - \theta\right) = - \cos\theta</math>
*<math>\cos\left(\theta - \frac{\pi}{2}\right) = \cos\left(\frac{\pi}{2} - \theta\right) = \sin\theta</math>
*<math>\tan\left(\theta - \frac{\pi}{2}\right) = - \frac{1}{\tan\theta}</math>
=== 加法定理 ===
証明は[[高等学校数学II/三角関数#加法定理]]を参照
* <math>\displaystyle \sin(\alpha \pm \beta) = \sin\alpha \cos\beta \pm \cos\alpha \sin\beta </math>
* <math>\cos(\alpha \pm \beta) = \cos\alpha \cos\beta \mp \sin\alpha \sin\beta </math>
* <math>\tan(\alpha \pm \beta) = \frac{\tan\alpha \pm \tan\beta}{1 \mp \tan\alpha \tan\beta} </math>
(すべて複号同順)
==== 有名角の値1 ====
*<math>\frac{\pi}{12} ( = 15^\circ)</math>
*# <math>\sin\frac{\pi}{12} = \sin\left(\frac{\pi}{4} - \frac{\pi}{6}\right) = \sin\left(\frac{\pi}{4}\right) \cos\left(\frac{\pi}{6}\right) - \cos\left(\frac{\pi}{4}\right) \sin\left(\frac{\pi}{6}\right) = \frac{\sqrt{2}}{4} \left( \sqrt{3} - 1 \right)</math>
*#:
*# <math>\cos\frac{\pi}{12} = \cos\left(\frac{\pi}{4} - \frac{\pi}{6}\right) = \cos\left(\frac{\pi}{4}\right) \cos\left(\frac{\pi}{6}\right) + \sin\left(\frac{\pi}{4}\right) \sin\left(\frac{\pi}{6}\right) = \frac{\sqrt{2}}{4} \left( \sqrt{3} + 1 \right)</math>
*#:
*# <math>\tan\frac{\pi}{12} = \frac{\sin\left(\frac{\pi}{12}\right)}{\cos\left(\frac{\pi}{12}\right)} = \frac{\sqrt{3} - 1}{\sqrt{3} + 1} = 2 - \sqrt{3}</math>
*<math>\frac{5\pi}{12} ( = 75^\circ)</math>
*# <math>\sin\frac{5\pi}{12} = \sin\left(\frac{\pi}{4} + \frac{\pi}{6}\right) = \sin\left(\frac{\pi}{4}\right) \cos\left(\frac{\pi}{6}\right) + \cos\left(\frac{\pi}{4}\right) \sin\left(\frac{\pi}{6}\right) = \frac{\sqrt{2}}{4} \left( \sqrt{3} + 1 \right)</math>
*#:
*# <math>\cos\frac{5\pi}{12} = \cos\left(\frac{\pi}{4} + \frac{\pi}{6}\right) = \cos\left(\frac{\pi}{4}\right) \cos\left(\frac{\pi}{6}\right) - \sin\left(\frac{\pi}{4}\right) \sin\left(\frac{\pi}{6}\right) = \frac{\sqrt{2}}{4} \left( \sqrt{3} - 1 \right)</math>
*#:
*# <math>\tan\frac{5\pi}{12} = \frac{\sin\left(\frac{5\pi}{12}\right)}{\cos\left(\frac{5\pi}{12}\right)} = \frac{\sqrt{3} + 1}{\sqrt{3} - 1} = 2 + \sqrt{3}</math>
*#:
*なお、[[#余角の公式(還元公式)|余角の公式]]から、
*# <math>\sin\frac{\pi}{12} = \cos\frac{5\pi}{12} = \frac{\sqrt{2}}{4} \left( \sqrt{3} - 1 \right)</math>
*#:
*# <math>\cos\frac{\pi}{12} = \sin\frac{5\pi}{12} = \frac{\sqrt{2}}{4} \left( \sqrt{3} + 1 \right)</math>
*#:
*# <math>\tan\frac{\pi}{12} = \tan^{-1}\frac{5\pi}{12} = 2 - \sqrt{3}</math>
=== 二倍角の公式 ===
加法定理で、<math>\alpha = \beta </math>として、
* <math>\displaystyle \sin 2\theta = 2\sin\theta \cos\theta</math>
* <math>\displaystyle \cos 2\theta = \cos^2\theta - \sin^2\theta = 2\cos^2\theta - 1 = 1 - 2\sin^2\theta</math>
* <math>\tan 2\theta = \frac{2\tan\theta}{1-\tan^2\theta}</math>
=== 半角の公式 ===
* <math>\sin^2\left(\frac{\theta}{2}\right) = \frac{1-\cos\theta}{2}</math> ← 倍角の公式より、<math> \cos \theta = 1 - 2\sin^2\left(\frac{\theta}{2}\right)</math>
*:
* <math>\cos^2\left(\frac{\theta}{2}\right) = \frac{1+\cos\theta}{2}</math> ← 倍角の公式より、<math> \cos \theta = 2\cos^2\left(\frac{\theta}{2}\right) - 1</math>
*:
* <math>\tan^2\left(\frac{\theta}{2}\right) = \frac{1-\cos\theta}{1+\cos\theta}</math>
*:
*:
* <math>\tan\left(\frac{\theta}{2}\right) = \frac{\sin\theta}{1+\cos\theta}= \frac{1-\cos\theta}{\sin\theta}</math>
*:
*:
*::<span id="半角公式拡張"/>(拡張)<math>\tan\left(\frac{\theta}{2}\right) = t</math> とするとき、
*:::*<math>\cos\theta = \frac{1-t^2}{1+t^2}</math> ← <math>\tan^2\left(\frac{\theta}{2}\right) = t^2 =\frac{1-\cos\theta}{1+\cos\theta}</math>を<math>\cos\theta</math>について解く。
*:::*<math>\sin\theta = \frac{2t}{1+t^2}</math> ← <math>\sin\theta = \tan\theta \cdot \cos\theta</math> に <math>\tan\theta = \frac{2\tan\left(\frac{\theta}{2}\right)}{1-\tan^2\left(\frac{\theta}{2}\right)} = \frac{2t}{1-t^2}, \cos\theta = \frac{1-t^2}{1+t^2}</math>を代入する。
=== 三倍角の公式 ===
* <math>\displaystyle \sin 3\theta = 3\sin\theta - 4\sin^3\theta</math>
* <math>\displaystyle \cos 3\theta = 4\cos^3\theta - 3\cos\theta</math>
* <math>\tan 3\theta = \frac{3\tan\theta - 4\tan^3\theta}{1- 3\tan^2\theta}</math>
==== 有名角の値2 ====
*<math>\frac{\pi}{10} ( = 18^\circ)</math>
*:
*:[[#余角の公式(還元公式)|余角の公式]]より、等式:<math>\sin \frac{3\pi}{10} = \sin\left(\frac{\pi}{2} - \frac{\pi}{5}\right) = \cos \frac{\pi}{5}</math>が成立する。
*:
*:ここで、<math>\frac{\pi}{10} = \theta</math>とおくと、<math>\sin 3 \theta = \cos 2 \theta</math>となり、[[#二倍角の公式|二倍角の公式]]及び[[#三倍角の公式|三倍角の公式]]から、<math>3\sin\theta - 4\sin^3\theta = 1 - 2\sin^2\theta </math>。
*:
*:さらに、<math>\sin \theta = t</math>とおいて、方程式:<math>4t^3 - 2t^2 - 3t +1 = (t - 1)( 4t^2 + 2t - 1) = 0</math>を得る。
*:
*:これを解いて、<math>t = 1, \frac{-1 \pm \sqrt{5}}{4}</math>。<math>t = \sin \theta = \sin \frac{\pi}{10}</math>であるので、<math>0 < t < 1</math>、従って、<math>\sin \frac{\pi}{10} = \frac{-1 + \sqrt{5}}{4}</math>
*:
*:<math>\cos \frac{\pi}{10} = \sqrt{1 - \sin^2 \frac{\pi}{10}}</math> <math>\left(\because \cos \frac{\pi}{10} > 0 \right ) </math><math> = \frac{\sqrt{10 + 2\sqrt{5}}}{4}</math>
*:
*:<math>\tan \frac{\pi}{10} = \frac{\sin \frac{\pi}{10}}{\cos \frac{\pi}{10}} = \frac{1}{\sqrt{5 + 2\sqrt{5}}}</math> (計算過程・有理化は略)
*:
*:
*<math>\frac{2\pi}{5} ( = 72^\circ) </math>
*:
*:[[#余角の公式(還元公式)|余角の公式]]より、等式:<math>\sin \frac{2\pi}{5} = \sin\left(\frac{\pi}{2} - \frac{\pi}{10}\right) = \cos \frac{\pi}{10},</math> <math>\cos \frac{2\pi}{5} = \sin \frac{\pi}{10}</math>が成立する。
*:
*:<math>\therefore \sin \frac{2\pi}{5} = \frac{\sqrt{10 + 2\sqrt{5}}}{4}</math>, <math>\cos \frac{2\pi}{5} = \frac{-1 + \sqrt{5}}{4}</math>, <math>\tan \frac{2\pi}{5} = \sqrt{5 + 2\sqrt{5}}</math>
*:
*:
:※<math>\frac{\pi}{10} ( = 18^\circ)</math>の正弦・余弦の値を元に、<math>\frac{\pi}{5} ( = 36^\circ), \frac{3\pi}{10} ( = 54^\circ)</math> の三角比の値を求めることができる([[/参考|参考]]参照)。
=== 和積の公式 ===
* <math>\sin \alpha + \sin \beta =2\sin{\frac{\alpha + \beta}{2}}\cos{\frac{\alpha - \beta}{2}}</math>
* <math>\sin \alpha - \sin \beta =2\cos{\frac{\alpha + \beta}{2}}\sin{\frac{\alpha - \beta}{2}}</math>
* <math>\cos \alpha + \cos \beta =2\cos{\frac{\alpha + \beta}{2}}\cos{\frac{\alpha - \beta}{2}}</math>
* <math>\cos \alpha - \cos \beta =-2\sin{\frac{\alpha + \beta}{2}}\sin{\frac{\alpha - \beta}{2}}</math>
=== 積和の公式 ===
* <math>\sin \alpha \cdot \cos \beta =\frac{1}{2}\left\{\sin(\alpha + \beta)+\sin(\alpha - \beta)\right\}</math>
* <math>\cos \alpha \cdot \sin \beta =\frac{1}{2}\left\{\sin(\alpha + \beta)-\sin(\alpha - \beta)\right\}</math>
* <math>\cos \alpha \cdot \cos \beta =\frac{1}{2}\left\{\cos(\alpha + \beta)+\cos(\alpha - \beta)\right\}</math>
* <math>\sin \alpha \cdot \sin \beta =-\frac{1}{2}\left\{\cos(\alpha + \beta)-\cos(\alpha - \beta)\right\}</math>
=== 三角関数の合成 ===
====正弦合成====
* <math>a\sin \theta + b\cos \theta =\sqrt{a^2 + b^2}\sin(\theta + \alpha)</math>
:ただし、<math>\cos \alpha = \frac{a}{\sqrt{a^2 + b^2}}, \sin \alpha = \frac{b}{\sqrt{a^2 + b^2}}</math>
====余弦合成====
* <math>a\sin \theta + b\cos \theta = \sqrt{a^2 + b^2}\cos(\theta - \beta)</math>
:ただし、<math>\sin \beta = \frac{a}{\sqrt{a^2 + b^2}}, \cos \beta = \frac{b}{\sqrt{a^2 + b^2}}</math>
<div style="border:solid 1px">
'''覚え方'''
位相を <math>+\frac{\pi}{2}</math> すると微分になると覚えましょう。<math>+\pi</math> の三角関数も2階微分としてすぐに導出できます。<math>-\frac{\pi}{2}</math> の三角関数は積分として覚えられます。また、点 <math>(\cos\theta,\sin\theta)</math> を <math>\pi</math> 回転した点 <math>(\cos(\theta+\pi),\sin(\theta+\pi))</math> は原点を中心に点対称移動した点 <math>(-\cos\theta,-\sin\theta)</math> であることからも、<math>+\pi</math> の三角関数を導出できます。
<math>-\theta</math> の三角関数は、点 <math>(\cos\theta,\sin\theta)</math> を <math>x</math> 軸で線対称移動移動した点が <math>(\cos (-\theta),\sin(-\theta)) = (\cos\theta,-\sin\theta)</math> であることから導出できます。
加法定理は「咲いたコスモスコスモス咲いた」、「コスモスコスモス咲いた咲いた」という語呂合せがあります。
<math>\cos</math> の倍角の公式 <math>\cos 2\theta = 2\cos^2\theta - 1 = 1 - 2\sin^2\theta</math> は <math>\pm 1 \pm 2\mathrm{aaa}^2\theta</math> という形を覚えて <math>\sin</math> は符号が <math>-</math>、1 の符号はその逆と覚えます。
2乗の三角関数 <math>\sin^2\theta = \frac{1-\cos 2\theta}{2},\cos^2\theta = \frac{1+\cos 2\theta}{2}</math> は、<math>\frac{1\pm \cos 2\theta}{2}</math> という形を覚えて、 <math>\sin</math> は符号が<math>-</math> と考えます。
正弦合成では、Oを原点とするxy平面上に点P(a, b)をとったときの線分OPの長さがサインの係数、直線OPの傾き<math>\frac{b}{a}</math>が<math>\tan \alpha</math>の値 と考えます。
余弦合成では、Oを原点とするxy平面上に点Q(b, a)をとったときの線分OQの長さがコサインの係数、直線OQの傾き<math>\frac{a}{b}</math>が<math>\tan \beta</math>の値 と考えます。
</div>
== 指数関数・対数関数 ==
以下、この節内では ''a'', ''b'' ,''c'' は実数とする。
=== 指数関数 ===
* <math>a^0 = 1, a^1 = a</math>
* <math>\displaystyle a^b\times a^c=a^{b+c}</math>
* <math>a^b\div a^c = a^{b-c}</math>
** <math>a^{-b} = \frac {1}{a^b}</math>
* <math>\displaystyle (a^b)^c=a^{bc}</math>
* <math>\displaystyle (ab)^c=a^cb^c</math>
=== 対数関数 ===
以下、<math>a>0</math> かつ <math>a \neq 1</math>とし、また対数の真数として表れるものはすべて正とする。
:対数の定義
::<math>a^b = c \Leftrightarrow b = \log_a c </math>
* <math>\log_a {1} = 0</math>, <math>\log_a {a} = 1</math>
* <math>\displaystyle \log_a(bc) = \log_a b + \log_a c</math>
* <math>\log_a \left(\frac{b}{c}\right) = \log_a b - \log_a c</math>
* <math>\displaystyle \log_a b^c = c\log_a b</math>
* <math>\log_a b = \frac{\log_c b}{\log_c a}</math>
**特に<math>\log_a b = \frac{1}{\log_b a}</math>, <math>\log_a b \cdot \log_b a = 1</math>
*<math>a = b ^{\log_b a}</math>
{{DEFAULTSORT:しよとうすうかくこうしきしゆう 04しよとうかんすうのせいしつ}}
[[Category:普通教育]]
[[Category:数学教育]]
[[Category:初等数学公式集|かんすう]]
[[カテゴリ:関数]]
cr3gmt7fp6z547554ntb7czwarjp4c3
初等数学公式集/数列
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265379
248475
2024-12-13T04:05:53Z
Tomzo
248
/* フィボナッチ数列 */
265379
wikitext
text/x-wiki
== 一般項 ==
*等差数列(算術数列)
*:初項を <math>a_1</math> とし、公差を <math>d</math>とすれば、<math>n</math>番目の項 <math>a_n</math> は
*::<math>{\displaystyle a_{n}=a_{1}+(n-1)d}</math>
*等比数列(幾何数列)
*:初項を <math>a_1</math> とし、公比を <math>r</math>とすれば、<math>n</math>番目の項 <math>a_n</math> は
*::<math>{\displaystyle a_{n}=a_1r^{n-1}}</math>
== 数列の和 ==
<span id="シグマ"/>数列 <math>a_i</math> に関して、 <math>i</math>について区間<math>[m,n]</math>で足し上げた総和を記号:<math> \sum</math>(シグマ)を用いて、<math> \sum_{i=m}^n a_i</math>と表す。
=== 数列の和の性質 ===
*<math> \sum_{i=m}^n a_i - \sum_{i=m}^{n-1} a_i = a_n</math>
;線形性
* <math>\sum_{i=m}^n \left(a_i+b_i\right) = \left( \sum_{i=m}^n a_i \right) + \left( \sum_{i=m}^n b_i \right)</math>
* <math>\sum_{i=m}^n \lambda a_i = \lambda \sum_{i=m}^n a_i</math>
=== 数列の和の公式 ===
* <math> \sum_{k=1}^n 1 = n</math>
* <math> \sum_{k=1}^n k = {1\over 2}n(n+1)</math>
* <math> \sum_{k=1}^n k^2 = {1\over 6}n(n+1)(2n+1)</math>
* <math> \sum_{k=1}^n k^3 = \left\{ {1\over 2}n(n+1) \right\}^2</math>
* <math> \sum_{k=1}^n \left\{a + d(k-1)\right\} = \frac{n}{2}(2a + d(n-1))</math>(等差数列の和)
* <math> \sum_{k=1}^n ar^{k-1}=\begin{cases}
an & (r=1)\\
\cfrac{a(1-r^n)}{1-r}& (r\not=1)\end{cases}
</math>(等比数列の和)
== 漸化式と一般項 ==
初項<math>a_1</math>の値と、第<math>k</math>項<math>a_k</math>と第<math>k+1</math>項<math>a_{k+1}</math>の関係によって数列を定義することができる。このような定義のしかたを数列の帰納的定義といい、<math>a_k</math>と<math>a_{k+1}</math>のような関係式を漸化式という。
=== 二項間漸化式 ===
※以下、初項<math>a_1</math>は所与
*<math>\displaystyle a_{n+1}-a_n=k</math>(定数) のとき、
*:一般項は、<math>a_n=a_1+k(n-1)</math> [等差数列]
*<math>\displaystyle a_{n+1}=ra_n </math> のとき、
*:一般項は、<math>a_n=a_1r^{n-1}</math> [等比数列]
*<math>\displaystyle a_{n+1}-a_n=b_n</math> のとき、
*:一般項は、<math>a_n=a_1+\sum_{k=1}^{n-1} b_k</math> [階差数列]
**階差数列の拡張
**:<math>a_n</math>の一般項は不明であるが、数列の和 <math>\sum_{i=1}^n a_i</math>を漸化式<math>S_n</math>として、<math>n</math>の式で与えられていたり、<math>a_n</math>を含んだ関係式が示されているとき、
**::<math>S_n - S_{n-1} = a_n</math> , <math>S_1 = a_1</math>
**:の性質を用い、<math>a_n</math>の一般項を求める。
==== 等比数列となる漸化式の応用 ====
*<math>\displaystyle a_{n+1}=ra_n+k</math> <math> (r\not=1)</math> のとき、
*:
*:
*:<math>\displaystyle a_{n+1}=r\left(a_n-\frac{k}{1-r}\right)+\frac{k}{1-r} </math>
*:
*:ここで、
*::<math>\displaystyle b_n = a_n-\frac{k}{1-r}</math> とすると、
*:
*:元の漸化式は、
*::<math>\displaystyle b_{n+1}=rb_n </math> となり、これは等比数列なので、一般項は、<math>b_n=b_1r^{n-1}</math> となる。
*:
*::<math>\displaystyle a_n = b_n+\frac{k}{1-r}</math> かつ、<math>\displaystyle b_1 = a_1-\frac{k}{1-r}</math> なので、
*:
*:一般項は、<math>\displaystyle a_n =\left( a_1-\frac{k}{1-r}\right)r^{n-1}+\frac{k}{1-r}</math> となる。
=== 三項間漸化式 ===
※以下、初項<math>a_1</math>及び第2項<math>a_2</math>は所与
==== 一般形 ====
:<math>\displaystyle a_n + s a_{n-1} + t a_{n-2}=0</math> - ① のとき、
::<math>\displaystyle a_n - \alpha a_{n-1}=\beta (a_{n-1}- \alpha a_{n-2})</math> - ② と変形、
:::<math>\displaystyle a_n - \alpha a_{n-1}=\beta (a_{n-1}- \alpha a_{n-2})=\beta^2 (a_{n-2}- \alpha a_{n-3})</math>・・・<math>\displaystyle =\beta^{n-2} (a_2+ \alpha a_1)</math> - ③
::①と②から、<u><math>-s = \alpha + \beta</math>, <math>t = \alpha \beta</math>が成立している(※)</u>ので、①は<math>\displaystyle a_n - \beta a_{n-1}=\alpha (a_{n-1}- \beta a_{n-2})</math>とも変形でき、③同様、
:::<math>\displaystyle a_n - \beta a_{n-1} =\alpha^{n-2} (a_2- \beta a_1)</math> - ④となる。
::③-④
:::<math>- \alpha a_{n-1} + \beta a_{n-1} =\beta^{n-2} (a_2- \alpha a_1) - \alpha^{n-2} (a_2- \beta a_1)</math>
:::即ち、<math>(\beta - \alpha ) a_n =\beta^{n-1} (a_2- \alpha a_1) - \alpha^{n-1} (a_2- \beta a_1)</math>
:::<math>a_n =\frac {\beta^{n-1} (a_2- \alpha a_1) - \alpha^{n-1} (a_2- \beta a_1)}{\beta - \alpha}</math> - ⑤
:
::(参考)
::#※から、<math>\alpha, \beta</math>は、二次方程式<math>\displaystyle x^2 + s x + t=0</math>(特性方程式)の解であることがわかるが、高校の過程では「変形できる」でよい。
::#特性方程式の解が、以下に示す重解の場合を除き、有理数である時のみならず、無理数であっても(下記「[[#フィボナッチ数列|フィボナッチ数列]]参照」)、虚数解であっても成立する。
==== 特殊形 ====
上記②において、<math>\alpha = \beta</math>であるとき
:変形の結果、以下の式が得られる。
::<math>\displaystyle a_n - \alpha a_{n-1}=\alpha^{n-2} (a_2- \alpha a_1)</math>
:両辺を<math>\displaystyle \alpha^n</math>で割ると、
::<math>\displaystyle \frac{a_n}{\alpha^n} - \frac{a_{n-1}}{\alpha^{n-1}}= \frac{a_2- \alpha a_1}{\alpha^2}</math>
:ここで、<math>\displaystyle \frac{a_n}{\alpha^n} = b_n</math>、左辺は定数なので、<math>k</math>と置くと、この式の形は、<math>\displaystyle b_n - b_{n-1}=k</math>となり、等差数列となる。したがって、
::<math>\displaystyle b_n =b_1+k(n-1)=\frac{a_1}{\alpha}+\frac{(a_2- \alpha a_1)(n-1)}{\alpha^2}</math>
::<math>\displaystyle a_n =\alpha^n b_n=\alpha^{n-2}((n-1) a_2 - \alpha (n-2) a_1)</math>
==== 非斉次形 ====
<math>\displaystyle a_n - 2 a_{n-1} + a_{n-2}=k</math>(定数)は以下のように変形して解くことができる。
:<math>\displaystyle a_n - a_{n-1} = a_{n-1} - a_{n-2} + k</math>
:<math>\displaystyle a_n - a_{n-1} = b_{n-1}</math>とおけば、<math>\displaystyle b_n = b_{n-1} + k</math>なので、<math>\{b_n\}</math>は等差数列となり、
:<math>b_{n-1}=b_1+k(n-2)=a_2-a_1+k(n-2)</math>である。これが<math>\{a_n\}</math>の階差数列であることから、
:<math>a_n=a_1+\sum_{l=2}^{n} (a_2-a_1+k(l-2))=(n-1)a_2-(n-2)a_1+\frac{k(n-2)(n-1)}{2}</math>
=== フィボナッチ数列 ===
{{wikipedia|フィボナッチ数}}
以下の関係で定義される数列をフィボナッチ数列という。
:<math>F_1 =1</math>, <math>F_2 =1</math>, <math>F_n = F_{n-1} + F_{n-2} </math> (<math>n</math> ≧3)
:上記三項間漸化式にあてはめ、<math>F_n - F_{n-1} - F_{n-2} = 0 </math>を解く。
:特性方程式:<math>\displaystyle x^2 - x - 1=0</math>を解くと<math>x=\frac{1\pm\sqrt{5}}{2}</math>であるから、
::<math>\alpha = \frac{1 - \sqrt{5}}{2}</math>, <math>\beta = \frac{1+\sqrt{5}}{2}</math>
:を⑤に代入する。<math>\beta - \alpha= \sqrt{5}</math>, <math>F_2 - \alpha F_1= \frac{1+\sqrt{5}}{2} = \beta</math>, <math>F_2 - \beta F_1= \frac{1- \sqrt{5}}{2} = \alpha</math>であるから、
::<math>F_n =\frac {\beta^{n-1} (F_2- \alpha F_1) - \alpha^{n-1} (F_2- \beta F_1)}{\beta - \alpha} =\frac {\beta^n - \alpha^n}{\beta - \alpha} =\frac {1}{\sqrt{5}} \left\{ \left( \frac{1+ \sqrt{5}}{2} \right)^n - \left( \frac{1- \sqrt{5}}{2} \right)^n \right\}</math>
==== 参考(黄金数)====
{{wikipedia|黄金比}}
:<math>\displaystyle x^2 - x - 1=0</math>の正の解;<math>\frac{1+\sqrt{5}}{2}</math>(上記<math>\beta</math>)との比を'''黄金比'''(Golden ratio)、その値を'''黄金数'''といい、しばしば、<math>\varphi</math>で表す。
:同様に、<math>\varphi</math>と共役関係にある負の解;<math>\frac{1-\sqrt{5}}{2}</math>(上記<math>\alpha</math>)を<math>\overline{\varphi}</math>で表し、フィボナッチ数を以下のように表すこともある。
:
::<math>F_n =\frac {\varphi^n - \overline{\varphi}^n}{\varphi - \overline{\varphi}} =\frac {1}{\sqrt{5}} ( \varphi^n - \overline{\varphi}^n )</math>
:
:黄金比・黄金数は、数学の[[初等数学公式集/初等関数の性質/参考#黄金比との関係|その他の分野]]にも登場する興味深い数である。
<!--=== 様々な漸化式の解法 ===-->
== 数学的帰納法 ==
:順々に出現する自然数<math>n</math>について(離散的)、命題が成立することの証明法。
:
:(手順)
:#<math>n=1</math>のときに、命題が成り立つことを証明。
:#<math>n=k</math>のときに、その命題が成り立つことを仮定して,演算を行なって<math>n=k+1</math>のときその命題が成り立つことを証明する。
:#1.及び2.により、与えられた命題はすべての自然数<math>n</math>について成り立つことが証明された。
:
::(事例)一般項の式が漸化式を満たすことの証明
:::<math>\displaystyle a_{n+1}=ra_n+k , a_1=a , (r\not=1)</math> のとき、一般項は、<math>\displaystyle a_n =\left( a -\frac{k}{1-r}\right)r^{n-1}+\frac{k}{1-r}</math> (命題※)となることの証明。
:::#<math>n=1</math>のとき、<math>a_1=a</math> 。一般項の式:<math>\left( a-\frac{k}{1-r}\right)r^{1-1}+\frac{k}{1-r} = a-\frac{k}{1-r} + \frac{k}{1-r} = a</math>、となり命題※は成立。
:::#<math>n=m</math>のとき、命題※が成立していると仮定。
:::#:<math>n=m+1</math>のとき、
:::#:<math>\displaystyle a_{m+1} = ra_m + k = r \left( \left( a -\frac{k}{1-r}\right)r^{m-1}+\frac{k}{1-r} \right) + k</math><math> = \left( a -\frac{k}{1-r}\right)r^m + \frac{kr}{1-r} + k</math><math> = \left( a -\frac{k}{1-r}\right)r^m + \frac{k}{1-r}</math>
:::#::となり、<math>n=m+1</math>のときも命題※は成立している。
:::#1.及び2.により、命題※はすべての自然数<math>n</math>について成り立つ。
== 数列・級数の極限 ==
* 数列 <math>\displaystyle \{a_n\}, \{b_n\}, \{c_n\}</math> が、<math>N</math> が十分大きいとき常に <math>\displaystyle a_N \le b_N \le c_N</math> を満たし、<math>\lim_{n\to\infty}a_n=\lim_{n\to\infty}c_n=\alpha</math> となるならば、<math>\displaystyle \{b_n\}</math> も収束し、
*:<math>\lim_{n\to\infty}b_n=\alpha</math>
(はさみうちの原理)
* 数列 <math>\{a_n\},\{b_n\}</math> に対して, <math>\lim_{n\to\infty}a_n=\alpha</math>, <math>\lim_{n\to\infty}b_n=\beta</math> ならば、
# <math>\lim_{n\to\infty}ka_n=k\alpha</math> ただし <math>k</math> は定数。
# <math>\lim_{n\to\infty}(a_n\pm b_n)=\alpha\pm \beta</math> (複号同順)。
# <math>\lim_{n\to\infty}a_nb_n=\alpha\beta</math>
# <math>\lim_{n\to\infty}\frac{a_n}{b_n}=\frac{\alpha}{\beta}</math> (ただし、<math>\beta\not=0</math>)。
* 数列 <math>\{r^n\}</math> について、
# <math>\displaystyle |r|<1</math> ならば <math>\lim_{n\to\infty}r^n=0</math>。
# <math>r=1</math> ならば <math>\lim_{n\to\infty}r^n=1</math>。
# <math>\displaystyle r > 1</math> ならば <math>\lim_{n\to\infty}r^n=\infty</math>。
# <math>r</math> ≤ <math>-1</math> ならば <math>\lim_{n\to\infty}r^n</math> は存在しない。
* 数列 <math>\{ n r^n\}</math> において、<math>0 < r < 1</math> ならば <math>\lim_{n\to\infty}n r^n=0</math>
:(証明) <math> \frac{1}{r} > 1 </math> であるから <math> \frac{1}{r} = 1 + h , (h > 0) </math> とおくと、<math> n > 2 </math> のとき、
:: <math> 0 < n r^n = \frac{n}{(1+h)^n} < \frac{n}{ \frac{n(n-1)}{2}h^2 } = \frac{2}{(n-1)h^2} </math>。
: ここで、<math> (1+h)^n </math>を2項定理で展開して、2次の項だけ抽出した。<math> n \to \infty </math> のとき右辺 <math> \to 0 </math> であるから、はさみうちの原理により、<math> \lim_{n\to\infty}n r^n=0 </math>
* 級数: <math>S_n=\sum_{k=1}^{n-1}r^{k-1}</math> について、
# <math>|r|<1</math> のとき <math>\lim_{n\to\infty}S_n=\frac{1}{1-r}</math>。
# <math>|r|</math> ≥ <math>1</math> のとき <math>\lim_{n\to\infty}S_n</math> は発散する。
{{DEFAULTSORT:しよとうすうかくこうしきしゆう 06すうれつ}}
[[カテゴリ:数列]]
[[Category:初等数学公式集|すうれつ]]
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Python/型ヒント
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校閲と推敲と加筆
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wikitext
text/x-wiki
'''型ヒント'''(Type Hints)は、Python 3.5以降で導入された機能で、変数や関数の引数、返り値などに対して、その期待される型情報を注釈として記述することができます。型ヒントは静的型付けの一形態であり、コードの可読性を高め、静的解析ツールによるチェックを容易にするのに役立ちます。
以下は型ヒントの基本的な使い方です:
:<syntaxhighlight lang=python3 copy>
# 型ヒントを用いた関数定義の例
def greet(name: str) -> str:
return f"Hello, {name}"
</syntaxhighlight>
上記の例では、<code>greet</code>関数の引数<code>name</code>の型を<code>str</code>(文字列)として指定し、返り値の型も<code>str</code>として指定しています。
== 型ヒントの一般的な使用法 ==
# '''基本型の指定''': Pythonの組み込み型(例:<code>int</code>, <code>float</code>, <code>str</code>, <code>bool</code>)をそのまま使用します。
# '''コンテナ型の指定''': 型情報を伴ったコンテナ型を表すことができます。例:
#* <code>List[int]</code>: 整数型のリスト
#* <code>Dict[str, int]</code>: 文字列をキーとし、整数を値とする辞書
#* <code>Tuple[str, int, bool]</code>: 異なる型を持つタプル
# '''ユーザー定義型''': クラスやタイプエイリアスを用いることで、自作の型を型ヒントに利用できます。
# '''ユニオン型''': 複数の型を許容する場合、<code>Union</code>を用います。例:<code>Union[int, float]</code>は整数または浮動小数点数を表します。
型ヒントは実行時の挙動には影響を与えませんが、IDEや静的解析ツール(例:[[MyPy|mypy]])を利用することで、型に基づいたエラーチェックや補完機能を活用できます。
== 型アノテーション ==
型アノテーション(Type Annotation)は、型ヒントの具体的な記述形式を指します。変数や関数、クラス属性に型情報を追加することで、可読性と保守性が向上します。
=== 変数への型アノテーション ===
:<syntaxhighlight lang=python3 copy>
x: int = 5
</syntaxhighlight>
ここで、<code>: int</code>は変数<code>x</code>が整数型であることを示しています。
=== 関数への型アノテーション ===
:<syntaxhighlight lang=python3 copy>
def add(a: int, b: int) -> int:
return a + b
</syntaxhighlight>
引数<code>a</code>と<code>b</code>は<code>int</code>型、返り値も<code>int</code>型であることを明示しています。
=== クラス属性への型アノテーション ===
:<syntaxhighlight lang=python3 copy>
class Person:
def __init__(self, name: str, age: int) -> None:
self.name: str = name
self.age: int = age
</syntaxhighlight>
クラス<code>Person</code>の<code>name</code>属性と<code>age</code>属性がそれぞれ<code>str</code>型と<code>int</code>型であることを示しています。
== __annotations__属性 ==
Pythonのすべての関数、クラス、モジュールには<code>__annotations__</code>という特別な属性が存在します。この属性は型アノテーションの情報を辞書形式で保持しています。
以下はその例です:
:<syntaxhighlight lang=python3 copy>
x: int = 10
y: str = "hello"
def greet(name: str) -> str:
return f"Hello, {name}"
print(__annotations__) # {'x': <class 'int'>, 'y': <class 'str'>}
print(greet.__annotations__) # {'name': <class 'str'>, 'return': <class 'str'>}
</syntaxhighlight>
このように、<code>__annotations__</code>属性を用いることで、プログラムの型情報を動的に取得することが可能です。
== 型アノテーションの効果と限界 ==
型アノテーションは実行時には影響を与えず、型情報は静的解析やコード補完に利用されるのみです。そのため、型安全性は完全には保証されません。ただし、以下のような利点があります:
# '''バグの早期発見''': IDEや静的解析ツールが型の不一致を検出可能。
# '''コードの可読性向上''': 型情報が明示されることで、コードの意図が伝わりやすくなる。
# '''保守性の向上''': 複数人での開発や大規模プロジェクトで特に有用。
一方で、型アノテーションが冗長になる場合もあり、実際の用途に応じて適切なバランスを取ることが重要です。
== 型アノテーションを使わない場合の問題例 ==
以下は型アノテーションを使用しない場合の例です:
:<syntaxhighlight lang=python3 copy>
def total(*args):
if len(args) == 0:
return 0
it = iter(args)
result = next(it)
for i in it:
result += i
return result
print(f"""
{total()=}
{total(1, 2, 3)=}
{total(*(i for i in range(10)))=}
{total(*(1.0 * i for i in range(10)))=}
{total(False, True)=}
{total("abc", "def", "ghi")=}
{total([0, 1, 2], [3, 4, 5], [6, 7, 8])=}
""")
</syntaxhighlight>
'''実行結果:'''
:<syntaxhighlight lang=text copy>
total()=0
total(1, 2, 3)=6
total(*(i for i in range(10)))=45
total(*(1.0 * i for i in range(10)))=45.0
total(False, True)=1
total("abc", "def", "ghi")='abcdefghi'
total([0, 1, 2], [3, 4, 5], [6, 7, 8])=[0, 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8]
</syntaxhighlight>
このコードでは、異なる型の値(整数、浮動小数点数、文字列、リストなど)が渡されることで意図しない動作を招く可能性があります。
== 型アノテーションを用いた改善例 ==
以下は型アノテーションを用いて修正した例です:
:<syntaxhighlight lang=python3 copy>
from typing import Union
Number = Union[int, float]
def total(*args: Number) -> Number:
if len(args) == 0:
return 0
it = iter(args)
result = next(it)
for i in it:
result += i
return result
print(f"""
{total()=}
{total(1, 2, 3)=}
{total(*(i for i in range(10)))=}
{total(*(1.0 * i for i in range(10)))=}
""")
</syntaxhighlight>
'''MyPyの静的検査結果:'''
型アノテーションがあることで、<code>str</code>型や<code>list</code>型の不正な引数が渡された場合にエラーが検出されます。例:
:<syntaxhighlight lang=text copy>
main.py:13: error: Argument 1 to "total" has incompatible type "str"; expected "Union[int, float]"
main.py:13: error: Argument 1 to "total" has incompatible type "List[int]"; expected "Union[int, float]"
</syntaxhighlight>
== 参考文献 ==
* {{cite web
|url=https://docs.python.org/3/library/typing.html
|title= 3.10.1 Documentation » The Python Standard Library » Development Tools » typing — Support for type hints
|date=2021/12/07
|accessdate=2021/12/07
}}
* {{cite web
|url=https://www.python.org/dev/peps/pep-0526/
|title=PEP 526 -- Syntax for Variable Annotations
|date=2014/08/09
|accessdate=2021/12/07
}}
* {{cite web
|url=https://www.python.org/dev/peps/pep-0484/
|title=PEP 484 -- Type Hints
|date=2014/09/29
|accessdate=2021/12/07
}}
* {{cite web
|url=https://www.python.org/dev/peps/pep-0483/
|title=PEP 483 -- The Theory of Type Hints
|date=2014/12/19
|accessdate=2021/12/07
}}
{{DEFAULTSORT:かたひんと}}
[[Category:Python]]
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小学校社会/6学年/歴史編/年表
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ぜんざる
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足りない部分を補う修正を行いました。
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text/x-wiki
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これまで学習してきたことの主なできごとを年代順に表にしています。<!--教程との関係で不正確な表現は残る。-->
{| class="wikitable" style="width:100%;"
|+
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! style="width:25%;" | できごと
! style="width:65%;" | 「できごと」に関係すること
|-
!紀元前1世紀
|[[小学校社会/6学年/歴史編/歴史の始まり#中国との交流|漢(前漢)に使いを送る]]。
|日本が歴史上初めて、文字で書かれた記録に登場しました。
|-
!57年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/歴史の始まり#中国との交流|倭の奴国が後漢に使いを送る]]。
|皇帝から、金印「漢委奴国王印」をもらう。
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!235年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/歴史の始まり#邪馬台国|邪馬台国の卑弥呼が、魏の皇帝に使いを送る]]。
|「魏志倭人伝」に書かれています。
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!5世紀後半から<br/>6世紀前半
|[[小学校社会/6学年/歴史編/歴史の始まり#大和政権|ヤマト政権が日本を統一する]]。
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!飛鳥時代
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!538年頃
|[[小学校社会/6学年/歴史編/天皇中心の国づくり-飛鳥時代から奈良時代#渡来人|仏教が公式に伝わる]]。
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!593年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/天皇中心の国づくり-飛鳥時代から奈良時代#聖徳太子|聖徳太子が皇太子になる]]。
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!600年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/天皇中心の国づくり-飛鳥時代から奈良時代#聖徳太子|小野妹子を遣隋使として隋に送る]]。
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!603年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/天皇中心の国づくり-飛鳥時代から奈良時代#聖徳太子|冠位十二階を定める]]。
|このころ、「十七条の憲法」も決められました。
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!645年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/天皇中心の国づくり-飛鳥時代から奈良時代#大化の改新と律令制の成立|乙巳の変]]。
|中大兄皇子と中臣鎌足が蘇我入鹿を殺し、「大化の改新」を始める
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!663年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/天皇中心の国づくり-飛鳥時代から奈良時代#外交|白村江の戦い]]
|朝鮮半島で唐と新羅の軍に敗れます。
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!672年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/天皇中心の国づくり-飛鳥時代から奈良時代#壬申の乱|壬申の乱]]
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!701年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/天皇中心の国づくり-飛鳥時代から奈良時代#律令制|大宝律令が完成する]]。
|律令制が完成します。
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!708年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/天皇中心の国づくり-飛鳥時代から奈良時代#和同開珎|和同開珎]]をつくる。
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!奈良時代
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!710年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/天皇中心の国づくり-飛鳥時代から奈良時代#平城京遷都|平城京に遷都する]]。
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!712年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/天皇中心の国づくり-飛鳥時代から奈良時代#記紀|古事記が完成する]]。
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!720年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/天皇中心の国づくり-飛鳥時代から奈良時代#記紀|日本書紀が完成する]]。
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!741年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/天皇中心の国づくり-飛鳥時代から奈良時代#奈良仏教|全国に国分寺と国分尼寺を作る]]。
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!743年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/天皇中心の国づくり-飛鳥時代から奈良時代#墾田永年私財法|墾田永年私財法]]
|班田収授法の意味がなくなり、「荘園」ができるもととなります。
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!752年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/天皇中心の国づくり-飛鳥時代から奈良時代#奈良仏教|東大寺大仏(奈良の大仏)が完成する]]。
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!平安時代
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!794年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/貴族の文化-平安時代#平安遷都|平安京に遷都する]]。
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!804年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/貴族の文化-平安時代#空海と最澄|空海と最澄が遣唐使として唐へ行く]]。
|空海 真言宗 高野山金剛峯寺<br/>最澄 天台宗 比叡山延暦寺
|-
!894年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/貴族の文化-平安時代#遣唐使の中止と国風文化|菅原道真が遣唐使を廃止する]]。
|「国風文化(日本独自の文化)」が発展します。
|-
!939年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/貴族の文化-平安時代#平将門|平将門の乱、藤原純友の乱]]
|最初の、大きな「武士」の反乱です。
|-
!1016年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/貴族の文化-平安時代#摂関政治|藤原道長が摂政となる]]。
|「摂関政治」の代表です。<br/>宮中文学が盛んになり、「源氏物語」や「枕草子」が書かれました。
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!1086年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/武家社会の始まり-鎌倉時代#院政|白河天皇が退位し上皇(白河院)となる]]。
|摂関政治がおとろえて、位を譲った天皇(上皇・法皇=「院」)による政治「院政」が行われます。
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!1156年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/武家社会の始まり-鎌倉時代#保元|保元の乱]]
|武士が天皇や貴族に並んで政治の表舞台に出ました。
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!1160年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/武家社会の始まり-鎌倉時代#平治|平治の乱]]
|平清盛が源義朝(源頼朝や義経の父)を倒して政権を握ります。
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!1180年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/人物事典#頼朝|源頼朝]]が鎌倉に入る。
|関東地方の武士をまとめ、平家に対する兵をあげます。
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!1185年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/武家社会の始まり-鎌倉時代#平家滅亡|壇ノ浦の戦い]]<br>[[小学校社会/6学年/歴史編/武家社会の始まり-鎌倉時代#平家滅亡|全国に守護と地頭を置く。]]<br>
|源頼朝に命令された、源義経らが平家を滅ぼします。<br>滅ぼした平氏が収めていた地域に地頭をおき、義経の追討を理由として全国に守護をおきました。これを、[[小学校社会/6学年/歴史編/武家社会の始まり-鎌倉時代#幕府成立|鎌倉幕府の成立という場合もあります]]。
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!鎌倉時代
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!1192年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/武家社会の始まり-鎌倉時代#鎌倉幕府|鎌倉幕府が開かれる]]。
|[[小学校社会/6学年/歴史編/武家社会の始まり-鎌倉時代#幕府成立|源頼朝が征夷大将軍に任命されます]]。
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!1221年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/武家社会の始まり-鎌倉時代#執権政治|承久の乱]]
|武家が主導する政治が確立します。<br/>執権政治が確立します。
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!1274年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/武家社会の始まり-鎌倉時代#元寇|第1回元寇・文永の役]]
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!1281年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/武家社会の始まり-鎌倉時代#元寇|第2回元寇・弘安の役]]
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!1333年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/室町文化の誕生-室町時代#鎌倉滅亡|鎌倉幕府の滅亡]]。
|後醍醐天皇の命令で足利尊氏が京都を占領し、新田義貞が北条氏を滅ぼします。
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!室町時代
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!1338年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/室町文化の誕生-室町時代#室町幕府誕生|室町幕府が開かれる。]]
|足利尊氏が征夷大将軍になります。<br/>天皇家は南北に分裂し、南北朝時代が始まります。
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!1394年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/室町文化の誕生-室町時代#金閣|足利義満が金閣を作る]]。
|このころ、南朝が降伏し南北朝時代が終わります。
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!1467年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/戦乱の世の中と日本の統一-戦国時代・安土桃山時代#応仁の乱|応仁の乱が始まる]]。
|戦国時代が始まります。
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!1482年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/室町文化の誕生-室町時代#銀閣|足利義政が銀閣を作る]]。
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!1543年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/戦乱の世の中と日本の統一-戦国時代・安土桃山時代#鉄砲とキリスト教の伝来|鉄砲伝来]]
|同じころ、キリスト教も伝来します。
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!1567年
|[[織田信長が稲葉山城を齋藤家から攻め取り、岐阜城とする]]。
|織田信長が、初めて楽市楽座を、岐阜城下で実施しました。
!1569年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/戦乱の世の中と日本の統一-戦国時代・安土桃山時代#織田信長|織田信長が足利義昭を将軍にする]]。
|織田信長が日本の政治の中心になります。
|-
!1573年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/戦乱の世の中と日本の統一-戦国時代・安土桃山時代#織田信長|室町幕府が滅亡する。]]
|織田信長が足利義昭を追放する。
|-
!安土桃山時代
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!1575年
|[[長篠の戦いで、武田勝頼の軍勢を、織田家の鉄砲隊を中心とした織田・徳川連合軍が打ち破る]]。
|このあと、武田家は急速に勢力を落としていき、1582年、織田軍によってほろぼされます。
!1576年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/戦乱の世の中と日本の統一-戦国時代・安土桃山時代#織田信長|安土城築城]]
|城下町、楽市楽座
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!1582年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/戦乱の世の中と日本の統一-戦国時代・安土桃山時代#織田信長|本能寺の変]]
|織田信長がなくなり、明智光秀をうった豊臣秀吉が強力になります。
|-
!1587年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/戦乱の世の中と日本の統一-戦国時代・安土桃山時代#バテレン追放令|キリスト教が禁止される]]。
|
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!1588年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/戦乱の世の中と日本の統一-戦国時代・安土桃山時代#刀狩|刀狩令]]
|同じころ、豊臣秀吉の支配するところでは、[[小学校社会/6学年/歴史編/戦乱の世の中と日本の統一-戦国時代・安土桃山時代#太閤検地|検地]]が進められます。
|-
!1590年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/戦乱の世の中と日本の統一-戦国時代・安土桃山時代#小田原攻め|豊臣秀吉が北条氏を滅ぼし天下を統一する]]。
|戦国時代が終わります。
|-
!1592年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/戦乱の世の中と日本の統一-戦国時代・安土桃山時代#朝鮮出兵|第1回朝鮮出兵・文禄の役]]
|
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!1597年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/戦乱の世の中と日本の統一-戦国時代・安土桃山時代#朝鮮出兵|第2回朝鮮出兵・慶長の役]]
|
|-
!1598年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/戦乱の世の中と日本の統一-戦国時代・安土桃山時代#朝鮮出兵|豊臣秀吉死去]]
|朝鮮出兵は取りやめになり、将兵は帰国しました。
|-
!1600年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/江戸幕府の成立と安定した社会-江戸時代Ⅰ#関ヶ原の戦い|関ヶ原の戦い]]
|徳川家康が豊臣家の家臣石田三成などを破って、豊臣家に代わって天下を取りました。
|-
!江戸時代
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!1603年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/江戸幕府の成立と安定した社会-江戸時代Ⅰ#江戸幕府の誕生|江戸幕府が開かれる]]。
|徳川家康が征夷大将軍に任命されます。
|-
!1615年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/江戸幕府の成立と安定した社会-江戸時代Ⅰ#大阪の陣|大阪の陣]]。
|徳川家康が、全国の大名を集めて豊臣氏を滅ぼします。
|-
!1623年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/江戸幕府の成立と安定した社会-江戸時代Ⅰ#参勤交代|徳川家光が参勤交代制度を始める]]。
|この制度は、多くの外様大名にとって、大きな負担となりました。関東の大名は半年に一度、その他の大名は1年に一度、江戸で過ごすことが義務付けられました。なお、現在の北海道に当たる部分をおさめていた松前家は5年、鹿児島県周辺をおさめていた島津家は2年に一度で良いというふうに遠い場所に領地を持った大名は負担軽減がなされていました。
|-
!1637年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/江戸幕府の成立と安定した社会-江戸時代Ⅰ#島原の乱|島原の乱]]
|江戸時代最大の民衆反乱(百姓一揆)。これ以降、明治維新になるまで、死亡者が100人を超えるような騒動は無くなります。
|-
!1639年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/江戸幕府の成立と安定した社会-江戸時代Ⅰ#鎖国|鎖国の始まり]]。
|
|-
!1680年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/江戸時代の文化-江戸時代Ⅱ#綱吉|徳川綱吉が第5代将軍になる]]。
|犬公方、文治政治<br/>大阪を中心に[[小学校社会/6学年/歴史編/江戸時代の文化-江戸時代Ⅱ#元禄文化|元禄文化]]が展開されます。
|-
!1716年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/江戸時代の文化-江戸時代Ⅱ#吉宗|徳川吉宗が第8代将軍になる]]。
|享保の改革
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!1772年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/江戸時代の文化-江戸時代Ⅱ#田沼|田沼意次が老中になる]]。
|田沼時代
|-
!1787年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/江戸時代の文化-江戸時代Ⅱ#定信|松平定信が老中になる]]。
|寛政の改革
|-
!1804年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/江戸時代の文化-江戸時代Ⅱ#化政文化|元号が文化となる]]。
|江戸を中心に[[小学校社会/6学年/歴史編/江戸時代の文化-江戸時代Ⅱ#化政文化|化政文化]]が展開されます。
|-
!1841年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/江戸時代の文化-江戸時代Ⅱ#忠邦|水野忠邦が改革を始める]]。
|天保の改革
|-
!1853年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/明治維新と近代国家日本の成立-幕末・明治時代#黒船来航|黒船来航]]
|マシュー・ペリー
|-
!1854年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/明治維新と近代国家日本の成立-幕末・明治時代#開国|日米和親条約締結]]
|鎖国をやめて開国します。
|-
!1858年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/明治維新と近代国家日本の成立-幕末・明治時代#通商条約|日米修好通商条約]]
|不平等条約→条約改正
|-
!1867年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/明治維新と近代国家日本の成立-幕末・明治時代#江戸幕府の終わり|大政奉還]]
|江戸幕府滅亡
|-
!明治時代
!
!
|-
!1868年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/明治維新と近代国家日本の成立-幕末・明治時代#明治維新と武士の社会の終わり|明治維新]]
|
|-
!1871年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/明治維新と近代国家日本の成立-幕末・明治時代#廃藩置県|廃藩置県]]
|藩がなくなり、武士の世の中が終わります。
|-
!1877年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/明治維新と近代国家日本の成立-幕末・明治時代#士族の反乱|西南戦争]]
|士族の反乱 → 自由民権運動
|-
!1889年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/国際社会に進み出す日本-明治末期から大正時代#大日本帝国憲法の制定|大日本帝国憲法制定]]
|第1回衆議院議員選挙 → 帝国議会召集
|-
!1894年-95年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/国際社会に進み出す日本-明治末期から大正時代#日清戦争|日清戦争]]
|下関条約
|-
!1897年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/国際社会に進み出す日本-明治末期から大正時代#条約改正と国際社会での地位の向上|治外法権撤廃]]
|
|-
!1904年-05年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/国際社会に進み出す日本-明治末期から大正時代#日露戦争|日露戦争]]
|ポーツマス条約
|-
!1911年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/国際社会に進み出す日本-明治末期から大正時代#条約改正と国際社会での地位の向上|関税自主権回復]]
|
|-
!大正・戦前昭和
!
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|-
!1914年-19年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/国際社会に進み出す日本-明治末期から大正時代#全世界を巻き込む戦争 - 第一次世界大戦|第一次世界大戦]]
|ヴェルサイユ条約 → 国際連盟が結成され、日本は常任理事国になります。
|-
!1923年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/国際社会に進み出す日本-明治末期から大正時代#関東大震災|関東大震災]]
|
|-
!1925年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/国際社会に進み出す日本-明治末期から大正時代#大正デモクラシー|男子普通選挙]]
|大正デモクラシー
|-
!1929年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/戦争への道と現代の民主国家日本の誕生-昭和から現在まで#世界恐慌|世界恐慌]]
|
|-
!1931年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/戦争への道と現代の民主国家日本の誕生-昭和から現在まで#満州事変|満州事変]]
|満州の中華民国軍と関東軍が対立し、関東軍は満州を占領しました。
|-
!1932年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/戦争への道と現代の民主国家日本の誕生-昭和から現在まで#軍国主義|五・一五事件]]
|海軍軍人が犬養毅首相を暗殺しました。
|-
!1933年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/戦争への道と現代の民主国家日本の誕生-昭和から現在まで#満州事変|国際連盟脱退]]
|満州事変について国際連盟で非難されたため、日本は国際連盟を脱退しました。
|-
!1936年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/戦争への道と現代の民主国家日本の誕生-昭和から現在まで#軍国主義|二・二六事件]]
|陸軍軍人が政府を倒そうと東京で反乱を起こしました。
|-
!1937年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/戦争への道と現代の民主国家日本の誕生-昭和から現在まで#日中戦争|日中戦争]]
|
|-
!1939年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/戦争への道と現代の民主国家日本の誕生-昭和から現在まで#第二次世界大戦|第二次世界大戦勃発]]
|ヨーロッパで、ドイツがポーランドに攻め込み、イギリスやフランスとの間で戦争になりました。
|-
!1941年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/戦争への道と現代の民主国家日本の誕生-昭和から現在まで#太平洋戦争|太平洋戦争勃発]]
|日本はアメリカ合衆国に攻め込んで戦争になりました。
|-
!1945年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/戦争への道と現代の民主国家日本の誕生-昭和から現在まで#終戦|終戦]]
|日本やドイツの枢軸国は降伏して第二次世界大戦は終わりました。
|-
!戦後昭和・平成
!
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|-
!1946年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/戦争への道と現代の民主国家日本の誕生-昭和から現在まで#民主国家日本の誕生|男女平等の普通選挙]]
|アメリカ合衆国による占領のもとで、日本の民主化が進められました。
|-
!1947年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/戦争への道と現代の民主国家日本の誕生-昭和から現在まで#民主国家日本の誕生|日本国憲法施行]]
|国民主権・基本的人権の尊重・平和主義を三本柱とする民主的な日本国憲法が施行されました。
|-
!1951年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/戦争への道と現代の民主国家日本の誕生-昭和から現在まで#高度経済成長とその後の日本|サンフランシスコ平和条約]]
|占領をしていた米国が撤退し、日本の独立が回復されました。
|-
!1956年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/戦争への道と現代の民主国家日本の誕生-昭和から現在まで#高度経済成長とその後の日本|国際連合加盟]]
|日本の国際社会への復帰が認められました。
|-
!1964年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/戦争への道と現代の民主国家日本の誕生-昭和から現在まで#高度経済成長とその後の日本|東京オリンピック]]
|
|-
!1970年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/戦争への道と現代の民主国家日本の誕生-昭和から現在まで#高度経済成長とその後の日本|大阪万国博覧会]]
|
|-
!1972年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/戦争への道と現代の民主国家日本の誕生-昭和から現在まで#高度経済成長とその後の日本|札幌冬季オリンピック<br/>沖縄返還<br/>日中国交正常化]]
|
|-
!1973年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/戦争への道と現代の民主国家日本の誕生-昭和から現在まで#高度経済成長とその後の日本|オイルショック]]
|
|-
!1989年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/戦争への道と現代の民主国家日本の誕生-昭和から現在まで#冷戦終了後の世界|ベルリンの壁崩壊]]
|冷戦が終結しました。
|}
[[Category:社会|しようかつこうしやかい6]]
[[Category:小学校社会|6ねん]]
[[Category:小学校社会 歴史|#14ねんひよう]]
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ぜんざる
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ミスの部分を修正を行いました。また、分量調節を行いました。
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これまで学習してきたことの主なできごとを年代順に表にしています。<!--教程との関係で不正確な表現は残る。-->
{| class="wikitable" style="width:100%;"
|+
! style="width:10%;" | 年代
! style="width:25%;" | できごと
! style="width:65%;" | 「できごと」に関係すること
|-
!紀元前1世紀
|[[小学校社会/6学年/歴史編/歴史の始まり#中国との交流|漢(前漢)に使いを送る]]。
|日本が歴史上初めて、文字で書かれた記録に登場しました。
|-
!57年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/歴史の始まり#中国との交流|倭の奴国が後漢に使いを送る]]。
|皇帝から、金印「漢委奴国王印」をもらう。
|-
!235年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/歴史の始まり#邪馬台国|邪馬台国の卑弥呼が、魏の皇帝に使いを送る]]。
|「魏志倭人伝」に書かれています。
|-
!5世紀後半から<br/>6世紀前半
|[[小学校社会/6学年/歴史編/歴史の始まり#大和政権|ヤマト政権が日本を統一する]]。
|
|-
!飛鳥時代
!
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!538年頃
|[[小学校社会/6学年/歴史編/天皇中心の国づくり-飛鳥時代から奈良時代#渡来人|仏教が公式に伝わる]]。
|
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!593年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/天皇中心の国づくり-飛鳥時代から奈良時代#聖徳太子|聖徳太子が皇太子になる]]。
|
|-
!600年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/天皇中心の国づくり-飛鳥時代から奈良時代#聖徳太子|小野妹子を遣隋使として隋に送る]]。
|
|-
!603年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/天皇中心の国づくり-飛鳥時代から奈良時代#聖徳太子|冠位十二階を定める]]。
|このころ、「十七条の憲法」も決められました。
|-
!645年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/天皇中心の国づくり-飛鳥時代から奈良時代#大化の改新と律令制の成立|乙巳の変]]。
|中大兄皇子と中臣鎌足が蘇我入鹿を殺し、「大化の改新」を始める
|-
!663年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/天皇中心の国づくり-飛鳥時代から奈良時代#外交|白村江の戦い]]
|朝鮮半島で唐と新羅の軍に敗れます。
|-
!672年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/天皇中心の国づくり-飛鳥時代から奈良時代#壬申の乱|壬申の乱]]
|
|-
!701年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/天皇中心の国づくり-飛鳥時代から奈良時代#律令制|大宝律令が完成する]]。
|律令制が完成します。
|-
!708年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/天皇中心の国づくり-飛鳥時代から奈良時代#和同開珎|和同開珎]]をつくる。
|
|-
!奈良時代
!
!
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!710年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/天皇中心の国づくり-飛鳥時代から奈良時代#平城京遷都|平城京に遷都する]]。
|
|-
!712年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/天皇中心の国づくり-飛鳥時代から奈良時代#記紀|古事記が完成する]]。
|
|-
!720年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/天皇中心の国づくり-飛鳥時代から奈良時代#記紀|日本書紀が完成する]]。
|
|-
!741年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/天皇中心の国づくり-飛鳥時代から奈良時代#奈良仏教|全国に国分寺と国分尼寺を作る]]。
|
|-
!743年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/天皇中心の国づくり-飛鳥時代から奈良時代#墾田永年私財法|墾田永年私財法]]
|班田収授法の意味がなくなり、「荘園」ができるもととなります。
|-
!752年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/天皇中心の国づくり-飛鳥時代から奈良時代#奈良仏教|東大寺大仏(奈良の大仏)が完成する]]。
|
|-
!平安時代
!
!
|-
!794年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/貴族の文化-平安時代#平安遷都|平安京に遷都する]]。
|
|-
!804年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/貴族の文化-平安時代#空海と最澄|空海と最澄が遣唐使として唐へ行く]]。
|空海 真言宗 高野山金剛峯寺<br/>最澄 天台宗 比叡山延暦寺
|-
!894年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/貴族の文化-平安時代#遣唐使の中止と国風文化|菅原道真が遣唐使を廃止する]]。
|「国風文化(日本独自の文化)」が発展します。
|-
!939年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/貴族の文化-平安時代#平将門|平将門の乱、藤原純友の乱]]
|最初の、大きな「武士」の反乱です。
|-
!1016年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/貴族の文化-平安時代#摂関政治|藤原道長が摂政となる]]。
|「摂関政治」の代表です。<br/>宮中文学が盛んになり、「源氏物語」や「枕草子」が書かれました。
|-
!1086年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/武家社会の始まり-鎌倉時代#院政|白河天皇が退位し上皇(白河院)となる]]。
|摂関政治がおとろえて、位を譲った天皇(上皇・法皇=「院」)による政治「院政」が行われます。
|-
!1156年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/武家社会の始まり-鎌倉時代#保元|保元の乱]]
|武士が天皇や貴族に並んで政治の表舞台に出ました。
|-
!1160年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/武家社会の始まり-鎌倉時代#平治|平治の乱]]
|平清盛が源義朝(源頼朝や義経の父)を倒して政権を握ります。
|-
!1180年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/人物事典#頼朝|源頼朝]]が鎌倉に入る。
|関東地方の武士をまとめ、平家に対する兵をあげます。
|-
!1185年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/武家社会の始まり-鎌倉時代#平家滅亡|壇ノ浦の戦い]]<br>[[小学校社会/6学年/歴史編/武家社会の始まり-鎌倉時代#平家滅亡|全国に守護と地頭を置く。]]<br>
|源頼朝に命令された、源義経らが平家を滅ぼします。<br>滅ぼした平氏が収めていた地域に地頭をおき、義経の追討を理由として全国に守護をおきました。これを、[[小学校社会/6学年/歴史編/武家社会の始まり-鎌倉時代#幕府成立|鎌倉幕府の成立という場合もあります]]。
|-
!鎌倉時代
!
!
|-
!1192年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/武家社会の始まり-鎌倉時代#鎌倉幕府|鎌倉幕府が開かれる]]。
|[[小学校社会/6学年/歴史編/武家社会の始まり-鎌倉時代#幕府成立|源頼朝が征夷大将軍に任命されます]]。
|-
!1221年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/武家社会の始まり-鎌倉時代#執権政治|承久の乱]]
|武家が主導する政治が確立します。<br/>執権政治が確立します。
|-
!1274年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/武家社会の始まり-鎌倉時代#元寇|第1回元寇・文永の役]]
|
|-
!1281年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/武家社会の始まり-鎌倉時代#元寇|第2回元寇・弘安の役]]
|
|-
!1333年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/室町文化の誕生-室町時代#鎌倉滅亡|鎌倉幕府の滅亡]]。
|後醍醐天皇の命令で足利尊氏が京都を占領し、新田義貞が北条氏を滅ぼします。
|-
!室町時代
!
!
|-
!1338年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/室町文化の誕生-室町時代#室町幕府誕生|室町幕府が開かれる。]]
|足利尊氏が征夷大将軍になります。<br/>天皇家は南北に分裂し、南北朝時代が始まります。
|-
!1394年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/室町文化の誕生-室町時代#金閣|足利義満が金閣を作る]]。
|このころ、南朝が降伏し南北朝時代が終わります。
|-
!1467年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/戦乱の世の中と日本の統一-戦国時代・安土桃山時代#応仁の乱|応仁の乱が始まる]]。
|戦国時代が始まります。
|-
!1482年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/室町文化の誕生-室町時代#銀閣|足利義政が銀閣を作る]]。
|
|-
!1543年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/戦乱の世の中と日本の統一-戦国時代・安土桃山時代#鉄砲とキリスト教の伝来|鉄砲伝来]]
|同じころ、キリスト教も伝来します。
|-
!1567年
|[[織田信長が稲葉山城を齋藤家から攻め取り、岐阜城とする]]。
|織田信長が、初めて楽市楽座を、岐阜城下で実施しました。
|-
!1569年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/戦乱の世の中と日本の統一-戦国時代・安土桃山時代#織田信長|織田信長が足利義昭を将軍にする]]。
|織田信長が日本の政治の中心になります。
|-
!1573年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/戦乱の世の中と日本の統一-戦国時代・安土桃山時代#織田信長|室町幕府が滅亡する。]]
|織田信長が足利義昭を追放する。
|-
!安土桃山時代
!
!1575年
|[[長篠の戦いで、武田勝頼の軍勢を、織田家の鉄砲隊を中心とした織田・徳川連合軍が打ち破る]]。
|このあと、武田家は急速に勢力を落としていき、1582年、織田軍によってほろぼされます。
|-
!1576年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/戦乱の世の中と日本の統一-戦国時代・安土桃山時代#織田信長|安土城築城]]
|城下町、楽市楽座
|-
!1582年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/戦乱の世の中と日本の統一-戦国時代・安土桃山時代#織田信長|本能寺の変]]
|織田信長がなくなり、明智光秀をうった豊臣秀吉が強力になります。
|-
!1587年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/戦乱の世の中と日本の統一-戦国時代・安土桃山時代#バテレン追放令|キリスト教が禁止される]]。
|
|-
!1588年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/戦乱の世の中と日本の統一-戦国時代・安土桃山時代#刀狩|刀狩令]]
|同じころ、豊臣秀吉の支配するところでは、[[小学校社会/6学年/歴史編/戦乱の世の中と日本の統一-戦国時代・安土桃山時代#太閤検地|検地]]が進められます。
|-
!1590年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/戦乱の世の中と日本の統一-戦国時代・安土桃山時代#小田原攻め|豊臣秀吉が北条氏を滅ぼし天下を統一する]]。
|戦国時代が終わります。
|-
!1592年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/戦乱の世の中と日本の統一-戦国時代・安土桃山時代#朝鮮出兵|第1回朝鮮出兵・文禄の役]]
|
|-
!1597年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/戦乱の世の中と日本の統一-戦国時代・安土桃山時代#朝鮮出兵|第2回朝鮮出兵・慶長の役]]
|
|-
!1598年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/戦乱の世の中と日本の統一-戦国時代・安土桃山時代#朝鮮出兵|豊臣秀吉死去]]
|朝鮮出兵は取りやめになり、将兵は帰国しました。
|-
!1600年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/江戸幕府の成立と安定した社会-江戸時代Ⅰ#関ヶ原の戦い|関ヶ原の戦い]]
|徳川家康が豊臣家の家臣石田三成などを破って、豊臣家に代わって天下を取りました。
|-
!江戸時代
!
!
|-
!1603年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/江戸幕府の成立と安定した社会-江戸時代Ⅰ#江戸幕府の誕生|江戸幕府が開かれる]]。
|徳川家康が征夷大将軍に任命されます。
|-
!1615年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/江戸幕府の成立と安定した社会-江戸時代Ⅰ#大阪の陣|大阪の陣]]。
|徳川家康が、全国の大名を集めて豊臣氏を滅ぼします。
|-
!1623年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/江戸幕府の成立と安定した社会-江戸時代Ⅰ#参勤交代|徳川家光が参勤交代制度を始める]]。
|この制度は、多くの外様大名にとって、大きな負担となりました。なお、現在の北海道に当たる部分をおさめていた松前家は5年おきという具合に、度遠い場所に領地を持った大名は負担軽減がなされていました。
|-
!1637年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/江戸幕府の成立と安定した社会-江戸時代Ⅰ#島原の乱|島原の乱]]
|江戸時代最大の民衆反乱(百姓一揆)。これ以降、明治維新になるまで、死亡者が100人を超えるような騒動は無くなります。
|-
!1639年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/江戸幕府の成立と安定した社会-江戸時代Ⅰ#鎖国|鎖国の始まり]]。
|
|-
!1680年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/江戸時代の文化-江戸時代Ⅱ#綱吉|徳川綱吉が第5代将軍になる]]。
|犬公方、文治政治<br/>大阪を中心に[[小学校社会/6学年/歴史編/江戸時代の文化-江戸時代Ⅱ#元禄文化|元禄文化]]が展開されます。
|-
!1716年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/江戸時代の文化-江戸時代Ⅱ#吉宗|徳川吉宗が第8代将軍になる]]。
|享保の改革
|-
!1772年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/江戸時代の文化-江戸時代Ⅱ#田沼|田沼意次が老中になる]]。
|田沼時代
|-
!1787年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/江戸時代の文化-江戸時代Ⅱ#定信|松平定信が老中になる]]。
|寛政の改革
|-
!1804年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/江戸時代の文化-江戸時代Ⅱ#化政文化|元号が文化となる]]。
|江戸を中心に[[小学校社会/6学年/歴史編/江戸時代の文化-江戸時代Ⅱ#化政文化|化政文化]]が展開されます。
|-
!1841年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/江戸時代の文化-江戸時代Ⅱ#忠邦|水野忠邦が改革を始める]]。
|天保の改革
|-
!1853年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/明治維新と近代国家日本の成立-幕末・明治時代#黒船来航|黒船来航]]
|マシュー・ペリー
|-
!1854年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/明治維新と近代国家日本の成立-幕末・明治時代#開国|日米和親条約締結]]
|鎖国をやめて開国します。
|-
!1858年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/明治維新と近代国家日本の成立-幕末・明治時代#通商条約|日米修好通商条約]]
|不平等条約→条約改正
|-
!1867年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/明治維新と近代国家日本の成立-幕末・明治時代#江戸幕府の終わり|大政奉還]]
|江戸幕府滅亡
|-
!明治時代
!
!
|-
!1868年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/明治維新と近代国家日本の成立-幕末・明治時代#明治維新と武士の社会の終わり|明治維新]]
|
|-
!1871年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/明治維新と近代国家日本の成立-幕末・明治時代#廃藩置県|廃藩置県]]
|藩がなくなり、武士の世の中が終わります。
|-
!1877年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/明治維新と近代国家日本の成立-幕末・明治時代#士族の反乱|西南戦争]]
|士族の反乱 → 自由民権運動
|-
!1889年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/国際社会に進み出す日本-明治末期から大正時代#大日本帝国憲法の制定|大日本帝国憲法制定]]
|第1回衆議院議員選挙 → 帝国議会召集
|-
!1894年-95年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/国際社会に進み出す日本-明治末期から大正時代#日清戦争|日清戦争]]
|下関条約
|-
!1897年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/国際社会に進み出す日本-明治末期から大正時代#条約改正と国際社会での地位の向上|治外法権撤廃]]
|
|-
!1904年-05年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/国際社会に進み出す日本-明治末期から大正時代#日露戦争|日露戦争]]
|ポーツマス条約
|-
!1911年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/国際社会に進み出す日本-明治末期から大正時代#条約改正と国際社会での地位の向上|関税自主権回復]]
|
|-
!大正・戦前昭和
!
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!1914年-19年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/国際社会に進み出す日本-明治末期から大正時代#全世界を巻き込む戦争 - 第一次世界大戦|第一次世界大戦]]
|ヴェルサイユ条約 → 国際連盟が結成され、日本は常任理事国になります。
|-
!1923年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/国際社会に進み出す日本-明治末期から大正時代#関東大震災|関東大震災]]
|
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!1925年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/国際社会に進み出す日本-明治末期から大正時代#大正デモクラシー|男子普通選挙]]
|大正デモクラシー
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!1929年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/戦争への道と現代の民主国家日本の誕生-昭和から現在まで#世界恐慌|世界恐慌]]
|
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!1931年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/戦争への道と現代の民主国家日本の誕生-昭和から現在まで#満州事変|満州事変]]
|満州の中華民国軍と関東軍が対立し、関東軍は満州を占領しました。
|-
!1932年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/戦争への道と現代の民主国家日本の誕生-昭和から現在まで#軍国主義|五・一五事件]]
|海軍軍人が犬養毅首相を暗殺しました。
|-
!1933年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/戦争への道と現代の民主国家日本の誕生-昭和から現在まで#満州事変|国際連盟脱退]]
|満州事変について国際連盟で非難されたため、日本は国際連盟を脱退しました。
|-
!1936年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/戦争への道と現代の民主国家日本の誕生-昭和から現在まで#軍国主義|二・二六事件]]
|陸軍軍人が政府を倒そうと東京で反乱を起こしました。
|-
!1937年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/戦争への道と現代の民主国家日本の誕生-昭和から現在まで#日中戦争|日中戦争]]
|
|-
!1939年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/戦争への道と現代の民主国家日本の誕生-昭和から現在まで#第二次世界大戦|第二次世界大戦勃発]]
|ヨーロッパで、ドイツがポーランドに攻め込み、イギリスやフランスとの間で戦争になりました。
|-
!1941年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/戦争への道と現代の民主国家日本の誕生-昭和から現在まで#太平洋戦争|太平洋戦争勃発]]
|日本はアメリカ合衆国に攻め込んで戦争になりました。
|-
!1945年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/戦争への道と現代の民主国家日本の誕生-昭和から現在まで#終戦|終戦]]
|日本やドイツの枢軸国は降伏して第二次世界大戦は終わりました。
|-
!戦後昭和・平成
!
!
|-
!1946年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/戦争への道と現代の民主国家日本の誕生-昭和から現在まで#民主国家日本の誕生|男女平等の普通選挙]]
|アメリカ合衆国による占領のもとで、日本の民主化が進められました。
|-
!1947年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/戦争への道と現代の民主国家日本の誕生-昭和から現在まで#民主国家日本の誕生|日本国憲法施行]]
|国民主権・基本的人権の尊重・平和主義を三本柱とする民主的な日本国憲法が施行されました。
|-
!1951年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/戦争への道と現代の民主国家日本の誕生-昭和から現在まで#高度経済成長とその後の日本|サンフランシスコ平和条約]]
|占領をしていた米国が撤退し、日本の独立が回復されました。
|-
!1956年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/戦争への道と現代の民主国家日本の誕生-昭和から現在まで#高度経済成長とその後の日本|国際連合加盟]]
|日本の国際社会への復帰が認められました。
|-
!1964年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/戦争への道と現代の民主国家日本の誕生-昭和から現在まで#高度経済成長とその後の日本|東京オリンピック]]
|
|-
!1970年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/戦争への道と現代の民主国家日本の誕生-昭和から現在まで#高度経済成長とその後の日本|大阪万国博覧会]]
|
|-
!1972年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/戦争への道と現代の民主国家日本の誕生-昭和から現在まで#高度経済成長とその後の日本|札幌冬季オリンピック<br/>沖縄返還<br/>日中国交正常化]]
|
|-
!1973年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/戦争への道と現代の民主国家日本の誕生-昭和から現在まで#高度経済成長とその後の日本|オイルショック]]
|
|-
!1989年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/戦争への道と現代の民主国家日本の誕生-昭和から現在まで#冷戦終了後の世界|ベルリンの壁崩壊]]
|冷戦が終結しました。
|}
[[Category:社会|しようかつこうしやかい6]]
[[Category:小学校社会|6ねん]]
[[Category:小学校社会 歴史|#14ねんひよう]]
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ぜんざる
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ミスの部分を修正を行いました。
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{{Pathnav|メインページ|小学校・中学校・高等学校の学習|小学校の学習|小学校社会|6学年|歴史編|frame=1}}
これまで学習してきたことの主なできごとを年代順に表にしています。<!--教程との関係で不正確な表現は残る。-->
{| class="wikitable" style="width:100%;"
|+
! style="width:10%;" | 年代
! style="width:25%;" | できごと
! style="width:65%;" | 「できごと」に関係すること
|-
!紀元前1世紀
|[[小学校社会/6学年/歴史編/歴史の始まり#中国との交流|漢(前漢)に使いを送る]]。
|日本が歴史上初めて、文字で書かれた記録に登場しました。
|-
!57年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/歴史の始まり#中国との交流|倭の奴国が後漢に使いを送る]]。
|皇帝から、金印「漢委奴国王印」をもらう。
|-
!235年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/歴史の始まり#邪馬台国|邪馬台国の卑弥呼が、魏の皇帝に使いを送る]]。
|「魏志倭人伝」に書かれています。
|-
!5世紀後半から<br/>6世紀前半
|[[小学校社会/6学年/歴史編/歴史の始まり#大和政権|ヤマト政権が日本を統一する]]。
|
|-
!飛鳥時代
!
!
|-
!538年頃
|[[小学校社会/6学年/歴史編/天皇中心の国づくり-飛鳥時代から奈良時代#渡来人|仏教が公式に伝わる]]。
|
|-
!593年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/天皇中心の国づくり-飛鳥時代から奈良時代#聖徳太子|聖徳太子が皇太子になる]]。
|
|-
!600年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/天皇中心の国づくり-飛鳥時代から奈良時代#聖徳太子|小野妹子を遣隋使として隋に送る]]。
|
|-
!603年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/天皇中心の国づくり-飛鳥時代から奈良時代#聖徳太子|冠位十二階を定める]]。
|このころ、「十七条の憲法」も決められました。
|-
!645年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/天皇中心の国づくり-飛鳥時代から奈良時代#大化の改新と律令制の成立|乙巳の変]]。
|中大兄皇子と中臣鎌足が蘇我入鹿を殺し、「大化の改新」を始める
|-
!663年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/天皇中心の国づくり-飛鳥時代から奈良時代#外交|白村江の戦い]]
|朝鮮半島で唐と新羅の軍に敗れます。
|-
!672年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/天皇中心の国づくり-飛鳥時代から奈良時代#壬申の乱|壬申の乱]]
|
|-
!701年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/天皇中心の国づくり-飛鳥時代から奈良時代#律令制|大宝律令が完成する]]。
|律令制が完成します。
|-
!708年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/天皇中心の国づくり-飛鳥時代から奈良時代#和同開珎|和同開珎]]をつくる。
|
|-
!奈良時代
!
!
|-
!710年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/天皇中心の国づくり-飛鳥時代から奈良時代#平城京遷都|平城京に遷都する]]。
|
|-
!712年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/天皇中心の国づくり-飛鳥時代から奈良時代#記紀|古事記が完成する]]。
|
|-
!720年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/天皇中心の国づくり-飛鳥時代から奈良時代#記紀|日本書紀が完成する]]。
|
|-
!741年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/天皇中心の国づくり-飛鳥時代から奈良時代#奈良仏教|全国に国分寺と国分尼寺を作る]]。
|
|-
!743年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/天皇中心の国づくり-飛鳥時代から奈良時代#墾田永年私財法|墾田永年私財法]]
|班田収授法の意味がなくなり、「荘園」ができるもととなります。
|-
!752年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/天皇中心の国づくり-飛鳥時代から奈良時代#奈良仏教|東大寺大仏(奈良の大仏)が完成する]]。
|
|-
!平安時代
!
!
|-
!794年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/貴族の文化-平安時代#平安遷都|平安京に遷都する]]。
|
|-
!804年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/貴族の文化-平安時代#空海と最澄|空海と最澄が遣唐使として唐へ行く]]。
|空海 真言宗 高野山金剛峯寺<br/>最澄 天台宗 比叡山延暦寺
|-
!894年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/貴族の文化-平安時代#遣唐使の中止と国風文化|菅原道真が遣唐使を廃止する]]。
|「国風文化(日本独自の文化)」が発展します。
|-
!939年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/貴族の文化-平安時代#平将門|平将門の乱、藤原純友の乱]]
|最初の、大きな「武士」の反乱です。
|-
!1016年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/貴族の文化-平安時代#摂関政治|藤原道長が摂政となる]]。
|「摂関政治」の代表です。<br/>宮中文学が盛んになり、「源氏物語」や「枕草子」が書かれました。
|-
!1086年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/武家社会の始まり-鎌倉時代#院政|白河天皇が退位し上皇(白河院)となる]]。
|摂関政治がおとろえて、位を譲った天皇(上皇・法皇=「院」)による政治「院政」が行われます。
|-
!1156年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/武家社会の始まり-鎌倉時代#保元|保元の乱]]
|武士が天皇や貴族に並んで政治の表舞台に出ました。
|-
!1160年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/武家社会の始まり-鎌倉時代#平治|平治の乱]]
|平清盛が源義朝(源頼朝や義経の父)を倒して政権を握ります。
|-
!1180年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/人物事典#頼朝|源頼朝]]が鎌倉に入る。
|関東地方の武士をまとめ、平家に対する兵をあげます。
|-
!1185年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/武家社会の始まり-鎌倉時代#平家滅亡|壇ノ浦の戦い]]<br>[[小学校社会/6学年/歴史編/武家社会の始まり-鎌倉時代#平家滅亡|全国に守護と地頭を置く。]]<br>
|源頼朝に命令された、源義経らが平家を滅ぼします。<br>滅ぼした平氏が収めていた地域に地頭をおき、義経の追討を理由として全国に守護をおきました。これを、[[小学校社会/6学年/歴史編/武家社会の始まり-鎌倉時代#幕府成立|鎌倉幕府の成立という場合もあります]]。
|-
!鎌倉時代
!
!
|-
!1192年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/武家社会の始まり-鎌倉時代#鎌倉幕府|鎌倉幕府が開かれる]]。
|[[小学校社会/6学年/歴史編/武家社会の始まり-鎌倉時代#幕府成立|源頼朝が征夷大将軍に任命されます]]。
|-
!1221年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/武家社会の始まり-鎌倉時代#執権政治|承久の乱]]
|武家が主導する政治が確立します。<br/>執権政治が確立します。
|-
!1274年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/武家社会の始まり-鎌倉時代#元寇|第1回元寇・文永の役]]
|
|-
!1281年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/武家社会の始まり-鎌倉時代#元寇|第2回元寇・弘安の役]]
|
|-
!1333年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/室町文化の誕生-室町時代#鎌倉滅亡|鎌倉幕府の滅亡]]。
|後醍醐天皇の命令で足利尊氏が京都を占領し、新田義貞が北条氏を滅ぼします。
|-
!室町時代
!
!
|-
!1338年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/室町文化の誕生-室町時代#室町幕府誕生|室町幕府が開かれる。]]
|足利尊氏が征夷大将軍になります。<br/>天皇家は南北に分裂し、南北朝時代が始まります。
|-
!1394年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/室町文化の誕生-室町時代#金閣|足利義満が金閣を作る]]。
|このころ、南朝が降伏し南北朝時代が終わります。
|-
!1467年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/戦乱の世の中と日本の統一-戦国時代・安土桃山時代#応仁の乱|応仁の乱が始まる]]。
|戦国時代が始まります。
|-
!1482年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/室町文化の誕生-室町時代#銀閣|足利義政が銀閣を作る]]。
|
|-
!1543年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/戦乱の世の中と日本の統一-戦国時代・安土桃山時代#鉄砲とキリスト教の伝来|鉄砲伝来]]
|同じころ、キリスト教も伝来します。
|-
!1567年
|[[織田信長が稲葉山城を齋藤家から攻め取り、岐阜城とする]]。
|織田信長が、初めて楽市楽座を、岐阜城下で実施しました。
|-
!1569年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/戦乱の世の中と日本の統一-戦国時代・安土桃山時代#織田信長|織田信長が足利義昭を将軍にする]]。
|織田信長が日本の政治の中心になります。
|-
!1573年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/戦乱の世の中と日本の統一-戦国時代・安土桃山時代#織田信長|室町幕府が滅亡する。]]
|織田信長が足利義昭を追放する。
|-
!安土桃山時代
!
|-
!1575年
|[[長篠の戦いで、武田勝頼の軍勢を、織田家の鉄砲隊を中心とした織田・徳川連合軍が打ち破る]]。
|このあと、武田家は急速に勢力を落としていき、1582年、織田軍によってほろぼされます。
|-
!1576年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/戦乱の世の中と日本の統一-戦国時代・安土桃山時代#織田信長|安土城築城]]
|城下町、楽市楽座
|-
!1582年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/戦乱の世の中と日本の統一-戦国時代・安土桃山時代#織田信長|本能寺の変]]
|織田信長がなくなり、明智光秀をうった豊臣秀吉が強力になります。
|-
!1587年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/戦乱の世の中と日本の統一-戦国時代・安土桃山時代#バテレン追放令|キリスト教が禁止される]]。
|
|-
!1588年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/戦乱の世の中と日本の統一-戦国時代・安土桃山時代#刀狩|刀狩令]]
|同じころ、豊臣秀吉の支配するところでは、[[小学校社会/6学年/歴史編/戦乱の世の中と日本の統一-戦国時代・安土桃山時代#太閤検地|検地]]が進められます。
|-
!1590年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/戦乱の世の中と日本の統一-戦国時代・安土桃山時代#小田原攻め|豊臣秀吉が北条氏を滅ぼし天下を統一する]]。
|戦国時代が終わります。
|-
!1592年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/戦乱の世の中と日本の統一-戦国時代・安土桃山時代#朝鮮出兵|第1回朝鮮出兵・文禄の役]]
|
|-
!1597年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/戦乱の世の中と日本の統一-戦国時代・安土桃山時代#朝鮮出兵|第2回朝鮮出兵・慶長の役]]
|
|-
!1598年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/戦乱の世の中と日本の統一-戦国時代・安土桃山時代#朝鮮出兵|豊臣秀吉死去]]
|朝鮮出兵は取りやめになり、将兵は帰国しました。
|-
!1600年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/江戸幕府の成立と安定した社会-江戸時代Ⅰ#関ヶ原の戦い|関ヶ原の戦い]]
|徳川家康が豊臣家の家臣石田三成などを破って、豊臣家に代わって天下を取りました。
|-
!江戸時代
!
!
|-
!1603年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/江戸幕府の成立と安定した社会-江戸時代Ⅰ#江戸幕府の誕生|江戸幕府が開かれる]]。
|徳川家康が征夷大将軍に任命されます。
|-
!1615年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/江戸幕府の成立と安定した社会-江戸時代Ⅰ#大阪の陣|大阪の陣]]。
|徳川家康が、全国の大名を集めて豊臣氏を滅ぼします。
|-
!1623年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/江戸幕府の成立と安定した社会-江戸時代Ⅰ#参勤交代|徳川家光が参勤交代制度を始める]]。
|この制度は、多くの外様大名にとって、大きな負担となりました。なお、現在の北海道に当たる部分をおさめていた松前家は5年おきという具合に、度遠い場所に領地を持った大名は負担軽減がなされていました。
|-
!1637年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/江戸幕府の成立と安定した社会-江戸時代Ⅰ#島原の乱|島原の乱]]
|江戸時代最大の民衆反乱(百姓一揆)。これ以降、明治維新になるまで、死亡者が100人を超えるような騒動は無くなります。
|-
!1639年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/江戸幕府の成立と安定した社会-江戸時代Ⅰ#鎖国|鎖国の始まり]]。
|
|-
!1680年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/江戸時代の文化-江戸時代Ⅱ#綱吉|徳川綱吉が第5代将軍になる]]。
|犬公方、文治政治<br/>大阪を中心に[[小学校社会/6学年/歴史編/江戸時代の文化-江戸時代Ⅱ#元禄文化|元禄文化]]が展開されます。
|-
!1716年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/江戸時代の文化-江戸時代Ⅱ#吉宗|徳川吉宗が第8代将軍になる]]。
|享保の改革
|-
!1772年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/江戸時代の文化-江戸時代Ⅱ#田沼|田沼意次が老中になる]]。
|田沼時代
|-
!1787年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/江戸時代の文化-江戸時代Ⅱ#定信|松平定信が老中になる]]。
|寛政の改革
|-
!1804年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/江戸時代の文化-江戸時代Ⅱ#化政文化|元号が文化となる]]。
|江戸を中心に[[小学校社会/6学年/歴史編/江戸時代の文化-江戸時代Ⅱ#化政文化|化政文化]]が展開されます。
|-
!1841年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/江戸時代の文化-江戸時代Ⅱ#忠邦|水野忠邦が改革を始める]]。
|天保の改革
|-
!1853年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/明治維新と近代国家日本の成立-幕末・明治時代#黒船来航|黒船来航]]
|マシュー・ペリー
|-
!1854年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/明治維新と近代国家日本の成立-幕末・明治時代#開国|日米和親条約締結]]
|鎖国をやめて開国します。
|-
!1858年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/明治維新と近代国家日本の成立-幕末・明治時代#通商条約|日米修好通商条約]]
|不平等条約→条約改正
|-
!1867年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/明治維新と近代国家日本の成立-幕末・明治時代#江戸幕府の終わり|大政奉還]]
|江戸幕府滅亡
|-
!明治時代
!
!
|-
!1868年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/明治維新と近代国家日本の成立-幕末・明治時代#明治維新と武士の社会の終わり|明治維新]]
|
|-
!1871年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/明治維新と近代国家日本の成立-幕末・明治時代#廃藩置県|廃藩置県]]
|藩がなくなり、武士の世の中が終わります。
|-
!1877年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/明治維新と近代国家日本の成立-幕末・明治時代#士族の反乱|西南戦争]]
|士族の反乱 → 自由民権運動
|-
!1889年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/国際社会に進み出す日本-明治末期から大正時代#大日本帝国憲法の制定|大日本帝国憲法制定]]
|第1回衆議院議員選挙 → 帝国議会召集
|-
!1894年-95年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/国際社会に進み出す日本-明治末期から大正時代#日清戦争|日清戦争]]
|下関条約
|-
!1897年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/国際社会に進み出す日本-明治末期から大正時代#条約改正と国際社会での地位の向上|治外法権撤廃]]
|
|-
!1904年-05年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/国際社会に進み出す日本-明治末期から大正時代#日露戦争|日露戦争]]
|ポーツマス条約
|-
!1911年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/国際社会に進み出す日本-明治末期から大正時代#条約改正と国際社会での地位の向上|関税自主権回復]]
|
|-
!大正・戦前昭和
!
!
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!1914年-19年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/国際社会に進み出す日本-明治末期から大正時代#全世界を巻き込む戦争 - 第一次世界大戦|第一次世界大戦]]
|ヴェルサイユ条約 → 国際連盟が結成され、日本は常任理事国になります。
|-
!1923年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/国際社会に進み出す日本-明治末期から大正時代#関東大震災|関東大震災]]
|
|-
!1925年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/国際社会に進み出す日本-明治末期から大正時代#大正デモクラシー|男子普通選挙]]
|大正デモクラシー
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!1929年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/戦争への道と現代の民主国家日本の誕生-昭和から現在まで#世界恐慌|世界恐慌]]
|
|-
!1931年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/戦争への道と現代の民主国家日本の誕生-昭和から現在まで#満州事変|満州事変]]
|満州の中華民国軍と関東軍が対立し、関東軍は満州を占領しました。
|-
!1932年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/戦争への道と現代の民主国家日本の誕生-昭和から現在まで#軍国主義|五・一五事件]]
|海軍軍人が犬養毅首相を暗殺しました。
|-
!1933年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/戦争への道と現代の民主国家日本の誕生-昭和から現在まで#満州事変|国際連盟脱退]]
|満州事変について国際連盟で非難されたため、日本は国際連盟を脱退しました。
|-
!1936年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/戦争への道と現代の民主国家日本の誕生-昭和から現在まで#軍国主義|二・二六事件]]
|陸軍軍人が政府を倒そうと東京で反乱を起こしました。
|-
!1937年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/戦争への道と現代の民主国家日本の誕生-昭和から現在まで#日中戦争|日中戦争]]
|
|-
!1939年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/戦争への道と現代の民主国家日本の誕生-昭和から現在まで#第二次世界大戦|第二次世界大戦勃発]]
|ヨーロッパで、ドイツがポーランドに攻め込み、イギリスやフランスとの間で戦争になりました。
|-
!1941年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/戦争への道と現代の民主国家日本の誕生-昭和から現在まで#太平洋戦争|太平洋戦争勃発]]
|日本はアメリカ合衆国に攻め込んで戦争になりました。
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!1945年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/戦争への道と現代の民主国家日本の誕生-昭和から現在まで#終戦|終戦]]
|日本やドイツの枢軸国は降伏して第二次世界大戦は終わりました。
|-
!戦後昭和・平成
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!1946年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/戦争への道と現代の民主国家日本の誕生-昭和から現在まで#民主国家日本の誕生|男女平等の普通選挙]]
|アメリカ合衆国による占領のもとで、日本の民主化が進められました。
|-
!1947年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/戦争への道と現代の民主国家日本の誕生-昭和から現在まで#民主国家日本の誕生|日本国憲法施行]]
|国民主権・基本的人権の尊重・平和主義を三本柱とする民主的な日本国憲法が施行されました。
|-
!1951年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/戦争への道と現代の民主国家日本の誕生-昭和から現在まで#高度経済成長とその後の日本|サンフランシスコ平和条約]]
|占領をしていた米国が撤退し、日本の独立が回復されました。
|-
!1956年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/戦争への道と現代の民主国家日本の誕生-昭和から現在まで#高度経済成長とその後の日本|国際連合加盟]]
|日本の国際社会への復帰が認められました。
|-
!1964年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/戦争への道と現代の民主国家日本の誕生-昭和から現在まで#高度経済成長とその後の日本|東京オリンピック]]
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|-
!1970年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/戦争への道と現代の民主国家日本の誕生-昭和から現在まで#高度経済成長とその後の日本|大阪万国博覧会]]
|
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!1972年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/戦争への道と現代の民主国家日本の誕生-昭和から現在まで#高度経済成長とその後の日本|札幌冬季オリンピック<br/>沖縄返還<br/>日中国交正常化]]
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!1973年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/戦争への道と現代の民主国家日本の誕生-昭和から現在まで#高度経済成長とその後の日本|オイルショック]]
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|-
!1989年
|[[小学校社会/6学年/歴史編/戦争への道と現代の民主国家日本の誕生-昭和から現在まで#冷戦終了後の世界|ベルリンの壁崩壊]]
|冷戦が終結しました。
|}
[[Category:社会|しようかつこうしやかい6]]
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[[Category:小学校社会 歴史|#14ねんひよう]]
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=== 画像処理 ===
==== 画像の読み込みと表示 ====
<source lang="python">
import cv2
# 画像の読み込み
image = cv2.imread('image.jpg')
# 画像の表示
cv2.imshow('Image', image)
cv2.waitKey(0)
cv2.destroyAllWindows()
</source>
==== 画像の変換とフィルタリング ====
<source lang="python">
import cv2
# 画像の読み込み
image = cv2.imread('image.jpg')
# 画像のリサイズ
resized_image = cv2.resize(image, (800, 600))
# 明度とコントラストの調整
adjusted_image = cv2.convertScaleAbs(resized_image, alpha=1.2, beta=10)
# ぼかし処理
blurred_image = cv2.GaussianBlur(adjusted_image, (5, 5), 0)
# 画像の表示
cv2.imshow('Image', blurred_image)
cv2.waitKey(0)
cv2.destroyAllWindows()
</source>
==== 画像の二値化と閾値処理 ====
<source lang="python">
import cv2
# 画像の読み込み
image = cv2.imread('image.jpg')
# グレースケールへの変換
gray_image = cv2.cvtColor(image, cv2.COLOR_BGR2GRAY)
# 二値化処理
ret, binary_image = cv2.threshold(gray_image, 127, 255, cv2.THRESH_BINARY)
# 画像の表示
cv2.imshow('Image', binary_image)
cv2.waitKey(0)
cv2.destroyAllWindows()
</source>
=== 動画処理 ===
==== 動画の読み込みと表示 ====
<source lang="python">
import cv2
# 動画の読み込み
video = cv2.VideoCapture('video.mp4')
# 動画のフレームごとの処理
while video.isOpened():
ret, frame = video.read()
if not ret:
break
# フレームの表示
cv2.imshow('Frame', frame)
# 'q'キーで終了
if cv2.waitKey(1) & 0xFF == ord('q'):
break
video.release()
cv2.destroyAllWindows()
</source>
==== 動画のキャプチャ ====
<source lang="python">
import cv2
# カメラデバイスのキャプチャ
camera = cv2.VideoCapture(0)
# キャプチャしたフレームの処理
while camera.isOpened():
ret, frame = camera.read()
if not ret:
break
# フレームの表示
cv2.imshow('Frame', frame)
# 'q'キーで終了
if cv2.waitKey(1) & 0xFF == ord('q'):
break
camera.release()
cv2.destroyAllWindows()
</source>
==== 動画の編集と変換 ====
<source lang="python">
import cv2
# 動画の読み込み
video = cv2.VideoCapture('video.mp4')
# 動画のフレームごとの処理
while video.isOpened():
ret, frame = video.read()
if not ret:
break
# フレームの処理(例: フレームのリサイズ)
resized_frame = cv2.resize(frame, (640, 480))
# 処理後のフレームの表示
cv2.imshow('Frame', resized_frame)
# 'q'キーで終了
if cv2.waitKey(1) & 0xFF == ord('q'):
break
video.release()
cv2.destroyAllWindows()
</source>
=== 物体検出とトラッキング ===
==== 物体検出 ====
<source lang="python">
import cv2
# 物体検出用の事前学習済みモデルの読み込み
net = cv2.dnn.readNetFromCaffe('deploy.prototxt', 'model.caffemodel')
# 画像の読み込み
image = cv2.imread('image.jpg')
# 画像の前処理
blob = cv2.dnn.blobFromImage(cv2.resize(image, (300, 300)), 1.0, (300, 300), (104.0, 177.0, 123.0))
# モデルによる物体検出
net.setInput(blob)
detections = net.forward()
# 検出結果の表示
for i in range(detections.shape[2]):
confidence = detections[0, 0, i, 2]
if confidence > 0.5:
box = detections[0, 0, i, 3:7] * np.array([image.shape[1], image.shape[0], image.shape[1], image.shape[0]])
(startX, startY, endX, endY) = box.astype("int")
cv2.rectangle(image, (startX, startY), (endX, endY), (0, 255, 0), 2)
# 画像の表示
cv2.imshow("Image", image)
cv2.waitKey(0)
cv2.destroyAllWindows()
</source>
==== 物体トラッキング ====
<source lang="python">
import cv2
# トラッカーの作成
tracker = cv2.TrackerKCF_create()
# ==== 特徴抽出と記述 ====
==== 特徴点の検出 ====
<source lang="python">
import cv2
# 画像の読み込み
image = cv2.imread('image.jpg')
# 特徴点の検出器の作成
detector = cv2.SIFT_create()
# 特徴点の検出
keypoints = detector.detect(image, None)
# 特徴点の描画
image_with_keypoints = cv2.drawKeypoints(image, keypoints, None)
# 画像の表示
cv2.imshow('Image', image_with_keypoints)
cv2.waitKey(0)
cv2.destroyAllWindows()
</source>
==== 特徴記述 ====
<source lang="python">
import cv2
# 画像の読み込み
image = cv2.imread('image.jpg')
# 特徴点の検出器と特徴記述器の作成
detector = cv2.SIFT_create()
descriptor = cv2.SIFT_create()
# 特徴点の検出と特徴記述
keypoints = detector.detect(image, None)
keypoints, descriptors = descriptor.compute(image, keypoints)
# 特徴点の描画
image_with_keypoints = cv2.drawKeypoints(image, keypoints, None)
# 画像の表示
cv2.imshow('Image', image_with_keypoints)
cv2.waitKey(0)
cv2.destroyAllWindows()
</source>
=== カメラキャリブレーション ===
==== カメラパラメータの推定 ====
<source lang="python">
import cv2
import numpy as np
# チェスボードのグリッドサイズ
grid_size = (9, 6)
# チェスボード画像の読み込み
images = [cv2.imread(f'calibration_image{i}.jpg') for i in range(1, 10)]
# チェスボードのコーナー検出
object_points = []
image_points = []
for image in images:
gray = cv2.cvtColor(image, cv2.COLOR_BGR2GRAY)
ret, corners = cv2.findChessboardCorners(gray, grid_size, None)
if ret:
object_points.append(np.zeros((grid_size[0] * grid_size[1], 3), np.float32))
object_points[-1][:, :2] = np.mgrid[0:grid_size[0], 0:grid_size[1]].T.reshape(-1, 2)
image_points.append(corners)
# カメラパラメータの推定
ret, camera_matrix, dist_coeffs, rvecs, tvecs = cv2.calibrateCamera(object_points, image_points, gray.shape[::-1], None, None)
# カメラパラメータの表示
print("Camera Matrix:")
print(camera_matrix)
print("Distortion Coefficients:")
print(dist_coeffs)
</source>
=== 画像解析とコンピュータビジョンタスク ===
==== モーション検出 ====
<source lang="python">
import cv2
import numpy as np
# 前のフレーム
previous_frame = None
# 動画の読み込み
video = cv2.VideoCapture('video.mp4')
# 動画のフレームごとの処理
while video.isOpened():
ret, frame = video.read()
if not ret:
break
# グレースケールへの変換
gray = cv2.cvtColor(frame, cv2.COLOR_BGR2GRAY)
# フレーム差分の計算
if previous_frame is None:
previous_frame = gray
continue
frame_diff = cv2.absdiff(previous_frame, gray)
threshold = cv2.threshold(frame_diff, 30, 255, cv2.THRESH_BINARY)[1]
# モーション領域の検出
contours, _ = cv2.findContours(threshold, cv2.RETR_EXTERNAL, cv2.CHAIN_APPROX_SIMPLE)
for contour in contours:
if cv2.contourArea(contour) > 1000:
(x, y, w, h) = cv2.boundingRect(contour)
cv2.rectangle(frame, (x, y), (x + w, y + h), (0, 255, 0), 2)
# フレームの表示
cv2.imshow('Frame', frame)
# 'q'キーで終了
if cv2.waitKey(1) & 0xFF == ord('q'):
break
# 現在のフレームを前のフレームとして保存
previous_frame = gray
video.release()
cv2.destroyAllWindows()
</source>
==== レタッチと修復 ====
<source lang="python">
import cv2
# 画像の読み込み
image = cv2.imread('image.jpg')
# レタッチ用のクローンを作成
clone = image.copy()
# 画像の修復領域の指定
rect = (100, 100, 200, 200)
# 修復領域のマスク作成
mask = np.zeros(image.shape[:2], np.uint8)
mask[rect[1]:rect[1] + rect[3], rect[0]:rect[0] + rect[2]] = 255
# 修復領域の修復
inpainted = cv2.inpaint(clone, mask, 3, cv2.INPAINT_TELEA)
# 画像の表示
cv2.imshow('Image', inpainted)
cv2.waitKey(0)
cv2.destroyAllWindows()
</source>
==検出機==
OpenCVの検出機とメソッド例:
1. Haar Cascade 物体検出器:
- `cv2.CascadeClassifier.detectMultiScale(image, scaleFactor, minNeighbors, flags, minSize, maxSize)`
2. HOG 特徴検出器:
- `cv2.HOGDescriptor()`
- `compute()`: HOG特徴を計算
- `detectMultiScale()`: 物体検出
3. ディープラーニングをベースにした物体検出器:
- `cv2.dnn.readNet(model, config)`
- `net.forward(layerNames)`: フォワードパスの実行
- `cv2.dnn.blobFromImage(image, scalefactor, size, mean, swapRB, crop)`
4. SIFT 特徴検出器:
- `cv2.SIFT_create()`
- `detectAndCompute(image, mask)`
5. ORB 特徴検出器:
- `cv2.ORB_create()`
- `detectAndCompute(image, mask)`
6. セマンティックセグメンテーションのモデル:
- `cv2.dnn.readNet(model, config)`
- `net.forward(layerNames)`
7. 姿勢推定のモデル:
- `cv2.dnn.readNet(model, config)`
- `net.forward(outputLayerNames)`
== 注意 ==
これらはOpenCVモジュールの一部の機能です。詳細な情報や他の機能については、公式のOpenCVドキュメントを参照してください。
[[カテゴリ:Python|OpenCV]]
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ガリア戦記 第6巻/注解
0
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265357
265306
2024-12-12T14:59:18Z
Linguae
449
/* 各節注解 */ 進捗
265357
wikitext
text/x-wiki
<div style="font-family:Arial Black;font-style:normal;font-size:15pt;color:#990033;text-align:center;background-color:#fff0ff;">C · IVLII · CAESARIS · COMMENTARIORVM · BELLI · GALLICI</div>
<div style="font-family:Arial Black;font-style:normal;font-size:30pt;color:#990033;text-align:center;background-color:#fff0ff;">LIBER · SEXTVS</div>
<span style="font-size:13pt;">『<span style="background-color:#ffc;">[[ガリア戦記 第6巻]]</span>』の単語や構文を詳しく読み解く <span style="background-color:#fc8;font-size:15pt;">'''[[ガリア戦記/注解編|注解編]]'''</span> の目次。</span>
{| id="toc" style="border:0px #ddf; align:left;clear:all;" align="center" cellpadding="5"
|-
! style="background:#ccf; text-align:center;" colspan="10"| ガリア戦記 第6巻 注解
|- style="background:#f8f8ff; text-align:right; font-size: 0.85em;"
|[[/1節|1節]]
|[[/2節|2節]]
|[[/3節|3節]]
|[[/4節|4節]]
|[[/5節|5節]]
|[[/6節|6節]]
|[[/7節|7節]]
|[[/8節|8節]]
|[[/9節|9節]]
|[[/10節|10節]]
|- style="background:#f8f8ff; text-align:right; font-size: 0.85em;"
|[[/11節|11節]]
|[[/12節|12節]]
|[[/13節|13節]]
|[[/14節|14節]]
|[[/15節|15節]]
|[[/16節|16節]]
|[[/17節|17節]]
|[[/18節|18節]]
|[[/19節|19節]]
|[[/20節|20節]]<!--
|- style="background:#f8f8ff; text-align:right; font-size: 0.85em;"
|[[/21節|21節]]
|[[/22節|22節]]
|[[/23節|23節]]
|[[/24節|24節]]
|[[/25節|25節]]
|[[/26節|26節]]
|[[/27節|27節]]
|[[/28節|28節]]
|[[/29節|29節]]
|[[/30節|30節]]
|- style="background:#f8f8ff; text-align:right; font-size: 0.85em;"
|[[/31節|31節]]
|[[/32節|32節]]
|[[/33節|33節]]
|[[/34節|34節]]
|[[/35節|35節]]
|[[/36節|36節]]
|[[/37節|37節]]
|[[/38節|38節]]
|[[/39節|39節]]
|[[/40節|40節]]
|- style="background:#f8f8ff; text-align:right; font-size: 0.85em;"
|[[/41節|41節]]
|[[/42節|42節]]
|[[/43節|43節]]
|[[/44節|44節]]
|[[/45節|45節]]
|[[/46節|46節]]
|[[/47節|47節]]
|[[/48節|48節]]
|[[/49節|49節]]
|[[/50節|50節]]
|- style="background:#f8f8ff; text-align:right; font-size: 0.85em;"
|[[/51節|51節]]
|[[/52節|52節]]
|[[/53節|53節]]
|[[/54節|54節]]
|[[/55節|55節]]
|[[/56節|56節]]
|[[/57節|57節]]
|[[/58節|58節]]
| colspan="6" |
|- style="background:#f8f8ff; text-align:right; font-size: 0.85em;"
|[[/1節|1節]]
|[[/2節|2節]]
|[[/3節|3節]]
|[[/4節|4節]]
|[[/5節|5節]]
|[[/6節|6節]]
|[[/7節|7節]]
|[[/8節|8節]]
|[[/9節|9節]]
|[[/0節|0節]]
-->
|-
| style="background:#f5fefe; text-align:left; font-size: 0.8em;" colspan="10"|
[[ガリア戦記 第1巻/注解|'''注解''' 第1巻]] |
[[ガリア戦記 第2巻/注解|第2巻]] |
[[ガリア戦記 第3巻/注解|第3巻]] |
[[ガリア戦記 第4巻/注解|第4巻]] |
[[ガリア戦記 第5巻/注解|第5巻]] |
[[ガリア戦記 第6巻/注解|第6巻]] <!--|
[[ガリア戦記 第7巻/注解|第7巻]] |
[[ガリア戦記 第8巻/注解|第8巻]]-->
|}
<br style="clear:both;" />
__notoc__
== 各節注解 ==
[[画像:Gaule_-53.png|thumb|right|150px|ガリア戦記 第6巻の情勢図(BC53年)。<br>黄色の領域がローマ領。桃色が同盟部族領。]]
===ガッリア北部の平定===
*<span style="background-color:#fff;">[[/1節]] {{進捗|25%|2024-09-23}}</span> (129語)
*<span style="background-color:#fff;">[[/2節]] {{進捗|25%|2024-09-29}}</span> (89語) 短い節
*<span style="background-color:#fff;">[[/3節]] {{進捗|25%|2024-10-06}}</span> (112語)
*<span style="background-color:#fff;">[[/4節]] {{進捗|25%|2024-10-13}}</span> (86語) 短い節
*<span style="background-color:#fff;">[[/5節]] {{進捗|25%|2024-10-14}}</span> (150語)
*<span style="background-color:#fff;">[[/6節]] {{進捗|25%|2024-10-20}}</span> (69語) 短い節
*<span style="background-color:#fff;">[[/7節]] {{進捗|25%|2024-10-30}}</span> (196語)
*<span style="background-color:#fff;">[[/8節]] {{進捗|25%|2024-11-10}}</span> (210語)
*<span style="background-color:#fff;">[[/9節]] {{進捗|25%|2024-11-13}}</span> (141語)
===第二次ゲルマーニア遠征===
*<span style="background-color:#fff;">[[/10節]] {{進捗|25%|2024-11-16}}</span> (143語)
*<span style="background-color:#fff;">[[/11節]] {{進捗|25%|2024-11-27}}</span> (111語)
===ガッリア人の社会と風習について===
*<span style="background-color:#fff;">[[/12節]] {{進捗|25%|2024-12-09}}</span> (200語) 長い節
*<span style="background-color:#fff;">[[/13節]] {{進捗|25%|2024-12-12}}</span> (257語) 長い節
*<span style="background-color:#fff;">[[/14節]] {{進捗|00%|2024-12-11}}</span>
== 関連項目 ==
*<span style="background-color:#ffd;">[[ガリア戦記]]</span><!--【2006年4月23日起稿】-->
**<span style="background-color:#ffd;">[[ガリア戦記/注解編]]</span><!--(2020-03-27)-->
***<span style="background-color:#ffd;">[[ガリア戦記/注解編/写本と校訂版]] {{進捗|00%|2020-04-17}}</span><!--(2020-04-17)-->
**<span style="background-color:#ffd;">[[ガリア戦記/用例集]] {{進捗|00%|2020-03-29}}</span><!--(2020-03-29)-->
**[[ガリア戦記/内容目次]]:巻・章・節の内容を記した目次 {{進捗|75%|2011-04-02}}
**[[ガリア戦記/参照画像一覧]]:本文で参照した画像一覧 {{進捗|75%|2011-04-16}}
*<span style="background-color:#ffd;font-size:15px;">[[古典ラテン語]] {{進捗|00%|2018-04-18}} </span>
<br><div style="font-size:20pt;"> Ā Ē Ī Ō Ū ā ē ī ō ū Ă Ĕ Ĭ Ŏ Ŭ ă ĕ ĭ ŏ ŭ </div>
<div style="font-size:13pt;">
<math>\overline{\mbox{VIIII}} </math>
</div><!-- [[w:Help:数式の表示]] -->
<span style="font-family:Times New Roman;font-size:15pt;background-color:#fff;"></span>
<span style="font-family:Times New Roman;font-size:15pt;"></span>
<span style="font-family:Times New Roman;"></span>
<!--
*<span style="font-family:Times New Roman;font-style:normal;font-size:15pt;">† : </span>校訂者が、テクストが壊れていると判断した部分をこの記号で囲んでいる。
-->
<!--
<ruby><rb>●漢字●</rb><rp>(</rp><rt>●ルビ●</rt><rp>)</rp></ruby>
-->
<!--
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/1節]] {{進捗|00%|2024-12-11}}</span>
-->
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
<!--❶--><!--❷--><!--❸--><!--❹--><!--❺--><!--❻--><!--❼--><!--❽--><!--❾--><!--❿--><!--⓫--><!--⓬--><!----><!----><!----><!----><!----><!----><!---->
== 関連記事 ==
{{Wikisource|la:Commentarii de bello Gallico/Liber VI|ガリア戦記 第6巻(ラテン語)}}
*ウィキソース
**<span style="font-family:Times New Roman;">[[s:la:Commentarii de bello Gallico/Liber VI]] (第6巻 ラテン語)</span>
**<span style="font-family:Times New Roman;">[[s:en:Commentaries on the Gallic War/Book 6]] (第6巻 英訳)</span>
**<span style="font-family:Times New Roman;">[[s:fr:La Guerre des Gaules/Livre VI]] (第6巻 仏訳)</span>
----
{{Commons|Category:Battles of Caesar's Gallic Wars|Battles of Caesar's Gallic Warsのカテゴリ}}
*<span style="font-family:Times New Roman;font-size:13pt;">[[wikt:fr:Catégorie:Mots en latin issus d’un mot en gaulois]]</span>
----
;地名
*[[wikt:en:Gallia#Latin|Gallia]]
**Gallia [[wikt:en:cisalpinus#Latin|cisalpīna]]
**Gallia [[wikt:en:transalpinus#Latin|trānsalpīna]]
**Gallia [[wikt:en:comatus#Latin|comāta]]
;部族
*[[wikt:en:Aedui#Latin|(H)aeduī]]
*[[wikt:en:Cherusci#Latin|Chēruscī]]
*[[wikt:en:Germani#Latin|Germānī]]
*[[wikt:en:Menapii#Latin|Menapiī]]
*[[wikt:en:Remi#Latin|Rēmī]]
*[[wikt:en:Sequani#Latin|Sēquanī]] セークァニー
*[[wikt:en:Suebi#Latin|Suēbī]]
*[[wikt:en:Treveri#Latin|Trēverī]]
*[[wikt:en:Ubii#Latin|Ubiī]]
;第6巻の登場人物
*[[wikt:en:Caesar#Latin|Caesar]]
:
*[[wikt:en:Ambiorix#Latin|Ambiorīx]]
:
*[[wikt:en:Commius|Commius]]
**[[w:コンミウス]]
**[[w:la:Commius]]
**[[w:en:Commius]]
**[[w:fr:Commios]]
*[[wikt:en:Cicero#Latin|Cicerō]]
**[[w:クィントゥス・トゥッリウス・キケロ|クイーントゥス・トゥッリウス・キケロー]]
**[[w:la:Quintus Tullius Cicero]]
**[[w:en:Quintus Tullius Cicero]]
**[[w:fr:Quintus Tullius Cicero]]
*[[wikt:en:Crassus#Latin|Crassus]]
*[[wikt:en:Labienus#Latin|Labiēnus]]
**[[w:ティトゥス・ラビエヌス|ティトゥス・ラビエーヌス]]
<!--
*?
**Crassus
***[[w:プブリウス・リキニウス・クラッスス]]
***[[w:la:Publius Licinius Crassus]]
***[[w:en:Publius Licinius Crassus (son of triumvir)]]
***[[w:fr:Publius Crassus]]
**Labienus (副官)
***[[w:la:Titus Labienus]]
***[[w:en:Titus Labienus]]
***[[w:fr:Titus Labienus]]
**Brutus
***[[w:デキムス・ユニウス・ブルトゥス・アルビヌス]]
***[[w:la:Decimus Iunius Brutus Albinus]]
***[[w:en:Decimus Junius Brutus Albinus]]
***[[w:fr:Decimus Junius Brutus Albinus]]
-->
<br>
===第6巻の関連記事===
<!--【第6巻の関連記事】-->
{{Commons|Category:Roman Britain|Roman Britainのカテゴリ}}
<div style="font-family:Times New Roman;font-size:13pt;">
<!--
*[[c:Category:Armorica]]
**[[c:Category:Maps of the Antiquity of Bretagne]]
-->
<hr>
*[[c:Category:Ancient Roman ships]]
<br>
</span>
<span style="font-family:Times New Roman;font-size:13pt;"></span>
== 外部リンク ==
*[[ガリア戦記/注解編#外部リンク]] を参照。
*[[ガリア戦記/注解編/写本と校訂版#オンライン注釈書等]] 等を参照。
===オンライン注釈書===
<div style="background-color:#eeeeee;">
====Caesar's Gallic war : notes by F. W. Kelsey (1897)====
:C. Iuli Caesaris De bello gallico libri VII :
::Caesar's Gallic war : with an introduction, notes, and vocabulary
::: by [[w:en:Francis Kelsey|Francis Willey Kelsey (1858-1927)]], Fifteenth Edition (1897)
:::: (HathiTrust Digital Library [[w:ハーティトラスト|ハーティトラスト・デジタルライブラリ]]で電子化)
:: [https://babel.hathitrust.org/cgi/pt?id=hvd.hn1tp9&seq=19 Contents] (#19)
;:─TEXT─
:: '''Book 6''' : [https://babel.hathitrust.org/cgi/pt?id=hvd.hn1tp9&seq=219 Commentarius Sextus] (#219)
;:─NOTES─
:: '''Book 6'''
# [https://babel.hathitrust.org/cgi/pt?id=hvd.hn1tp9&seq=441 I.] (#441), [https://babel.hathitrust.org/cgi/pt?id=hvd.hn1tp9&seq=442 II.-III.] (#442), [https://babel.hathitrust.org/cgi/pt?id=hvd.hn1tp9&seq=443 IV.-VII.] (#443), [https://babel.hathitrust.org/cgi/pt?id=hvd.hn1tp9&seq=444 VIII.-IX.] (#444),
# [https://babel.hathitrust.org/cgi/pt?id=hvd.hn1tp9&seq=445 X.-XI.] (#445), [https://babel.hathitrust.org/cgi/pt?id=hvd.hn1tp9&seq=446 XII.-XIII.] (#446), [https://babel.hathitrust.org/cgi/pt?id=hvd.hn1tp9&seq=447 XIV.-XV.] (#447),
</div>
====English translation by W. A. McDevitte & W. S. Bohn (1869)====
# [http://www.forumromanum.org/literature/caesar/gallic.html (www.forumromanum.org)]
# (www.perseus.tufts.edu)
## [https://www.perseus.tufts.edu/hopper/text?doc=Caes.+Gal.+6.1 C. Julius Caesar, Gallic War, Book 6, chapter 1]
## [https://www.perseus.tufts.edu/hopper/text?doc=Caes.+Gal.+6.2 C. Julius Caesar, Gallic War, Book 6, chapter 2]
## [https://www.perseus.tufts.edu/hopper/text?doc=Caes.+Gal.+6.3 C. Julius Caesar, Gallic War, Book 6, chapter 3]
## [https://www.perseus.tufts.edu/hopper/text?doc=Caes.+Gal.+6.4 C. Julius Caesar, Gallic War, Book 6, chapter 4]
## [https://www.perseus.tufts.edu/hopper/text?doc=Caes.+Gal.+6.5 C. Julius Caesar, Gallic War, Book 6, chapter 5]
## [https://www.perseus.tufts.edu/hopper/text?doc=Caes.+Gal.+6.6 C. Julius Caesar, Gallic War, Book 6, chapter 6]
## [https://www.perseus.tufts.edu/hopper/text?doc=Caes.+Gal.+6.7 C. Julius Caesar, Gallic War, Book 6, chapter 7]
## [https://www.perseus.tufts.edu/hopper/text?doc=Caes.+Gal.+6.8 C. Julius Caesar, Gallic War, Book 6, chapter 8]
## [https://www.perseus.tufts.edu/hopper/text?doc=Caes.+Gal.+6.9 C. Julius Caesar, Gallic War, Book 6, chapter 9]
## [https://www.perseus.tufts.edu/hopper/text?doc=Caes.+Gal.+6.10 C. Julius Caesar, Gallic War, Book 6, chapter 10]
<!--
====Eastman, Frederick Carlos., D'Ooge, Benjamin L. 1860-1940.(1917)====
<span style="font-family:Times New Roman;font-style:normal;font-size:13pt;">
*[https://catalog.hathitrust.org/Record/001058370 Catalog Record: Caesar in Gaul and selections from the third... | HathiTrust Digital Library] (catalog.hathitrust.org)
:[https://babel.hathitrust.org/cgi/pt?id=hvd.hn5cnb&view=1up&seq=7&skin=2021 #7 - Caesar in Gaul and selections from the third book of the Civil ... - Full View | HathiTrust Digital Library] (babel.hathitrust.org)
:BOOK IV. [https://babel.hathitrust.org/cgi/pt?id=hvd.hn5cnb&view=1up&seq=393&skin=2021 #393 ]
:IV.34,-38. [https://babel.hathitrust.org/cgi/pt?id=hvd.hn5cnb&view=1up&seq=403&skin=2021 #403 ]
</span>
-->
====Harkness, Albert (1889)====
<span style="font-family:Times New Roman;font-style:normal;"><span style="font-size:15pt;">Caesar's Commentaries on the Gallic War, </span><span style="font-size:13pt;">with notes, dictionary, and a map of Gaul.</span><br> <span style="font-size:15pt;">
edited by <u>[[w:en:Albert Harkness|Albert Harkness (1822-1907)]]</u> <ref>[http://onlinebooks.library.upenn.edu/webbin/book/lookupname?key=Harkness%2C%20Albert%2C%201822%2D1907 Harkness, Albert, 1822-1907 | The Online Books Page]</ref>, New York, [[w:en:D. Appleton & Company|D. Appleton and Company]], 1889 (Rivised Edition)</span></span>
::Caesar's commentaries on the Gallic war; with notes, dictionary, ... (Full View | HathiTrust Digital Library)
; BOOK SIXTH
:VI. 1. [https://babel.hathitrust.org/cgi/pt?id=hvd.hn3hve&view=1up&seq=365 #365]
====Incerti auctoris(編者不詳)====
; [https://books.google.co.jp/books?id=uLA8AAAAIAAJ&lpg=PA98&dq=Caesar+to+Cicero.+Be+of+good+courage.+Expect+aid&pg=PP1&redir_esc=y#v=onepage&q&f=false Caesar Gallic War V with vocabulary](第5巻)-Google ブックス(プレビュー)
;[https://www.latein.me/ Latein-Wörterbuch - Latein.me]
# [https://www.latein.me/text/3/Caesar/37/De+Bello+Gallico+%28V%29/p/0 De Bello Gallico (V) - Caesar - Latein.me]
<span style="font-family:Times New Roman;font-style:normal;font-size:13pt;"></span>
;nodictionaries.com
<!-- :[https://nodictionaries.com/caesar/de-bello-gallico-1/1 '''Caesar De Bello Gallico 1''' 1 in Latin, with adjustable running vocabulary]
:[https://nodictionaries.com/caesar/de-bello-gallico-2/1 '''Caesar De Bello Gallico 2''' 1 in Latin, with adjustable running vocabulary]
:[https://nodictionaries.com/caesar/de-bello-gallico-3/1 '''Caesar De Bello Gallico 3''' 1 in Latin, with adjustable running vocabulary]
:[https://nodictionaries.com/caesar/de-bello-gallico-4/1 '''Caesar De Bello Gallico 4''' 1 in Latin, with adjustable running vocabulary] -->
:[https://nodictionaries.com/caesar/de-bello-gallico-5/1 Caesar De Bello Gallico 5 1 in Latin, with adjustable running vocabulary]
==脚注==
<references />
[[Category:ガリア戦記 第6巻|*#]]
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高等学校日本史探究/古代国家の形成Ⅱ
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/* 大化の改新 */ 元号法について記述。
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[[小学校・中学校・高等学校の学習]]>[[高等学校の学習]]>[[高等学校地理歴史]]>[[高等学校日本史探究]]>古代国家の形成Ⅱ
==大化の改新==
蘇我氏がいなくなると、朝廷内で大きな人事異動がありました。この頃、中大兄皇子が主役になりました。ここで、中大兄皇子はあえて皇太子のままで政治をしていました。なお、『日本書紀』は、「中大兄皇子は皇太子になった。」と書いています。しかし、皇太子は飛鳥時代になく、それ以降の時代に入ってから、「中大兄皇子は皇太子になった。」と付け加えられたかもしれません。以前は、親から子供へ代々重要な役職を代々受け継がれていましたが、そのような制度も乙巳の変で終わりました。そこで、中大兄皇子は賢くて仕事も出来るような人でも重要な役職につけるように左大臣と右大臣を作りました。そして阿倍内麻呂を左大臣に就かせ、蘇我倉山田石川麻呂を右大臣に就かせました。次に、中大兄皇子は中臣鎌足を内臣に就かせ、高向玄理と旻を国博士に就かせました。さらに、皇極天皇は弟の孝徳天皇に自分から位を譲りました。以前の天皇は亡くなるまでずっと天皇でした。乙巳の変以降、この人が次の天皇に相応しいと思ったら、天皇の家族内で自由に決められるようになりました。
{| style="border:2px solid #F8B800;width:100%" cellspacing="0"
! style="background: #F8B800" |'''元号'''
|-
| style="padding:5px" |元号はかなり長い歴史を持っています。紀元前140年、漢の武帝が初めて元号を付けました。その後、元号は朝鮮半島と日本に広がりました。中国の皇帝と日本の天皇が新しい元号を決めました。日本の場合、645年の大化から初めて元号が使われました。その後、白雉・朱鳥時代を過ぎて、701年の大宝から朝廷は元号を合わせて記すようになりました。しかし、大宝以前の元号は木簡などに記されていません。また、朝廷以外の元号を使う人もいました。かつて天皇が変わらなくても天災・結婚などで元号を変えていました。明治時代から1人の天皇につき1つの元号を使うようになりました。戦後、元号を使うかどうかについて国会で話し合いました。その結果、元号法を1979年に定めて、内閣が新しい元号を決めるようになりました。平成・令和も、元号法から決められています。
|}
実際、改新の詔は日本書紀の記述と異なります。しかし、当時の様子を考えると、これからの改革の方向性を示すようなお知らせをしていたと考えられています。
改新の詔第1条は公地公民制と食封制度を定めています。しかし、王様・豪族は改新の詔第1条を定めても、人民を自分の奴隷(部曲)にしたり、土地を自分の土地(田荘)にしたりしました。
朝廷は東国に役人を送って、住民の数や田畑の広さを調べさせました。その結果を踏まえて、戸籍・計帳を作り、班田収授法を始めようとしました。改新の詔第3条は、このような背景から定められました。
改新の詔第4条は税金(田の調・戸別の調・官馬・仕丁・庸布・庸米・采女)の集め方について記しています。税金の中でも田の調と戸別の調の違いは大切です。地方は水田の広さから税金(田の調)を朝廷に納めました。一方、都内は家族構成から税金(戸別の調)を朝廷に納めました。
==東北遠征と白村江の戦い==
== 資料出所 ==
* 平雅行、横田冬彦ほか編著『[https://www.jikkyo.co.jp/material/dbook/R5_chireki_20220510/?pNo=6 日本史探究]』実教出版株式会社 2023年
* 佐藤信、五味文彦ほか編著『[https://new-textbook.yamakawa.co.jp/j-history/ 詳説日本史探究]』株式会社山川出版社 2023年
* 渡邊晃宏ほか編著『[https://ten.tokyo-shoseki.co.jp/text/hs/shakai/16596/ 日本史探究]』東京書籍株式会社 2023年
* 山中裕典著'''『'''[https://www.amazon.co.jp/E6-94-B9-E8-A8-82-E7-89-88-E5-A4-A7-E5-AD-A6-E5-85-A5-E5-AD-A6-E5-85-B1-E9-80-9A-E3-83-86-E3-82-B/dp/4046062371/ref=dp_ob_title_bk 改訂版 大学入学共通テスト 歴史総合、日本史探究の点数が面白いほどとれる本]'''』'''株式会社KADOKAWA 2024年
* 佐藤信、五味文彦ほか編著『[https://www.amazon.co.jp/%E8%A9%B3%E8%AA%AC%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%8F%B2%E7%A0%94%E7%A9%B6-%E4%BD%90%E8%97%A4-%E4%BF%A1/dp/4634010739/ref=sr_1_1?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&crid=2JVCFQ6ZSAM4W&keywords=%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%8F%B2%E7%A0%94%E7%A9%B6&qid=1673018227&sprefix=%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%8F%B2%E7%A0%94%E7%A9%B6%2Caps%2C229&sr=8-1 詳説日本史研究]』株式会社山川出版社 2017年
* 河合敦著『[https://www.amazon.co.jp/%E4%B8%96%E7%95%8C%E4%B8%80%E3%82%8F%E3%81%8B%E3%82%8A%E3%82%84%E3%81%99%E3%81%84-%E6%B2%B3%E5%90%88%E6%95%A6%E3%81%AE-%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%8F%B2B-%E3%80%8C%E5%8E%9F%E5%A7%8B-%E9%8E%8C%E5%80%89%E3%80%8D%E3%81%AE%E7%89%B9%E5%88%A5%E8%AC%9B%E5%BA%A7-%E6%B2%B3%E5%90%88/dp/404600794X/ref=d_pd_sbs_sccl_2_1/355-7112149-5713814?pd_rd_w=H8Pxa&content-id=amzn1.sym.820591ed-a555-4556-9bf6-5ebd5493c69e&pf_rd_p=820591ed-a555-4556-9bf6-5ebd5493c69e&pf_rd_r=ZWG9FNM6AD22NFF5WK2G&pd_rd_wg=scszo&pd_rd_r=8c1e9eda-f944-4c80-9e4e-7e35244ab2a6&pd_rd_i=404600794X&psc=1 世界一わかりやすい河合敦の日本史B[原始~鎌倉]の特別講座]』株式会社KADOKAWA 2014年(絶版本)
[[カテゴリ:高等学校日本史探究]]
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/* 大化の改新 */
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[[小学校・中学校・高等学校の学習]]>[[高等学校の学習]]>[[高等学校地理歴史]]>[[高等学校日本史探究]]>古代国家の形成Ⅱ
==大化の改新==
蘇我氏がいなくなると、朝廷内で大きな人事異動がありました。この頃、中大兄皇子が主役になりました。ここで、中大兄皇子はあえて皇太子のままで政治をしていました。なお、『日本書紀』は、「中大兄皇子は皇太子になった。」と書いています。しかし、皇太子は飛鳥時代になく、それ以降の時代に入ってから、「中大兄皇子は皇太子になった。」と付け加えられたかもしれません。以前は、親から子供へ代々重要な役職を代々受け継がれていましたが、そのような制度も乙巳の変で終わりました。そこで、中大兄皇子は賢くて仕事も出来るような人でも重要な役職につけるように左大臣と右大臣を作りました。そして阿倍内麻呂を左大臣に就かせ、蘇我倉山田石川麻呂を右大臣に就かせました。次に、中大兄皇子は中臣鎌足を内臣に就かせ、高向玄理と旻を国博士に就かせました。さらに、皇極天皇は弟の孝徳天皇に自分から位を譲りました。以前の天皇は亡くなるまでずっと天皇でした。乙巳の変以降、この人が次の天皇に相応しいと思ったら、天皇の家族内で自由に決められるようになりました。
{| style="border:2px solid #F8B800;width:100%" cellspacing="0"
! style="background: #F8B800" |'''元号'''
|-
| style="padding:5px" |元号はかなり長い歴史を持っています。紀元前140年、漢の武帝が初めて元号を付けました。その後、元号は朝鮮半島と日本に広がりました。中国の皇帝と日本の天皇が新しい元号を決めました。日本の場合、645年の大化から初めて元号が使われました。その後、白雉・朱鳥時代を過ぎて、701年の大宝から朝廷は元号を合わせて記すようになりました。しかし、大宝以前の元号は木簡などに記されていません。また、朝廷以外の元号を使う人もいました。かつて天皇が変わらなくても天災・結婚などで元号を変えていました。明治時代から1人の天皇につき1つの元号を使うようになりました。戦後、元号を使うかどうかについて国会で話し合いました。その結果、元号法を1979年に定めて、内閣が新しい元号を決めるようになりました。平成・令和も、元号法から決められています。
|}
実際、改新の詔は日本書紀の記述と異なります。しかし、当時の様子を考えると、これからの改革の方向性を示すようなお知らせをしていたと考えられています。
{| style="border:2px solid #C39EAB;width:100%" cellspacing="0"
! style="background: #C39EAB" |'''大化改新否定説'''
|-
| style="padding:5px" |
|}
改新の詔第1条は公地公民制と食封制度を定めています。しかし、王様・豪族は改新の詔第1条を定めても、人民を自分の奴隷(部曲)にしたり、土地を自分の土地(田荘)にしたりしました。
朝廷は東国に役人を送って、住民の数や田畑の広さを調べさせました。その結果を踏まえて、戸籍・計帳を作り、班田収授法を始めようとしました。改新の詔第3条は、このような背景から定められました。
改新の詔第4条は税金(田の調・戸別の調・官馬・仕丁・庸布・庸米・采女)の集め方について記しています。税金の中でも田の調と戸別の調の違いは大切です。地方は水田の広さから税金(田の調)を朝廷に納めました。一方、都内は家族構成から税金(戸別の調)を朝廷に納めました。
==東北遠征と白村江の戦い==
== 資料出所 ==
* 平雅行、横田冬彦ほか編著『[https://www.jikkyo.co.jp/material/dbook/R5_chireki_20220510/?pNo=6 日本史探究]』実教出版株式会社 2023年
* 佐藤信、五味文彦ほか編著『[https://new-textbook.yamakawa.co.jp/j-history/ 詳説日本史探究]』株式会社山川出版社 2023年
* 渡邊晃宏ほか編著『[https://ten.tokyo-shoseki.co.jp/text/hs/shakai/16596/ 日本史探究]』東京書籍株式会社 2023年
* 山中裕典著'''『'''[https://www.amazon.co.jp/E6-94-B9-E8-A8-82-E7-89-88-E5-A4-A7-E5-AD-A6-E5-85-A5-E5-AD-A6-E5-85-B1-E9-80-9A-E3-83-86-E3-82-B/dp/4046062371/ref=dp_ob_title_bk 改訂版 大学入学共通テスト 歴史総合、日本史探究の点数が面白いほどとれる本]'''』'''株式会社KADOKAWA 2024年
* 佐藤信、五味文彦ほか編著『[https://www.amazon.co.jp/%E8%A9%B3%E8%AA%AC%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%8F%B2%E7%A0%94%E7%A9%B6-%E4%BD%90%E8%97%A4-%E4%BF%A1/dp/4634010739/ref=sr_1_1?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&crid=2JVCFQ6ZSAM4W&keywords=%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%8F%B2%E7%A0%94%E7%A9%B6&qid=1673018227&sprefix=%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%8F%B2%E7%A0%94%E7%A9%B6%2Caps%2C229&sr=8-1 詳説日本史研究]』株式会社山川出版社 2017年
* 河合敦著『[https://www.amazon.co.jp/%E4%B8%96%E7%95%8C%E4%B8%80%E3%82%8F%E3%81%8B%E3%82%8A%E3%82%84%E3%81%99%E3%81%84-%E6%B2%B3%E5%90%88%E6%95%A6%E3%81%AE-%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%8F%B2B-%E3%80%8C%E5%8E%9F%E5%A7%8B-%E9%8E%8C%E5%80%89%E3%80%8D%E3%81%AE%E7%89%B9%E5%88%A5%E8%AC%9B%E5%BA%A7-%E6%B2%B3%E5%90%88/dp/404600794X/ref=d_pd_sbs_sccl_2_1/355-7112149-5713814?pd_rd_w=H8Pxa&content-id=amzn1.sym.820591ed-a555-4556-9bf6-5ebd5493c69e&pf_rd_p=820591ed-a555-4556-9bf6-5ebd5493c69e&pf_rd_r=ZWG9FNM6AD22NFF5WK2G&pd_rd_wg=scszo&pd_rd_r=8c1e9eda-f944-4c80-9e4e-7e35244ab2a6&pd_rd_i=404600794X&psc=1 世界一わかりやすい河合敦の日本史B[原始~鎌倉]の特別講座]』株式会社KADOKAWA 2014年(絶版本)
[[カテゴリ:高等学校日本史探究]]
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/* 大化の改新 */ 大化の改新否定説を簡単に記しました。
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[[小学校・中学校・高等学校の学習]]>[[高等学校の学習]]>[[高等学校地理歴史]]>[[高等学校日本史探究]]>古代国家の形成Ⅱ
==大化の改新==
蘇我氏がいなくなると、朝廷内で大きな人事異動がありました。この頃、中大兄皇子が主役になりました。ここで、中大兄皇子はあえて皇太子のままで政治をしていました。なお、『日本書紀』は、「中大兄皇子は皇太子になった。」と書いています。しかし、皇太子は飛鳥時代になく、それ以降の時代に入ってから、「中大兄皇子は皇太子になった。」と付け加えられたかもしれません。以前は、親から子供へ代々重要な役職を代々受け継がれていましたが、そのような制度も乙巳の変で終わりました。そこで、中大兄皇子は賢くて仕事も出来るような人でも重要な役職につけるように左大臣と右大臣を作りました。そして阿倍内麻呂を左大臣に就かせ、蘇我倉山田石川麻呂を右大臣に就かせました。次に、中大兄皇子は中臣鎌足を内臣に就かせ、高向玄理と旻を国博士に就かせました。さらに、皇極天皇は弟の孝徳天皇に自分から位を譲りました。以前の天皇は亡くなるまでずっと天皇でした。乙巳の変以降、この人が次の天皇に相応しいと思ったら、天皇の家族内で自由に決められるようになりました。
{| style="border:2px solid #F8B800;width:100%" cellspacing="0"
! style="background: #F8B800" |'''元号'''
|-
| style="padding:5px" |元号はかなり長い歴史を持っています。紀元前140年、漢の武帝が初めて元号を付けました。その後、元号は朝鮮半島と日本に広がりました。中国の皇帝と日本の天皇が新しい元号を決めました。日本の場合、645年の大化から初めて元号が使われました。その後、白雉・朱鳥時代を過ぎて、701年の大宝から朝廷は元号を合わせて記すようになりました。しかし、大宝以前の元号は木簡などに記されていません。また、朝廷以外の元号を使う人もいました。かつて天皇が変わらなくても天災・結婚などで元号を変えていました。明治時代から1人の天皇につき1つの元号を使うようになりました。戦後、元号を使うかどうかについて国会で話し合いました。その結果、元号法を1979年に定めて、内閣が新しい元号を決めるようになりました。平成・令和も、元号法から決められています。
|}
実際、改新の詔は日本書紀の記述と異なります。しかし、当時の様子を考えると、これからの改革の方向性を示すようなお知らせをしていたと考えられています。
{| style="border:2px solid #C39EAB;width:100%" cellspacing="0"
! style="background: #C39EAB" |'''大化改新否定説'''
|-
| style="padding:5px" |1960年代に入ってから『日本書紀』を詳しく調べると、歴史学者は「大化改新は本当にその時期に行われたのかな?」と疑問を持つようになりました(大化改新否定説)。この時代の日本は国をまとめようとしたり、新しい役所の仕組みを作ったり、東国まで力を伸ばそうとしたり、都を大和から難波に移しました。最近になって、飛鳥京跡から木簡が見つかり、五十戸=一里制もかなり早い時期から始まっていました。このように、歴史学者は様々な方向から当時の様子を調べるようになりました。
|}
改新の詔第1条は公地公民制と食封制度を定めています。しかし、王様・豪族は改新の詔第1条を定めても、人民を自分の奴隷(部曲)にしたり、土地を自分の土地(田荘)にしたりしました。
朝廷は東国に役人を送って、住民の数や田畑の広さを調べさせました。その結果を踏まえて、戸籍・計帳を作り、班田収授法を始めようとしました。改新の詔第3条は、このような背景から定められました。
改新の詔第4条は税金(田の調・戸別の調・官馬・仕丁・庸布・庸米・采女)の集め方について記しています。税金の中でも田の調と戸別の調の違いは大切です。地方は水田の広さから税金(田の調)を朝廷に納めました。一方、都内は家族構成から税金(戸別の調)を朝廷に納めました。
==東北遠征と白村江の戦い==
== 資料出所 ==
* 平雅行、横田冬彦ほか編著『[https://www.jikkyo.co.jp/material/dbook/R5_chireki_20220510/?pNo=6 日本史探究]』実教出版株式会社 2023年
* 佐藤信、五味文彦ほか編著『[https://new-textbook.yamakawa.co.jp/j-history/ 詳説日本史探究]』株式会社山川出版社 2023年
* 渡邊晃宏ほか編著『[https://ten.tokyo-shoseki.co.jp/text/hs/shakai/16596/ 日本史探究]』東京書籍株式会社 2023年
* 山中裕典著'''『'''[https://www.amazon.co.jp/E6-94-B9-E8-A8-82-E7-89-88-E5-A4-A7-E5-AD-A6-E5-85-A5-E5-AD-A6-E5-85-B1-E9-80-9A-E3-83-86-E3-82-B/dp/4046062371/ref=dp_ob_title_bk 改訂版 大学入学共通テスト 歴史総合、日本史探究の点数が面白いほどとれる本]'''』'''株式会社KADOKAWA 2024年
* 佐藤信、五味文彦ほか編著『[https://www.amazon.co.jp/%E8%A9%B3%E8%AA%AC%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%8F%B2%E7%A0%94%E7%A9%B6-%E4%BD%90%E8%97%A4-%E4%BF%A1/dp/4634010739/ref=sr_1_1?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&crid=2JVCFQ6ZSAM4W&keywords=%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%8F%B2%E7%A0%94%E7%A9%B6&qid=1673018227&sprefix=%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%8F%B2%E7%A0%94%E7%A9%B6%2Caps%2C229&sr=8-1 詳説日本史研究]』株式会社山川出版社 2017年
* 河合敦著『[https://www.amazon.co.jp/%E4%B8%96%E7%95%8C%E4%B8%80%E3%82%8F%E3%81%8B%E3%82%8A%E3%82%84%E3%81%99%E3%81%84-%E6%B2%B3%E5%90%88%E6%95%A6%E3%81%AE-%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%8F%B2B-%E3%80%8C%E5%8E%9F%E5%A7%8B-%E9%8E%8C%E5%80%89%E3%80%8D%E3%81%AE%E7%89%B9%E5%88%A5%E8%AC%9B%E5%BA%A7-%E6%B2%B3%E5%90%88/dp/404600794X/ref=d_pd_sbs_sccl_2_1/355-7112149-5713814?pd_rd_w=H8Pxa&content-id=amzn1.sym.820591ed-a555-4556-9bf6-5ebd5493c69e&pf_rd_p=820591ed-a555-4556-9bf6-5ebd5493c69e&pf_rd_r=ZWG9FNM6AD22NFF5WK2G&pd_rd_wg=scszo&pd_rd_r=8c1e9eda-f944-4c80-9e4e-7e35244ab2a6&pd_rd_i=404600794X&psc=1 世界一わかりやすい河合敦の日本史B[原始~鎌倉]の特別講座]』株式会社KADOKAWA 2014年(絶版本)
[[カテゴリ:高等学校日本史探究]]
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2024-12-12T13:08:52Z
Kwawe
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/* 大化の改新 */
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wikitext
text/x-wiki
[[小学校・中学校・高等学校の学習]]>[[高等学校の学習]]>[[高等学校地理歴史]]>[[高等学校日本史探究]]>古代国家の形成Ⅱ
==大化の改新==
蘇我氏がいなくなると、朝廷内で大きな人事異動がありました。この頃、中大兄皇子が主役になりました。ここで、中大兄皇子はあえて皇太子のままで政治をしていました。なお、『日本書紀』は、「中大兄皇子は皇太子になった。」と書いています。しかし、皇太子は飛鳥時代になく、それ以降の時代に入ってから、「中大兄皇子は皇太子になった。」と付け加えられたかもしれません。以前は、親から子供へ代々重要な役職を代々受け継がれていましたが、そのような制度も乙巳の変で終わりました。そこで、中大兄皇子は賢くて仕事も出来るような人でも重要な役職につけるように左大臣と右大臣を作りました。そして阿倍内麻呂を左大臣に就かせ、蘇我倉山田石川麻呂を右大臣に就かせました。次に、中大兄皇子は中臣鎌足を内臣に就かせ、高向玄理と旻を国博士に就かせました。さらに、皇極天皇は弟の孝徳天皇に自分から位を譲りました。以前の天皇は亡くなるまでずっと天皇でした。乙巳の変以降、この人が次の天皇に相応しいと思ったら、天皇の家族内で自由に決められるようになりました。
{| style="border:2px solid #F8B800;width:100%" cellspacing="0"
! style="background: #F8B800" |'''元号'''
|-
| style="padding:5px" |元号はかなり長い歴史を持っています。紀元前140年、漢の武帝が初めて元号を付けました。その後、元号は朝鮮半島と日本に広がりました。中国の皇帝と日本の天皇が新しい元号を決めました。日本の場合、645年の大化から初めて元号が使われました。その後、白雉・朱鳥時代を過ぎて、701年の大宝から朝廷は元号を合わせて記すようになりました。しかし、大宝以前の元号は木簡などに記されていません。また、朝廷以外の元号を使う人もいました。かつて天皇が変わらなくても天災・結婚などで元号を変えていました。明治時代から1人の天皇につき1つの元号を使うようになりました。戦後、元号を使うかどうかについて国会で話し合いました。その結果、元号法を1979年に定めて、内閣が新しい元号を決めるようになりました。平成・令和も、元号法から決められています。
|}
実際、改新の詔は日本書紀の記述と異なります。しかし、当時の様子を考えると、これからの改革の方向性を示すようなお知らせをしていたと考えられています。
{| style="border:2px solid #C39EAB;width:100%" cellspacing="0"
! style="background: #C39EAB" |'''大化の改新否定説'''
|-
| style="padding:5px" |1960年代に入ってから『日本書紀』を詳しく調べると、歴史学者は「大化の改新は本当にその時期に行われたのかな?」と疑問を持つようになりました(大化の改新否定説)。この時代の日本は国をまとめようとしたり、新しい役所の仕組みを作ったり、東国まで力を伸ばそうとしたり、都を大和から難波に移しました。最近になって、飛鳥京跡から木簡が見つかり、五十戸=一里制もかなり早い時期から始まっていました。このように、歴史学者は様々な方向から当時の様子を調べるようになりました。
|}
改新の詔第1条は公地公民制と食封制度を定めています。しかし、王様・豪族は改新の詔第1条を定めても、人民を自分の奴隷(部曲)にしたり、土地を自分の土地(田荘)にしたりしました。
朝廷は東国に役人を送って、住民の数や田畑の広さを調べさせました。その結果を踏まえて、戸籍・計帳を作り、班田収授法を始めようとしました。改新の詔第3条は、このような背景から定められました。
改新の詔第4条は税金(田の調・戸別の調・官馬・仕丁・庸布・庸米・采女)の集め方について記しています。税金の中でも田の調と戸別の調の違いは大切です。地方は水田の広さから税金(田の調)を朝廷に納めました。一方、都内は家族構成から税金(戸別の調)を朝廷に納めました。
==東北遠征と白村江の戦い==
== 資料出所 ==
* 平雅行、横田冬彦ほか編著『[https://www.jikkyo.co.jp/material/dbook/R5_chireki_20220510/?pNo=6 日本史探究]』実教出版株式会社 2023年
* 佐藤信、五味文彦ほか編著『[https://new-textbook.yamakawa.co.jp/j-history/ 詳説日本史探究]』株式会社山川出版社 2023年
* 渡邊晃宏ほか編著『[https://ten.tokyo-shoseki.co.jp/text/hs/shakai/16596/ 日本史探究]』東京書籍株式会社 2023年
* 山中裕典著'''『'''[https://www.amazon.co.jp/E6-94-B9-E8-A8-82-E7-89-88-E5-A4-A7-E5-AD-A6-E5-85-A5-E5-AD-A6-E5-85-B1-E9-80-9A-E3-83-86-E3-82-B/dp/4046062371/ref=dp_ob_title_bk 改訂版 大学入学共通テスト 歴史総合、日本史探究の点数が面白いほどとれる本]'''』'''株式会社KADOKAWA 2024年
* 佐藤信、五味文彦ほか編著『[https://www.amazon.co.jp/%E8%A9%B3%E8%AA%AC%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%8F%B2%E7%A0%94%E7%A9%B6-%E4%BD%90%E8%97%A4-%E4%BF%A1/dp/4634010739/ref=sr_1_1?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&crid=2JVCFQ6ZSAM4W&keywords=%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%8F%B2%E7%A0%94%E7%A9%B6&qid=1673018227&sprefix=%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%8F%B2%E7%A0%94%E7%A9%B6%2Caps%2C229&sr=8-1 詳説日本史研究]』株式会社山川出版社 2017年
* 河合敦著『[https://www.amazon.co.jp/%E4%B8%96%E7%95%8C%E4%B8%80%E3%82%8F%E3%81%8B%E3%82%8A%E3%82%84%E3%81%99%E3%81%84-%E6%B2%B3%E5%90%88%E6%95%A6%E3%81%AE-%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%8F%B2B-%E3%80%8C%E5%8E%9F%E5%A7%8B-%E9%8E%8C%E5%80%89%E3%80%8D%E3%81%AE%E7%89%B9%E5%88%A5%E8%AC%9B%E5%BA%A7-%E6%B2%B3%E5%90%88/dp/404600794X/ref=d_pd_sbs_sccl_2_1/355-7112149-5713814?pd_rd_w=H8Pxa&content-id=amzn1.sym.820591ed-a555-4556-9bf6-5ebd5493c69e&pf_rd_p=820591ed-a555-4556-9bf6-5ebd5493c69e&pf_rd_r=ZWG9FNM6AD22NFF5WK2G&pd_rd_wg=scszo&pd_rd_r=8c1e9eda-f944-4c80-9e4e-7e35244ab2a6&pd_rd_i=404600794X&psc=1 世界一わかりやすい河合敦の日本史B[原始~鎌倉]の特別講座]』株式会社KADOKAWA 2014年(絶版本)
[[カテゴリ:高等学校日本史探究]]
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ヌーキ語
0
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2024-12-13T04:42:32Z
Rhanese
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wikitext
text/x-wiki
{{進捗状況}}
'''ヌーキ語'''(Nǀuuki)または'''ヌン語'''(Nǁng) は、南アフリカのアピントン(Upington)で話されているコイサン諸語の言語である。
== 基礎知識 ==
#[[ヌーキ語/入門編|入門編]] {{進捗簡易|00%|2024-12-04}}
##[[ヌーキ語/入門編/表記|表記]] {{進捗簡易|100%|2024-12-05}}
##[[ヌーキ語/入門編/発音|発音]] {{進捗簡易|100%|2024-12-05}}
##[[ヌーキ語/入門編/破擦音|破擦音]] {{進捗簡易|00%|2024-12-13}}
##[[ヌーキ語/入門編/吸着音|吸着音]] {{進捗簡易|50%|2024-12-05}}
##[[ヌーキ語/入門編/放出音|放出音]] {{進捗簡易|00%|2024-12-13}}
#[[ヌーキ語/学習編|学習編]] {{進捗簡易|00%|2024-12-04}}
##[[ヌーキ語/学習編/文法1|文法 1]] {{進捗簡易|25%|2024-12-06}}
##[[ヌーキ語/学習編/文法2|文法 2]] {{進捗簡易|00%|2024-12-04}}
##[[ヌーキ語/学習編/名詞|名詞]] {{進捗簡易|00%|2024-12-04}}
###[[ヌーキ語/学習編/名詞/単数形と複数形|単数形と複数形]] {{進捗簡易|00%|2024-12-05}}
###[[ヌーキ語/学習編/名詞/ʘûと名詞|ʘûと名詞]] {{進捗簡易|00%|2024-12-05}}
##[[ヌーキ語/学習編/人称代名詞 1|人称代名詞 1]] {{進捗簡易|25%|2024-12-06}}
##[[ヌーキ語/学習編/人称代名詞 2|人称代名詞 2]] {{進捗簡易|00%|2024-12-05}}
##[[ヌーキ語/学習編/数字|数字]] {{進捗簡易|25%|2024-12-12}}
##[[ヌーキ語/学習編/副詞|副詞]] {{進捗簡易|00%|2024-12-05}}
##[[ヌーキ語/学習編/形容詞|形容詞]] {{進捗簡易|00%|2024-12-04}}
###[[ヌーキ語/学習編/he と ne|he と ne]] {{進捗簡易|00%|2024-12-04}}
##[[ヌーキ語/学習編/動詞1|動詞1]] {{進捗簡易|00%|2024-12-04}}
##[[ヌーキ語/学習編/動詞2|動詞2]] {{進捗簡易|25%|2024-12-09}}
###[[ヌーキ語/学習編/現在進行形|現在進行形]] {{進捗簡易|00%|2024-12-05}}
###[[ヌーキ語/学習編/命令形|命令形]] {{進捗簡易|00%|2024-12-05}}
##接辞
###[[ヌーキ語/学習編/-xa|-xa]] {{進捗簡易|25%|2024-12-09}}
###[[ヌーキ語/学習編/-’i|-’i]] {{進捗簡易|00%|2024-12-09}}
###[[ヌーキ語/学習編/ka-|ka-]] {{進捗簡易|00%|2024-12-13}}
###[[ヌーキ語/学習編/-siと-ke|-siと-ke]] {{進捗簡易|00%|2024-12-13}}
###[[ヌーキ語/学習編/-ja|-ja]] {{進捗簡易|00%|2024-12-13}}
#[[ヌーキ語/応用編|応用編]] {{進捗簡易|00%|2024-12-04}}
##[[ヌーキ語/応用編/高度な自己紹介をする|高度な自己紹介をする]] {{進捗簡易|00%|2024-12-13}}
##[[ヌーキ語/応用編/新しい言葉を作る|新しい言葉を作る]] {{進捗簡易|00%|2024-12-13}}
##[[ヌーキ語/応用編/オノマトペ|オノマトペ]] {{進捗簡易|00%|2024-12-13}}
##[[ヌーキ語/応用編/記事を書く|記事を書く]] {{進捗簡易|00%|2024-12-13}}
== 基本語彙 ==
#[[ヌーキ語/挨拶|挨拶]] (感嘆詞){{進捗簡易|75%|2024-12-08}}
#[[ヌーキ語/形容詞|形容詞]] {{進捗簡易|25%|2024-12-08}}
#[[ヌーキ語/副詞|副詞]] {{進捗簡易|00%|2024-12-09}}
#名詞 {{進捗簡易|00%|2024-12-08}}
##[[ヌーキ語/名詞/食べ物|食べ物]] {{進捗簡易|00%|2024-12-10}}
##[[ヌーキ語/名詞/飲み物|飲み物]] {{進捗簡易|25%|2024-12-10}}
#[[ヌーキ語/人称代名詞|人称代名詞]] {{進捗簡易|100%|2024-12-13}}
#[[ヌーキ語/指示代名詞|指示代名詞]] {{進捗簡易|100%|2024-12-09}}
#[[ヌーキ語/動詞|動詞]] {{進捗簡易|25%|2024-12-08}}
#[[ヌーキ語/語彙一覧|語彙一覧]] {{進捗簡易|25%|2024-12-08}}
== 読む ==
#[[ヌーキ語/読む/ǃHonkia!|ǃHonkia!]] (こんにちは!) {{進捗簡易|50%|2024-12-10}}
#[[ヌーキ語/読む/kyuuxe?|kyuuxe?]] (誰?) {{進捗簡易|00%|2024-12-13}}
[[Category:語学]][[category:語学の書庫]][[category:ヌーキ語]]
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2024-12-13T05:54:24Z
Rhanese
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text/x-wiki
{{進捗状況}}
'''ヌーキ語'''(Nǀuuki)または'''ヌン語'''(Nǁng) は、南アフリカのアピントン(Upington)で話されているコイサン諸語の言語である。
== 基礎知識 ==
#[[ヌーキ語/入門編|入門編]] {{進捗簡易|00%|2024-12-04}}
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##[[ヌーキ語/入門編/発音|発音]] {{進捗簡易|100%|2024-12-05}}
##[[ヌーキ語/入門編/発音|発音2]] {{進捗簡易|75%|2024-12-13}}
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##接辞
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== 基本語彙 ==
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PostCSS
0
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Ef3
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/* 結論 */ {{DEFAULTSORT:POSTCSS}} [[Category:PostCSS|*]] [[Category:Web開発]]
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wikitext
text/x-wiki
== PostCSSの基礎 ==
=== PostCSSとは何か? ===
PostCSSは、[[JavaScript]]ベースのツールで、[[CSS]]を変換するための強力なエコシステムを提供します。従来のCSSプリプロセッサとは異なり、PostCSSは柔軟なプラグインアーキテクチャを採用しており、開発者は自由にCSSを拡張、最適化できます。
=== コード例:基本的なPostCSSの設定 ===
; postcss.config.js
:<syntaxhighlight lang=js copy>
module.exports = {
plugins: [
require('autoprefixer'),
require('postcss-nested'),
require('postcss-custom-properties')
]
}
</syntaxhighlight>
=== PostCSSの主な特徴 ===
PostCSSの特徴は、その柔軟性と拡張性にあります:
# '''プラグインベースのアーキテクチャ''': 各プラグインが特定の変換や最適化を担当
# '''高速な処理''': 従来のプリプロセッサよりも高速
# '''モダンなCSS機能のサポート''': 将来のCSS仕様を現在のブラウザで利用可能
# '''カスタマイズ性''': 独自のプラグイン開発が可能
=== 実際の変換の流れ ===
PostCSSは、入力されたCSSを抽象構文木(AST)に変換し、各プラグインがそのASTを順次処理します。
:<syntaxhighlight lang=js copy>
// 簡略化されたPostCSSの変換フロー
const postcss = require('postcss');
const autoprefixer = require('autoprefixer');
const css = `
.example {
display: flex;
}
`;
postcss([autoprefixer])
.process(css)
.then(result => {
console.log(result.css);
// ブラウザ互換のプレフィックス付きCSSが出力される
});
</syntaxhighlight>
=== 歴史的背景 ===
PostCSSは、2013年に開発者 '''Andrey Sitnik''' によって最初にリリースされました。その誕生の背景には、CSSの拡張性や保守性を向上させるための新しいツールの必要性がありました。当時、CSSのエコシステムはすでにSassやLESSなどのプリプロセッサが主流でしたが、PostCSSはそれらとは異なるアプローチを取り、CSSのエコシステムに大きな影響を与えることになります。
=== CSSプリプロセッサとの違い ===
==== Sass/LESSとの比較 ====
:{| class="wikitable"
! 特徴 || Sass/LESS || PostCSS
|-
| 言語拡張 || 独自の言語仕様 || プラグインによる拡張
|-
| パフォーマンス || 比較的遅い || 高速
|-
| カスタマイズ性 || 限定的 || 非常に高い
|-
| 学習コスト || 独自文法の習得が必要 || 既存のCSS知識で対応可能
|}
=== プロジェクトへの導入例 ===
;典型的なプロジェクト構造:
:<syntaxhighlight lang=text copy>
my-project/
│
├── src/
│ └── styles/
│ ├── main.css
│ ├── components/
│ └── utilities/
│
├── postcss.config.js
├── package.json
└── webpack.config.js
</syntaxhighlight>
=== パッケージのインストール ===
:<syntaxhighlight lang=shell-session copy>
npm install postcss postcss-cli autoprefixer postcss-nested --save-dev
</syntaxhighlight>
== セットアップと環境構築 ==
=== Node.jsとnpmの準備 ===
プロジェクトの前提条件として、Node.jsとnpmの最新バージョンが必要です。最新のLTS(Long Term Support)バージョンをインストールすることをお勧めします。
{{See also|Node.js|npm}}
==== Node.jsのバージョン確認 ====
:<syntaxhighlight lang=shell-session copy>
# Node.jsのバージョン確認
node --version
# npmのバージョン確認
npm --version
</syntaxhighlight>
推奨されるNode.jsのバージョン:
* v18.x以上
* v22.x (最新LTS)
=== PostCSSのインストール ===
プロジェクトの依存関係に、PostCSSとその関連パッケージをインストールします。
:<syntaxhighlight lang=shell-session copy>
# 基本的なPostCSSパッケージ
npm install postcss postcss-cli autoprefixer postcss-nested --save-dev
</syntaxhighlight>
=== 詳細な設定ファイル ===
==== postcss.config.js ====
:<syntaxhighlight lang=js copy>
module.exports = {
plugins: [
require('autoprefixer'),
require('postcss-nested'),
require('postcss-custom-properties'),
require('postcss-import'),
require('cssnano')({
preset: 'default'
})
]
}
</syntaxhighlight>
=== ビルドツールとの統合 ===
==== Webpack連携 ====
<code>webpack.config.js</code>の例:
:<syntaxhighlight lang=js copy>
const path = require('path');
module.exports = {
entry: './src/index.js',
module: {
rules: [
{
test: /\.css$/,
use: [
'style-loader',
'css-loader',
{
loader: 'postcss-loader',
options: {
postcssOptions: {
config: path.resolve(__dirname, 'postcss.config.js')
}
}
}
]
}
]
}
}
</syntaxhighlight>
==== Vite連携 ====
<code>vite.config.js</code>の例:
:<syntaxhighlight lang=js copy>
import { defineConfig } from 'vite';
import postcss from './postcss.config.js';
export default defineConfig({
css: {
postcss: postcss
}
})
</syntaxhighlight>
=== npm scriptsの設定 ===
<code>package.json</code>でビルドスクリプトを定義:
:<syntaxhighlight lang=json copy>
{
"scripts": {
"build:css": "postcss src/styles/main.css -o dist/styles/main.css",
"watch:css": "postcss src/styles/main.css -o dist/styles/main.css --watch"
}
}
</syntaxhighlight>
=== 開発環境の推奨構成 ===
:<syntaxhighlight lang=text copy>
project-root/
│
├── src/
│ ├── styles/
│ │ ├── main.css
│ │ ├── components/
│ │ │ ├── button.css
│ │ │ └── form.css
│ │ └── utilities/
│ │ ├── variables.css
│ │ └── mixins.css
│ └── index.js
│
├── dist/
│ └── styles/
│
├── postcss.config.js
├── package.json
└── webpack.config.js
</syntaxhighlight>
=== 注意点と推奨事項 ===
# '''依存関係の管理''':
#* 定期的に<code>npm outdated</code>でパッケージの更新を確認
#* <code>npm audit</code>でセキュリティの脆弱性をチェック
# '''プラグインの選択''':
#* 必要最小限のプラグインから始める
#* パフォーマンスに注意を払う
#* プラグインの更新履歴と互換性を確認
# '''ソースマップの設定''':
#* デバッグのためにソースマップを有効化:
; postcss.config.js
:<syntaxhighlight lang=js copy>
module.exports = {
map: {
inline: false, // 別ファイルに出力
annotation: true // ソースマップの生成
},
plugins: [
// 既存のプラグイン設定
]
}
</syntaxhighlight>
=== トラブルシューティング ===
よくある設定エラーと対処法:
* プラグインの読み込みエラー: バージョン確認と正確なインポート
* 設定ファイルの構文エラー: 最新のPostCS仕様に準拠
* ビルドの遅延: 不要なプラグインの削除
== 基本的なプラグイン ==
=== プラグインの概念と仕組み ===
PostCSSプラグインは、CSSを変換するための小さな JavaScript モジュールです。各プラグインは特定の機能を提供し、CSSの抽象構文木(AST)を操作します。
==== プラグインの基本的な構造 ====
:<syntaxhighlight lang=js copy>
module.exports = (opts = {}) => {
return {
postcssPlugin: 'plugin-name',
OnceExit (root, postcss) {
// CSSルートを処理するロジック
root.walkRules(rule => {
// 各ルールに対する変換
});
}
}
}
module.exports.postcss = true;
</syntaxhighlight>
=== 必須プラグインの詳細 ===
==== Autoprefixer ====
ベンダープレフィックスを自動追加する最も重要なプラグイン。
:<syntaxhighlight lang=shell-session copy>
npm install autoprefixer --save-dev
</syntaxhighlight>
;設定例:
; postcss.config.js
:<syntaxhighlight lang=js copy>
module.exports = {
plugins: [
require('autoprefixer')({
browsers: ['> 1%', 'last 2 versions', 'not dead'],
grid: 'autoplace'
})
]
}
</syntaxhighlight>
変換の例:
:<syntaxhighlight lang=css copy>
/* 入力 */
.example {
display: flex;
grid-template-columns: 1fr 1fr;
}
/* 出力 */
.example {
display: -webkit-box;
display: -ms-flexbox;
display: flex;
-ms-grid-columns: 1fr 1fr;
grid-template-columns: 1fr 1fr;
}
</syntaxhighlight>
==== CSS Nested ====
ネストされたCSS記法を可能にするプラグイン。
:<syntaxhighlight lang=shell-session copy>
npm install postcss-nested --save-dev
</syntaxhighlight>
使用例:
:<syntaxhighlight lang=css copy>
/* 入力 */
.container {
width: 100%;
& .header {
background-color: #f0f0f0;
&:hover {
background-color: #e0e0e0;
}
}
}
/* 出力 */
.container {
width: 100%;
}
.container .header {
background-color: #f0f0f0;
}
.container .header:hover {
background-color: #e0e0e0;
}
</syntaxhighlight>
==== Custom Properties (CSS変数) ====
CSS変数の高度な処理を提供するプラグイン。
:<syntaxhighlight lang=shell-session copy>
npm install postcss-custom-properties --save-dev
</syntaxhighlight>
使用例:
:<syntaxhighlight lang=css copy>
/* 入力 */
:root {
--primary-color: #3498db;
--secondary-color: color-mix(in srgb, var(--primary-color), white 20%);
}
.button {
background-color: var(--primary-color);
border-color: var(--secondary-color);
}
/* 出力 */
.button {
background-color: #3498db;
border-color: #63b2e7;
}
</syntaxhighlight>
==== Import ====
CSSファイルのモジュラーな読み込みを実現。
:<syntaxhighlight lang=shell-session copy>
npm install postcss-import --save-dev
</syntaxhighlight>
使用例:
:<syntaxhighlight lang=css copy>
/* main.css */
@import "variables.css";
@import "components/button.css";
.container {
color: var(--text-color);
}
/* 複数のCSSファイルを単一のファイルにまとめる */
</syntaxhighlight>
=== 高度なプラグイン設定 ===
==== 統合的な設定例 ====
; postcss.config.js
:<syntaxhighlight lang=js copy>
module.exports = {
plugins: [
require('postcss-import')(),
require('postcss-custom-properties')({
preserve: false // 変数を静的な値に置き換え
}),
require('postcss-nested')(),
require('autoprefixer')({
grid: 'autoplace'
}),
process.env.NODE_ENV === 'production'
? require('cssnano')()
: null
].filter(Boolean) // nullを除外
}
</syntaxhighlight>
=== プラグインの選択と最適化のヒント ===
# '''必要最小限のプラグイン''':
#* パフォーマンスを考慮
#* 本当に必要な機能のみを追加
# '''順序の重要性''':
#* プラグインの実行順序に注意
#* <code>postcss-import</code> → <code>postcss-nested</code> → <code>autoprefixer</code> の順が一般的
# '''環境による条件分岐''':
#* 本番環境と開発環境で異なる設定
#* 圧縮や最適化の切り替え
=== トラブルシューティング ===
* プラグインの競合を避けるため、常に最新バージョンを使用
* 設定の複雑さに注意
* パフォーマンスへの影響を常に意識
== 高度なプラグイン活用 ==
=== 最適化プラグイン ===
==== cssnano ====
CSS圧縮と最適化の決定版プラグイン。
:<syntaxhighlight lang=shell-session copy>
npm install cssnano --save-dev
</syntaxhighlight>
;設定例:
; postcss.config.js
:<syntaxhighlight lang=js copy>
module.exports = {
plugins: [
require('cssnano')({
preset: 'default', // 標準の最適化設定
plugins: [
require('autoprefixer'),
require('css-mqpacker'), // メディアクエリの統合
]
})
]
}
</syntaxhighlight>
==== postcss-preset-env ====
次世代のCSS機能を現在のブラウザで利用可能に。
:<syntaxhighlight lang=shell-session copy>
npm install postcss-preset-env --save-dev
</syntaxhighlight>
; postcss.config.js
:<syntaxhighlight lang=js copy>
module.exports = {
plugins: [
require('postcss-preset-env')({
stage: 2, // 安定性のステージ
features: {
'custom-media-queries': true,
'custom-properties': true
}
})
]
}
</syntaxhighlight>
=== 変数と関数の拡張 ===
==== postcss-advanced-variables ====
より高度な変数処理を実現。
:<syntaxhighlight lang=css copy>
/* 入力 */
$width: 100px;
$height: 200px;
.box {
width: $width;
height: $height;
@if $width > 50px {
border: 1px solid black;
}
}
</syntaxhighlight>
==== postcss-functions ====
カスタム関数の定義が可能。
; functions.js
:<syntaxhighlight lang=js copy>
module.exports = {
darken: (color, amount) => {
// 色を暗くする関数
},
rem: (px) => `${px / 16}rem`
}
</syntaxhighlight>
; postcss.config.js
:<syntaxhighlight lang=js copy>
module.exports = {
plugins: [
require('postcss-functions')({
functions: require('./functions.js')
})
]
}
</syntaxhighlight>
=== レスポンシブデザインのためのプラグイン ===
==== postcss-responsive-type ====
レスポンシブなフォントサイズを簡単に実装。
:<syntaxhighlight lang=css copy>
html {
responsive-font-size: 16px 768px 32px;
}
</syntaxhighlight>
==== postcss-custom-media ====
メディアクエリの変数化。
:<syntaxhighlight lang=css copy>
@custom-media --narrow-window (max-width: 30em);
@media (--narrow-window) {
/* モバイル向けスタイル */
}
</syntaxhighlight>
=== 画像最適化プラグイン ===
==== postcss-assets ====
画像パスの管理や基本的な処理。
; postcss.config.js
:<syntaxhighlight lang=js copy>
module.exports = {
plugins: [
require('postcss-assets')({
loadPaths: ['src/images/'],
cache: true
})
]
}
</syntaxhighlight>
; example.css
:<syntaxhighlight lang=css copy>
.logo {
background: resolve('logo.png');
width: width('logo.png');
height: height('logo.png');
}
</syntaxhighlight>
=== パフォーマンス最適化のためのテクニック ===
==== プラグインの組み合わせ例 ====
; postcss.config.js
:<syntaxhighlight lang=js copy>
module.exports = {
plugins: [
require('postcss-import'),
require('postcss-custom-properties')({
preserve: false
}),
require('postcss-nested'),
require('autoprefixer'),
process.env.NODE_ENV === 'production'
? require('cssnano')({
preset: 'advanced'
})
: null
].filter(Boolean)
}
</syntaxhighlight>
=== 実践的な設定例 ===
; webpack.config.js
:<syntaxhighlight lang=js copy>
module.exports = {
module: {
rules: [
{
test: /\.css$/,
use: [
'style-loader',
{
loader: 'css-loader',
options: {
importLoaders: 1
}
},
{
loader: 'postcss-loader',
options: {
postcssOptions: {
plugins: [
require('postcss-import'),
require('postcss-preset-env')({
stage: 2
}),
require('autoprefixer'),
process.env.NODE_ENV === 'production'
? require('cssnano')
: null
].filter(Boolean)
}
}
}
]
}
]
}
}
</syntaxhighlight>
=== プラグイン選択の注意点 ===
# パフォーマンスへの影響を常に意識
# 必要最小限のプラグインを選択
# 定期的にプラグインの更新と互換性を確認
# 本番環境と開発環境で異なる設定を検討
== カスタムプラグインの開発 ==
=== プラグインの基本構造 ===
PostCSSプラグインは、CSSの抽象構文木(AST)を操作するJavaScriptモジュールです。基本的な構造は以下のようになります:
:<syntaxhighlight lang=js copy>
module.exports = (opts = {}) => {
// デフォルトオプション
const options = {
// プラグインのデフォルト設定
prefix: 'custom-'
};
return {
postcssPlugin: 'custom-plugin-name',
// プラグインのメインロジック
Root (root, postcss) {
// ルート全体に対する処理
},
Declaration (decl, postcss) {
// 個々の宣言に対する処理
},
Rule (rule, postcss) {
// CSSルールに対する処理
}
}
}
; PostCSSプラグインであることを明示
module.exports.postcss = true;
</syntaxhighlight>
=== 実際のカスタムプラグイン例 ===
==== 簡単な変数変換プラグイン ====
:<syntaxhighlight lang=js copy>
const postcss = require('postcss');
module.exports = (opts = {}) => {
const variables = opts.variables || {};
return {
postcssPlugin: 'postcss-custom-variables',
Declaration(decl) {
// 特定の接頭辞を持つ変数を置換
if (decl.prop.startsWith('--custom-')) {
const varName = decl.prop.replace('--custom-', '');
const replacement = variables[varName] || decl.value;
decl.prop = `--${varName}`;
decl.value = replacement;
}
}
}
}
module.exports.postcss = true;
</syntaxhighlight>
==== 使用例 ====
:<syntaxhighlight lang=js copy>
const postcss = require('postcss');
const customVariablesPlugin = require('./custom-variables-plugin');
const css = `
:root {
--custom-primary-color: #3498db;
--custom-secondary-color: #2ecc71;
}
.button {
background-color: var(--primary-color);
}
`;
postcss([
customVariablesPlugin({
variables: {
'primary-color': '#e74c3c'
}
})
]).process(css).then(result => {
console.log(result.css);
});
</syntaxhighlight>
=== プラグイン開発のベストプラクティス ===
# '''AST操作の基本'''
#:PostCSSは強力なASTメソッドを提供します:
#:<syntaxhighlight lang=js copy>
module.exports = () => {
return {
postcssPlugin: 'ast-manipulation-example',
Root(root) {
// ルート全体の走査
root.walkRules(rule => {
// 各ルールに対する処理
rule.walkDecls(decl => {
// 各宣言に対する処理
});
});
}
}
}
</syntaxhighlight>
# '''エラーハンドリング'''
#:<syntaxhighlight lang=js copy>
module.exports = (opts = {}) => {
return {
postcssPlugin: 'error-handling-plugin',
Declaration(decl) {
try {
// 変換ロジック
if (someCondition) {
decl.warn(result, 'カスタム警告メッセージ');
}
} catch (error) {
decl.error(`プラグイン内でエラーが発生: ${error.message}`);
}
}
}
}
</syntaxhighlight>
=== テストの実装 ===
==== Jest を使用したプラグインテスト ====
:<syntaxhighlight lang=js copy>
const postcss = require('postcss');
const plugin = require('./your-plugin');
describe('カスタムプラグイン', () => {
it('期待通りの変換を行うこと', async () => {
const input = '.test { color: red; }';
const output = await postcss([plugin()])
.process(input)
.then(result => result.css);
expect(output).toBe('.test { color: blue; }');
});
});
</syntaxhighlight>
=== プラグイン公開の手順 ===
# <code>package.json</code>の整備
#;package.json
#:<syntaxhighlight lang=json copy>
{
"name": "postcss-custom-plugin",
"version": "1.0.0",
"main": "index.js",
"keywords": ["postcss", "postcss-plugin"],
"peerDependencies": {
"postcss": "^8.0.0"
}
}
</syntaxhighlight>
# npmへの公開
#:<syntaxhighlight lang=shell-session copy>
npm login
npm publish
</syntaxhighlight>
=== 高度な変換の例 ===
;postcss.config.js
:<syntaxhighlight lang=js copy>
module.exports = (opts = {}) => {
const {
prefix = 'custom-',
transform = (value) => value
} = opts;
return {
postcssPlugin: 'advanced-transformation-plugin',
Declaration(decl) {
if (decl.prop.startsWith(prefix)) {
// 動的な変換
const transformedValue = transform(decl.value);
// 新しい宣言の作成
const newDecl = decl.clone({
prop: decl.prop.replace(prefix, ''),
value: transformedValue
});
// 元の宣言を置き換え
decl.replaceWith(newDecl);
}
}
}
}
</syntaxhighlight>
=== 注意点とベストプラクティス ===
# パフォーマンスを常に意識
# 軽量で単一責任のプラグインを心がける
# 広範囲なテストケースの用意
# 互換性と柔軟性の確保
== 実践的な活用パターン ==
=== モジュラーCSSの設計 ===
==== コンポーネントベースのアプローチ ====
; components/button.css
:<syntaxhighlight lang=css copy>
.button {
display: inline-block;
padding: 10px 15px;
border-radius: 4px;
&--primary {
background-color: var(--primary-color);
color: white;
}
&--secondary {
background-color: var(--secondary-color);
color: black;
}
}
</syntaxhighlight>
; components/card.css
:<syntaxhighlight lang=css copy>
.card {
border: 1px solid var(--border-color);
border-radius: 8px;
&__header {
background-color: var(--light-gray);
padding: 15px;
}
&__body {
padding: 15px;
}
}
</syntaxhighlight>
==== グローバル変数の管理 ====
; global/variables.css
:<syntaxhighlight lang=css copy>
:root {
--primary-color: #3498db;
--secondary-color: #2ecc71;
--border-color: #bdc3c7;
--text-color: #333;
/* レスポンシブ対応の変数 */
--breakpoint-mobile: 576px;
--breakpoint-tablet: 768px;
--breakpoint-desktop: 992px;
}
</syntaxhighlight>
=== デザインシステムの構築 ===
==== 色彩システム ====
; design-system/colors.css
:<syntaxhighlight lang=css copy>
:root {
/* プライマリーカラーパレット */
--color-primary-100: #e6f2ff;
--color-primary-300: #66b0ff;
--color-primary-500: #3498db;
--color-primary-700: #2980b9;
--color-primary-900: #1c5a8a;
/* セマンティックカラー */
--color-success: #2ecc71;
--color-warning: #f39c12;
--color-danger: #e74c3c;
}
</syntaxhighlight>
==== タイポグラフィシステム ====
; design-system/typography.css
:<syntaxhighlight lang=css copy>
:root {
/* フォントサイズ */
--font-size-xs: 0.75rem;
--font-size-sm: 0.875rem;
--font-size-base: 1rem;
--font-size-lg: 1.25rem;
--font-size-xl: 1.5rem;
/* フォントウェイト */
--font-weight-light: 300;
--font-weight-regular: 400;
--font-weight-bold: 700;
}
</syntaxhighlight>
=== クロスブラウザ対応 ===
==== ベンダープレフィックスの自動化 ====
; postcss.config.js
:<syntaxhighlight lang=js copy>
module.exports = {
plugins: [
require('autoprefixer')({
grid: 'autoplace',
browsers: [
'> 1%',
'last 2 versions',
'not dead'
]
})
]
}
</syntaxhighlight>
==== フレックスボックスと Grid のサポート ====
:<syntaxhighlight lang=css copy>
.flex-container {
display: flex;
justify-content: space-between;
align-items: center;
}
.grid-layout {
display: grid;
grid-template-columns: repeat(3, 1fr);
gap: 20px;
}
</syntaxhighlight>
=== パフォーマンス最適化 ===
==== CSS最適化 ====
; postcss.config.js
:<syntaxhighlight lang=js copy>
module.exports = {
plugins: [
require('postcss-import'),
require('postcss-preset-env'),
process.env.NODE_ENV === 'production'
? require('cssnano')({
preset: 'advanced'
})
: null
].filter(Boolean)
}
</syntaxhighlight>
==== メディアクエリの最適化 ====
:<syntaxhighlight lang=css copy>
/* レスポンシブデザイン */
@media (max-width: 768px) {
.container {
flex-direction: column;
}
}
/* モバイルファースト */
.element {
width: 100%;
}
@media (min-width: 768px) {
.element {
width: 50%;
}
}
</syntaxhighlight>
=== 実践的な構成例 ===
:<syntaxhighlight lang=text copy>
src/
├── styles/
│ ├── global/
│ │ ├── variables.css
│ │ ├── reset.css
│ │ └── utilities.css
│ ├── design-system/
│ │ ├── colors.css
│ │ ├── typography.css
│ │ └── spacing.css
│ ├── components/
│ │ ├── button.css
│ │ ├── card.css
│ │ └── form.css
│ └── main.css
└── postcss.config.js
</syntaxhighlight>
=== 注意点とベストプラクティス ===
# 一貫性のある命名規則
# 変数と再利用可能なスタイルの活用
# パフォーマンスへの継続的な注意
# ブラウザサポートの定期的な確認
== 実際のプロジェクトでの導入 ==
=== 既存プロジェクトへの統合 ===
==== 段階的な導入アプローチ ====
# '''初期評価'''
#:<syntaxhighlight lang=shell-session copy>
# 現在のCSSビルドプロセスの確認
npm list postcss autoprefixer
</syntaxhighlight>
# '''依存関係のインストール'''
#:<syntaxhighlight lang=shell-session copy>
npm install postcss postcss-cli autoprefixer postcss-nested --save-dev
</syntaxhighlight>
# '''設定ファイルの追加'''
#; postcss.config.js
#:<syntaxhighlight lang=js copy>
module.exports = {
plugins: [
require('postcss-import'),
require('postcss-nested'),
require('autoprefixer')
]
}
</syntaxhighlight>
==== サンプルマイグレーションシナリオ ====
===== Sassからの移行例 =====
;sample.sass
:<syntaxhighlight lang=css copy>
/* Sass (旧) */
$primary-color: #3498db;
.button {
background-color: $primary-color;
&:hover {
background-color: darken($primary-color, 10%);
}
}
</syntaxhighlight>
;sample.css
:<syntaxhighlight lang=css copy>
/* PostCSS (新) */
:root {
--primary-color: #3498db;
}
.button {
background-color: var(--primary-color);
&:hover {
background-color: color-mod(var(--primary-color) shade(10%));
}
}
</syntaxhighlight>
=== マイグレーションガイド ===
==== 移行チェックリスト ====
# 依存関係の確認
# ビルドツールの設定更新
# プラグインの選定
# 変数システムの再設計
# テストと検証
==== webpack設定例 ====
; webpack.config.js
:<syntaxhighlight lang=js copy>
module.exports = {
module: {
rules: [
{
test: /\.css$/,
use: [
'style-loader',
'css-loader',
{
loader: 'postcss-loader',
options: {
postcssOptions: {
plugins: [
require('postcss-import'),
require('postcss-nested'),
require('autoprefixer')
]
}
}
}
]
}
]
}
}
</syntaxhighlight>
=== 段階的な導入戦略 ===
==== フェーズ別アプローチ ====
# '''評価フェーズ'''
#* 既存のCSSアーキテクチャ分析
#* 互換性の確認
#* プラグイン選定
# '''パイロット導入'''
#* 小規模なコンポーネントで試験的移行
#* 段階的な機能追加
# '''全面移行'''
#* 徐々に対象範囲拡大
#* 継続的な検証
=== 注意点と落とし穴 ===
==== 一般的な課題と対策 ====
# '''ブラウザ互換性'''
#:<syntaxhighlight lang=js copy>
// browserslist設定
module.exports = {
overrideBrowserslist: [
'> 1%',
'last 2 versions',
'not dead'
]
}
</syntaxhighlight>
# '''パフォーマンス監視'''
#:<syntaxhighlight lang=shell-session copy>
# ビルド時間の計測
time npm run build:css
</syntaxhighlight>
# '''プラグイン互換性'''
#:<syntaxhighlight lang=js copy>
// 条件付きプラグイン読み込み
module.exports = {
plugins: [
require('postcss-import'),
process.env.NODE_ENV === 'production'
? require('cssnano')
: null
].filter(Boolean)
}
</syntaxhighlight>
=== プロジェクト構造の再設計例 ===
:<syntaxhighlight lang=text copy>
project/
├── src/
│ ├── styles/
│ │ ├── base/
│ │ │ ├── reset.css
│ │ │ └── variables.css
│ │ ├── components/
│ │ │ ├── button.css
│ │ │ └── card.css
│ │ └── main.css
│ └── components/
│ └── ...
├── postcss.config.js
├── webpack.config.js
└── package.json
</syntaxhighlight>
=== リスク軽減戦略 ===
# '''バックアップ'''
#* 移行前の完全なCSSアーカイブ
#* Git履歴の保持
# '''段階的検証'''
#* コンポーネント単位の移行
#* 継続的な目視テスト
#* 自動テストの拡充
=== 推奨ツールと検証方法 ===
:<syntaxhighlight lang=shell-session copy>
# CSS検証ツール
npm install --save-dev stylelint postcss-scss
# パフォーマンス計測
npm install --save-dev webpack-bundle-analyzer
</syntaxhighlight>
=== 移行後の継続的改善 ===
# 定期的なプラグインアップデート
# パフォーマンス監視
# ブラウザサポートの再評価
== パフォーマンスとデバッグ ==
=== PostCSSのパフォーマンス最適化 ===
==== ビルド時間の分析 ====
:<syntaxhighlight lang=shell-session copy>
# ビルド時間の計測
time npm run build:css
# webpack-bundle-analyzerの導入
npm install --save-dev webpack-bundle-analyzer
</syntaxhighlight>
==== webpack設定例 ====
:<syntaxhighlight lang=js copy>
const BundleAnalyzerPlugin = require('webpack-bundle-analyzer').BundleAnalyzerPlugin;
module.exports = {
plugins: [
new BundleAnalyzerPlugin({
analyzerMode: 'static',
openAnalyzer: false,
generateStatsFile: true
})
]
}
</syntaxhighlight>
=== プラグインのパフォーマンス比較 ===
; postcss.config.js
:<syntaxhighlight lang=js copy>
module.exports = {
plugins: [
require('postcss-import'), // 依存関係の解決
require('postcss-preset-env')({
stage: 2, // 安定性の高いステージ
features: {
'custom-properties': true,
'nesting-rules': true
}
}),
process.env.NODE_ENV === 'production'
? require('cssnano')({
preset: 'default'
})
: null
].filter(Boolean)
}
</syntaxhighlight>
=== デバッグツールと技法 ===
==== ソースマップの設定 ====
; postcss.config.js
:<syntaxhighlight lang=js copy>
module.exports = {
map: {
inline: false, // 外部ソースマップファイル
annotation: true // デバッグ情報の追加
}
}
</syntaxhighlight>
==== ロギングプラグインの実装 ====
:<syntaxhighlight lang=js copy>
const postcss = require('postcss');
module.exports = (opts = {}) => {
return {
postcssPlugin: 'debug-plugin',
Root(root) {
console.log('処理対象のCSS:');
console.log(root.toString());
},
Declaration(decl) {
console.log(`宣言: ${decl.prop}: ${decl.value}`);
}
}
}
module.exports.postcss = true;
</syntaxhighlight>
=== よくある問題と解決策 ===
==== ベンダープレフィックスの過剰生成 ====
:<syntaxhighlight lang=js copy>
// autoprefixer設定の最適化
module.exports = {
plugins: [
require('autoprefixer')({
grid: 'autoplace',
remove: true // 不要なプレフィックスの削除
})
]
}
</syntaxhighlight>
==== 変数の解決と互換性 ====
:<syntaxhighlight lang=css copy>
/* 変数の定義と使用 */
:root {
--primary-color: #3498db;
}
.button {
/* 古いブラウザ向けのフォールバック */
background-color: #3498db;
background-color: var(--primary-color);
}
</syntaxhighlight>
=== パフォーマンス監視ツール ===
:<syntaxhighlight lang=js copy>
// カスタムパフォーマンス計測プラグイン
const { performance } = require('perf_hooks');
module.exports = (opts = {}) => {
return {
postcssPlugin: 'performance-monitor',
OnceExit(root) {
const start = performance.now();
// CSSの変換処理
const end = performance.now();
console.log(`処理時間: ${end - start}ms`);
}
}
}
</syntaxhighlight>
=== モニタリングとベンチマーク ===
==== CLI Tools ====
:<syntaxhighlight lang=shell-session copy>
# CSS圧縮率の確認
npm install -g css-stats
# パフォーマンス分析
npx css-stats styles.css
</syntaxhighlight>
=== 高度なデバッグ戦略 ===
==== AST(抽象構文木)の可視化 ====
:<syntaxhighlight lang=js copy>
const postcss = require('postcss');
module.exports = (opts = {}) => {
return {
postcssPlugin: 'ast-debug-plugin',
Root(root) {
// ASTの構造を詳細に出力
console.log(JSON.stringify(root, null, 2));
}
}
}
</syntaxhighlight>
=== トラブルシューティングチェックリスト ===
# プラグインの互換性確認
# ソースマップの有効化
# 段階的な変換の検証
# ブラウザ互換性テスト
=== 推奨モニタリングツール ===
* stylelint
* postcss-reporter
* webpack-bundle-analyzer
=== 注意点とベストプラクティス ===
# 最小限のプラグイン構成
# 定期的な依存関係の更新
# 環境別の最適化
# 継続的なパフォーマンス測定
== 最新トレンドと将来の展望 ==
=== Web標準との関係 ===
PostCSSは、まさにWeb標準の進化に密接に寄り添うツールとして進化を続けています。CSSの仕様が常に更新される中、PostCSSはいち早く新しい文法や機能をサポートし、開発者にとって最先端のスタイリング体験を提供しています。
例えば、CSS Custom Propertiesのようなモダンな仕様を、ブラウザのサポート状況に関わらず利用可能にするプラグインを提供しています。
; postcss.config.js
:<syntaxhighlight lang=js copy>
module.exports = {
plugins: [
require('postcss-custom-properties')({
preserve: true, // 元の変数も残す
importFrom: './src/variables.css'
}),
require('autoprefixer')
]
}
</syntaxhighlight>
=== CSS-in-JSとの比較 ===
PostCSSとCSS-in-JSは、スタイリングにおける異なるアプローチを提供します。PostCSSは従来のCSSファイルベースの開発を強化し、一方CSS-in-JSはコンポーネント内でのスタイル管理に特化しています。
PostCSSの利点は、既存のCSSワークフローとの高い親和性と、柔軟なプラグインシステムにあります。
:<syntaxhighlight lang=js copy>
// 典型的なPostCSSのワークフロー
const postcss = require('postcss');
const autoprefixer = require('autoprefixer');
const cssnano = require('cssnano');
postcss([
autoprefixer,
cssnano
])
.process(css, { from: 'src/style.css', to: 'dist/style.css' })
.then(result => {
// 最適化されたCSSが生成される
});
</syntaxhighlight>
=== 次世代のCSS技術 ===
==== ネストされたセレクタ ====
PostCSSは、SCSSのようなネストされたセレクタ記法をネイティブCSSに変換する機能を提供します。
:<syntaxhighlight lang=css copy>
/* 入力 */
.container {
max-width: 1200px;
& .header {
background-color: #f0f0f0;
&:hover {
background-color: #e0e0e0;
}
}
}
/* 変換後 */
.container {
max-width: 1200px;
}
.container .header {
background-color: #f0f0f0;
}
.container .header:hover {
background-color: #e0e0e0;
}
</syntaxhighlight>
==== カスタム属性 ====
将来的なCSS仕様を先取りし、現在のブラウザでも利用可能にします。
; postcss-custom-properties
:<syntaxhighlight lang=js copy>
:root {
--primary-color: #3498db;
}
.button {
background-color: var(--primary-color);
}
</syntaxhighlight>
=== PostCSSのロードマップ ===
PostCSSコミュニティは、以下の方向性を重視しています:
# よりスマートな変換と最適化
# Web標準との緊密な連携
# パフォーマンスの継続的な改善
# より直感的なプラグイン開発
現在のロードマップでは、静的解析の精度向上、より高速な変換処理、そしてTypeScriptサポートの強化が計画されています。
:<syntaxhighlight lang=js copy>
; 将来のPostCSSプラグイン構造の例
module.exports = {
plugins: {
'postcss-advanced-variables': {
importPaths: ['./src/design-tokens'],
disableParse: ['color-mod()'] // 実験的機能の制御
},
'postcss-preset-env': {
stage: 2, // 仕様のステージを指定
features: {
'nesting-rules': true
}
}
}
}
</syntaxhighlight>
<!--
附録
* 主要プラグイン一覧
* 設定リファレンス
* 便利なリソースとコミュニティ情報-->
----
== 設定ファイル ==
PostCSSの設定は以下の方法で行います。
=== postcss.config.js ===
PostCSSは通常、<code>postcss.config.js</code>ファイルを使用して設定します。
; postcss.config.js
:<syntaxhighlight lang=js copy>
module.exports = {
plugins: {
autoprefixer: {},
cssnano: {}
}
};
</syntaxhighlight>
=== package.jsonに設定 ===
直接<code>package.json</code>に記述することも可能です。
; package.json
:<syntaxhighlight lang=json copy>
"postcss": {
"plugins": {
"autoprefixer": {},
"cssnano": {}
}
}
</syntaxhighlight>
=== ctx(Context) ===
PostCSSでの <code>ctx</code> は、PostCSSの設定ファイル (<code>postcss.config.js</code>) 内でエクスポートされる関数に渡される'''コンテキストオブジェクト'''を指します。この <code>ctx</code> オブジェクトは、PostCSSの設定や、実行環境に関する情報を持ち、設定を動的に切り替えたりカスタマイズしたりするために使用されます。
==== <code>ctx</code> の内容 ====
<code>ctx</code> オブジェクトの中身は、使用する環境やビルドツールの設定に応じて変化しますが、以下のような一般的なプロパティを含むことがあります:
# '''<code>ctx.env</code>'''
#* 現在の実行環境を表す文字列(例: <code>"development"</code> や <code>"production"</code>)。
#* 環境に応じてプラグインの設定を切り替えることが可能です。
# '''<code>ctx.options</code>'''
#* PostCSS CLI やビルドツールから渡される追加オプション。
#* <code>--config</code> や <code>--use</code> フラグで指定した内容が反映されることがあります。
# '''<code>ctx.file</code>'''
#* 入力ファイルに関する情報(ファイル名やパスなど)。
# '''カスタムプロパティ'''
#* ユーザーがCLIやスクリプトから渡したカスタム設定(例: テーマ名、フラグなど)。
==== <code>ctx</code> を使った設定例 ====
===== 環境に応じてプラグインを切り替える =====
例えば、開発環境と本番環境で異なるプラグイン設定を使いたい場合、以下のように <code>ctx.env</code> を利用できます:
:<syntaxhighlight lang=js copy>
module.exports = (ctx) => {
return {
plugins: [
require('postcss-import'),
require('autoprefixer'),
ctx.env === 'production' && require('cssnano')({
preset: 'default',
})
].filter(Boolean) // null を除外
};
};
</syntaxhighlight>
* <code>ctx.env</code> が <code>"production"</code> の場合にのみ、<code>cssnano</code> が有効になります。
* 配列の <code>.filter(Boolean)</code> を使用して、無効なエントリを除外しています。
===== カスタムオプションを利用する =====
<code>ctx</code> にカスタムプロパティを追加し、それを動的に参照することも可能です:
:<syntaxhighlight lang=js copy>
module.exports = (ctx) => {
const isDarkTheme = ctx.theme === 'dark';
return {
plugins: [
require('postcss-simple-vars')({
variables: {
color: isDarkTheme ? '#000' : '#fff',
},
}),
],
};
};
</syntaxhighlight>
* この例では、<code>ctx.theme</code> に基づいてCSS変数 <code>color</code> を切り替えます。
* CLIで <code>--theme dark</code> のように渡すと、<code>ctx.theme</code> に <code>dark</code> がセットされます。
===== ファイルごとに異なる設定を適用する =====
<code>ctx.file</code> を使って、入力ファイルの情報に応じた設定を切り替えることも可能です:
:<syntaxhighlight lang=js copy>
module.exports = (ctx) => {
const isVendorFile = ctx.file && ctx.file.basename.includes('vendor');
return {
plugins: [
require('autoprefixer'),
isVendorFile && require('postcss-discard-comments')({
removeAll: true,
}),
].filter(Boolean),
};
};</syntaxhighlight>
* ファイル名に <code>vendor</code> が含まれる場合、<code>postcss-discard-comments</code> を適用します。
==== <code>ctx</code> を渡す方法 ====
CLIやツールを利用してPostCSSを実行すると、<code>ctx</code> は自動的に生成されて関数に渡されます。CLIを使ってカスタムプロパティを渡すには以下のようにします:
:<syntaxhighlight lang=shell-session copy>
npx postcss src/styles.css -o dist/styles.css --env production --theme dark
</syntaxhighlight>
* 上記の例では、<code>ctx.env</code> が <code>"production"</code>、<code>ctx.theme</code> が <code>"dark"</code> になります。
==== まとめ ====
<code>ctx</code> はPostCSSの設定を柔軟にするための便利なオブジェクトです。環境やファイル、ユーザーのカスタムオプションに応じて設定を切り替えることができるため、PostCSSの可能性を最大限に引き出すことができます。
== 実践例 ==
=== 複数のプラグインの統合 ===
以下の例では、Autoprefixerとcssnanoを組み合わせて使用しています。
; postcss.config.js
:<syntaxhighlight lang=js copy>
module.exports = {
plugins: [
require('autoprefixer')(),
require('cssnano')({
preset: 'default',
})
]
};
</syntaxhighlight>
=== Gulpとの連携 ===
[[Gulp]]と組み合わせてPostCSSを使用する例です。
:<syntaxhighlight lang=js copy>
const gulp = require('gulp');
const postcss = require('gulp-postcss');
const autoprefixer = require('autoprefixer');
const cssnano = require('cssnano');
gulp.task('css', function() {
return gulp.src('src/*.css')
.pipe(postcss([
autoprefixer(),
cssnano()
]))
.pipe(gulp.dest('dist'));
});
</syntaxhighlight>
=== Webpackとの連携 ===
[[Webpack]]の<code>postcss-loader</code>を使った例です。
:<syntaxhighlight lang=js copy>
module.exports = {
module: {
rules: [
{
test: /\.css$/,
use: ['style-loader', 'css-loader', 'postcss-loader']
}
]
}
};
</syntaxhighlight>
== PostCSSでSassを利用する ==
PostCSSと[[SASS|Sass]]を組み合わせることで、より柔軟で拡張性の高いスタイルシート開発が可能になります。この節では、PostCSSとSassの統合方法と、その利点について詳説します。
=== インストール手順 ===
必要なパッケージをnpmでインストール:
:<syntaxhighlight lang=bash copy>
npm install postcss postcss-cli sass postcss-scss autoprefixer
</syntaxhighlight>
=== 設定ファイルの作成 ===
; postcss.config.js
:<syntaxhighlight lang=js copy>
module.exports = {
syntax: require('postcss-scss'),
plugins: [
require('autoprefixer')
]
}
</syntaxhighlight>
=== 基本的なワークフロー ===
# Sassファイルの作成
#; src/styles.scss
#:<syntaxhighlight lang=scss copy>
$primary-color: #3498db;
.container {
background-color: $primary-color;
&:hover {
opacity: 0.8;
}
@media (max-width: 768px) {
width: 100%;
}
}
</syntaxhighlight>
# PostCSSでコンパイル
#:<syntaxhighlight lang=bash copy>
npx sass src/styles.scss:dist/styles.css && npx postcss dist/styles.css -o dist/styles.css
</syntaxhighlight>
#コンパイル結果
#; dist/styles.css
#:<syntaxhighlight lang=scss copy>
.container {
background-color: #3498db;
}
.container:hover {
opacity: 0.8;
}
@media (max-width: 768px) {
.container {
width: 100%;
}
}
/*# sourceMappingURL=styles.css.map */
</syntaxhighlight>
=== 高度な機能統合 ===
==== Modernizrとの連携 ====
:<syntaxhighlight lang=scss copy>
.flexbox {
display: flex;
// Flexboxをサポートしている場合のみ適用
}
.no-flexbox {
// フォールバックスタイル
display: block;
}
</syntaxhighlight>
=== メリット ===
* '''柔軟性''': PostCSSのプラグインシステムによる拡張性
* '''互換性''': 最新のCSS機能への対応
* '''パフォーマンス''': 高速なコンパイル
* '''モジュール性''': 必要な機能のみを追加可能
=== よくある課題と解決策 ===
; ブラウザ互換性
: Autoprefixerプラグインを使用して自動的にベンダープレフィックスを追加
; パフォーマンス
: 不要なCSSの削除に[[PurgeCSS]]などのツールを活用
=== 推奨プラグイン ===
* <code>[[postcss-preset-env]]</code>: 最新のCSS仕様を使用可能に
* <code>[[autoprefixer]]</code>: ベンダープレフィックスの自動付与
* <code>[[cssnano]]</code>: CSS圧縮
* <code>[[postcss-sass]]</code>: Sassとの統合
=== 注意点 ===
* 設定の複雑さに注意
* 過度なプラグイン追加は避ける
* パフォーマンスへの影響を常に意識する
* 本体とプラグインのバージョンアップによる非互換性に注意する
=== サンプル設定 ===
<code>package.json</code>のscriptセクション:
; package.json
:<syntaxhighlight lang=json copy>
{
"scripts": {
"css:build": "npx postcss src/*.scss -d dist",
"css:watch": "npx postcss src/*.scss -d dist --watch"
}
}
</syntaxhighlight>
=== 発展的な例 ===
:<syntaxhighlight lang=scss copy>
// 機能検出と連携
@supports (display: grid) {
.grid-container {
display: grid;
grid-template-columns: repeat(3, 1fr);
}
}
// Modernizrクラスとの組み合わせ
.no-flexbox {
// フレックスボックスをサポートしていない場合
display: block;
}
</syntaxhighlight>
== トラブルシューティング ==
=== プラグインの競合 ===
複数のプラグインが競合する場合は、順序を調整することで解決できることがあります。
=== CSSの不具合 ===
生成されたCSSが期待通りでない場合、PostCSSの設定やプラグインのバージョンを確認してください。
== リソース ==
* [https://postcss.org/ 公式ドキュメント]
** [https://postcss.org/docs/postcss-plugins プラグイン一覧]
* [https://github.com/postcss/postcss GitHubリポジトリ]
== 結論 ==
PostCSSは、モダンなCSS開発の中心的なツールとして、多様なニーズに対応します。このハンドブックを通じて、PostCSSの効果的な使い方を理解し、開発効率を向上させてください。
{{DEFAULTSORT:POSTCSS}}
[[Category:PostCSS|*]]
[[Category:Web開発]]
r90nb40a2be4bqetalfpyr93p3y0kfi
ヌーキ語/学習編/文法1
0
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265388
265009
2024-12-13T06:24:12Z
Rhanese
84703
265388
wikitext
text/x-wiki
== 語順 ==
ヌーキ語の基本的な文法はSVO型であり、英語の文法と同じです。<ref>"[https://www.iaaw.hu-berlin.de/de/afrika/linguistik-und-sprachen/veranstaltungen/afrikalinguistischeskolloquium/papers-sommersemester-2011/valency-classes-in-niing-pdf Valency of Nǁng"</ref>
例:
:Na âi ʘoe — 私は肉を食べます。
:A kx’âi ǃqhaa — あなたは水を飲みます。
== 叙述文 ==
:[[ヌーキ語/学習編/人称代名詞 1]] も参照
ヌーキ語の叙述文では、人称代名詞が'''A形'''<ref> Collins, C., & Namaseb, L. (2011). A Grammatical Sketch of N|uuki with Stories. Rüdiger Köppe Verlag.</ref>へ変化する。A形は終わる母音が「A」の人称代名詞の種類のことである。
* Na ka = 私は言う<ref> Sands, Bonny & Jones, Kerry & Esau, Katrina & Collins, Chris & Witzlack-Makarevich, Alena & Job, Sylvanus & Miller, Amanda & Steyn, Betta & Zaanen, Menno & Namaseb, Levi & Berg, Dietloff & Mantzel, Dotty & Damarah, Willem & Snyman, Claudia & Wyk, David & Brugman, Johanna & Exter, Mats & Vaalbooi, Antjie & Westhuizen, Mietjie. (2022). Nǀuuki Namagowab Afrikaans English ǂXoakiǂxanisi/Mîdi di ǂKhanis/Woordeboek/Dictionary.</ref> (発音: /ná ká/<ref> Exter, Mats. “[https://kups.ub.uni-koeln.de/4979/1/exter_dissertation.pdf Properties of the Anterior and Posterior Click Closures in N|uu].” (2008). 27ページ</ref>)
== 出典 ==
{{reflist}}
{{stub}}
prdb3x15rrc6acdwo0z8wleu26ccnzw
ヌーキ語/人称代名詞
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2024-12-13T06:16:18Z
Rhanese
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wikitext
text/x-wiki
:詳しくは「[[ヌーキ語/学習編/人称代名詞 1]]」や「[[ヌーキ語/学習編/文法1]]」を参照
{| class="wikitable mw-collapsible mw-collapsed" style="width:100%;
! colspan=5|<big>ヌーキ語の人称代名詞</big>
|-
! !! !! A形 !! 通常 !! クリック形
|-
! rowspan=3|一人称
! 単数形
| Na || Ng || Nǀng
|-
! 複数形(包括形)
| I || Ca* || Gǀi
|-
! 複数形(除外形)
| Si || Sa || /
|-
! rowspan=2|二人称
! 単数形
| A || A || Gǀa
|-
! 複数形
| u || ba || gǀu
|-
! rowspan=3|三人称単数形
! 人
| ku || kua || /
|-
! 人以外
| ki || kia || /
|-
! H形
| ha || ha || /
|-
! rowspan=3| 三人称複数形
! 物以外
| kin || kina || /
|-
! 物
| kike || kika || /
|-
! H形
| hn || hna || /
|-
! 不定
!
| ǂi || ǂa || /
|}
<nowiki>*</nowiki> Caは[[ヌーキ語/入門編/表記|ヌーキ語コミュニティ]]でも「Ca」と表記されます。
== 出典 ==
#Collins, C., & Namaseb, L. (2011). A Grammatical Sketch of N|uuki with Stories. Rüdiger Köppe Verlag.
#Kandybowicz, Jason, and Harold Torrence (eds), Africa's Endangered Languages: Documentary and Theoretical Approaches (New York, 2017; online edn, Oxford Academic, 24 Aug. 2017), https://doi.org/10.1093/oso/9780190256340.001.0001, accessed 6 Dec. 2024.
#Shah, S. & Brenzinger, M. (2016). [https://open.uct.ac.za/server/api/core/bitstreams/eff77f15-54d4-4053-a2b2-f65e91cb9256/content Ouma Geelmeid ke kx’u ǁxaǁxa Nǀuu]. Cape Town: CALDi, University of Cape Town.
#Witzlack-Makarevich, Alena. (2019). Linguistic Features and Typologies in Languages Commonly Referred to as ‘Khoisan’. 10.1017/9781108283991.012. 19ページ目
[[カテゴリ:ヌーキ語]]
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ガリア戦記 第6巻/注解/13節
0
43626
265354
265307
2024-12-12T12:52:46Z
Linguae
449
/* 整形テキスト */
265354
wikitext
text/x-wiki
<div style="font-family:Arial Black;font-style:normal;font-size:15pt;color:#990033;text-align:center;">C · IVLII · CAESARIS · COMMENTARIORVM · BELLI · GALLICI</div>
<div style="font-family:Arial Black;font-style:normal;font-size:30pt;color:#990033;text-align:center;">LIBER · SEXTVS</div>
<br>
{| id="toc" style="align:center;clear:all;" align="center" cellpadding="5"
|-
! style="background:#bbf; text-align:center;" | [[ガリア戦記/注解編|ガリア戦記 注解編]]
| style="background:#ccf; text-align:center;" | [[ガリア戦記 第6巻/注解|第6巻]]
| style="background:#eef; text-align:center;"|
[[ガリア戦記 第6巻/注解/12節|12節]] |
[[ガリア戦記 第6巻/注解/13節|13節]] |
[[ガリア戦記 第6巻/注解/14節|14節]]
|}
__notoc__
== 原文テキスト ==
<div style="font-family:Times New Roman;font-style:normal;font-size:15pt;color:#333;text-align:left;"><ref>原文テキストについては[[ガリア戦記/注解編#原文テキスト]]を参照。</ref> 13.
<!--❶--><sup>1</sup>In omni Gallia eorum hominum<!--,--> qui aliquo sunt numero atque honore<!--,--> genera sunt duo. <!--◆--> Nam plebes paene servorum habetur loco, quae nihil audet per se, <!--(α) -->nullo<!--(β) nulli--> adhibetur consilio. <!--◆--> <!--❷--><sup>2</sup>Plerique, cum aut aere alieno aut magnitudine tributorum aut iniuria potentiorum premuntur, sese in servitutem dicant nobilibus,<!--:--> <!--(Dinter) --><span style="background-color:#ffc;">''quibus''</span><!-- --> in hos eadem omnia sunt iura<!--,--> quae dominis in servos. <!--◆--> <!--❸--><sup>3</sup>Sed de his duobus generibus alterum est druidum, alterum equitum. <!--◆--> <!--❹--><sup>4</sup>Illi rebus divinis intersunt, sacrificia publica ac privata procurant, religiones interpretantur: <!--◆--> ad hos magnus adulescentium numerus disciplinae causa concurrit, magnoque hi sunt apud eos honore. <!--◆--> <!--❺--><sup>5</sup>Nam fere de omnibus controversiis publicis privatisque constituunt<!--,--> et, si quod est <!--(α) -->admissum facinus<!--(β) facinus admissum-->, si caedes facta, si de hereditate, de finibus controversia est, idem decernunt, praemia poenasque constituunt; <!--◆--> <!--❻--><sup>6</sup>si qui aut privatus aut populus eorum decreto non stetit, sacrificiis interdicunt. <!--◆--> Haec poena apud eos est gravissima. <!--◆--> <!--❼--><sup>7</sup>Quibus ita est interdictum, hi numero impiorum ac sceleratorum habentur, his omnes decedunt, aditum <!--(β) eorum--> sermonemque defugiunt, ne quid ex contagione incommodi accipiant, neque his petentibus ius redditur, neque honos ullus communicatur. <!--◆--> <!--❽--><sup>8</sup>His autem omnibus druidibus praeest unus, qui summam inter eos habet auctoritatem. <!--◆--> <!--❾--><sup>9</sup>Hoc mortuo, aut si qui ex reliquis excellit dignitate succedit, aut, si sunt plures pares, suffragio druidum<!--(β) adlegitur-->, non numquam etiam armis de principatu contendunt. <!--◆--> <!--❿--><sup>10</sup>Hi certo anni tempore in finibus Carnutum, quae regio totius Galliae media habetur, considunt in loco consecrato. <!--◆--> Huc omnes undique<!--,--> qui controversias habent<!--,--> conveniunt eorumque decretis iudiciisque parent. <!--◆--> <!--⓫--><sup>11</sup>Disciplina in Britannia reperta atque inde in Galliam <!--(α) -->translata esse<!--(β) translata--> existimatur, <!--◆--> <!--⑫--><sup><!--12--></sup>et nunc<!--,--> qui diligentius eam rem cognoscere volunt<!--,--> plerumque illo discendi causa proficiscuntur. </div>
<span style="background-color:#ffc;"></span>
----
;テキスト引用についての注記
*<span style="font-family:Times New Roman;font-style:normal;font-size:15pt;">''quibus''</span> は <span style="font-family:Times New Roman;font-style:normal;font-size:15pt;">[[ガリア戦記/注解編/写本と校訂版#Dinter|Dinter]]</span> による挿入提案。
<span style="font-family:Times New Roman;font-style:normal;font-size:15pt;"></span>
<span style="font-family:Times New Roman;font-style:oblique;font-size:15pt;"></span>
<span style="font-family:Times New Roman;font-style:bold;font-size:15pt;"></span>
== 整形テキスト ==
<div style="font-family:Times New Roman;font-style:normal;font-size:15pt;color:#333;text-align:left;"><ref>整形テキストについては[[ガリア戦記/注解編#凡例]]を参照。</ref> XIII.
<!--❶--><sup>①</sup>In omnī Galliā eōrum hominum<!--,--> quī aliquō sunt numerō atque honōre<!--,--> genera sunt duo.<!--;--> <!--◆--> Nam plēbēs paene servōrum habētur locō, quae nihil audet per sē, <!--(α) --><u>nūllō</u><!--(β) nūllī--> adhibētur cōnsiliō. <!--◆--> <!--❷--><sup>②</sup>Plērīque, cum aut aere aliēnō aut magnitūdine tribūtōrum aut iniūriā potentiōrum premuntur, sēsē in servitūtem dicant nōbilibus,<!--:--> <!--◆--> <!--(Dinter) -->quibus<!-- --> in hōs eadem omnia sunt iūra<!--,--> quae dominīs in servōs. <!--◆--> <!--¶--><!--❸--><sup>③</sup>Sed dē hīs duōbus generibus alterum est druidum, alterum equitum. <!--◆--> <!--❹--><sup>④</sup>Illī rēbus dīvīnīs intersunt, sacrificia pūblica ac prīvāta prōcūrant, religiōnēs interpretantur:<!--;--> <!--◆--> ad hos<!--eōs--> magnus adulēscentium numerus disciplīnae causā concurrit, magnōque hī sunt apud eōs honōre. <!--◆--> <!--❺--><sup>⑤</sup>Nam ferē dē omnibus contrōversiīs pūblicīs prīvātīsque cōnstituunt<!--,--> et, sī quod est <!--(α) -->admissum facinus<!--(β) facinus admissum-->, sī caedēs facta, sī dē hērēditāte, dē fīnibus contrōversia est, īdem dēcernunt, praemia poenāsque cōnstituunt; <!--◆--> <!--❻--><sup>⑥</sup>sī quī aut prīvātus aut populus eōrum dēcrētō nōn stetit, sacrificiīs interdīcunt. <!--◆--> Haec poena apud eōs est gravissima. <!--◆--> <!--❼--><sup>⑦</sup>Quibus ita est interdictum, hī numerō impiōrum ac scelerātōrum habentur, hīs omnēs dēcēdunt, aditum <!--(β) eōrum--> sermōnemque dēfugiunt, nē quid ex contāgiōne incommodī accipiant, neque hīs petentibus iūs redditur, neque honōs ūllus commūnicātur. <!--◆--> <!--¶--><!--❽--><sup>⑧</sup>Hīs autem omnibus druidibus praeest ūnus, quī summam inter eōs habet auctōritātem. <!--◆--> <!--❾--><sup>⑨</sup>Hōc mortuō, aut<!--,--> sī quī ex reliquīs excellit dīgnitāte<!--,--> succēdit, aut, sī sunt plūrēs parēs, suffrāgiō druidum<!-- (β) adlegitur-->, nōn numquam etiam armīs dē prīncipātū contendunt. <!--◆--> <!--¶--><!--❿--><sup>⑩</sup>Hī certō annī tempore in fīnibus Carnutum, quae regiō tōtīus Galliae media habētur, cōnsīdunt in locō cōnsecrātō. <!--◆--> Hūc omnēs undique<!--,--> quī contrōversiās habent<!--,--> conveniunt eōrumque dēcrētīs iūdiciīsque pārent. <!--◆--> <!--⓫--><sup>⑪</sup>Disciplīna in Britanniā reperta atque inde in Galliam <!--(α) -->trānslāta esse<!--(β) trānslāta--> exīstimātur, <!--◆--> <!--⑫--><sup>⑫</sup>et nunc<!--,--> quī dīligentius eam rem cognōscere volunt<!--,--> plērumque illō discendī causā proficīscuntur. </div>
<span style="color:#800;"></span>
----
;注記
<!--
*原文の <span style="font-family:Times New Roman;font-style:normal;font-size:15pt;">[[wikt:en:accommodatae|accommodātae]], [[wikt:en:allatis|allātīs]], [[wikt:en:Aduatuci|Aduatucī]], [[wikt:en:Aduatucis|Aduatucīs]], [[wikt:en:Aduatucos|Aduatucōs]], [[wikt:en:Aeduae|Aeduae]], [[wikt:en:Aedui#Latin|Aeduī]], [[wikt:en:Aeduis|Aeduīs]], [[wikt:en:Aeduorum|Aeduōrum]], [[wikt:en:Aeduos|Aeduōs]], [[wikt:en:Aeduus#Latin|Aeduus]], [[wikt:en:aequinocti|aequinoctī]], [[wikt:en:affectus#Participle|affectus]], [[wikt:en:aggregabat|aggregābat]], [[wikt:en:aggregaverant|aggregāverant]] ([[wikt:en:aggregarant|aggregārant]]), [[wikt:en:allato|allātō]], [[wikt:en:Alpis#Latin|Alpīs]], [[wikt:en:appelluntur|appelluntur]], [[wikt:en:apportari|apportārī]], [[wikt:en:appropinquabat|appropinquābat]], [[wikt:en:appropinquare#Latin|appropinquāre]], [[wikt:en:appropinquarent|appropinquārent]], [[wikt:en:appropinquaverunt|appropinquāvērunt]] ([[wikt:en:appropinquarunt|appropinquārunt]]), [[wikt:en:appropinquavit|appropinquāvit]], [[wikt:en:appulso#Latin|appulsō]], [[wikt:en:arripere|arripere]], [[wikt:en:ascendissent#Latin|ascendissent]], [[wikt:en:ascensu#Noun|ascēnsū]], [[wikt:en:assuefacti|assuēfactī]], [[wikt:en:auxili#Latin|auxilī]], [[wikt:en:cedentis|cēdentīs]], [[wikt:en:cohortis|cohortīs]], [[wikt:en:coicere|coicere]], [[wikt:en:coicerent|coicerent]], [[wikt:en:coici|coicī]], [[wikt:en:coiciant|coiciant]], [[wikt:en:coiciebant|coiciēbant]], [[wikt:en:coiciunt|coiciunt]], [[wikt:en:coiecerant|coiēcerant]], [[wikt:en:coiecerunt|coiēcērunt]], [[wikt:en:coiecisse|coiēcisse]], [[wikt:en:coiecta|coiecta]], [[wikt:en:coiecti|coiectī]], [[wikt:en:coiectis|coiectīs]], [[wikt:en:collatis|collātīs]], [[wikt:en:collaudat|collaudat]], [[wikt:en:collaudatis#Participle|collaudātīs]], [[wikt:en:collis#Latin|collīs]], [[wikt:en:collocabant|collocābant]], [[wikt:en:collocabat|collocābat]], [[wikt:en:collocandis|collocandīs]], [[wikt:en:collocant#Latin|collocant]], [[wikt:en:collocarat|collocārat]], [[wikt:en:collocare#Latin|collocāre]], [[wikt:en:collocaret|collocāret]], [[wikt:en:collocari|collocārī]], [[wikt:en:collocatas|collocātās]], [[wikt:en:collocati#Latin|collocātī]], [[wikt:en:collocatis#Participle|collocātīs]], [[wikt:en:collocavit|collocāvit]], [[wikt:en:collocuti|collocūtī]], [[wikt:en:colloquantur|colloquantur]], [[wikt:en:colloquendi|colloquendī]], [[wikt:en:colloqui#Latin|colloquī]], [[wikt:en:colloquium#Latin|colloquium]], [[wikt:en:compluribus|complūribus]], [[wikt:en:compluris|complūrīs]], [[wikt:en:conantis|cōnantīs]], [[wikt:en:consili|cōnsilī]], [[wikt:en:egredientis#Etymology_2|ēgredientīs]], [[wikt:en:ei#Latin|eī]], [[wikt:en:eis#Latin|eīs]], [[wikt:en:ferventis#Latin|ferventīs]], [[wikt:en:finis#Latin|fīnīs]], [[wikt:en:glandis#Latin|glandīs]], [[wikt:en:hostis#Latin|hostīs]], [[wikt:en:immittit|immittit]], [[wikt:en:immittunt|immittunt]], [[wikt:en:imperi#Latin|imperī]], [[wikt:en:incolumis#Latin|incolumīs]], [[wikt:en:irridere#Latin|irrīdēre]], [[wikt:en:irrumpit|irrumpit]], [[wikt:en:irruperunt|irrūpērunt]], [[wikt:en:laborantis#Etymology_2|labōrantīs]], [[wikt:en:montis|montīs]], [[wikt:en:navis#Latin|nāvīs]], [[wikt:en:negoti|negōtī]], nōn nūllae, nōn nūllōs, [[wikt:en:offici#Noun_2|officī]], [[wikt:en:omnis#Latin|omnīs]], [[wikt:en:partis#Latin|partīs]], [[wikt:en:periclum#Latin|perīclum]], plūrīs, [[wikt:en:praesidi|praesidī]], [[wikt:en:proeli|proelī]], proficīscentīs, [[wikt:en:resistentis|resistentīs]], [[wikt:en:singularis#Latin|singulārīs]], [[wikt:en:spati#Latin|spatī]], [[wikt:en:subeuntis|subeuntīs]], [[wikt:en:suffossis|suffossīs]], [[wikt:en:sumministrata|sumministrāta]], [[wikt:en:summissis|summissīs]], [[wikt:en:summittebat|summittēbat]], [[wikt:en:summittit|summittit]], [[wikt:en:summoveri|summovērī]], [[wikt:en:Trinobantes#Latin|Trinobantēs]], trīs, [[wikt:en:turris#Latin|turrīs]], [[wikt:en:utilis#Latin|ūtilīs]], [[wikt:en:vectigalis#Latin|vectīgālīs]] </span> などは、<br>それぞれ <span style="font-family:Times New Roman;font-style:normal;font-size:15pt;">[[wikt:en:adcommodatae|adcommodātae]], [[wikt:en:adlatis|adlātīs]], [[wikt:de:Atuatuci|Atuatucī]], Atuatucīs, Atuatucōs, Haeduae, Haeduī, Haeduīs, Haeduōrum, Haeduōs, Haeduus, [[wikt:en:aequinoctii|aequinoctiī]], [[wikt:en:adfectus#Adjective|adfectus]], [[wikt:en:adgregabat|adgregābat]], [[wikt:en:adgregaverant|adgregāverant]] ([[wikt:en:adgregarant|adgregārant]]), [[wikt:en:adlato|adlātō]], [[wikt:en:Alpes#Latin|Alpēs]], [[wikt:en:adpelluntur|adpelluntur]], [[wikt:en:adportari|adportārī]], [[wikt:en:adpropinquabat|adpropinquābat]], [[wikt:en:adpropinquare|adpropinquāre]], [[wikt:en:adpropinquarent|adpropinquārent]], [[wikt:en:adpropinquaverunt|adpropinquāvērunt]] ([[wikt:en:adpropinquarunt|adpropinquārunt]]), [[wikt:en:adpropinquavit|adpropinquāvit]], [[wikt:en:adpulso|adpulsō]], [[wikt:en:adripere|adripere]], [[wikt:en:adscendissent|adscendissent]], [[wikt:en:adscensu#Noun|adscēnsū]], [[wikt:en:adsuefacti|adsuēfactī]], [[wikt:en:auxilii|auxiliī]], [[wikt:en:cedentes#Latin|cēdentēs]], [[wikt:en:cohortes#Latin|cohortēs]], [[wikt:en:conicere|conicere]], [[wikt:en:conicerent|conicerent]], [[wikt:en:conici#Latin|conicī]], [[wikt:en:coniciant|coniciant]], [[wikt:en:coniciebant|coniciēbant]], [[wikt:en:coniciunt|coniciunt]], [[wikt:en:coniecerant|coniēcerant]], [[wikt:en:coniecerunt|coniēcērunt]], [[wikt:en:coniecisse|coniēcisse]], [[wikt:en:coniecta|coniecta]], [[wikt:en:coniecti|coniectī]], [[wikt:en:coniectis|coniectīs]], [[wikt:en:conlatis|conlātīs]], [[wikt:en:conlaudat|conlaudat]], [[wikt:en:conlaudatis#Participle|conlaudātīs]], [[wikt:en:colles#Latin|collēs]], [[wikt:en:conlocabant|conlocābant]], [[wikt:en:conlocabat|conlocābat]], [[wikt:en:conlocandis|conlocandīs]], [[wikt:en:conlocant|conlocant]], [[wikt:en:conlocarat|conlocārat]], [[wikt:en:conlocare|conlocāre]], [[wikt:en:conlocaret|conlocāret]], [[wikt:en:conlocari|conlocārī]], [[wikt:en:conlocatas|conlocātās]], [[wikt:en:conlocati|conlocātī]], [[wikt:en:conlocatis#Participle|conlocātīs]], [[wikt:en:conlocavit|conlocāvit]], [[wikt:en:conlocuti|conlocūtī]], [[wikt:en:conloquantur|conloquantur]], [[wikt:en:conloquendi|conloquendī]], [[wikt:en:conloqui#Latin|conloquī]], [[wikt:en:conloquium#Latin|conloquium]], [[wikt:en:conpluribus|conplūribus]], [[wikt:en:complures#Latin|complūrēs]], [[wikt:en:conantes|cōnantēs]], [[wikt:en:consilii|cōnsiliī]], [[wikt:en:egredientes|ēgredientēs]], [[wikt:en:ii#Latin|iī]], [[wikt:en:iis#Latin|iīs]], [[wikt:en:ferventes#Latin|ferventēs]], [[wikt:en:fines#Latin|fīnēs]], [[wikt:en:glandes#Latin|glandēs]], [[wikt:en:hostes#Latin|hostēs]], [[wikt:en:inmittit|inmittit]], [[wikt:en:inmittunt|inmittunt]], [[wikt:en:imperii#Latin|imperiī]], [[wikt:en:incolumes|incolumēs]], [[wikt:en:inridere|inrīdēre]], [[wikt:en:inrumpit|inrumpit]], [[wikt:en:inruperunt|inrūpērunt]], [[wikt:en:laborantes#Latin|labōrantēs]], [[wikt:en:montes#Latin|montēs]], [[wikt:en:naves#Latin|nāvēs]], [[wikt:en:negotii|negōtiī]], [[wikt:en:nonnullae|nōnnūllae]], [[wikt:en:nonnullos|nōnnūllōs]], [[wikt:en:officii#Latin|officiī]], [[wikt:en:omnes#Latin|omnēs]], [[wikt:en:partes#Latin|partēs]], [[wikt:en:periculum#Latin|perīculum]], [[wikt:en:plures|plūrēs]], [[wikt:en:praesidii|praesidiī]], [[wikt:en:proelii|proeliī]], [[wikt:en:proficiscentes|proficīscentēs]], [[wikt:en:resistentes#Latin|resistentēs]], [[wikt:en:singulares#Latin|singulārēs]], [[wikt:en:spatii#Latin|spatiī]], [[wikt:en:subeuntes|subeuntēs]], [[wikt:en:subfossis|subfossīs]], [[wikt:en:subministrata|subministrāta]], [[wikt:en:submissis|submissīs]], [[wikt:en:submittebat|submittēbat]], [[wikt:en:submittit|submittit]], [[wikt:en:submoveri|submovērī]], [[wikt:en:Trinovantes#Latin|Trinovantēs]], [[wikt:en:tres#Latin|trēs]], [[wikt:en:turres#Latin|turrēs]], [[wikt:en:utiles#Latin|ūtilēs]], [[wikt:en:vectigales|vectīgālēs]] </span> などとした。
-->
<span style="font-family:Times New Roman;font-style:normal;font-size:15pt;"></span>
<span style="font-family:Times New Roman;font-style:oblique;font-size:15pt;"></span>
<span style="color:#b00;"></span>
<span style="color:#800;"></span>
<span style="font-size:10pt;"></span>
<span style="background-color:#ff0;"></span>
== 注解 ==
=== 1項 ===
<span style="font-family:Times New Roman;font-size:20pt;"></span>
;語釈
<span style="font-family:Times New Roman;font-size:15pt;background-color:#fff;"></span>
<span style="font-family:Times New Roman;font-size:15pt;"></span>
<span style="font-family:Times New Roman;font-size:15pt;"></span>
<span style="background-color:#ccffcc;"></span>
<!--
;対訳
《 》 内は、訳者が説明のために補った語。<span style="font-family:Times New Roman;font-size:30pt;">{</span> <span style="font-family:Times New Roman;font-size:30pt;">}</span> 内は関係文。
<span style="font-family:Times New Roman;font-size:15pt;"></span>
-->
== 訳文 ==
*<span style="background-color:#dff;">訳文は、[[ガリア戦記_第6巻#13節]]</span>
== 脚注 ==
{{Reflist}}
== 解説 ==
<!--
{| class="wikitable" style="text-align:center"
|- style="height:23em;"
|
|
|}
-->
== 関連項目 ==
*[[ガリア戦記]]
**[[ガリア戦記/注解編]]
***[[ガリア戦記 第6巻/注解]]
**[[ガリア戦記/用例集]]
== 関連記事 ==
== 外部リンク ==
*[https://babel.hathitrust.org/cgi/pt?id=hvd.hn1tp9&seq=226 #226 - C. Iuli Caesaris De bello gallico libri VII : Caesar's Gallic ... - Full View | HathiTrust Digital Library]
[[Category:ガリア戦記 第6巻|13節]]
sei9pneem3aepuxjxhcjsjbu7igd7vt
初等数学公式集/初等関数の性質/参考
0
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2024-12-13T04:06:04Z
Tomzo
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wikitext
text/x-wiki
== 有名角の値2 ==
;<math>\frac{\pi}{10} ( = 18^\circ)</math>
:[[初等数学公式集/初等関数の性質#余角の公式(還元公式)|余角の公式]]より、等式:<math>\sin \frac{3\pi}{10} = \sin\left(\frac{\pi}{2} - \frac{\pi}{5}\right) = \cos \frac{\pi}{5}</math>が成立する。
:
:ここで、<math>\frac{\pi}{10} = \theta</math>とおくと、<math>\sin 3 \theta = \cos 2 \theta</math>となり、[[初等数学公式集/初等関数の性質#二倍角の公式|二倍角の公式]]及び[[初等数学公式集/初等関数の性質#三倍角の公式|三倍角の公式]]から、<math>3\sin\theta - 4\sin^3\theta = 1 - 2\sin^2\theta </math>。
:
:さらに、<math>\sin \theta = t</math>とおいて、方程式:<math>4t^3 - 2t^2 - 3t +1 = (t - 1)( 4t^2 + 2t - 1) = 0</math>を得る。
:
:これを解いて、<math>t = 1, \frac{-1 \pm \sqrt{5}}{4}</math>。<math>t = \sin \theta = \sin \frac{\pi}{10}</math>であるので、<math>0 < t < 1</math>、従って、<math>\sin \frac{\pi}{10} = \frac{-1 + \sqrt{5}}{4}</math>
:
:<math>\cos \frac{\pi}{10} = \sqrt{1 - \sin^2 \frac{\pi}{10}}</math> <math>\left(\because \cos \frac{\pi}{10} > 0 \right ) </math><math> = \frac{\sqrt{10 + 2\sqrt{5}}}{4}</math>
:
:<math>\tan \frac{\pi}{10} = \frac{\sin \frac{\pi}{10}}{\cos \frac{\pi}{10}} = \frac{1}{\sqrt{5 + 2\sqrt{5}}} = \frac{\sqrt{5(5 - 2\sqrt{5}})}{5}</math>
:
;<math>\frac{\pi}{5} ( = 36^\circ)</math>
:[[初等数学公式集/初等関数の性質#二倍角の公式|二倍角の公式]]より、<math>\sin \frac{\pi}{5} = 2\sin \frac{\pi}{10} \cos \frac{\pi}{10} = 2 \left( \frac{-1 + \sqrt{5}}{4}\right) \left( \frac{\sqrt{10 + 2\sqrt{5}}}{4}\right) = \frac{\left( {-1 + \sqrt{5}}\right) \left( \sqrt{10 + 2\sqrt{5}}\right)}{8} = \frac {\sqrt{(-1 + \sqrt{5})^2 ( 10 + 2\sqrt{5})}}{8}</math>
:
::<math> = \frac {\sqrt{(6 - 2\sqrt{5}) ( 10 + 2\sqrt{5})}}{8} = \frac {\sqrt{40 - 8\sqrt{5}}}{8} = \frac {\sqrt{10 - 2\sqrt{5}}}{4}</math>
:
:<math>\cos \frac{\pi}{5} = \sqrt{1 - \sin^2 \frac{\pi}{5}}</math> <math>\left(\because \cos \frac{\pi}{5} > 0 \right ) </math><math> = \sqrt{1 - \left(\frac {\sqrt{10 - 2\sqrt{5}}}{4}\right)^2} = \frac{ \sqrt{16 - (10 - 2\sqrt{5})}}{4} = \frac{ \sqrt{6 + 2\sqrt{5}}}{4} = \frac{ 1+ \sqrt{5}}{4}</math>
:
:<math>\tan \frac{\pi}{5} = \frac{\sin \frac{\pi}{5}}{\cos \frac{\pi}{5}} = \sqrt{5 - 2\sqrt{5}}</math>
:
;<math>\frac{3\pi}{10} ( = 54^\circ)</math>
:
:[[初等数学公式集/初等関数の性質#余角の公式(還元公式)|余角の公式]]より、等式:<math>\sin \frac{3\pi}{10} = \sin\left(\frac{\pi}{2} - \frac{\pi}{5}\right) = \cos \frac{\pi}{5},</math> <math>\cos \frac{3\pi}{10} = \sin \frac{\pi}{5}</math>が成立する。
:
:<math>\therefore \sin \frac{3\pi}{10} = \frac{ 1+ \sqrt{5}}{4}</math>, <math>\cos \frac{3\pi}{10} = \frac {\sqrt{10 - 2\sqrt{5}}}{4}</math>, <math>\tan \frac{3\pi}{10} = \frac{1}{\sqrt{5 - 2\sqrt{5}}}</math>
:
;<math>\frac{2\pi}{5} ( = 72^\circ) </math>
:
:[[初等数学公式集/初等関数の性質#余角の公式(還元公式)|余角の公式]]より、等式:<math>\sin \frac{2\pi}{5} = \sin\left(\frac{\pi}{2} - \frac{\pi}{10}\right) = \cos \frac{\pi}{10},</math> <math>\cos \frac{2\pi}{5} = \sin \frac{\pi}{10}</math>が成立する。
:
:<math>\therefore \sin \frac{2\pi}{5} = \frac{\sqrt{10 + 2\sqrt{5}}}{4}</math>, <math>\cos \frac{2\pi}{5} = \frac{-1 + \sqrt{5}}{4}</math>, <math>\tan \frac{2\pi}{5} = \sqrt{5 + 2\sqrt{5}}</math>
===黄金比との関係===
{{wikipedia|黄金比}}
:<math>1 : \frac{1 + \sqrt{5}}{2} \, .</math>で表される比率を'''黄金比'''(Golden ratio)という。
:
:幾何的には、<math>a:b</math> が黄金比ならば、<math>a:b = b:(a + b)</math>という等式が成り立っている。
:
:また、この値(黄金数)は、方程式:<math>x^2 = x + 1</math> の解<math>x = \frac{1 \pm \sqrt{5}}{2}</math> の正となるものでもある。なお、もう一方の負となる解<math>x = \frac{1 - \sqrt{5}}{2}</math> を共役黄金比(Golden ratio conjugate)と呼び、しばしば、各々を<math>\varphi, \overline{\varphi}</math>で表す。この時、以下の関係となる。
:
:<math>\varphi=\frac{1 + \sqrt{5}}{2}, \overline{\varphi}=\frac{1 - \sqrt{5}}{2}, </math> <math> \varphi + \overline{\varphi} = 1, \varphi \overline{\varphi} = -1, \varphi - \overline{\varphi} = \sqrt{5}</math>
:
::<math>\varphi^{-1} = - \overline{\varphi}=\frac{-1 + \sqrt{5}}{2},</math> <math>\overline{\varphi}^{-1} = - \varphi= \frac{-1 - \sqrt{5}}{2}</math>
:
:<math>\varphi, \overline{\varphi}</math>は、<math>x^2 = x + 1</math> の解であるので、
:
::<math>\varphi^2=\varphi+1</math><!--<math>=\frac{3 + \sqrt{5}}{2}, \varphi^3=\varphi^2+\varphi=2\varphi+1=2 + \sqrt{5}, \varphi^4=\varphi^3+\varphi^2=3\varphi+2=\frac{7 + 3\sqrt{5}}{2}</math>-->
:
::<math>\overline{\varphi}^2=\overline{\varphi}+1</math><!--<math>= \frac{3 - \sqrt{5}}{2}, \overline{\varphi}^3=2\overline{\varphi}+1=2 - \sqrt{5}, \overline{\varphi}^4=\frac{7 - 3\sqrt{5}}{2}</math>-->
:
:これを、上記の結果に当てはめてみる。
:
:<math>\sin \frac{\pi}{10} = \cos \frac{2\pi}{5} = \frac{-1 + \sqrt{5}}{4} = \frac{-\overline{\varphi}}{2} = \frac{\varphi-1}{2} = \frac{\varphi^{-1}}{2}</math>
:
:<math>\cos \frac{\pi}{10} = \sin \frac{2\pi}{5} = \sqrt{1 - \left(\frac{-\overline{\varphi}}{2} \right)^2} = \frac{\sqrt{4 - \overline{\varphi}^2}}{2} = \frac{\sqrt{2 + \varphi}}{2}</math>
:
:<math>\sin \frac{\pi}{5} =\cos \frac{3\pi}{10} = \frac {\sqrt{10 - 2\sqrt{5}}}{4} =\frac {\sqrt{5}}{2} \sqrt{\frac {\sqrt{5} - 1}{2}} =\frac {\sqrt{5}}{2} \sqrt{-\overline{\varphi}} =\frac {\sqrt{5}}{2} \sqrt{\varphi^{-1}}</math>
:
:<math>\cos \frac{\pi}{5} = \sin \frac{3\pi}{10} = \frac{ 1+ \sqrt{5}}{4} = \frac{\varphi}{2}</math>
:
:※なお、黄金比・黄金数は、[[初等数学公式集/数列#フィボナッチ数列|フィボナッチ数列]]にも登場する。
[[Category:初等数学公式集|かんすう さんこう]]
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ヌーキ語/語彙一覧
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ヌーキ語の語彙一覧です。(NCG=ヌーキ語コミュニティ表記、GG=ドイツ表記、AG=アメリカ表記)
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! 意味!! colspan=3|ヌーキ語 !! 発音 !! 出典
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! 日本語 !! NCG !! GG !! AG !! IPA !! 出典
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ヌーキ語の語彙一覧です。(NCG=ヌーキ語コミュニティ表記、GG=ドイツ表記、AG=アメリカ表記)
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.NET
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.NETは、マイクロソフトが開発したクロスプラットフォーム対応のソフトウェア開発プラットフォームであり、現代のソフトウェア開発において革新的な役割を果たしています。その歴史は2002年のマイクロソフト .NET Frameworkの初回リリースにさかのぼり、長年にわたって進化を続けてきました。 従来の .NET Frameworkは主にWindowsプラットフォームに限定されていましたが、.NET Core(現在の .NET)は根本的に異なるアプローチを採用しました。クロスプラットフォーム性を最優先し、Windows、macOS、Linuxディストリビューションなど、多様な環境で動作することを可能にしたのです。 サポートされる主要なプログラミング言語には、C#、F#、Visual Basicがあり、それぞれ異なる開発スタイルと哲学を持っています。
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text/x-wiki
'''.NET'''は、マイクロソフトが開発したクロスプラットフォーム対応のソフトウェア開発プラットフォームであり、現代のソフトウェア開発において革新的な役割を果たしています。その歴史は2002年のマイクロソフト [[.NET Framework]]の初回リリースにさかのぼり、長年にわたって進化を続けてきました。
従来の .NET Frameworkは主にWindowsプラットフォームに限定されていましたが、.NET Core(現在の .NET)は根本的に異なるアプローチを採用しました。クロスプラットフォーム性を最優先し、Windows、macOS、GNU/Linuxのディストリビューションなど、多様な環境で動作することを可能にしたのです。
サポートされる主要なプログラミング言語には、[[C Sharp|C#]]、[[F Sharp|F#]]、[[Visual Basic]]があり、それぞれ異なる開発スタイルと哲学を持っています。中でもC#は最も広く使用され、言語仕様の継続的な改良によって、開発者に柔軟で強力なプログラミング体験を提供しています。
== 開発環境のセットアップ ==
.NET開発環境の構築は、現代のソフトウェア開発において重要な最初のステップです。.NET SDKをインストールすることで、クロスプラットフォームでのアプリケーション開発が可能になります。開発者は、自身のニーズと好みに応じて、[[Visual Studio]]、[[Visual Studio Code]]、[[JetBrains Rider]]など、多様な統合開発環境(IDE)を選択できます。
Visual Studioは、エンタープライズレベルの包括的な開発ツールであり、豊富な機能と緊密な統合環境を提供します。一方、Visual Studio Codeは、軽量でカスタマイズ性の高いエディターとして、モダンな開発ワークフローに適しています。
クロスプラットフォーム開発を支援するツールチェーンも充実しており、コマンドラインインターフェース(CLI)ツールを使用することで、効率的なプロジェクト管理と開発が可能になります。
== C#の基本と最新機能 ==
C#は .NETエコシステムにおける中心的なプログラミング言語であり、オブジェクト指向プログラミングのパラダイムを強力にサポートしています。最新バージョンでは、パターンマッチング、初期化子、ローカル関数、非同期ストリームなど、開発者の生産性を高める革新的な機能が追加されてきました。
特に注目すべき機能として、[[LINQ]](Language Integrated Query)があります。LINQは、データソースに対して宣言的で型安全なクエリ操作を可能にし、コレクション、データベース、XMLドキュメントなど、多様なデータソースを均一な方法で操作できます。
非同期プログラミングのサポートも C# の大きな特徴です。async/await キーワードにより、複雑な非同期処理を直感的かつ簡潔に記述できるようになりました。
== .NETアーキテクチャ ==
.NETのアーキテクチャは、Common Language Runtime(CLR)を中心に設計されています。CLRは、メモリ管理、セキュリティ、例外処理などの重要な機能を提供し、プラットフォーム間の抽象化レイヤーとして機能します。
ガベージコレクションは、.NETの自動メモリ管理機能の中核をなすメカニズムです。開発者は明示的なメモリ解放から解放され、アプリケーションの信頼性と安定性を向上させることができます。
クラスライブラリは、.NETの豊富な機能セットを提供し、開発者は再利用可能で最適化されたコンポーネントを活用できます。
== クロスプラットフォーム開発 ==
クロスプラットフォーム開発は、現代のソフトウェア開発において最も重要な戦略の一つとなっています。.NETは、Windows、macOS、Linuxなど、異なるオペレーティングシステム間でシームレスな開発を可能にします。これにより、開発者は単一のコードベースで複数のプラットフォームに対応するアプリケーションを構築できるようになりました。
コンテナ技術、特にDockerは、.NETアプリケーションの展開をさらに柔軟にしています。コンテナ化により、アプリケーションの依存関係と実行環境を一貫して管理でき、異なるインフラストラクチャ間での移植性が大幅に向上します。クラウドネイティブな開発アプローチと相まって、.NETは現代のマイクロサービスアーキテクチャに最適なプラットフォームとして進化しています。
== Webアプリケーション開発 ==
[[ASP.NET Core]]は、モダンでスケーラブルなWebアプリケーションを構築するための最新のフレームワークです。従来のWeb開発モデルから大きく進化し、軽量で高性能なWeb APIとサーバーサイドアプリケーションの開発を可能にしています。
[[Blazor]]は、.NETによるWebフロントエンド開発における革新的なアプローチを提供します。[[WebAssembly]]を利用することで、C#コードをブラウザ上で直接実行でき、フルスタックのWeb開発を.NET開発者に開放しています。サーバーサイドレンダリングとクライアントサイドの両方のモードをサポートし、柔軟な開発が可能となっています。
Minimal APIsは、軽量で高性能なWeb APIエンドポイントを最小限のコードで実装できる革新的な機能です。従来の重厚なコントローラーベースのアプローチから脱却し、よりシンプルで読みやすいAPIコードを実現します。
== モバイルアプリケーション開発 ==
モバイルアプリケーション開発の領域において、[[.NET MAUI]]は次世代のクロスプラットフォームフレームワークとして注目を集めています。Xamarin.Formsの後継として、iOS、Android、macOS、Windowsなど、マルチプラットフォームに対して単一のコードベースでネイティブアプリケーションを開発できます。
.NET MAUIは、プラットフォーム固有の機能とのシームレスな統合、パフォーマンスの最適化、そして直感的な開発エクスペリエンスを提供します。グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)コンポーネントの再利用性を高め、開発生産性を大幅に向上させています。
== データアクセスとデータベース ==
[[Entity Framework Core]]は、.NETにおける[[オブジェクトリレーショナルマッピング]](ORM)の中心的な技術です。リレーショナルデータベースとのインタラクションを抽象化し、開発者がデータベース操作に関する低レベルの詳細から解放されます。コード優先(Code-First)やデータベース優先(Database-First)のアプローチをサポートし、柔軟なデータモデリングを可能にしています。
[[NoSQL]]データベースとの統合も .NET の強力な機能の一つです。[[MongoDB]]、[[Cassandra]]、[[Redis]] などの異なるデータストアと効率的に連携できるライブラリとツールが豊富に提供されています。マイクロサービスアーキテクチャにおいて、この柔軟性は特に重要な意味を持ちます。
== パフォーマンスとチューニング ==
.NETアプリケーションのパフォーマンス最適化は、高効率なソフトウェア開発において極めて重要な課題です。最新の .NET では、きめ細かなパフォーマンス分析とチューニングのためのツールと技術が豊富に提供されています。
プロファイリングツールは、アプリケーションの詳細なパフォーマンス特性を可視化します。Visual Studio に統合されたプロファイラーは、CPU使用率、メモリ割り当て、実行時間などの重要なメトリクスをリアルタイムで分析できます。これにより、開発者はボトルネックを特定し、効果的な最適化戦略を立案できます。
メモリ効率の改善は、.NET の継続的な進化において重要なテーマとなっています。最新のガベージコレクションアルゴリズムは、アプリケーションの応答性を維持しながら、メモリ消費を最適化します。特に、大規模で高負荷なアプリケーションにおいて、この最適化は決定的な意味を持ちます。
並列処理とマルチスレッドプログラミングは、モダンなマルチコアプロセッサ環境における性能向上の鍵となります。.NET は、タスク並列ライブラリ(TPL)や async/await パターンを通じて、複雑な並行処理を簡潔かつ安全に実装する手段を提供しています。
== セキュリティ ==
セキュリティは現代のソフトウェア開発における最重要課題の一つであり、.NET はこの領域において包括的なアプローチを提供しています。認証と認可のメカニズムは、ASP.NET Core のセキュリティアーキテクチャの中核を成しています。
[[Identity Framework]]は、ユーザー認証、ロール管理、外部ログインプロバイダとの統合など、包括的な認証ソリューションを提供します。[[OAuth 2.0]]、[[OpenID Connect]]などの最新の認証プロトコルをネイティブにサポートし、セキュアな認証フローを実装できます。
暗号化技術は、.NET のセキュリティ戦略において重要な役割を果たします。対称暗号化、非対称暗号化、ハッシュ関数など、様々な暗号化メカニズムがライブラリとして提供され、データの機密性と完全性を保護します。
セキュアコーディングプラクティスは、単なる技術的な対策を超えて、開発プロセス全体に組み込まれるべき重要な考え方です。入力バリデーション、安全なデータ処理、適切な例外処理など、セキュリティを意識したコーディングパターンが推奨されています。
== テストと継続的インテグレーション ==
効果的なソフトウェア品質管理は、現代のソフトウェア開発において不可欠です。.NET エコシステムは、包括的なテスティングフレームワークと継続的インテグレーション(CI)ツールを提供しています。
単体テストと統合テストは、[[xUnit]]、[[NUnit]]、[[MSTest]]などのフレームワークによって強力にサポートされています。これらのフレームワークは、依存性の注入、モック作成、高度なアサーション機能を提供し、堅牢で信頼性の高いテストコードの作成を可能にします。
継続的インテグレーションと継続的デプロイメント(CI/CD)は、[[Azure DevOps]]、[[GitHub Actions]]、[[GitLab CI]]などのツールによって実現されます。これらのプラットフォームは、コードのビルド、テスト、デプロイメントを自動化し、開発サイクルの効率を劇的に向上させます。
== デプロイメントと運用 ==
コンテナ戦略は、現代のクラウドネイティブアプリケーション展開において中心的な役割を果たしています。Dockerコンテナを使用することで、.NETアプリケーションの一貫性のある、再現可能な展開が可能になります。[[Kubernetes]]などのオーケストレーションプラットフォームと組み合わせることで、スケーラブルで柔軟な運用環境を構築できます。
クラウドデプロイメントは、[[Azure]]、[[AWS]]、[[Google Cloud Platform]]などの主要クラウドプロバイダによって高度にサポートされています。これらのプラットフォームは、.NETアプリケーション向けに最適化されたサービスと緊密な統合を提供し、効率的なクラウド移行を実現します。
サーバーレスコンピューティングは、[[Azure Functions]] や [[AWS Lambda]] などのサービスを通じて、.NET開発者に新たな可能性を開いています。従来のサーバー管理から解放され、イベント駆動型のスケーラブルなアプリケーションアーキテクチャを実現できます。
監視とログ管理は、運用段階における重要な機能です。[[Application Insights]]などの高度な監視ツールにより、リアルタイムのパフォーマンス分析、エラー追跡、ユーザー行動洞察が可能になります。
== 最新トレンドと将来の展望 ==
.NETエコシステムは、テクノロジーの進化と開発者のニーズに応じて継続的に進化しています。オープンソースコミュニティの貢献により、.NETは単なる商用プラットフォームを超えて、グローバルな開発者コミュニティによって形作られるプラットフォームへと変貌を遂げました。
最新のバージョンでは、クロスプラットフォーム性のさらなる強化、パフォーマンスの最適化、開発者生産性の向上に焦点が当てられています。ネイティブのAoT(Ahead-of-Time)コンパイル、より洗練された言語機能、次世代のランタイム最適化など、技術的な革新が続いています。
マイクロソフトのロードマップでは、クラウドネイティブコンピューティング、人工知能との統合、IoTデバイスサポートの拡張など、将来の方向性が示されています。開発者コミュニティとのオープンな対話を通じて、プラットフォームの進化が継続的に推進されています。
== 附録 ==
=== サンプルプロジェクト ===
附録では、.NET開発の実践的な理解を深めるためのサンプルプロジェクトを提供します。これらのプロジェクトは、Webアプリケーション、モバイルアプリ、マイクロサービス、データ分析アプリケーションなど、多様な領域をカバーしています。各サンプルは、実際の開発シナリオを反映し、ベストプラクティスを示すことを目的としています。
{{節スタブ}}
=== ベストプラクティス ===
効果的な .NET 開発のためのベストプラクティスをまとめています。コーディング規約、アーキテクチャパターン、セキュリティ約因、パフォーマンス最適化のためのガイドラインを詳細に解説します。経験豊富な開発者からの知見と、コミュニティで培われたノウハウを集約しています。
{{節スタブ}}
=== 参考文献とリソース ===
.NET 開発に関する最新の技術情報、学習リソース、コミュニティフォーラム、公式ドキュメンテーションへのリンクを提供します。継続的な学習と最新トレンドのキャッチアップに役立つ包括的な情報源として機能します。
{{節スタブ}}
== おわりに ==
.NETは単なるプログラミングプラットフォームを超えて、現代のソフトウェア開発におけるエコシステムとして進化し続けています。クロスプラットフォーム性、高いパフォーマンス、豊富なライブラリ、そして活発なコミュニティにより、.NETは多様な開発ニーズに応える柔軟で強力な選択肢となっています。
技術の進化は決して止むことはありません。.NET も、開発者のニーズと技術革新に応じて、常に進化し、改良され続けるでしょう。このハンドブックが、.NET の世界への入り口となり、読者の開発旅行の一助となることを願っています。
{{DEFAULTSORT:DOT.NET}}
[[Category:ソフトウェア]]
3i6m9evi0wm5fgyspr8p3zicfpmzw8l
.NET Framework
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2024-12-12T23:40:40Z
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.NET Frameworkは、マイクロソフトが2002年に最初にリリースした、Windows向けのソフトウェア開発プラットフォームです。当時のソフトウェア開発環境に革命をもたらし、Windows アプリケーション開発の新しいスタンダードを確立しました。 初期の .NET Framework は、Visual Basicと C++ による従来の Windows 開発モデルから大きく転換し、共通言語ランタイム(Common Language Runtime, CLR)という革新的な実行環境を導入しました。これにより、異なるプログラミング言語間での相互運用性が飛躍的に向上し、開発者は C#、Visual Basic .NET、F# などの言語を柔軟に選択できるようになりました。
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text/x-wiki
'''.NET Framework'''は、マイクロソフトが2002年に最初にリリースした、Windows向けのソフトウェア開発プラットフォームです。当時のソフトウェア開発環境に革命をもたらし、Windows アプリケーション開発の新しいスタンダードを確立しました。
初期の .NET Framework は、Visual Basicと C++ による従来の Windows 開発モデルから大きく転換し、共通言語ランタイム(Common Language Runtime, CLR)という革新的な実行環境を導入しました。これにより、異なるプログラミング言語間での相互運用性が飛躍的に向上し、開発者は [[C Sharp|C#]]、[[Visual Basic .NET]]、[[F Sharp|F#]] などの言語を柔軟に選択できるようになりました。
== アーキテクチャと主要コンポーネント ==
.NET Frameworkのアーキテクチャは、[[Common Language Runtime]](CLR)を中心に設計されています。CLRは、メモリ管理、セキュリティ、例外処理、そしてコード実行の最適化を担う、仮想実行システムです。従来の手動メモリ管理から解放され、ガベージコレクションによって自動的にメモリリソースを管理できるようになりました。
[[Framework Class Library]]は、.NET Frameworkの もう一つの重要な柱です。数千のクラスとメソッドを提供し、ファイル操作、データベースアクセス、ネットワーク通信、グラフィックス描画など、あらゆる種類のアプリケーション開発を支援します。
== Windows アプリケーション開発 ==
.NET Frameworkは、Windows デスクトップアプリケーション開発において長年にわたり中心的な役割を果たしてきました。[[Windows Forms]] と [[Windows Presentation Foundation]](WPF)は、グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)開発のための二つの主要な技術です。
Windows Formsは、従来型のコントロールベースのアプリケーション開発に適しており、簡単なデータ入力画面やビジネスアプリケーションに広く使用されてきました。一方、WPFは、洗練されたデザインと高度なグラフィックス機能を提供し、モダンでインタラクティブなユーザーインターフェースの構築を可能にします。
== Web開発 ==
[[ASP.NET]] は、.NET Framework における Web 開発フレームワークの中心的な存在です。Web Forms、MVC、Web API など、異なるアプローチでのWeb アプリケーション開発を可能にしてきました。特に ASP.NET MVC は、関心の分離(Separation of Concerns)とテスト容易性を重視した設計により、エンタープライズレベルの Web アプリケーション開発に大きく貢献しました。
== データアクセスと永続化 ==
[[ADO.NET]] は .NET Framework におけるデータアクセス技術の基盤です。リレーショナルデータベースとの通信、接続型および切断型のデータ操作モデル、接続プールなどの機能を提供します。[[Entity Framework]] の前身として、データベースプログラミングに革命をもたらしました。
== セキュリティと認証 ==
.NET Frameworkは、包括的なセキュリティモデルを提供します。コードアクセスセキュリティ、ロールベース認証、Windows 認証、フォーム認証など、多層的なセキュリティメカニズムを備えています。特にエンタープライズアプリケーションにおいて、堅牢なセキュリティ実装を可能にしてきました。
== パフォーマンスと最適化 ==
Just-In-Time(JIT)コンパイラ、ガベージコレクションの最適化、アセンブリキャッシングなど、.NET Framework は様々なレベルでのパフォーマンス最適化メカニズムを提供してきました。特に大規模なエンタープライズアプリケーションにおいて、効率的なリソース管理を実現しています。
== 今後の展望 ==
.NET Framework は、.NET Core(現在の .NET)の登場により、徐々にその役割を縮小しています。しかし、多くの既存の大規模エンタープライズシステムが依然として .NET Framework 上で動作しており、その重要性は継続しています。マイクロソフトは、既存のアプリケーションのサポートと段階的な移行戦略を提供しています。
== おわりに ==
.NET Frameworkは、20年以上にわたり Windows プラットフォームでのソフトウェア開発を牽引してきた革新的な技術プラットフォームです。その遺産は、現代の .NET に引き継がれ、ソフトウェア開発の進化に大きく貢献してきました。
{{DEFAULTSORT:DOT.NET FRAMEWORK}}
[[Category:ソフトウェア]]
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LINQ
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2024-12-12T23:55:33Z
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LINQ(Language Integrated Query)は、.NETプログラミングにおけるデータ操作を革新的に変えたクエリ言語拡張機能です。2007年に導入され、C#言語に統合されたLINQは、異なるデータソースに対して一貫したクエリ機能を提供することを目的としています。 従来、開発者は異なるデータソース(コレクション、データベース、XML)を操作する際に、それぞれ異なるアプローチと構文を使用する必要がありました。LINQは、これらの異種データソースに対して統一的で宣言的なクエリ言語を提供し、開発者の生産性を劇的に向上させました。
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'''LINQ'''(Language Integrated Query)は、.NETプログラミングにおけるデータ操作を革新的に変えたクエリ言語拡張機能です。2007年に導入され、[[C Sharp|C#言語]]に統合されたLINQは、異なるデータソースに対して一貫したクエリ機能を提供することを目的としています。
従来、開発者は異なるデータソース(コレクション、データベース、XML)を操作する際に、それぞれ異なるアプローチと構文を使用する必要がありました。LINQは、これらの異種データソースに対して統一的で宣言的なクエリ言語を提供し、開発者の生産性を劇的に向上させました。
== LINQの種類と実装 ==
LINQには主に4つの主要な実装があります:
; LINQ to Objects: メモリ内のコレクション(配列、リスト、ディクショナリなど)に対するクエリを可能にします。最も基本的で広く使用されるLINQ実装であり、コレクション操作を簡潔かつ読みやすいコードで実現します。
; LINQ to SQL: リレーショナルデータベースとのやり取りを抽象化し、データベーステーブルをオブジェクトとして扱うことを可能にします。データベースクエリをC#のコード内で直接記述できるため、SQL文を文字列として扱う従来の方法と比較して、型安全性と可読性が大幅に向上します。
; LINQ to XML: XMLドキュメントの操作を劇的に簡素化します。XPathやDOM、SAXなどの従来のXML処理方法と比較して、より直感的でパワフルなXML操作を可能にします。
; LINQ to Entities: Entity Frameworkと連携し、オブジェクトリレーショナルマッピング(ORM)におけるデータクエリを強力にサポートします。
== 基本的なクエリ演算子 ==
LINQは、データ操作のための豊富な演算子セットを提供します:
; Where: フィルタリング演算子で、条件に基づいてデータをフィルタリングします。
; Select: データの射影(変換)を行い、新しいコレクションを生成します。
; OrderBy/OrderByDescending: データを昇順または降順に並び替えます。
; GroupBy: データをグループ化し、集計操作を可能にします。
; First/FirstOrDefault: コレクションの最初の要素を取得します。
; Any/All: 条件に対する真偽を判定する述語メソッドです。
== 高度なクエリ技術 ==
拡張メソッドとラムダ式は、LINQの力を最大限に引き出す重要な技術です。ラムダ式により、クエリ内で複雑な条件や変換ロジックを簡潔に表現できます。遅延実行(Deferred Execution)は、クエリが実際に必要になるまで評価を遅らせることで、パフォーマンスを最適化する重要な概念です。
== パフォーマンスと最適化 ==
LINQは強力ですが、不適切な使用はパフォーマンスに悪影響を与える可能性があります。メモリ内コレクションに対しては非常に効率的ですが、大規模データセットや複雑なクエリでは注意が必要です。ToList()、ToArray()などのメソッドによる即時実行、インデックス付けされたコレクションの活用、クエリの早期終了(Take())などの最適化技術を理解することが重要です。
=== 自然数ジェネレーターを使用したLINQの例 ===
:<syntaxhighlight lang=csharp copy>
using System;
using System.Collections.Generic;
using System.Linq;
class Program
{
// 自然数ジェネレーター(無限シーケンスを生成するメソッド)
static IEnumerable<int> NaturalNumbersGenerator()
{
int number = 1;
for (;;)
{
yield return number;
number++;
}
}
static void Main()
{
// 自然数ジェネレーターから最初の100個の合計を計算
int sum = NaturalNumbersGenerator()
.Take(100) // 最初の100個に制限
.Sum(); // 合計を計算
Console.WriteLine($"最初の100個の自然数の合計: {sum}");
// 結果: 5050
}
}
</syntaxhighlight>
この実装では:
* <code>NaturalNumbersGenerator()</code> メソッドが無限の自然数シーケンスを生成
* <code>yield return</code> を使用して、遅延評価(lazy evaluation)を実現
* <code>Take(100)</code> で最初の100個の数値に制限
* <code>.Sum()</code> で合計を計算
自然数ジェネレーターを使用し、LINQの遅延評価と無限シーケンスの特性を活用したコード例となっています。
== 実践的なユースケース ==
データ変換、フィルタリング、集計、結合など、LINQは多様なシナリオで威力を発揮します。例えば、複雑なビジネスロジックの実装、レポート生成、データ分析など、LINQは開発者に強力な道具を提供します。
== 注意点と制限 ==
LINQは強力ですが、万能ではありません。パフォーマンスオーバーヘッド、複雑なクエリの可読性、デバッグの難しさなど、いくつかの制限事項を理解しておく必要があります。
== おわりに ==
LINQは、.NETエコシステムにおけるデータ操作の革命的な技術です。宣言的で読みやすいコード、多様なデータソースのサポート、強力な演算子セットにより、開発者の生産性を劇的に向上させます。継続的な学習と実践により、LINQの真の力を引き出すことができるでしょう。
[[Category:ソフトウェア]]
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Common Language Runtime
0
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2024-12-13T00:25:57Z
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ページの作成:「'''Common Language Runtime''' (CLR) は、[[.NET Framework]]および[[.NET|.NET Core (.NET 6以降を含む)]] における実行環境であり、アプリケーションのメモリ管理、セキュリティ、例外処理、スレッド管理を提供します。本ハンドブックでは、CLRの仕組み、機能、使用方法を解説します。 == CLRの特徴 == * '''クロスランゲージ統合''': 異なる言語で記述されたプログラムが…」
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'''Common Language Runtime''' (CLR) は、[[.NET Framework]]および[[.NET|.NET Core (.NET 6以降を含む)]] における実行環境であり、アプリケーションのメモリ管理、セキュリティ、例外処理、スレッド管理を提供します。本ハンドブックでは、CLRの仕組み、機能、使用方法を解説します。
== CLRの特徴 ==
* '''クロスランゲージ統合''': 異なる言語で記述されたプログラムが統合的に動作。
* ''' 共通中間言語 (CIL)''': ソースコードは一旦CILにコンパイルされ、実行時にネイティブコードに変換。
* '''自動メモリ管理''': ガベージコレクション (GC) を通じて効率的なメモリ管理を実現。
* '''例外処理の統一''': 統一された例外処理機構を提供。
* '''コードアクセスセキュリティ (CAS)''': アプリケーションのセキュリティ制御を実現。
== CLRの仕組み ==
=== 実行プロセス ===
# '''ソースコード''': [[C Sharp|C#]]や[[Visual Basic .NET|VB.NET]]などで記述。
# '''コンパイル''': CIL (Common Intermediate Language) に変換。
# '''アセンブリ''': CILコードとメタデータを含む。
# '''JITコンパイル''': 実行時にネイティブコードへ変換。
=== メモリ管理 ===
CLRでは、以下の手法を通じてメモリを管理します:
* '''スタックとヒープ''': ローカル変数はスタック、オブジェクトはヒープに格納。
* '''ガベージコレクション''': 不要になったオブジェクトを自動で回収。
=== ガベージコレクションの動作 ===
* '''ジェネレーション''': オブジェクトは3つの世代 (Gen 0, Gen 1, Gen 2) に分類される。
* '''マーキングとスイープ''': 到達可能なオブジェクトをマーキングし、不要なオブジェクトをスイープ。
== 主な機能 ==
=== クロスランゲージの互換性 ===
CLRは、複数の言語で記述されたコードの相互運用性をサポートします:
* [[C Sharp|C#]]
* [[Visual Basic .NET]]
* [[F Sharp|F#]]
* 他のCLI対応言語 (IronPython, IronRuby など)
=== 型システム ===
* 共通型システム (CTS) により、すべてのデータ型は統一された形式で表現される。
=== セキュリティ ===
CLRは以下のセキュリティ機能を提供します:
* '''コードアクセスセキュリティ (CAS)''': アセンブリの権限を制御。
* '''検証と型安全性''': アセンブリの信頼性をチェック。
== 使用例 ==
=== C#での基本的なプログラム ===
以下は、CLR上で動作する基本的なC#プログラムの例です:
:<syntaxhighlight lang=c# copy>
using System;
class Program
{
static void Main()
{
Console.WriteLine("Hello, CLR!");
}
}
</syntaxhighlight>
=== CILコードの例 ===
上記のC#コードをコンパイルすると、以下のようなCILコードが生成されます:
:<syntaxhighlight lang=asm copy>
CIL_0000: ldstr "Hello, CLR!"
CIL_0005: call void [mscorlib]System.Console::WriteLine(string)
CIL_000a: ret
</syntaxhighlight>
== CLRの利点 ==
* '''効率的なパフォーマンス''': JITコンパイラによる最適化。
* '''簡易なデバッグ''': 一貫したエラーメッセージと例外処理。
* '''広範なライブラリ''': .NET標準ライブラリとの連携。
== 注意点 ==
* ガベージコレクションによるパフォーマンスオーバーヘッドに注意。
* JITコンパイルの初回実行時に遅延が発生する場合あり。
== まとめ ==
CLRは、.NETプラットフォームの基盤として、効率的なアプリケーション開発を可能にします。その柔軟性と強力な機能を活かし、さまざまな用途で活用されています。
{{DEFAULTSORT:COMMON LANGUAGE RUNTIME}}
[[Category:ソフトウェア]]
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MyPy
0
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265363
2024-12-13T01:23:30Z
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MyPyは、Pythonコードに型安全性をもたらす静的解析ツールです。Pythonの型ヒント(Type Hints)を活用して、コード中の型の不一致を検出します。
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text/x-wiki
== MyPyとは ==
MyPyは、Pythonコードに型安全性をもたらす静的解析ツールです。[[Python]]の[[Python/型ヒント|型ヒント]](Type Hints)を活用して、コード中の型の不一致を検出します。
主な特徴:
* '''静的解析''': 実行前にコードの型エラーを発見できる。
* '''型ヒントとの統合''': Pythonの型ヒント機能を前提に動作する。
* '''柔軟性''': 動的型付けと静的型付けを組み合わせられる。
== インストールと基本設定 ==
=== MyPyのインストール ===
MyPyはPythonのパッケージ管理ツール<code>pip</code>を用いてインストールします。
:<syntaxhighlight lang=shell-session copy>pip install mypy</syntaxhighlight>
=== MyPyの初期設定 ===
MyPyの動作をカスタマイズするために、設定ファイルを用意します。以下は<code>mypy.ini</code>の例です:
;mypy.ini
:<syntaxhighlight lang=ini copy>
[mypy]
python_version = 3.9
strict = True
ignore_missing_imports = True
disallow_untyped_defs = True
</syntaxhighlight>
== MyPyの基本的な使い方 ==
=== 型チェックの実行方法 ===
MyPyで型チェックを行うには、<code>mypy</code>コマンドを使います。
:<syntaxhighlight lang=shell-session copy>mypy your_script.py</syntaxhighlight>
=== チェック結果の読み方 ===
エラーが発見された場合、以下のような形式で出力されます:
:<syntaxhighlight lang=text copy>
your_script.py:10: error: Argument 1 to "add" has incompatible type "str"; expected "int"
</syntaxhighlight>
ここでは、10行目の関数<code>add</code>の引数に型の不一致があることを示しています。
== 型ヒントとMyPy ==
=== 基本的な型ヒント ===
Pythonの型ヒントを用いることで、MyPyが型を検査します。
:<syntaxhighlight lang=python3 copy>
def add(x: int, y: int) -> int:
return x + y
</syntaxhighlight>
=== コンテナ型の型ヒント ===
<code>List</code>や<code>Dict</code>などのコンテナ型に型ヒントを指定できます。
:<syntaxhighlight lang=text copy>
from typing import List, Dict
def get_names() -> List[str]:
return ["Alice", "Bob"]
</syntaxhighlight>
=== ユニオン型とOptional型 ===
複数の型を許容する場合には<code>Union</code>を使います。値が<code>None</code>を許容する場合は<code>Optional</code>を用います。
:<syntaxhighlight lang=text copy>
from typing import Union, Optional
def get_value(x: Optional[int]) -> Union[int, str]:
if x is None:
return "No value"
return x
</syntaxhighlight>
== MyPyの応用的な使い方 ==
=== 動的型付けコードへの適用 ===
動的型付けのコードに対して型ヒントを追加する場合、<code>Any</code>型を使用できます。
:<syntaxhighlight lang=text copy>
from typing import Any
def process_data(data: Any) -> None:
print(data)
</syntaxhighlight>
=== 型ガード ===
型を条件に応じて絞り込むには、型ガードを使用します。
:<syntaxhighlight lang=text copy>
from typing import Union
def process(value: Union[int, str]) -> None:
if isinstance(value, int):
print(value + 1) # MyPyはここでvalueをint型と認識
else:
print(value.upper())
</syntaxhighlight>
== MyPy設定ファイルの詳細 ==
設定ファイルには多くのオプションがあります。以下は主なオプションの例です:
{| class="wikitable"
!設定項目
!説明
|-
|<code>ignore_missing_imports</code>
|モジュールのインポートエラーを無視する
|-
|<code>strict</code>
|複数の厳密な型チェックオプションを有効にする
|-
|<code>disallow_untyped_defs</code>
|型アノテーションのない関数を許可しない
|-
|<code>allow_untyped_calls</code>
|型アノテーションのない関数呼び出しを許可する
|}
<code>pyproject.toml</code>を使用する場合:
:<syntaxhighlight lang=toml copy>
[tool.mypy]
python_version = "3.10"
strict = true
ignore_missing_imports = true
</syntaxhighlight>
== 型チェックの制限と注意点 ==
* '''実行時型チェックの非対応''': MyPyは静的解析ツールであり、実行時に型チェックを行いません。
* '''動的コードへの制限''': Pythonのダイナミックな特徴(例: <code>eval</code>や<code>exec</code>)には対応できません。
== MyPyの静的解析ツールとしての利点 ==
* バグの早期発見
* ドキュメントとしての役割を持つ型ヒント
* チーム開発における型の明確化
== ベストプラクティス ==
* 型ヒントを段階的に導入し、少しずつ型安全性を向上させる。
* <code>strict</code>モードを活用して厳密な型チェックを行う。
* 動的型の部分は<code>Any</code>型や型ガードで適切に対応。
== トラブルシューティング ==
{| class="wikitable"
!エラー例
!解決策
|-
|<code>error: Cannot find module named 'xxx'</code>
|<code>ignore_missing_imports</code>を設定する
|-
|<code>error: Missing type annotations</code>
|関数や変数に型アノテーションを追加する
|}
このハンドブックをもとに、MyPyを活用して型安全なPythonコードを実現しましょう!
{{DEFAULTSORT:MYPY}}
[[Category:Python]]
9zmcp0uzv0xn1zr6lftid2ftfdn4i4i
Python/black
0
43669
265364
2024-12-13T01:30:37Z
Ef3
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blackは、Pythonコードの自動整形ツールです。コードのフォーマットを一貫性のあるスタイルに自動的に整えるために使われます。主にPEP 8(Pythonの公式スタイルガイド)に基づいていますが、blackはさらに独自のスタイルを持っており、コードの美しさや一貫性を保つために厳格なルールを適用します。
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wikitext
text/x-wiki
<code>black</code>は、Pythonコードの自動整形ツールです。コードのフォーマットを一貫性のあるスタイルに自動的に整えるために使われます。主にPEP 8(Pythonの公式スタイルガイド)に基づいていますが、<code>black</code>はさらに独自のスタイルを持っており、コードの美しさや一貫性を保つために厳格なルールを適用します。
== <code>black</code>の特徴 ==
# '''自動整形''': <code>black</code>は、コードのインデントやスペース、改行、並び順などを自動的に整形します。これにより、開発者が手動でスタイルを気にすることなく、チーム全体で一貫したコードスタイルを保つことができます。
# '''無駄な設定なし''': <code>black</code>は、設定オプションを最小限にしており、特に設定しなくてもある程度のスタイルが自動的に適用されます。例えば、行の長さや改行の処理などに関して、一貫性を持たせることができます。
# '''一貫性のあるコードスタイル''': <code>black</code>は、他のツールや手作業でコードを整形する際に起こりがちなスタイルのばらつきを防ぎます。これにより、コードレビューの際にスタイルに関する議論を減らし、ロジックや機能に集中できます。
# '''コマンドラインツール''': <code>black</code>はコマンドラインから簡単に実行でき、ディレクトリ内のすべてのPythonファイルを整形することができます。また、IDE(統合開発環境)やエディタと連携させて、コードを保存するたびに自動で整形することも可能です。
# '''行の長さの制限''': <code>black</code>はデフォルトで行の長さを88文字に制限していますが、この長さもオプションで変更可能です。
== <code>black</code>の使用方法 ==
インストール:
:<syntaxhighlight lang=shell-session copy>pip install black</syntaxhighlight>
コード整形:
:<syntaxhighlight lang=shell-session copy>black <ファイル名またはディレクトリ></syntaxhighlight>
例えば、プロジェクト内のすべてのPythonファイルを整形したい場合は、次のように実行します:
:<syntaxhighlight lang=python3 copy>black .</syntaxhighlight>
== 例: <code>black</code>適用前と適用後 ==
=== 変更前(整形されていないコード) ===
:<syntaxhighlight lang=python3 copy>
def greet(name:str)->str:
if name == 'Alice':return 'Hello Alice!'
return 'Hello ' + name
</syntaxhighlight>
=== 変更後(<code>black</code>によって自動整形されたコード) ===
:<syntaxhighlight lang=python3 copy>
def greet(name: str) -> str:
if name == "Alice":
return "Hello Alice!"
return "Hello " + name
</syntaxhighlight>
== まとめ ==
<code>black</code>は、コードのフォーマットを一貫して適用するための強力なツールであり、特に大規模なチームでの開発において役立ちます。コードスタイルに関する議論を最小限に抑え、コードの可読性と保守性を高めることができます。
{{DEFAULTSORT:BLACK}}
[[Category:Python]]
1h7nxzlrwyodvhmholinu2i4i1vy01f
Python/isort
0
43670
265365
2024-12-13T01:36:37Z
Ef3
694
isortは、Pythonコード内のインポート文を自動的に整理するためのツールです。インポート文が一貫したスタイルで並べ替えられ、読みやすく保守しやすいコードになります。特に、大規模なプロジェクトやチーム開発において、インポートの順序や形式を統一することで、コードの可読性を向上させることができます。
265365
wikitext
text/x-wiki
<code>isort</code>は、Pythonコード内のインポート文を自動的に整理するためのツールです。インポート文が一貫したスタイルで並べ替えられ、読みやすく保守しやすいコードになります。特に、大規模なプロジェクトやチーム開発において、インポートの順序や形式を統一することで、コードの可読性を向上させることができます。
== <code>isort</code>の特徴 ==
# '''インポートの自動並べ替え''': <code>isort</code>は、インポート文をアルファベット順に並べ替えます。また、標準ライブラリ、サードパーティライブラリ、プロジェクト内のモジュールをグループごとに分けて整理できます。
# '''PEP 8準拠''': <code>isort</code>は、PythonのPEP 8スタイルガイドに従ってインポートを整理します。PEP 8では、インポート文を3つのグループに分けることを推奨しています:
#* 標準ライブラリ
#* サードパーティライブラリ
#* プロジェクト内のモジュール
# '''カスタマイズ可能''': <code>isort</code>にはさまざまな設定オプションがあり、インポートの並べ替え順序やグループの区切り方、インポートの形式(インラインインポート、別々の行など)をカスタマイズできます。これにより、プロジェクトのスタイルに合わせて設定を調整できます。
# '''コマンドラインツールとエディタ統合''': <code>isort</code>はコマンドラインから簡単に実行でき、IDEやエディタ(例えば、VSCodeやPyCharm)と統合することもできます。これにより、コードを保存するたびにインポートが自動で整理されるようにすることも可能です。
# '''他のツールとの統合''': <code>isort</code>は<code>black</code>や<code>flake8</code>といった他のコード整形ツールと組み合わせて使うことができます。例えば、<code>black</code>でコード全体を整形し、<code>isort</code>でインポート文を整理するという使い方が一般的です。
== <code>isort</code>の使用方法 ==
=== インストール: ===
:<syntaxhighlight lang=shell-session copy>pip install isort</syntaxhighlight>
=== コード整理: ===
:<syntaxhighlight lang=shell-session copy>isort <ファイル名またはディレクトリ></syntaxhighlight>
例えば、プロジェクト内のすべてのPythonファイルのインポートを整理する場合:
:<syntaxhighlight lang=shell-session copy>isort .</syntaxhighlight>
== 例: <code>isort</code>適用前と適用後 ==
=== 変更前(整理されていないインポート文) ===
:<syntaxhighlight lang=python3 copy>
import os
import requests
import sys
from mymodule import myfunction
import math
</syntaxhighlight>
=== 変更後(<code>isort</code>で整理されたインポート文) ===
:<syntaxhighlight lang=python3 copy>
import os
import sys
import math
import requests
from mymodule import myfunction
</syntaxhighlight>
== まとめ ==
<code>isort</code>は、Pythonのインポート文を自動的に整理し、コードの一貫性と可読性を向上させるためのツールです。特に、プロジェクトが大きくなるにつれて、インポート文が複雑になりがちですが、<code>isort</code>を使うことで、その整理が簡単になります。また、<code>black</code>や<code>flake8</code>と連携させることで、コード全体の品質を保ちながら、インポートの整理も自動化できます。
{{DEFAULTSORT:ISORT}}
[[Category:Python]]
pkgh4znqs34cukdpjfu2tf1iojatqrm
Python/ツール
0
43671
265366
2024-12-13T01:49:52Z
Ef3
694
単機能ながら非常に有益で実用的なツールは、開発プロセスを効率化し、コードの品質を高めるために役立ちます。以下は、Python開発において特に便利で実用的なツールです:
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wikitext
text/x-wiki
単機能ながら非常に有益で実用的なツールは、開発プロセスを効率化し、コードの品質を高めるために役立ちます。以下は、Python開発において特に便利で実用的なツールです:
== black ==
{{Main|Python/black}}
;機能: Pythonコードを自動的に整形し、PEP 8に準拠したスタイルにします。コードの書き方が統一され、可読性が向上します。
;特徴: blackは一貫したコードスタイルを強制するツールで、コードフォーマットを手動で調整する必要を減らします。
;インストール:
:<syntaxhighlight lang=shell-session copy>pip install black</syntaxhighlight>
== isort ==
{{Main|Python/isort}}
;機能: インポート文を自動的に並べ替え、PEP 8に準拠した順序で整形します。複数のインポート文を整理して、可読性を向上させます。
;特徴: インポート文を一貫して整理できるため、チーム全体でコードの整合性を保つことができます。
;インストール:
:<syntaxhighlight lang=shell-session copy>pip install isort</syntaxhighlight>
== flake8 ==
{{Main|Python/flake8}}
;機能: Pythonコードの静的解析ツールで、PEP 8のスタイルガイドに従ってコードの品質をチェックします。インデントや行の長さ、空白の使い方、未使用のインポートなど、コード内の問題を指摘します。
;使い方: flake8を使うことで、コードの品質を保ちながら開発を進めることができます。
;インストール:
:<syntaxhighlight lang=shell-session copy>pip install flake8</syntaxhighlight>
== pylint ==
{{Main|Python/pylint}}
;機能: Pythonコードの静的解析ツールで、コードの品質を評価し、エラーや警告を出力します。flake8よりも厳格なチェックを行い、コードの改善点や潜在的なバグを指摘します。
;使い方: コードレビューの一環として使用することが多いです。
;インストール:
:<syntaxhighlight lang=shell-session copy>pip install pylint</syntaxhighlight>
== mypy ==
{{Main|MyPy}}
;機能: Pythonの型チェックツールです。型ヒント(Type Hints)を使って、静的に型の整合性を確認できます。動的型付けのPythonにおいて、型エラーを早期に発見するのに役立ちます。
;使い方: 型を明示的に指定しているコードに対して、型チェックを行うことで、バグの予防ができます。
;インストール:
:<syntaxhighlight lang=shell-session copy>pip install mypy</syntaxhighlight>
== autopep8 ==
{{Main|Python/autopep8}}
;機能: PythonコードをPEP 8スタイルガイドに基づいて自動的にフォーマットするツールです。blackのようにスタイルを強制するツールですが、設定が少なく柔軟です。
;使い方: autopep8を使用することで、PEP 8に基づいたコードスタイルに即座に変更できます。
;インストール:
:<syntaxhighlight lang=shell-session copy>pip install autopep8</syntaxhighlight>
== tox ==
{{Main|Python/tox}}
;機能: Pythonプロジェクトのテスト環境を管理するためのツールです。異なるPythonバージョンで自動的にテストを実行し、複数のテスト環境を設定するのが簡単です。
;使い方: toxを使うことで、異なるバージョンや設定でのテストを一元管理でき、CI/CDパイプラインにも組み込めます。
;インストール:
:<syntaxhighlight lang=shell-session copy>pip install tox</syntaxhighlight>
== pre-commit ==
{{Main|Python/pre-commit}}
;機能: コードのコミット前に特定のツール(blackやisortなど)を自動で実行するためのツールです。これにより、コードの整形やチェックがコミット時に自動で行われ、チーム全体のコードスタイルの一貫性が保たれます。
;使い方: コードがリポジトリにコミットされる前に、自動でコードをチェックや整形します。
;インストール:
:<syntaxhighlight lang=shell-session copy>pip install pre-commit</syntaxhighlight>
== coverage.py ==
{{Main|Python/coverage.py}}
;機能: Pythonのコードカバレッジツールで、テストがどの程度コードをカバーしているかを示します。カバレッジのレポートを生成し、テストが不十分な部分を明示化します。
;使い方: テストのカバレッジを可視化し、テストをより効果的に行うことができます。
;インストール:
:<syntaxhighlight lang=shell-session copy>pip install coverage</syntaxhighlight>
== httpie ==
{{Main|Python/httpie}}
;機能: コマンドラインからHTTPリクエストを簡単に送信できるツールです。curlのようなツールよりも使いやすく、JSONなどのレスポンスを視覚的に整形して表示できます。
;使い方: APIのテストやデバッグ時に非常に便利です。
;インストール:
:<syntaxhighlight lang=shell-session copy>pip install httpie</syntaxhighlight>
== pdbpp ==
{{Main|Python/pdbpp}}
;機能: Pythonのデバッガ(pdb)の拡張版で、より便利で強力なデバッグ機能を提供します。インタラクティブなデバッグセッションを提供し、コードの動作をステップ実行しながら確認できます。
;使い方: コードのバグを素早く特定するために使用します。
;インストール:
:<syntaxhighlight lang=shell-session copy>pip install pdbpp</syntaxhighlight>
== pyenv ==
{{Main|Python/pyenv}}
;機能: Pythonの複数バージョンを簡単に管理できるツールです。特定のプロジェクトに必要なPythonバージョンを切り替えたり、インストールしたりするのが容易です。
;使い方: 複数のPythonバージョンをインストールして、プロジェクトごとに適切なバージョンを選択します。
;インストール:
:<syntaxhighlight lang=shell-session copy>curl https://pyenv.run | bash</syntaxhighlight>
== まとめ ==
これらのツールはどれも単機能でありながら、Python開発において非常に役立つものです。開発の効率を上げ、コードの品質を保つためには、これらを積極的に取り入れると良いでしょう。
{{DEFAULTSORT:つる}}
[[Category:Python]]
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Node.js/ツール
0
43672
265367
2024-12-13T02:01:13Z
Ef3
694
Node.jsでの開発に有用なツール群を以下に紹介します。これらのツールは、コードの品質向上、開発効率の改善、デバッグの支援など、Node.js開発におけるさまざまな側面をサポートします。
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wikitext
text/x-wiki
Node.jsでの開発に有用なツール群を以下に紹介します。これらのツールは、コードの品質向上、開発効率の改善、デバッグの支援など、Node.js開発におけるさまざまな側面をサポートします。
== Prettier ==
* '''機能''': コードフォーマッターで、コードの整形を自動で行います。指定したコードスタイルに基づき、インデントや空白の使い方、行の長さなどを統一します。
* '''特徴''': コードスタイルを一貫させ、チーム内でコードの見た目を統一するのに役立ちます。
* '''インストール''': <syntaxhighlight lang=shell-session copy>npm install --save-dev prettier</syntaxhighlight>
== ESLint ==
* '''機能''': JavaScript/TypeScriptのコードに対する静的解析ツールで、コードの品質をチェックします。コードのエラーや潜在的な問題を指摘し、PEP 8やAirbnbのコーディング規約などに基づいたガイドラインを提供します。
* '''特徴''': ルールのカスタマイズが可能で、コードスタイルやエラーチェックの一貫性を保つことができます。
* '''インストール''': <syntaxhighlight lang=shell-session copy>npm install --save-dev eslint</syntaxhighlight>
== Husky ==
* '''機能''': Gitフックスクリプトを簡単に管理するためのツールで、コードのコミット前やプッシュ前に自動でツール(例えば、<code>eslint</code>や<code>prettier</code>)を実行することができます。
* '''特徴''': コミット前に自動でコードスタイルをチェックしたり、エラーを検出したりするため、チーム全体で品質を保つことができます。
* '''インストール''': <syntaxhighlight lang=shell-session copy>npm install --save-dev husky</syntaxhighlight>
== nodemon ==
* '''機能''': ソースコードが変更された際に自動的にNode.jsアプリケーションを再起動してくれるツールです。開発中のコード変更をすぐに反映させることができます。
* '''特徴''': サーバーの再起動を手動で行う手間が省け、開発サイクルを効率化できます。
* '''インストール''': <syntaxhighlight lang=shell-session copy>npm install --save-dev nodemon</syntaxhighlight>
== Webpack ==
* '''機能''': モジュールバンドラーで、複数のJavaScriptファイルやCSSファイルをひとまとめにして、ブラウザに読み込ませるための最適化されたバンドルを作成します。
* '''特徴''': プラグインやローダーを使って、プロジェクトのビルドや最適化を柔軟に行えます。特に大規模なプロジェクトでは、効率的にアセットを管理できます。
* '''インストール''': <syntaxhighlight lang=shell-session copy>npm install --save-dev webpack webpack-cli</syntaxhighlight>
== Jest ==
* '''機能''': JavaScriptのテスティングフレームワークで、ユニットテストやスナップショットテストを簡単に実行できます。Reactといったフロントエンドのフレームワークとも相性が良いです。
* '''特徴''': テストの自動化、モック機能、カバレッジレポートを提供し、テスト駆動開発(TDD)をサポートします。
* '''インストール''': <syntaxhighlight lang=shell-session copy>npm install --save-dev jest</syntaxhighlight>
== Mocha ==
* '''機能''': 非同期テストをサポートするJavaScriptテストフレームワークで、Node.jsアプリケーションのユニットテストやインテグレーションテストを行う際に使用されます。
* '''特徴''': 高い柔軟性と拡張性を持ち、他のツール(ChaiやSinonなど)と組み合わせて使用できます。
* '''インストール''': <syntaxhighlight lang=shell-session copy>npm install --save-dev mocha</syntaxhighlight>
== Chai ==
* '''機能''': Mochaと組み合わせて使用するアサーションライブラリで、テストの中で条件が満たされているかを検証します。<code>expect</code>、<code>should</code>、<code>assert</code>スタイルで記述でき、可読性が高くなります。
* '''特徴''': テストのアサーションを簡単に記述でき、モジュール間の相互運用性が高いです。
* '''インストール''': <syntaxhighlight lang=shell-session copy>npm install --save-dev chai</syntaxhighlight>
== TypeScript ==
* '''機能''': JavaScriptに型を付けて静的解析を行うことができるスーパーセットです。型安全性を確保し、IDEやコンパイラによるエラー検出が可能です。
* '''特徴''': JavaScriptに型情報を追加することで、大規模なアプリケーションでもバグを減らし、可読性と保守性を向上させます。
* '''インストール''': <syntaxhighlight lang=shell-session copy>npm install --save-dev typescript</syntaxhighlight>
== TSLint (deprecated, replaced by ESLint) ==
* '''機能''': TypeScript用の静的解析ツールで、TypeScriptコードのスタイルガイドやコード品質をチェックします。
* '''特徴''': TypeScript専用のルールセットを提供しますが、現在は<code>ESLint</code>に統合されており、今後は<code>ESLint</code>を使用することが推奨されます。
* '''インストール''': <syntaxhighlight lang=shell-session copy>npm install --save-dev tslint</syntaxhighlight>
== PM2 ==
* '''機能''': プロセスマネージャーで、Node.jsアプリケーションをデーモンとして管理し、プロセスの再起動、ログの管理、クラスタリングなどをサポートします。
* '''特徴''': 本番環境での高可用性を確保し、プロセスの監視を簡単に行うことができます。
* '''インストール''': <syntaxhighlight lang=shell-session copy>npm install pm2@latest -g</syntaxhighlight>
== npx ==
* '''機能''': Node.jsのパッケージを簡単に実行するためのツールで、グローバルにインストールせずに、ローカルにインストールされているパッケージを実行できます。
* '''特徴''': 複数のバージョンのパッケージを切り替えて使う必要がないため、手軽にツールを実行できます。
* '''インストール''': <syntaxhighlight lang=shell-session copy>npm install -g npx</syntaxhighlight>
== Rollup ==
* '''機能''': JavaScriptのモジュールバンドラーで、特にESモジュール(ESM)の最適化とバンドルに優れています。軽量で高速なバンドリングを提供します。
* '''特徴''': パフォーマンスを重視したプロダクション向けのバンドルができ、ReactやVue.jsなどで使用されます。
* '''インストール''': <syntaxhighlight lang=shell-session copy>npm install --save-dev rollup</syntaxhighlight>
== Cypress ==
* '''機能''': フロントエンドのエンドツーエンドテストを自動化するツールで、ブラウザ内で直接テストを実行できます。
* '''特徴''': インタラクティブなテストランナーを提供し、視覚的なデバッグが可能です。
* '''インストール''': <syntaxhighlight lang=shell-session copy>npm install --save-dev cypress</syntaxhighlight>
== GitHub Actions ==
* '''機能''': CI/CDパイプラインを自動化するツールで、GitHubリポジトリと統合し、コードのビルド、テスト、デプロイを自動化できます。
* '''特徴''': リポジトリの変更をトリガーにして自動化プロセスを実行でき、開発とデリバリーの効率化が可能です。
* '''インストール''': GitHubの設定画面でCI/CDワークフローを作成します。
=== まとめ ===
これらのツールは、Node.js開発においてコードの品質向上、効率的な開発、テスト、デバッグ、デプロイの自動化などに役立ちます。特に、コードフォーマットや品質管理ツール(Prettier、ESLint、Husky)を活用することで、チーム内でのコードの一貫性を保ちながら、開発効率を大幅に向上させることができます。
{{DEFAULTSORT:つる}}
[[Category:Node.js]]
gz6oltsncf7qnj400yv8c0xhiifv7cg
PostCSS/plugins
0
43673
265368
2024-12-13T02:15:14Z
Ef3
694
PostCSSは、CSSを処理するためのツールで、プラグインを使用することでさまざまな機能を追加できます。以下は、PostCSSを使用した開発に役立つ有用なプラグイン群を紹介します。
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wikitext
text/x-wiki
PostCSSは、CSSを処理するためのツールで、プラグインを使用することでさまざまな機能を追加できます。以下は、PostCSSを使用した開発に役立つ有用なプラグイン群を紹介します。
== autoprefixer ==
{{Main|autoprefixer}}
* '''機能''': CSSのベンダープレフィックスを自動的に追加します。ブラウザのサポート状況を元に、必要なプレフィックスを付け加えることで、互換性を保つことができます。
* '''特徴''': 標準的なCSSだけでなく、SassやLessで記述したCSSにも対応しており、複数のブラウザに対応するための手間を省きます。
* '''インストール''': <syntaxhighlight lang=shell-session copy>npm install --save-dev autoprefixer</syntaxhighlight>
== postcss-preset-env ==
{{Main|PostCSS/postcss-preset-env}}
* '''機能''': 最新のCSS機能を、古いブラウザでも動作するようにトランスパイルします。<code>autoprefixer</code>と似た機能を持ちながら、より新しいCSSの機能に対応しています。
* '''特徴''': 使用しているCSSの機能を基に、必要なポリフィルやトランスパイルを行い、レガシーブラウザのサポートを追加します。例えば、<code>custom-properties</code>(CSS変数)や<code>nesting</code>(ネストされたルール)などの新しいCSS機能を使えるようになります。
* '''インストール''': <syntaxhighlight lang=shell-session copy>npm install --save-dev postcss-preset-env</syntaxhighlight>
== postcss-nested ==
{{Main|PostCSS/postcss-nested}}
* '''機能''': CSSにネストされたルール(SCSSやSassスタイル)を許可します。これにより、親要素のスタイルの中に子要素のスタイルをネストすることができ、コードがより直感的に書けます。
* '''特徴''': SCSSスタイルのようなネストが可能になり、可読性の高いスタイルシートを記述できます。
* '''インストール''': <syntaxhighlight lang=shell-session copy>npm install --save-dev postcss-nested</syntaxhighlight>
== postcss-import ==
{{Main|PostCSS/postcss-import}}
* '''機能''': 複数のCSSファイルを一つにまとめるためのインポート機能を提供します。<code>@import</code>ルールを使用して、他のCSSファイルをインポートできます。
* '''特徴''': より整理されたCSSを保つために、複数のCSSファイルを一つのファイルにまとめることができます。大規模なプロジェクトで特に便利です。
* '''インストール''': <syntaxhighlight lang=shell-session copy>npm install --save-dev postcss-import</syntaxhighlight>
== postcss-purgecss ==
{{Main|PostCSS/postcss-purgecss}}
* '''機能''': 使用されていないCSSコードを削除します。特に、プロダクションビルドで不要なCSSを削減するために有用です。
* '''特徴''': <code>purgecss</code>をPostCSSで使用することで、最終的なCSSファイルのサイズを小さくし、パフォーマンスの向上を図れます。
* '''インストール''': <syntaxhighlight lang=shell-session copy>npm install --save-dev @fullhuman/postcss-purgecss</syntaxhighlight>
== postcss-css-variables ==
{{Main|PostCSS/postcss-css-variables}}
* '''機能''': CSS変数をサポートし、古いブラウザでも動作するようにトランスパイルします。CSS変数を使用したモダンなスタイルを、レガシーブラウザでも使用できるように変換します。
* '''特徴''': CSS変数(カスタムプロパティ)を使ってスタイルを動的に変更することができ、ポリフィルを通じてレガシーブラウザにも対応します。
* '''インストール''': <syntaxhighlight lang=shell-session copy>npm install --save-dev postcss-css-variables</syntaxhighlight>
== postcss-flexbugs-fixes ==
{{Main|PostCSS/postcss-flexbugs-fixes}}
* '''機能''': Flexboxのバグを修正するためのPostCSSプラグインです。特に古いブラウザや一部のブラウザで発生するFlexboxの問題を解決します。
* '''特徴''': Flexboxを使用していても、古いブラウザで問題が起こらないように修正することができます。
* '''インストール''': <syntaxhighlight lang=shell-session copy>npm install --save-dev postcss-flexbugs-fixes</syntaxhighlight>
== postcss-cssnext (deprecated, replaced by postcss-preset-env) ==
* '''機能''': <code>postcss-preset-env</code>が登場する前は、最新のCSS機能をポリフィルするために使われていたプラグインです。現在は非推奨で、代わりに<code>[[#postcss-preset-env|postcss-preset-env]]</code>を使用することが推奨されています。<!--非推奨なのにこのリストにあるのは、検索してたどり着いた人への案内のためです-->
== postcss-sorting ==
{{Main|PostCSS/postcss-sorting}}
* '''機能''': CSSのプロパティを指定された順序に自動的に並べ替えます。これにより、スタイルシートが整然とし、チーム内での一貫性が保たれます。
* '''特徴''': プロパティを特定の順番で整理することで、可読性が向上し、メンテナンスが容易になります。
* '''インストール''': <syntaxhighlight lang=shell-session copy>npm install --save-dev postcss-sorting</syntaxhighlight>
== postcss-clean ==
{{Main|PostCSS/postcss-clean}}
* '''機能''': CSSファイルを圧縮して最適化します。不要な空白やコメントを削除して、CSSファイルのサイズを小さくするために使用します。
* '''特徴''': プロダクションビルドでCSSファイルを圧縮し、パフォーマンスの向上とファイルサイズの削減を図れます。
* '''インストール''': <syntaxhighlight lang=shell-session copy>npm install --save-dev postcss-clean</syntaxhighlight>
== postcss-color-mod-function ==
{{Main|PostCSS/postcss-color-mod-function}}
* '''機能''': CSSの<code>color-mod()</code>関数を使って、色の操作を行えるようにするプラグインです。CSSのカラー機能を拡張し、色の調整を簡単に行えます。
* '''特徴''': 色相、彩度、明度を調整する機能を提供し、モダンなカラー操作をサポートします。
* '''インストール''': <syntaxhighlight lang=shell-session copy>npm install --save-dev postcss-color-mod-function</syntaxhighlight>
== postcss-inline-svg ==
{{Main|PostCSS/postcss-inline-svg}}
* '''機能''': CSS内でSVGファイルをインラインとして埋め込むことができます。これにより、外部SVGファイルを読み込むことなく、スタイルシート内でSVGアイコンや図形を直接使用できます。
* '''特徴''': SVGファイルをCSS内で直接利用できるため、リクエスト回数を削減し、パフォーマンスの向上が期待できます。
* '''インストール''': <syntaxhighlight lang=shell-session copy>npm install --save-dev postcss-inline-svg</syntaxhighlight>
== postcss-responsive-type ==
{{Main|PostCSS/postcss-responsive-type}}
* '''機能''': レスポンシブデザイン用に、フォントサイズを画面の幅に合わせて調整します。モバイルファーストのデザインを簡単に作成できるようになります。
* '''特徴''': フォントサイズや間隔を、デバイスの画面サイズに合わせてレスポンシブに調整することができます。
* '''インストール''': <syntaxhighlight lang=shell-session copy>npm install --save-dev postcss-responsive-type</syntaxhighlight>
== まとめ ==
これらのPostCSSプラグインを使用することで、CSSの品質向上やパフォーマンスの最適化、コードの一貫性を保つことができます。プロジェクトのニーズに応じて、必要なプラグインを組み合わせることで、効率的なスタイルシート開発を行えます。特に<code>autoprefixer</code>や<code>postcss-preset-env</code>は多くの開発者にとって必須のツールです。
{{DEFAULTSORT:PLUGINS}}
[[Category:PostCSS]]
cd5mvns20o56g6xfbvf09v87ewqmg05
カテゴリ:PostCSS
14
43674
265370
2024-12-13T02:17:47Z
Ef3
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[[Category:CSS]] [[Category:Node.js]] [[Category:JavaScript]] [[Category:Web開発]]
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wikitext
text/x-wiki
phoiac9h4m842xq45sp7s6u21eteeq1
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2024-12-13T02:18:30Z
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[[Category:CSS]] [[Category:Node.js]] [[Category:JavaScript]] [[Category:Web開発]]
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wikitext
text/x-wiki
[[Category:CSS]]
[[Category:Node.js]]
[[Category:JavaScript]]
[[Category:Web開発]]
k35lsppx2is4kp5tvacrlzr3s7b1jbg
カテゴリ:Node.js
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[[Category:JavaScript]] [[Category:Web開発]]
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wikitext
text/x-wiki
[[Category:JavaScript]]
[[Category:Web開発]]
di5zgy5n7csbxv9g66g8pa7mnlgjzt4
カテゴリ:Web開発
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[[Category:HTML]] [[Category:CSS]] [[Category:JavaScript]]
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wikitext
text/x-wiki
[[Category:HTML]]
[[Category:CSS]]
[[Category:JavaScript]]
gjfl1uyfcd4xttgnee5kcg33cxewv8s
PostCSS/parser
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2024-12-13T02:42:57Z
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694
ページの作成:「PostCSSは、CSSを処理するためのツールで、パーサーを使用することでさまざまな構文のサポートを追加できます。 以下は、PostCSSを使用した開発に役立つ有用なパーサー群を紹介します。 これらのパーサーは、PostCSSがCSSを処理する方法を変更するために使用され、特定の構文(例えば、SassやLessの構文)を理解してCSSとして変換することができます。…」
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wikitext
text/x-wiki
PostCSSは、CSSを処理するためのツールで、パーサーを使用することでさまざまな構文のサポートを追加できます。
以下は、PostCSSを使用した開発に役立つ有用なパーサー群を紹介します。
これらのパーサーは、PostCSSがCSSを処理する方法を変更するために使用され、特定の構文(例えば、SassやLessの構文)を理解してCSSとして変換することができます。
== postcss-scss ==
{{Main|PostCSS/postcss-scss}}
* '''機能''': SCSS構文を処理するためのパーサーです。SCSSファイルをPostCSSで扱いたい場合に使用します。これにより、PostCSSプラグインをSCSSファイルに対して適用できるようになります。
* '''使用方法''':<syntaxhighlight lang=js copy>module.exports = {
parser: require('postcss-scss'),
plugins: [ /* 他のPostCSSプラグイン */ ]
};</syntaxhighlight>
* '''インストール''':<syntaxhighlight lang=shell-session copy>npm install --save-dev postcss-scss</syntaxhighlight>
== postcss-less ==
{{Main|PostCSS/postcss-less}}
* '''機能''': Less構文を処理するためのパーサーです。LessファイルをPostCSSで扱いたい場合に使用します。これを使うことで、PostCSSのプラグインをLessファイルにも適用できます。
* '''使用方法''':<syntaxhighlight lang=js copy>module.exports = {
parser: require('postcss-less'),
plugins: [ /* 他のPostCSSプラグイン */ ]
};</syntaxhighlight>
* '''インストール''':<syntaxhighlight lang=shell-session copy>npm install --save-dev postcss-less</syntaxhighlight>
== postcss-markdown ==
{{Main|PostCSS/postcss-markdown}}
* '''機能''': Markdownの構文を処理するためのパーサーです。MarkdownをCSSに変換したり、Markdown内に埋め込まれたCSSをPostCSSで処理することができます。
* '''使用方法''':<syntaxhighlight lang=js copy>module.exports = {
parser: require('postcss-markdown'),
plugins: [ /* 他のPostCSSプラグイン */ ]
};</syntaxhighlight>
* '''インストール''':<syntaxhighlight lang=shell-session copy>npm install --save-dev postcss-markdown</syntaxhighlight>
== postcss-pug ==
{{Main|PostCSS/postcss-pug}}
* '''機能''': Pugテンプレートを処理するためのパーサーです。Pug(旧Jade)構文をCSSに埋め込むために使用します。
* '''使用方法''':<syntaxhighlight lang=js copy>module.exports = {
parser: require('postcss-pug'),
plugins: [ /* 他のPostCSSプラグイン */ ]
};</syntaxhighlight>
* '''インストール''':<syntaxhighlight lang=shell-session copy>npm install --save-dev postcss-pug</syntaxhighlight>
== postcss-stylus ==
{{Main|PostCSS/postcss-stylus}}
* '''機能''': Stylus構文を処理するためのパーサーです。StylusファイルをPostCSSで処理したい場合に使用します。これにより、StylusコードをPostCSSプラグインで処理できるようになります。
* '''使用方法''':<syntaxhighlight lang=js copy>module.exports = {
parser: require('postcss-stylus'),
plugins: [ /* 他のPostCSSプラグイン */ ]
};</syntaxhighlight>
* '''インストール''':<syntaxhighlight lang=shell-session copy>npm install --save-dev postcss-stylus</syntaxhighlight>
== postcss-html ==
{{Main|PostCSS/postcss-html}}
* '''機能''': HTMLファイル内に埋め込まれたCSSを処理するパーサーです。HTMLの中でスタイルを管理している場合に有用です。
* '''使用方法''':<syntaxhighlight lang=js copy>module.exports = {
parser: require('postcss-html'),
plugins: [ /* 他のPostCSSプラグイン */ ]
};</syntaxhighlight>
* '''インストール''':<syntaxhighlight lang=shell-session copy>npm install --save-dev postcss-html</syntaxhighlight>
== postcss-jsx ==
{{Main|PostCSS/postcss-jsx}}
* '''機能''': JSX構文を処理するためのパーサーです。ReactのスタイルをJSXコードに埋め込んでいる場合に使用できます。
* '''使用方法''':<syntaxhighlight lang=js copy>module.exports = {
parser: require('postcss-jsx'),
plugins: [ /* 他のPostCSSプラグイン */ ]
};</syntaxhighlight>
* '''インストール''':<syntaxhighlight lang=shell-session copy>npm install --save-dev postcss-jsx</syntaxhighlight>
== postcss-sass ==
{{Main|PostCSS/postcss-sass}}
* '''機能''': Sass構文(SCSSではなく、インデントベースのSass)を処理するためのパーサーです。Sassの構文をPostCSSで処理したい場合に使用します。
* '''使用方法''':<syntaxhighlight lang=js copy>module.exports = {
parser: require('postcss-sass'),
plugins: [ /* 他のPostCSSプラグイン */ ]
};</syntaxhighlight>
* '''インストール''':<syntaxhighlight lang=shell-session copy>npm install --save-dev postcss-sass</syntaxhighlight>
== postcss-atomic ==
{{Main|PostCSS/postcss-atomic}}
* '''機能''': CSSファイルを分割して管理するパーサーです。Atomic CSS(単一責任を持つスタイルルール)を使用して、CSSを分割し、管理しやすくします。
* '''使用方法''':<syntaxhighlight lang=js copy>module.exports = {
parser: require('postcss-atomic'),
plugins: [ /* 他のPostCSSプラグイン */ ]
};</syntaxhighlight>
* '''インストール''':<syntaxhighlight lang=shell-session copy>npm install --save-dev postcss-atomic</syntaxhighlight>
== まとめ ==
これらのカスタムパーサーを使うことで、PostCSSはCSS以外の言語や構文を理解できるようになり、さまざまな形式のファイルを効率的に処理することができます。特定の構文やファイル形式を使いたい場合にこれらのパーサーを選択することで、PostCSSを最大限に活用できます。
{{DEFAULTSORT:PARSER}}
[[Category:PostCSS]]
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PostCSS/プラグイン
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2024-12-13T04:38:35Z
Ef3
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PostCSSのプラグインをカテゴリ別に紹介します。それぞれのプラグインのユースケースと基本的な使用法を説明します。
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wikitext
text/x-wiki
PostCSSのプラグインをカテゴリ別に紹介します。それぞれのプラグインのユースケースと基本的な使用法を説明します。
== レイアウトとスタイリング関連プラグイン ==
=== Autoprefixer ===
* '''ユースケース''': ブラウザ間の互換性を確保するため、ベンダープレフィックスを自動追加
* '''使用例''':
*:<syntaxhighlight lang=css copy>
.example {
display: flex;
}
</syntaxhighlight>
→ Autoprefixerにより、以下のように変換
*:<syntaxhighlight lang=css copy>
.example {
display: -webkit-box;
display: -ms-flexbox;
display: flex;
}
</syntaxhighlight>
=== CSS Modules ===
* '''ユースケース''': CSSのスコープを局所化し、名前の衝突を防ぐ
* '''使用例''':
*:<syntaxhighlight lang=css copy>
.button {
background-color: blue;
}
</syntaxhighlight>
→ ユニークなクラス名に変換され、グローバルスコープを回避
== 最適化とパフォーマンス関連プラグイン ==
=== cssnano ===
* '''ユースケース''': CSSのミニファイと最適化
* '''機能''':
** 空白や改行の削除
** 色の圧縮
** 重複する宣言の削除
=== Clean CSS ===
* '''ユースケース''': CSSファイルのサイズ削減と最適化
* '''特徴''':
** 高度な最適化アルゴリズム
** マージと圧縮
== 変数と関数関連プラグイン ==
=== postcss-custom-properties ===
* '''ユースケース''': CSS変数のサポートと変換
* '''使用例''':
*:<syntaxhighlight lang=css copy>
:root {
--main-color: blue;
}
.element {
color: var(--main-color);
}
</syntaxhighlight>
=== postcss-functions ===
* '''ユースケース''': カスタム関数の定義と使用
* '''特徴''':
** 数学的計算
** 色操作
** 条件分岐
== 互換性と変換関連プラグイン ==
=== postcss-preset-env ===
* '''ユースケース''': 最新のCSS機能を古いブラウザでも使用可能に
* '''機能''':
** 最新のCSS仕様への対応
** ブラウザサポートの自動調整
=== PostCSS Custom Media ===
* '''ユースケース''': メディアクエリの簡素化と変数化
* '''使用例''':
*:<syntaxhighlight lang=css copy>
@custom-media --narrow-window (max-width: 30em);
@media (--narrow-window) {
/* レスポンシブスタイル */
}
</syntaxhighlight>
== その他の特殊プラグイン ==
=== postcss-import ===
* '''ユースケース''': CSSファイルのインライン化とモジュール管理
* '''機能''':
** 外部CSSファイルの取り込み
** 依存関係の解決
=== stylelint ===
* '''ユースケース''': CSSのコードスタイルチェックと品質保証
* '''特徴''':
** コーディング規約の強制
** エラーと警告の検出
== 導入方法の基本 ==
これらのプラグインは通常、以下のように設定します:
:<syntaxhighlight lang=js copy>
const postcss = require('postcss');
const autoprefixer = require('autoprefixer');
const cssnano = require('cssnano');
postcss([
autoprefixer,
cssnano
]).process(yourCss);
</syntaxhighlight>
各プラグインは特定の目的に特化しており、組み合わせることで強力なCSSワークフローを構築できます。プロジェクトの要件に応じて、適切なプラグインを選択してください。
{{DEFAULTSORT:ふらくいん}}
[[Category:PostCSS]]
ew0qcohhgi6v57dxsrhch46y8x9glfo
ヌーキ語/入門編/発音2
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2024-12-13T05:49:18Z
Rhanese
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ページの作成:「== kh == '''kh'''は、有気音化無声軟口蓋破裂音(/kʰ/)であり、息を吐くように「k」を発音することで発音できます。 :例:'''kh'''iri'''kh'''iri(東部方言) … ぐるぐる回る == ng == Ngは成節子音の成節子音の有声軟口蓋鼻音(/ŋ̩/)であり、考えている時の「んー」のような音です。 :例:khuǁ’'''ng''' (起きる、起床する) == q/kq == '''q'''または'''kq'''は、無声口蓋…」
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wikitext
text/x-wiki
== kh ==
'''kh'''は、有気音化無声軟口蓋破裂音(/kʰ/)であり、息を吐くように「k」を発音することで発音できます。
:例:'''kh'''iri'''kh'''iri(東部方言) … ぐるぐる回る
== ng ==
Ngは成節子音の成節子音の有声軟口蓋鼻音(/ŋ̩/)であり、考えている時の「んー」のような音です。
:例:khuǁ’'''ng''' (起きる、起床する)
== q/kq ==
'''q'''または'''kq'''は、無声口蓋垂破裂音(/q/)であり、日本語の「ん」を発音する場所で「か」を発音することで発音できます。
:例:'''q'''uaqî (とてもお腹が減る)
:ʘx'oba'''kq'''osi(カメムシ)
== ts ==
'''ts'''は無声歯茎歯擦破擦音を表し、日本語の「つ」を「た」を発音する場所に触れながら発音させることで発音できます。<ref group="脚注">日本語の「つ」は/t̻͡s̪/であり、発音場所が少し異なる。</ref>
[[File:Voiceless alveolar sibilant affricate.oga|thumb|無声歯茎歯擦破擦音]]
:例: '''ts'''âa (ブチュの粉)
::'''ts'''aaqm(杖)
== f ==
'''f'''は、無声唇歯摩擦音(/f/)であり、下唇を上歯で隙間を作って息を吹き込むことで発音できます。
:例:'''f'''otosi (写真、アフリカーンス語のFotoから。)
== 脚注 ==
<references group="脚注"/>
== 出典 ==
#Shah, S. & Brenzinger, M. (2016). [https://open.uct.ac.za/server/api/core/bitstreams/eff77f15-54d4-4053-a2b2-f65e91cb9256/content Ouma Geelmeid ke kx’u ǁxaǁxa Nǀuu]. Cape Town: CALDi, University of Cape Town.
#Miller, Amanda L., Johanna Brugman, Bonny E. Sands, Levi Namaseb, Mats Exter and Christopher M. Collins. “[https://bpb-us-w2.wpmucdn.com/u.osu.edu/dist/4/25187/files/2016/01/Miller_Brugman_et_al_2007_WPCPL16-25d3ve3.pdf The Sounds of Nǀuu: Place and Airstream Contrasts.]
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